訪問販売の撃退方法と使用後でもクーリングオフが適用されるケースとは

 

テクノロジーの普及と共に、詐欺師の手口も巧妙化しており、最近ではオレオレ詐欺やネットを介しての架空請求による詐欺などをテレビや雑誌でよく耳にしますね。

このような“オンライン”での詐欺に対しては危機意識も高まっており、対策をされているご家庭も多いでしょう。

一方で、日中の自宅における“オフライン”の危機管理はいかがでしょうか?昔ながらの手口ではありますが、オンライン上での詐欺に隠れ、オフラインでの詐欺や悪質な訪問販売による被害も頻繁に起きています。

消費者庁の調査によれば、消費者からの相談のうち、ここ5年間で訪問販売に関する相談の割合はやや減っているそうですが、相談件数でみてみるとほとんど減っていないそうです。

つまり、単に“オンライン”での被害が増えたというだけで“オフライン”での被害が減ったわけではありません。

今回はそんな“オフライン”での被害での被害を防ぐべく、事例や、損をしないための制度についてご紹介させて頂きます。

訪問販売ってそもそもどんな物を売りつけられるの?


みなさんは訪問販売と聞いて何を思い浮かべますか?

普段お仕事をされている方だと日中は家を空けることも多く、あまり訪問販売の実態についてご存じない方もいるのではないでしょうか。

「訪問販売で買っちゃいけない物さえ押さえておけば被害に遭わない」なんて安易な考えは禁物です。

古くは富山県の置き薬から始まった訪問販売ですが、現在では住宅に関する設備やシロアリ駆除、新聞や健康用品、化粧品、布団と販売商品は多岐にわたります。

この全てが悪徳業者というわけではないため、気づかぬうちに悪質な訪問販売に引っかかってしまっているケースも見受けられます。

例えば電話料金やインターネット回線の通信料が安くなるといったケースなんかはよく聞くのではないでしょうか。

個人事業主が訪問販売でリース契約をしてしまったケース

1つ実際の事例をお話しましょう。

個人事業主のAさんは電話機のリース契約をB社と結んでいました。

すると他の業者であるC社からリース契約の訪問販売を受けたのです。

その際、C社の販売員は「これまでより電話代を安く出来る」、「このままだと今の電話は使えなくなる」など告げられ、その場で高額な電話機のリース契約を結んでしまいました。

元々契約していたB社のリース契約に関しては、C社側で解約まで済ませておくという話でした。

しかし、よくよく調べてみるとC社側との契約は解除されておらず、B社からの請求額に関してもC社にこれまで支払ってきた金額より高いものとなっていたのでした。

このような気づかぬうちに巧みに騙され、契約させられてしまっているケースは多く見受けられます。

訪問販売の怖さは対面であること!訪問販売の被害を防ぐ法律って?

訪問販売の最大の怖さは逃げ場のない状況において対面で営業を受けるという点でしょう。

例えば、オレオレ詐欺や架空請求はその場で判断を求められるケースはあまりありません。

一方で訪問販売ですと、扉を開いてしまった時点で、自宅という逃げ場の環境における販売員からの営業は始まります。

そして、悪質な訪問販売は言葉巧みな営業で主婦や老人に契約までその場で結ばせてしまうのです。

この対面で即決を求められる性質に対して、特定商取引法という法律を設け、悪質な訪問販売から消費者を守るための制度が整えられています。

特定商取引法は大きく分けて行政規制と民事ルールの2つが定められています。

行政規制では事業者のそもそものあり方について規定されており、民事ルールでは消費者と事業者のトラブル防止及び消費者への救済措置を規定されておりのです。

行政規制

行政規制としては勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることを予め消費者に告げることや虚偽の説明及び、値段や支払い条件といった重要事項を告知することを義務付けています。

民事ルール

民事ルールにおいては、消費者が契約後に書面を受け取ってから8日間返品が可能となる“クーリングオフ”制度や、中途解約を行った際に事業者が消費者に請求できる損害賠償額の上限設定を規定しています。

8日過ぎた使用済み商品でもクーリングオフが出来るってホント?

前述した“クーリングオフ”制度ですが、実は8日間の返品期限を過ぎても行うことが出来るってご存知でしたか?

今回は悪質な訪問販売に対し、泣き寝入りしないためにも8日間を過ぎた商品をクーリングオフ出来た実話を基にご紹介させて頂きます。

専業主婦のNさんがある日いつものように家事をしていると、自宅に男性が2人訪ねてきました。

男は「水道局から来ました」と挨拶し、「どの家庭にも浄水器を備え付けることに決まりました」とNさんに言ったのでした。

普段水道の検診に来る人とそっくりの制服だったため、Nさんはてっきり水道局の人だと思い、2人を家に入れたのでした。すると、男たちはすぐに台所に上がり込み、浄水器を取り付けたのでした。

この際、費用などの説明はなく、すべての家庭に浄水器を取り付けると聞いていたため、Nさんは無料だと思っていました。

しかし、工事が終わると男たちは35万円もの金額を請求してきたのでした。全ての家庭に浄水器を備え付けるという話を信じていたNさんは男たちに言われるがままにローン申込書にサインし、契約を結んでしまったのでした。

Nさんは仕事から帰宅した旦那さんにこの話をし、旦那さんから点検商法に騙されたのではないかと指摘され、そこで初めてその可能性を疑ったのでした。

水道局に確認してみると、案の定、水道局から浄水器を売るということはなく、悪質な訪問販売だと判明しました。

そこで、クーリングオフを行おうと業者に連絡をとったのですが、業者は既に施工後であるとクーリングオフは受け入れられないと跳ね除けたのでした。

Nさんは販売員が虚偽の申告をしたと追求した所、販売員に確認した上で、事実であれば解約に応じるという結論となり、Nさんはその連絡を2,3日待つこととなりました。

しかし、販売員と連絡がついたのは浄水器の取り付けから10日目になってのことでした。

販売員は「もうクーリングオフ期限の8日を過ぎているので、クーリングオフは出来ない」とNさんの申し出は冷たくあしらわれてしまいました。

Nさんから弁護士の知人に相談してみた所、「特定商取引法が改正されて、業者がクーリングオフを邪魔した時にはその後も一定期間クーリングオフが出来る。」と、その場で解約する旨の内容証明の文面まで用意してもらい、解約をすることが出来たのでした。

このように法律に関して、しっかりとした知識があればこのような悪質な訪問販売に騙されることはありません。

ここからは特定商取引法におけるポイントや、そもそも悪質な訪問販売に引っかからないための方法をご紹介させて頂きます。

特定商取引法のポイントと悪質な訪問販売にだまされない方法って?

まずは契約をする前のポイントからご紹介させて頂きます。

訪問販売の話を聞く際にはまず会社名や身分をしっかりと尋ねましょう。

前述したように行政規制としては勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることを予め消費者に告げることが義務付けられています。

悪質な訪問販売はこれを怠る業者が多いのです。

また、契約をする前に契約書に契約日の記載があるか確認する、事前に家族などへの相談を経てから契約をするルールを設けるなど注意しておくと悪質な訪問販売によるトラブルに巻き込まれずに済むでしょう。

また、訪問販売を追い返したい場合には明確に「いりません!」という意思表示をしましょう。

特定商取引法では業者は消費者から明確な断りの意思表示を受けた後に、更に勧誘する行為は違法となるのです。

次にケース別に契約をしてしまった後の対応について押さえておきましょう。

①必要量を大幅に超える商品を売りつけられた場合

訪問販売での通常必要とされる量を著しく超え、過量販売を行うと行政処分の対象となります。

これは消費者への配慮義務を書いた行為と判断され、契約後でも1年間は解除することが出来るのです。

②商品を使ったが、虚偽の説明や販売員からの脅迫行為、クーリングオフに対する妨害行為があった場合

前述したように、特定商取引法では業者からの虚偽の説明及び、値段や支払い条件といった重要事項を告知することを義務付けています。

これを守らず、虚偽の説明や販売員からの脅迫行為、クーリングオフに対する妨害行為があった場合には8日間の期限を過ぎてからもクーリングオフによる契約解除が可能となるのです。

Nさんのケースもこれに当たり、業者によるクーリングオフに対する妨害行為が行われたために8日間のクーリングオフ期間を過ぎてからもクーリングオフを実現することが出来たのです。

「訪問販売はお断り!」ステッカーは効果がない?

訪問販売の撃退方法の一つとして、ステッカーがあります。「訪問販売はお断り!」というよく見るアレですね。

このタイプのステッカーはほとんどの場合法的な抑止力もなく、「思ったほどの効果がなかった」という声がほとんどです。

訪問営業マンからしても、見慣れすぎでほとんど気にしていないことでしょう。

弁護士保険ステッカーで訪問販売を撃退!

弁護士費用保険Mikataに加入するともらえる弁護士保険ステッカーというものがあります。

これが悪意のある訪問販売の抑止力になり、実際に「家の玄関にステッカーを貼ると訪問販売が減った」といった声も寄せられています。

まとめ

いかがでしたか?

今回ご紹介したような“オフライン”での危機管理はあなたのご家庭を守るために重要な事です。国においても法の改正や、クレジット業者による消費者への訪問販売に関する調査などを義務付けるなど悪質な業者の排除に向けて様々な手を打っています。

こうした知識さえしっかりと身に着けていれば、Nさんの事例のように、悪質な訪問販売に泣き寝入りすることもなくなるでしょう。

あなたのご家庭においてもこの機会に一度見なおしてみてはいかがでしょうか?

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山根浩

山根浩

フリーライター。東京都生まれ。2008年よりインターネットメディアを中心に法律、スポーツ、健康といった幅広いジャンルで執筆活動を開始。2010年以降は法律ジャンルに特化し、離婚、相続、交通事故、近隣トラブル、職場トラブルといった身近な法律トラブルに関する執筆を多く担当している。
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