離婚調停不成立の場合の選択肢と離婚訴訟の提起の仕方

 

離婚調停は必ず成立で終わるわけではありません。

いくら裁判官や調停委員がお互いのバランスを取りながら進めていても、当事者同士が合意できないことには離婚調停は不成立となってしまいます。

では、調停不成立となってしまった場合、次はどのような手続きに進めばよいのでしょうか。

今回は、調停が不成立となってしまった後の進め方についてご説明します。

離婚調停にやり直しはあるの?

まず、離婚調停の場合、一度不成立となってしまえばそれを取り消すことはできません。

再度調停を申し立てるという方法もあるにはありますが、一度不成立となっていますので、果たして意味のあるものになるか疑問ではあります。

通常、審判や裁判の場合、抗告や控訴といって不服を申し立てることができるのですが、調停においては不服を申し立てることはできません。

不成立として裁判所から不成立証明が作成されてしまえば、この件の調停手続きについては完全に終結となってしまいます。

もちろん、調停が不成立となる場合は、事前に裁判官から当事者に確認がありますのでいきなり終結されることはありません。

話し足りないことがあれば必ず調停の場で話し合っておきましょう。

離婚調停が不成立後の選択肢2種類

次に、離婚調停が不成立となった後に考えられる選択肢についてです。

これは大きく2つに分けられます。

①当事者間で再度協議をする
②離婚訴訟を提起する

例外として審判離婚という手続きに進むこともありますが、この夫婦は離婚させたほうがお互いのためになると裁判官が判断した場合に限ります。

しかし、審判離婚というのは非常にめずらしい例で、裁判官もあまり好まない傾向があり、ほとんど審判離婚がされることはありません。

離婚手続きの中でも例外に該当しているといってもいいです。

といっても審判がすべて例外と言うわけではありません。

婚姻費用の分担養育費については離婚とは違い、裁判までやっていると時間がかかってしまいます。

あまり時間がかかってしまいますと、当事者や子どもの生活自体に支障が出かねないので、調停内で合意に至らない場合は、審判にて決定が出されることが多いです。

離婚調停不成立後の協議離婚

離婚調停不成立後の協議離婚調停不成立後は、当事者間で再度の協議をすることにすればお金もかかりませんし、協議で円満に解決できるのであればそれが一番いいことです。

調停委員からのアドバイスをもとに、お互いもう一度冷静になって話し合うことができれば、協議離婚が成立する可能性も十分にあります。

しかし、調停内でいくら話し合っても合意に至らなかったわけですから、最終的にはまとまらないケースの方が多いようです。

離婚調停不成立後の離婚訴訟

仲裁に入る者が誰もいませんので、さらに関係が悪化してしまうことも懸念されます。

そうなってしまえばもう裁判による離婚しかありません。

離婚訴訟を提起するとなれば、弁護士がつくかつかないかでその後の手続きへの影響が大きく違ってきます。

今までは調停による話し合いがメインでしたが、訴訟となれば証拠が何よりも大事になってきます。

さらに、訴状をはじめ裁判所へ提出する書面については、個人の主観だけではなく、争点を明確にした上で法律条文や判例にそった合理的な主張をしていかなければなりません。

それらをすべて自分でやろうと思うと、調停とはまったく別次元の苦労が伴います。

もちろん本人訴訟がまったく無謀であるというわけではありませんが、どうしても自分に有利な判決を出そうと思うと、相応の知識が必要になってしまいます。

その点において、法律の専門家である弁護士がついているといないとでは大きな差が出てきてしまうのです。

しかしながら、弁護士に依頼をするとなると費用がかかってしまいます。

現在は無料法律相談を実施している法律事務所も多いですし、市が行っている無料相談や法テラスという司法援助をしている国の機関を利用するといった方法もあります。

弁護士といっても数多くいますし、それぞれに得意分野もありますので、依頼をする場合は費用対効果も考えて慎重に選ぶようにしましょう。

※関連ページ→「離婚裁判の流れや期間と弁護士費用を実例とデータを交えて解説

離婚訴訟の提起の手順

では、どういった順序で訴訟提起をすればよいのでしょうか。

まずは調停が不成立となった旨を証明する、調停不成立証明書を裁判所に交付してもらいましょう。

離婚は家事手続き上の調停前置に該当していますので、訴訟提起の前に必ず調停をはさまなければなりません。

管轄の関係で調停を申し立てる裁判所と、訴訟提起する裁判所が別になることもありますので、必ず調停不成立証明書を交付してもらいましょう。

この書面の提出をもって、調停をすでに終えていることを証明することができます。

訴訟へ移行する場合は、訴状に添付する関係で、一度取った戸籍謄本等を再度取得しなおさなければなりません。

この手間をはぶくために、裁判所への調停申立時に原本還付の申請をしていると、戸籍謄本等の原本を返してもらうことができます。

調停申立時に原本還付申請をすでにしているのが手続きとしては一番良い形ではありますが、調停終了前であれば応じてくれる裁判所もありますので、担当書記官に聞いてみましょう。

原本還付申請をするときは戸籍謄本の写しを申請書に添付し、添付した写しが原本の写しと相違ない旨を記載し、申請者の記名押印があれば受け付けてもらえます。

決して難しい申請ではありませんし、戸籍謄本を再度取得するのもお金がかかってしまうことなので、原本還付申請はできるときにしておきましょう。

調停での話し合いでお互いの合意が見込めなさそうな場合や、話し合いが平行線になってきた場合に前もって申請をしておけば後々のためになるかもしれません。

まとめ

離婚調停の不成立は、離婚について再考するきっかけともいえます。

裁判離婚をするのであれば、どうしても時間がかかってしまいますし、また精神的な苦痛を強いられることにもなります。それにお互い弁護士をたてるとなればお金だってかかってしまうのです。

調停でまとまらなかったお互いの意見を再度の協議でまとめるというのは難しいことかもしれません。

しかし、後にはもう裁判離婚しか残っていないことを十分考慮した上で、今後についての判断をするようにしましょう。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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