【ブラック部活】暴言や体罰などの部活動の顧問によるパワハラと裁判例

 

部活 パワハラ

表面化しないブラック部活でのパワハラ

部活動では、仲間との協力関係や上下関係、コミュニケーション能力、目標到達の達成感など、学生のうちに身につけておきたいあらゆる力を身につけることができます。

しかし、そんな部活動の場面では顧問教師、コーチや監督等による「差別」「ひいき」「いじめ」「体罰」「暴力」などが、教育の一環として黙認されているケースがあるいうのもまた事実です。

近年になって、会社におけるパワハラが事例として取り上げられることは多くなりました。

しかし、最近では一時「ブラック部活」というニュースが少しだけ話題になったぐらいで、学校、特に中学、高校、大学の部活動におけるパワハラはまだまだ表面化しておらず、先生が絶対権力として学生を圧迫しているにも関わらず、その行為が教育という名のもとに正当化されてしまいがちです。

学校の中の部活動というコミュニティは社会全体からみればとても小さな単位ですが、生活の大部分を占める学生にとっては、そこで継続的にハラスメントを受けるという状態は心身の大きな負担となります。

学生という弱い立場であるために反抗することもできず、不登校や自殺に追い込まれているという学生もいます。

学校での部活動におけるパワハラは、社会全体で考えるべき問題といえるでしょう。

体罰等の許されない指導と考えられるものの例

学校でのパワハラが問題となっていることをふまえ、文部科学省は平成25年『運動部活動の在り方に関する調査研究報告書』を取りまとめました。

そして、「体罰等の許されない指導と考えられるものの例」として以下のようなものが挙げられました。

運動部活動での指導において、学校教育法、運動部活動を巡る判例、社会通念等から、指導者による下記のような発言や行為は体罰等として許されないものと考えられます。
また、これらの発言や行為について、指導者と生徒との間での信頼関係があれば許されるとの認識は誤りです。
指導者は、具体的な許されない発言や行為についての共通認識をもつことが必要です。

○殴る、蹴る等。
○社会通念、医・科学に基づいた健康管理、安全確保の点から認め難い又は限度を超えるような肉体的、精神的負荷を課す。

(例)
・長時間にわたっての無意味な正座・直立等特定の姿勢の保持や反復行為をさせる。
・熱中症の発症が予見され得る状況下で水を飲ませずに長時間ランニングをさせる。
・相手の生徒が受け身をできないように投げる、まいったと意思表示しているにも関わらず攻撃を続ける。
・防具で守られていない身体の特定の部位を打突することを繰り返す。
○パワーハラスメントと判断される言葉や態度による脅し、威圧・威嚇的発言や行為、 嫌がらせ等を行う。
○セクシャルハラスメントと判断される発言や行為を行う。
○身体や容姿に係ること、人格否定的(人格等を侮辱したり否定したりするような) な発言を行う。
○特定の生徒に対して独善的に執拗かつ過度に肉体的、精神的負荷を与える。

上記には該当しなくとも、社会通念等から、指導に当たって身体接触を行う場合、 必要性、適切さに留意することが必要です。

なお、運動部活動内の先輩、後輩等の生徒間でも同様の行為が行われないように注意を払うことが必要です。

引用元:文部科学省「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」

以上の行為は全てパワハラ、または体罰と捉えられる違法性のある行為です。

実際に手をあげることはなくても、肉体的に長時間正座をさせたり、威圧的態度で精神的に生徒を追い込んだりしてはいけないとされています。

これは、会社におけるパワハラの基準とほとんど同じだといっていいでしょう。

部活動でのパワハラによる裁判例を見てみよう

ここで一つ、クラブ活動におけるトラブルの裁判例をご紹介します。

直接的な体罰を与えたわけではありませんが、部活動における指導者の権力を利用し、強制的に練習を続けさせた結果、生徒を死なせてしまったとして、刑事訴訟問題となった事例です。

真夏の炎天下での練習中に生徒が熱中症により死亡した事案 《刑事事件》
(横浜地裁川崎支部平成14年9月30日判決)

【事件のあらまし】
市立中学校野球部の顧問教諭が、真夏の炎天下で、2時間以上にわたるノック練習の終了後、約5分間の給水休憩を取らせただけで、持久走を実施させ、その途中で生徒が熱中症の症状が出始めていたことに気付かず、意識を失い転倒した時点で初めて熱中症に罹患したことを知り、処置の遅れにより生徒を死亡させた事故について、業務上過失致死傷罪が成立するとされた。

【判決のポイント】
○真夏の炎天下で部の活動を行うに当たり熱中症の発生を予防するとともに、部員に熱中症が生じた場合には迅速かつ適切な措置を執れるような態勢で指揮監督し、部員の健康保持に留意すべき注意義務があるのにこれを怠った結果、部員のうち1名をして熱中症に罹患させた上、その症状が現れた時点でこれに気付かず、その対処が遅れたため、 同部員を熱中症に起因する多臓器不全による出血性ショックで死亡させた業務上過失致死の事案である。

○ 体力的に十分な成長を遂げているとはいい難い中学生の部活動の指導を託された者として、その注意義務の懈怠は、厳しく非難されても仕方がない。

引用元:愛知県教育委員会

この裁判は求刑罰金50万円に対し、判決は、罰金40万になりました。

コーチ、監督からの、パワハラに遭ったらこうしよう

学校の部活動でパワハラに遭ったら、まずは身近にいる家族や友達、信頼できる先生に相談してみましょう。

同じ部活動内の友達だと、たとえ本気で悩んでいたとしても指導者の悪口程度に話が終わってしまい、根本的な解決策を得ることは難しいので状況を客観的に判断してくれる第三者に話を聞いてもらうことをおすすめします。

また、「身近な人には相談しにくい」、「コーチや監督にバレることが怖い」などという人は、学校カウンセラーや外部の相談機関にあたってみるものいいでしょう。

こちらはそのような相談のプロなので、あなたの置かれている状況を理解し、きっと的確なアドバイスや対応策を提示してくれるでしょう。

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弁保社長

弁保社長

慶應義塾大学卒業後、大手エネルギー関連企業、ベンチャー企業の取締役を経て、2014年に弁護士保険募集代理店として㈱マイクコーポレーションを創業。 幼少期をアメリカで過ごし、訴訟リスクについて親友の父(弁護士)より学ぶ。 自身の離婚経験、友人の相続トラブル、後輩の勤務先企業からの不当解雇など身の回りで弁護士に依頼をした事例が多数起こり、日本での訴訟リスクの高まりと弁護士費用保険の必要性を感じたことをきっかけに、「誰もが小さなトラブルでも気軽に弁護士に相談できる社会」を目指し、広く日本初の弁護士費用保険である「Mikata」の普及促進を図っています。(さらに詳しいプロフィールはこちら
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