離婚調停の期間と平均何回で成立してる?最短と最長の目安

離婚調停には具体的にどの程度の期間を有するのでしょうか。

実際に離婚調停を検討されている方や離婚調停の申立をされた方も、離婚調停にはどの程度の期間を有するのかということは、とても気になる点でしょう。

そこで今回は、離婚調停の期間について、ご説明のほうをさせていきただきたいと思います。

こんな疑問にお答えします

Q.離婚調停の回数は大体何回でしょうか?

A.離婚調停の期間はケースバイケースです。早ければ1回目、2回目で成立となることもありますし、必要があれば5回、6回、多ければ10回以上も期日が設けられる場合もあります。
離婚調停をスムーズに進めるには、専門家のサポートを受けるのも手段のひとつです。

離婚調停の期間はケースバイケース

まず、離婚調停の申し立てを検討している、若しくは既に申し立てた方に限っていえば、調停自体を長引かせたいと考えている方はあまりいないでしょうし、なるべく早く終わりにしたいと思っている方がほとんどなのではないでしょうか。

かなり砕けた言い方をすれば、離婚調停は、有識な他人を交えた公開別れ話みたいなものなのです。

何度もやりたいものではありませんし、離婚を決意した相手との関わりを何度も持たなければならないという点でも、相当な精神的苦痛を伴うでしょう。

結論を申し上げると、実際にかかる期間はケースバイケースとしか言いようがないのが実情です。

もちろん平均的にこの程度の期間がかかる、という一応の目安はありますので、今回はそちらをご紹介したいと思います。

申し立てから1回目の離婚調停まで

まず、申し立てから第1回期日までの期間については、申し立てをした家庭裁判所の混雑状況によります。

基本的には、申し立てをされた順番から期日が設定されていくため、申し立てをした家庭裁判所に調停待ちの事案がたくさんあるようでならば、その分だけ期日設定が遅くなってしまいます。

とはいえ、いつまでも期日が決まらないなんてことはありませんし、大体の場合、申し立てから1ヶ月ほどで第1回期日が行われます。

あまり先延ばしにしていても裁判所の信用問題に関わりますので、そのような事態は裁判所側も避けたいのです。

したがって、「申立からいつまでたっても始まらない」というようなことはありませんので、その点は心配いりません。

調停は全部で何回行われるのか?

では、第1回期日以降はどの程度の調停の回数と期間がかかるのでしょうか。

これがまさにケースバイケースであり、早ければ1回目、2回目で成立となることもありますし、必要があれば5回、6回、多ければ10回以上も期日が設けられる場合もあります。

話し合いの内容が複雑な場合や、どちらかにどうしても譲れない部分があると、いつまでも話し合いが終わらなくなってしまいます。

しかし、裁判所や調停委員はそのような事態を避けるため、調停の成立が見込めない場合には、期日を何回も設けるようなことはせず、早々に調停不成立としてしまうこともあります。

特にお金の問題や子どもの問題が絡むと期間が延びてしまうことが多いです。

逆に、「お互いの合意がなんとか得られそうだ」という状況が見込めるようであれば、期日を多く設け、なんとか調停成立に導く場合もあります。

つまり、事案の複雑さ、裁判官と調停委員の判断に委ねられているのです。

調停ごとの期間と離婚調停全体の期間の目安

では、調停の期日と期日の間は、どの程度の期間が空けられるのでしょうか。

調停期日の指定は、前回の期日から大体1ヶ月後とされています。

こちらもあくまで目安であり、親権問題等が絡んでいる場合は、家庭裁判所の調査官による実態調査が入ることもあり、調査が入った場合は2ヶ月以上期間が空くこともあります。

上述したことを踏まえると離婚調停だけの期間は、大まかに半年から1年程度というのが平均的とされています。

最短の目安であれば2ヶ月、最長期間であれば私の知る限りの事例ですと2年弱という案件がありました。

不成立となった場合は訴訟提起も視野に入れることになりますし、離婚訴訟となればさらに期間が延びることもあり得ます。

このように、離婚調停には相当に長い期間を要する可能性がありますので、最後まで乗り切るためには強い精神力が必要になるでしょう。

では次に、その他の離婚調停に関わる期間という点で、役立つ知識をご紹介します。

司法統計による調停の回数のデータ

離婚調停だけでなく、円満調停、婚姻費用分担調停なども含むデータになるため、参考値になりますが、令和4年の司法統計の内容をまとめると下記のとおりになります。

審理期間

1ヶ月以内:約5.4%
3ヶ月以内:約21.5%
6ヶ月以内:約31.1%
1年以内:約29.2%
2年以内:約11.4%
2年以上:約1.3%

※総数:57,062件

実施期日回数

0回:約8.1%
1回:約12.8%
2回:約19.4%
3回:約17.3%
4回:約13%
5回:約9.4%
6-10回:約17.4%
11-15回:約2.2%
16-20回:約0.26%
21回以上:約0.04%

※総数:57,062件

調停が一回で成立するケースはどんなとき?

離婚調停は、0回で終わる時もあれば2年以上続く場合もあることがわかりました。

調停への出席は、精神的な負担を伴うこともあります。できることなら調停の長期化を避けたいと思っている方もいるでしょう。

調停が短期で終わるケースには、次のような場合が考えられます。

  • 夫婦それぞれ離婚の意思がすでにあり、養育費のみが争点となっている場合
  • 財産分与が公平になれば離婚が成立する場合

すでにお互いに離婚する意思があり、お金のみ決まれば成立する場合は、調停が短期間で済む可能性があります。

ただ、調停が早く終わることは良い結果ばかりではありません。夫婦によっては話し合いすら困難で調停に出席してもまともに話し合えない場合は、早期に終了する可能性もあるでしょう。

調停が長期化しやすいケースはどんなとき?

調停が長期化しやすいケースについても、紹介しておきましょう。

以下のような場合は、調停が長引く可能性があります。

  • 親権が決まらない場合
  • どちらか一方が離婚を拒んでいる場合

繰り返しになりますが、未成年の子どもがいる場合は親権を決める必要があり、話がもつれる傾向があるでしょう。

親権については、母親が勝ち取るケースが多いものですが、もちろん父親も親権の獲得はできます。

親権を勝ち取る方法やポイントは、こちらの記事で解説しています。

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また、どちらか一方で離婚を拒否するケースも、調停が3,4回と増える可能性があるでしょう。

話し合いが進まず調停不成立になったとしても、裁判になる可能性はとても高いため覚悟が必要です。

そもそも相手が調停自体に応じてくれない場合もあります。相手がなかなか応じてくれないときの対処法は、以下の記事を参考にしてみてください。

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離婚調停当日に要する時間

まず、調停期日当日の時間配分についてです。

こちらは、裁判所によって多少運用が違いますが、大体2~3時間程度と思っていれば問題ないです。

裁判官と調停員による聴取は、30分程度を交互に行い、それを数回繰り返してその日の調停を終えます。

つまり、半分くらいが待ち時間になってしまいますので、当日は何かリラックスできる手段を考えておくといいかもしれません。

離婚調停が成立した後に要する期間

次に、調停が成立となった場合、「調停調書」を裁判所が作成をしてくれるのですが、こちらには離婚が成立した旨やその他の離婚の条件について記載されています。

この調停調書と離婚届を市区町村役場に提出することにより、初めて離婚の事実が戸籍に反映されます。

しかし、調停調書の提出には期限が定められており、成立から10日以内に申立人側で提出すべきとされています。

この10日以内という期限を守らない場合、5万円の過料を課されることになりますので、十分に注意が必要です。

調停不成立に終わった後に要する期間

最後に、調停不成立となった場合は、次の手段として離婚の訴訟提起を検討することになるでしょう。

不成立から2週間以内に訴訟提起をした場合、調停申し立て時に貼付した1,200円分の印紙代が安くなります。

少しだけお得に訴訟提起ができますが、この2週間以内に必ずしも離婚訴訟に移行しなければならないわけではありません。

不成立となってしまった場合には、離婚について一考する期間を設けるのも一つの方法でしょう。

まとめ:離婚調停をスムーズに進めるのであれば弁護士のサポートも視野に

離婚調停は、双方の話し合いによって成立か不成立かを決める場です。

「どちらか一方が離婚に応じない」「親権がなかなか決まらない」等の争点がある場合、長期化する恐れがあるでしょう。

離婚調停に応じない場合は相手の言い分を把握し、理由に応じた対策を練る必要があります。

対策を講じても離婚調停が長期化する可能性があると判断した場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

離婚調停を弁護士に依頼するメリット

弁護士の役目は、私たちの困りごとに対して法的な観点から適切な対処をし解決することです。

離婚問題に詳しい弁護士のサポートを受けることで、以下のようなメリットがあります。

  • 依頼者にとって有利な立場で調停を展開しやすくなる
  • 依頼者に代わって意見や要望を主張してくれる
  • 調停に関する手続きを一任できる

弁護士によっては初回相談を無料で行っているところもあります。

弁護士に話すだけでも解決策が見つかることもあるので、一人で抱えず相談してみることをおすすめします。

弁護士への相談先は、以下の記事にまとめています。

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記事を振り返ってのQ&A

Q.離婚調停の回数は大体何回でしょうか?
A.離婚調停の期間はケースバイケースです。早ければ1回目、2回目で成立となることもありますし、必要があれば5回、6回、多ければ10回以上も期日が設けられる場合もあります。

Q.短期で終わるケースと長期化するケースでは、何が違いますか?
A.短期で終わる場合の特徴として、双方がすでに離婚に合意しており、金銭の取り決めのみ話し合う必要があるケースが挙げられます。「親権が決まらない」「どちらかが離婚に反対している」といった場合は、長期化する傾向があるでしょう。