内容証明郵便を弁護士に任せた場合の費用と自分で出す場合の手順

 

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この記事の執筆者

島野 由夏里(弁護士)

内容証明を弁護士に任せた場合の費用と自分で出す場合の全手順
トラブルに巻き込まれた場合は、内容証明郵便を使うとよいという話を耳にしたことがある方は、少なくないと思います。

ただ、実際にどうやって作成すればいいのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、内容証明郵便とは何か、また作成方法や弁護士に頼んだ場合の費用等について解説いたします。

そもそも内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、郵便局にて、当該郵便物の内容である文書の内容を証明するものです。

すなわち、通常の手紙(普通郵便)では、その内容は、送り主と受け取った人しかわかりませんが、内容証明郵便の場合は、その内容について、郵便局が差し出し日から5年間保存して証明してくれます。

また、内容証明郵便を送付する場合には、郵便局が相手方に当該郵便物が配達されたことを証明する配達証明をつけると、相手方に配達された日時が記録に残ります。

内容証明郵便に配達証明をつけることによって、当該文書の内容とそれが相手方に配達された日時を証明することができます。

そこで、何かしらの意思表示を行い、それが相手方に到達したことの証拠を残しておきたい場合、配達証明付き内容証明郵便にてその文書を送付すれば、その目的を達せます。

内容証明郵便を利用するケースと法的効力

内容証明郵便を利用するケース

前述のように、配達証明付き内容証明郵便は、文書の内容、配達日時が記録として残るため、自分がこのような書面を送ったことやその到達日時を証拠として残せるという点に意味があります。

例えば、他人にお金を貸していて、返してもらいたいと考えているが、既に貸してから一度も返済がなく、10年が経過しようとしているような場合、請求の意思表示をすれば、これが時効の中断事由である請求(民法第147条1号)に当たり、時効期間をリセットさせることができます(ただし、その後6か月以内に裁判上の請求等をしなければ、時効の中断効は失われます(民法第153条))。

この場合、後に訴訟で、借り主から時効の主張をされた場合、貸し主は、時効が中断していることを証明しなくてはなりませんが、前述の請求の意思表示を配達証明付き内容証明郵便にて行っていれば、貸し主が、請求の意思表示(内容)を行い、それがいつ借り主に到達したかを証明する記録が残ることになります。

内容証明が有効なケース

・債権の消滅時効を中断したい時

・債権を放棄する時

・債権を回収する時

・契約を解除する時

・債権譲渡の通知

・相手が約束を守らない時

・相手の考えをさぐりたい時

法廷効力はないが付随的効力が重要

配達証明付き内容証明郵便は、その内容自体に法的効力(強制力)があるわけではありませんが、前記のような意思表示の内容や到達時期についての証拠となるという意味があります。

特に弁護士に依頼せずご自身で請求等をする場合、法的には内容証明郵便での送付の必要がない場合でも、利用する方もいらっしゃいます。

これは、相手方に対して心理的プレッシャーを与えることに狙いがあり、受け取った人が、「このまま放置していたら、訴訟を起こされるかもしれない。」という気持ちになることによって、要求に応じることを目的としています。

※関連記事→「内容証明を無視したら・無視されたらどうなるのか

内容証明郵便を受け取る人

内容証明郵便は、それ自体に強制力はないが、
相手にかなりの心理的動揺を与える

内容証明郵便を自分で作成する場合

内容証明郵便の書き方

内容証明郵便を作成するのに、ご自身で書かれる場合もあります。

内容証明郵便は、文章の形式が決まっていますので、注意が必要です。まず、差出人と受取人を記載しなくてはなりません。以下に例をあげます。


〒100-0001 
東京都千代田区千代田一丁目1番1号
  ○○○○ビル501号
  吉野 太郎 様

催告書

 私は、あなたと平成28年8月1日に協議離婚しました。
 その際、あなたは長男である翔太の成人まで養育費として毎月3万円を私指定の銀行口座に月末まで入金することを約束し、私に念書を提出しています。しかし、昨年の○月から1度も養育費の入金がありません。
 本書面到達後1週間以内に、昨年○月から先月分までの○ヶ月分合計●万円を私指定の口座にご入金ください。万一ご入金がない場合は、法的手続きを取る所存であることを、念のため申し添えます。

                〒271-0046   
                千葉県松戸市○○150番地
                龍田 佳子   ○印

また、文書の方式についてですが、横書きの場合、1行当たり26文字以内、1枚に20行以内で、縦書きの場合、1行当たり26文字以内、1枚に20行以内で作成する必要があります。

仮名、漢字、数字のほか、固有名詞に関するローマ字、括弧、句読点、一般記号が使用できます。句読点や括弧についても一文字分として扱われることに注意してください。

文字を訂正、挿入、削除する時は、その字数及び箇所を欄外に記載して押印する必要があります。「加入1字」「削除5字」等と書きます。

内容証明郵便の文書が2枚以上になる場合、割印が必要になります。

※詳しいルールやケース別の書き方については、「【ケース別テンプレートあり】内容証明郵便の書き方とルール」にてご確認ください。

内容証明郵便の提出方法

内容証明郵便を出せる郵便局は、決まっており、小さな郵便局では取り扱っていないことが多いので、事前に内容証明郵便取扱郵便局か否かを確認しておいてください。

内容証明郵便については、送付する郵便の他、2通、すなわち全部で3通の文書を持っていく必要があります。

郵便局で係員が内容を確認し、3通が同じ内容であることが確認できた場合は、郵便局が、それぞれに差出年月日及び内容証明郵便であることの記載のあるスタンプを押してくれます。

このとき、訂正の必要がある可能性があるので、必ず印鑑を持っていきましょう。

郵便局員が内容確認後、郵便局が1通を保管、1通は差出人に戻します。

もう1通を、郵便局員の目の前で、持参した封筒に納めて封をし、郵便局員に渡します。

これが、受取人の元へ郵送されるものとなります。

内容証明郵便を提出する際は、必ず、郵便局員に対して、「配達証明をつけてください。」と伝えてください

そうでないと、差し出した手紙の内容は証明できても、手紙がいつ相手に届いたのかという証明ができません。

また、確実に本人に届けせる方法として、「本人限定受取」というオプション(+100円)があります。

このオプションサービスを利用することにより、内容証明郵便の受取人に身分証明等の提示を求め、受取人本人だと確認された場合に交付し、本人確認ができなければ、郵便局に戻されるという流れになります。

内容証明郵便送付の費用

内容証明郵便の料金としては、定形内郵便だとすると、基本料金82円のほか、1枚の場合は430円がかかります。

1枚増えるごとに260円が加算されます。内容証明郵便は、書留郵便扱いになりますので、書留料金430円が必要です。

さらに、配達証明をつけるのに、310円がかかります。

例えば、定形内で2枚に及ぶ配達証明付き内容証明郵便を送る場合、1512円(82円+430円+260円+430円+310円)がかかります。

内容証明郵便の作成を弁護士に依頼する場合

内容証明について弁護士に相談する人  

内容証明郵便作成の依頼

内容証明郵便の作成について、弁護士に相談した方が良いケースもあります。

内容証明郵便を送りたいという場合は、何かしら一定の法的な意思表示が必要な場合である可能性が高いのですが、その意思表示としての文書を代理人として作成できるのは、弁護士のみです(請求額140万円以下の場合、認定司法書士も可能です)。

弁護士に作成を依頼した場合、その後訴訟になった場合の見込み等についてもアドバイスをもらえること、後の交渉や訴訟も見越した上で、文書を作成してもらえることがメリットです。

内容証明郵便を、本人又は弁護士資格のない素人が作成し送付した後に、弁護士に相談をされた場合、内容証明郵便の内容が適切でなく、取り返しの付かないことになるケースもありますので、注意を要します。

弁護士に内容証明の作成を依頼した時の費用

とはいっても、弁護士に依頼するには、費用がかかるというのを心配される方もいらっしゃると思います。

①弁護士が内容証明郵便作成のみを受任する場合
これは、弁護士名は出さず、弁護士が作成した文書を、本人が本人名義で内容証明郵便として送付する形です。

弁護士費用は、事務所によって様々ではありますが、定型的でシンプルな内容であれば、3~5万円程度で弁護士に内容証明郵便作成を依頼することが可能と思われます。

②弁護士が代理人として交渉に当たることを前提に、内容証明郵便を作成、送付する場合
内容証明郵便作成に5~10万円程度の費用がかかると思われます。

この場合は、内容証明郵便の中に、弁護士が代理人である旨を明記し、弁護士が交渉代理を行うので、本人には連絡をしてはならない旨を記載します。

ただ、弁護士が代理人として、内容証明郵便を送付した場合、受取人からの連絡が弁護士の方に行き、その後の交渉等についても、弁護士がそのまま代理となることになるので、その部分につき、別途着手金や手数料がかかってきます。

この着手金や手数料の金額については、ケースバイケースになりますが、交渉が長くなるようなケースであれば、弁護士費用は数十万となる場合もあります。

請求額や内容についても含めて、弁護士に相談し、弁護士に代理を依頼すべき事案か、受取人が反論や交渉をしてくる場合、自身で行わなくてはならないリスクを考えても弁護士費用をかけるべきではない事案かについても、検討すべきと思われます。

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島野 由夏里(弁護士)

島野 由夏里(弁護士)

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、2003年司法試験合格。弁護士として活動後、ケンブリッジ大学ELM修了。2011年4月千葉県松戸市に島野ゆかり法律事務所開設。「女性弁護士による丁寧できめ細かな対応」「クライアントの利益重視」「解りやすい説明」「経過報告」「迅速対応」「秘密厳守」をモットーにし、家事事件(離婚・相続など)や・一般民事事件(交通事故など)の案件を中心に弁護士活動を行っている。事務所ホームページ→島野ゆかり法律事務所
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