弁護士に無料法律相談ができる4つの手段

 

この記事の執筆者

永瀬優(パラリーガル)

私はパラリーガル(弁護士業務をより効率的に遂行するため、弁護士による指示と監督のもと、限定的な法律に関わる専門的な業務を行う人)として、日頃から感じていることがあります。

相談者の多くは、

「もっと早く法律相談をしていればこんなことにはならなかった」

「どうしても今までこんな法律があることを知らなかったのか」

といったように、自らの行動の遅さや無知さを嘆いています。

こんなとき、「法律相談の身近さを知ってもらえれば」、「誰もが気軽に法律知識を得る機会があれば」と感じてきました。

本記事では、少しでも早く法律問題の解決に向けて歩み出せるよう、数ある弁護士への相談窓口の中でも、「無料」に着目した相談方法をご紹介します。

無料法律相談は手を抜いた相談ではない

本記事ではこれから、無料法律相談に着目した相談窓口の紹介をしますが、前提として必ず頭に入れておいていただきたいことがあります。

「弁護士は無料相談だからといって、手を抜いて相談に乗ってるわけではない」ということです。

そもそも弁護士が無料法律相談を行ってる理由というのは、自分自身に事件を依頼される機会を増やすためです。

弁護士は法律相談の中で、今まさに相談者が直面している問題に対し、法的な解決策があるのか?解決できる見込みがあるのか?といったことを法律というフィルターにかけて判断します。

そして、弁護士は自らの法的な見解を相談者に伝えたうえで、自分に事件を依頼するのか?しないのか?といったことを相談者の意思に委ねます。

法的な見解というのは弁護士それぞれが持つもので、どの弁護士に相談をしても必ず同じ回答が返ってくるわけではありません。

相談者はその回答を受け、弁護士に依頼するかどうかを検討することになります。

簡単に言えば、法律相談というのは、弁護士にとっての「営業活動」の1つです。

現在、悩んでいる問題を解決できる商品(法律)を紹介し、具体的な性能など(解決策など)を説明する。

そして実際に購入(依頼)するのかを相手位の意思にゆだねる。

このように、弁護士にとっても無料法律相談は重要な意味があるといえます。

嫌々と、またはボランティア精神のみで無料相談に乗っているのではなく、自分にとって必要な営業活動をしているというわけです。

営業活動と聞くと、手を抜いて相談に乗っているわけではない、ということがよくわかるのではないでしょうか。

こうした前提知識があれば、「無料法律相談」の有用性がよりやく見えてくるはずです。

それでは無料法律相談の窓口について細かく見ていきましょう。

①各地域の弁護士会が行う無料法律相談

弁護士は合格しただけ弁護士としての業務ができるわけではありません。

弁護士が弁護士としての業務を行うためには、日本弁護士連合会(日弁連)と各地域にある弁護士会(単位弁護士会)への登録が義務付けられています。

実はこの各地域にある弁護士会では、法律問題に困っている一般の方への相談窓口として、定期的に法律相談会を行っています。

地域によっては無料ではなく有料となっている弁護士会もありますが、昨今のニーズにあわせ、無料での法律相談を実施する弁護士会が増えてきました。

人口の多い地域の場合は弁護会の支部もあるので、インターネットの検索機能などを利用し、「地域」に「弁護士会」というワードを入力してみましょう。お近くの弁護士会を見つけることができるはずです。

弁護士会のホームページには電話番号の案内がされてますので、無料の法律相談が実施されているかを確認してみましょう。

また、ホームページ内には弁護士会へのアクセス方法も案内されていますが、突然足を運んでもそこに弁護士はいません。弁護士会というのは、弁護士たちの業務を円滑にするための組織であって、弁護士が実際にデスクを置いているわけではないのです。

なお、弁護士会による法律相談は定期的に実施されていますが、予約制となっていることがほとんどなので、まずは電話予約し、係の案内に従ってください。

各弁護士会へのリンク一覧
北海道旭川札幌函館
東北青森県岩手仙台秋田山形福島
関東茨城栃木群馬埼玉千葉神奈川新潟山梨長野静岡
東京東京第一東京第二東京
中部富山金沢福井岐阜愛知三重
近畿滋賀京都大阪兵庫奈良和歌山
中国鳥取島根岡山広島山口
四国徳島香川愛媛高知
九州福岡佐賀長崎熊本大分宮崎鹿児島沖縄

②市区町村役場が実施する無料法律相談

みなさんがお住まいの地域の市区町村役場では、その地域で活躍する弁護士による無料法律相談会が実施されているはずです。

こちらも弁護士会と同様、事前予約が必要となることが多いので、まずは役場の受付係に電話で確認をしてみてください。

市区町村役場の場合、弁護士だけでなく司法書士や税理士、公認会計士といった、その他の士業による無料相談を行っているところもあります。

また、「離婚相談」「借金相談」「相続相談」といった具合に、テーマを決めて無料相談を実施していることもあり、個人の事情にあわせての選択も可能です。

住民票され置いてあれば誰でも利用ができますし、弁護士会のような堅苦しいイメージもないため、気軽に利用できるのではないでしょうか。

ただし、市区町村役場による無料相談は規制が厳しい場合もあり、弁護士による営業活動と差別化するため、名刺交換を禁止している場合もあります。

とはいえ、名前を名乗らないということはないでしょうし、最近は弁護士の名前を検索するだけで簡単に所属している事務所を調べることも可能です。

もう一度相談したい!と思ったら、名刺をもらえないかと尋ね、それが規則によってできないようでしたら、弁護士の名前をメモしておくようにしましょう。

③法テラスによる無料法律相談

みなさんは「法テラス」という機関をご存知ですか?
正式名称を、「日本司法支援センター」といい、国民向けの法支援施設として国が設立した法律相談の総合窓口です。
法テラスは各地域に点在していて、少しずつではありますが規模を拡大してきました。

20016年初めて設置されたところ、2009年時点での国民の認知度は28%と非常に低く、国民への浸透具合や成果が疑われていました。

その後、登録する弁護士数の増加や、東日本大震災に伴う被災地出張所の設置もあってか、2014年1月には47%を超える認知度となりました。とはいっても、まだまだ法テラスの存在を知らない方も多くいらっしゃいます。

では、法テラスとはどういったことを行っている機関なのでしょう。

法テラスでは

(1)一般の方への情報提供
(2)犯罪被害者支援
(3)国選弁護人関連
(4)民事法律扶助
(5)司法過疎地対策


といった法律関連業務を行っています。

この中で今回注目したいのが、(4)の業務です。

民事法律扶助というのは、弁護士や司法書士への無料法律相談の実施、実際に依頼した場合に発生する報酬費用の立て替えといった業務のことをいいます。

一般の方にとって弁護士へ支払う費用というのは非常に高額なイメージがあり、法律相談への足かせとなっていることがほとんどです。

また、不況のあおりを受け、高額な弁護士費用にお金をかけるほど余裕がないという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

そういった方のために、同一の法律問題であれば3回までは無料で相談することができ、さらに相談後にそのまま依頼したいとなった場合は、弁護士への費用をいったん立て替えてもらうことも可能となっています。

立替分の返済(法テラスでは償還といいます)については、月々5,000~という低額に設定されていますので、無理なく支払っていける配慮がなされてます。

ただし、この制度を利用するには、「収入等が一定以下である」という収入要件があり、一定の基準以上の収入がある方は利用することができません。

まずは、法テラスのホームページ内にあるサポートダイヤルへの電話をしてみましょう。

紹介されている電話番号から、お住まいの地域の法テラスを案内してもらうこともできますし、相談したい内容によってはその場で解決してしますこともあるはずです。

法テラスは一般の方から見ても敷居はとても低く、非常に利用しやすいといえます。

※関連ページ→「法テラスとは?利用条件やメリット・デメリット・回数制限など

④法律事務所による無料法律相談

現在、前述したような弁護士事情を受けたのか、より弁護士という存在を身近に感じてもらうという意図なのか、事務所単位による無料法律相談の実施が広がってきました。

法律事務所による、「初回相談無料」、「30分まで相談無料」といった謳い文句は、今となってはめずらしいものではありません。

といっても、法律事務所というのは今まで紹介してきたような公的機関ではありませんし、一般的には敷居が高いと感じられることも多く、なかなか気軽に利用できるところまでいっていないのも現状です。

しかし、昨今弁護士事情はどうだったでしょう?

つまるところ、現在の弁護士は良心的で親切な対応をしてくれることがほとんどなので、法律事務所とはいえ、敷居が高いと感じるようなことは一切ありません。

では、どのようにすれば法律事務所の無料相談を受けることができるのでしょう。

法律事務所による無料法律相談を利用したい場合、まずは無料の法律相談を実施している事務所を探さなければなりません。
無料相談の事務所が増えてきているとはいえ、すべての事務所が無料での相談に対応をしているわけではありませんので、手当たり次第というわけにもいかないのです。

とはいえ、無料法律相談を行っているような事務所は宣伝熱心なところが多く、自信の事務所でホームページを設置していたり、大きな看板などによる広告活動を行っていたりもしますので、探すのはそこまで難しくはないはずです。

また、どの相談窓口でも共通といえますが、法律事務所での無料相談に関しても、原則は電話予約が必須とされていますので、いきなり足を運ばないようにしましょう。

弁護士の人数が多い大規模な事務所であれば、いきなり足を運んでも対応してもらえる可能性はありますが、長い時間待たされてしますこともあります。貴重な時間を無駄にしないためにも、必ず電話予約から入るようにしてください。

稀に予約不要という法律事務所もありますが、通常は滅多にありません。

知っておこう!昨今の弁護士事情

昨今、司法試験制度の見直しなどによって、実は弁護士数が著しく増加しています。

司法試験というのは、「弁護士・検察官・裁判官」の資格を得るために合格しなければならない日本の国家試験の1つです。
もともとは司法試験の合格者を増やすことによって、より司法援助を円滑にという趣旨があったのですが、その結果として、今では就職難に見舞われる弁護士も出てくるという
事態になっています。

こうした背景によって、飽和状態による弁護士同士の顧客争いは激化し、高額なイメージばかりあった弁護士費用についても、過去に比べだいぶ下がってきています。

また、多くの弁護士は、基本的人権の擁護、社会正義の実現、といった信念を持って活動を行っているといえますが、ここ最近の傾向をみると、その信念に加えサービス業としての精神がなければ、多くの仕事を得ることが難しくなってきました。

ベテラン弁護士の多くは、こうした考えを嫌う傾向もありますが、実際問題として、仕事がなく、収入に困った弁護士が、依頼者からの預り金に手を出してしまうといった事件が何件も起こり、弁護士の社会的信頼度というのは非常に落ち込んでいるところです。

このような時代の動きと、失ってしまった社会的信頼をもう一度取り戻すため、現在の弁護士業界というのは、より安心感を与えられる良心的な対応、より高度なリーガル(法的な)サービスの提供、といったことに重点をおいています。

これを一般の方目線に簡単に置き換えると、一昔前に比べると、弁護士への費用は安くなってきているし、以前よりも格段に親切になった!ということです。

良い弁護士に依頼するために

法律相談に担当した弁護士が必ずしも良い弁護士であるとは限らないということです。

相談するだけであれば弁護士はたくさんいますので、そこまで気にすることはありませんが、依頼をするとなればまったくの別問題です。

立場上、とても悲しいことですが、実際にはいい加減な対応をする弁護士や事務所が少なからずありますので、そういった弁護士に依頼してしまうことだけは避けなければなりません。

では、良い弁護士・良い事務所というのはどのようにして見つければよいのでしょう。

その方法としては、これまで紹介した法律窓口をとことん利用し、自らの目で判断をするしかないといえます。

一口に弁護士といってもかなりの数がいますので、自分に合うか合わないかを選ぶことは十分にできるはずです。

本当に信頼できる弁護士というのは、説明義務をしっかりと果たし、依頼者の利益を尊重しつつも、間違ったことに手を染めるようなことはしません。

「すべて任せておけばいい」、「そんなに心配する問題じゃない」

傍からみれば、なんて頼もしいセリフととれなくもありませんが、その理由も説明せずにこうした言葉のみで安心感を与えようとする弁護士には要注意です。

こういった弁護士は相談のみで終わりにし、依頼はしないようにしましょう。

少し大変かもしれませんが、必ずあなたに寄り添ってくれる弁護士がいますので、事件の依頼までを検討しているのであれば、後々後悔のないよう根気よく探してみて下さい。

そのための無料法律相談なのだと考えるようにしましょう。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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