離婚審判の結果に不服申立てはできるのか

49912b9e114d893e194d7be513639852_s.jpg離婚調停が不成立になってしまった場合、一部は審判によって結論が出されることがあります。

たとえば、調停時に養育費親権について話し合われていた場合、子どもの健全な発育のためにも早期解決を必要とし、審判によって結論が出されることもあるのです。

現在はほとんどありませんが、過去には離婚の成立自体が審判によって下されることもありました。

では、このような経緯で出された審判の結果に、どうしても納得できない場合はどうすれば良いのでしょうか?

異議を申し立てることはできるのでしょうか?

離婚調停と離婚審判は担当の裁判官が一緒

まず、審判の不服申立てについて検討する前に、審判を下す裁判官について知っておきましょう。

原則として、調停と審判を担当する裁判官は同一人物です。

ということは、不利な調停を強いられていて、その内容を裁判官や調停委員に促されていた場合、結局は審判でも同じ結論が出されるのではないか?と感じられます。

裁判官は必ずしも調停に出席しているわけではありませんが、調停委員を経由し、事件のあらましは知っていますし、もちろん調停の記録にも目を通しています。

よって、調停委員が調停条項案を作成するとなれば、そこには裁判官の見解も含まれているのです。

この調停条項案に納得できないから調停は不成立になったというのに、同じ裁判官によって審判が下されるのであれば、結果は目に見えて明らかです。

離婚審判の決定に不服を申し立てることは可能

上記のような理由もあり、審判による決定を強制的に認めざるを得ないような仕組みにはなっていません。

審判決定には不服申立てをすることができるのです。

また、審判に移行された際、さらなる書面の提出も認められています。

ここで裁判官の判断を動かすことができれば、たとえ調停で不利な状況だったとしても、審判で逆転といったことは十分に考えられます。

つまり、調停にて納得できない調停条項案が作成されていた場合は、それを覆すだけの内容を書面や証拠を用いて提出できれば、審判の結果は変わる可能性があるということです。

審判が出される前であっても抵抗は可能なのです。

審判決定には即時抗告で対応する

また、上記で触れたように、審判決定には不服申立てが出来ます。

これを「即時抗告」といい、審判の結果を送達された日から2週間以内に裁判所に出さなければなりません。

さらに言えば、審判というのは下されただけで効力が生じることはなく、即時抗告がなされなかった場合に初めて確定し、法的な拘束力が生じることになります。

よって、2週間以内であれば、まだ審判決定に従う必要はないということ。

この間に、即時抗告をするか否かを検討すればいいのです。

即時抗告するとどうなる?

審判決定に即時抗告をすると、家庭裁判所にあった事件記録は高等裁判所へと移送されることになります(即時抗告は元の裁判所にする)。

その後、高等裁判所が即時抗告の理由は妥当と判断すれば、「審判に代わる裁判」を行うことになり、さらなる主張と証拠を提出しながら、再度の審理が行われるというわけです。

つまり、調停や審判とは別の裁判官が担当することになるため、また違った結果が出される可能性は十分に考えられます。

とはいえ、即時抗告をしたからといって必ずしも審判に代わる裁判に移行されるとは限りませんし、審理の内容によってはさらに不利になってしまうことも考えられるため、即時抗告は慎重な判断のもとに行う必要があります。

即時抗告は弁護士に相談を

上記のように、即時抗告は必ずしも自身に有利になるわけではありません。

可能な限り事前に弁護士に相談し、即時抗告の見込みについて検討してもらいましょう。

また、実際に即時抗告をする場合、裁判への移行も想定し、予め弁護士に依頼しておくというのも1つの方法でしょう。

裁判となれば、協議や調停とは違い、裏付けのある証拠と主張を積み重ねていかなければなりません。

少しでも良い結果を出したいのであれば、裁判のプロである弁護士に依頼することも選択肢の一つとして考えてみましょう。