エステのコースを中途解約しても返金できるってホント?

エステのコースを中途解約しても返金できるってホント?
いつの世も女性は美しくありたいものですよね。

しかし、自分だけでその美を追求したり維持したり、というのはなかなか難しいことでしょう。

となると、多くの人がプロのスキルを頼って、エステティックサロンへと通うのではないでしょうか。

もちろん、このエステティックサロンのサービスを利用することで、美白や痩身といった期待通りの結果が得られれば、そのサービスに対して払ったお金に関しては何も文句はないでしょう。

一方で、利用はしてみたものの全く効果が得られないとなれば、サービスの途中であっても中途解約をしたくなることも、きっとあるはずです。

むしろ前金で払ってしまったお金を返してほしいくらいですよね。

でも、実際問題そうなった時に、エステ業者から「解約できませんよor高い解約金がかかりますよ」と言われてしまい諦めてしまうことや、例えば、クーリング・オフといった制度の名前は少し聞いたことあるけれど、結局詳しくはわからないからと泣き寝入りしてしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、こうしたエステに通ってみたものの、その効果が出なかった時の中途解約の仕組みと前払い金の返金規定について、詳しくみていこうと思います。

効果のないエステをやめるには、まずはクーリングオフ?

エステのクーリングオフ
実は、前述のエステティックサロンを含めた、他にも語学教室・家庭教師派遣・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介サービスなどの6種類は、まとめて特定継続的役務提供と呼ばれるものです。

いわゆる入会金や、役務を受けるために必要になる関連商品を含めて、その契約の総額が5万円を超えるものが対象となっています。

ちなみに、耳馴染みの少ないこの「役務」という言葉は、大まかに言ってしまえば、私たちが受けるサービスのことであります。

そもそも、これら6種類のサービスは、特定商取引法によってクーリング・オフ期間は8日間と定められているため、その間で「このサービスは自分に合っていないな」と気付くことができたのならば、何も無理することなくクーリング・オフすれば良いのです。

では、ここで出てきたクーリング・オフという制度は、一体どのようなものなのでしょう。

このクーリング・オフという制度は、契約をした後でもいったん頭を冷やす(Cooling Offする)ことで、消費者に冷静に考え直す時間的な余裕を与えて、その一定の期間内であればその契約を無条件で解除することもできるという、特別な制度のことを指します。

本来ならば、一度契約成立したからにはその契約に拘束されることになり、双方が契約を守ることになるのが契約の原則でありますが、この原則に例外を作ったのがクーリング・オフ制度です。

クーリングオフだけじゃない、前払い金を取り戻す方法!

エステの解約による返金
しかし、現実問題、いくらクーリング・オフ期間は8日間あるといえども、エステはある一定期間続けてみてから……

自分にはあまり効果なさそう、やはり費用がかかり過ぎて続けることが難しそう、もっと別のところへ行きたい……という気持ちになるのではないでしょうか。

そう考えると、結局8日間では短期間過ぎて、良し悪しがそこまでわからないというわけです。

実際にエステを解約したいという申し出をした方々に理由をヒアリングしてみても、

「クーリングオフ制度を知り、利用しようと思ったものの、その時はコース変更による減額を勧められたので結局やめられなかった」

「施術前の説明が不十分で、雑だったことに不満を感じた。そんなサロンで自分の顔をいじられることに強い不安を感じたため、やめることにした」

「エステ店から追加の契約を頻繁に迫られることが続き、すでにいくつもの契約をしているのに、さらなる追加コースを勧めてくるのはどこかおかしいと感じ、中途解約したくなった」

「とても誘導的なセールストークに不信感を感じ、有名モデルがお忍びで通っている、あのタレントも通っているなどと言われたが、信用できないため」

「エステのサービスを中途解約したい旨を伝えたところ、購入型の化粧品を買うように言われたが、その必要があるのかすら怪しいため」

というように、ある程度は通ってみてからの判断となっているため、クーリングオフはなかなか困難なようです。

しかし、安心してください。

クーリング・オフの期間を過ぎても、特定継続的役務提供であるエステにおいては、将来に向かっての中途解約が認められているのです。

中途解約をすると、すでに施術を受けた分については代金を支払わなくてはならないのですが、料金を前払いしている場合、まだ施術を受けていない分については返還の請求をすることが可能です。

その際、エステサロン業者から、高額な違約金が発生すると逆に言われることがあるかもしれませんが、万が一、契約時の契約書上にそうした違約金が定められていたとしても、その金額は一定額に制限されるので慌てる必要はありません。

こうした場合の違約金は、施術前の場合は2万円、施術後の場合は契約残額の10%または2万円のどちらか低い方の金額と定められているのです。

エステのようなサービスの場合、ある一定期間はまず続けてみないとサービス内容を判定することが難しいものであるにもかかわらず、長期間継続的かつ高額の契約となることが多いので、消費者保護の観点から、このような中途解約の権利や違約金の上限が定められているのです。

そのため、クーリング・オフの期間が経過してしまったあとでも、中途解約をして、契約残金(まだ施術を受けていない分に相当する額)から違約金(上限2万円か契約残額の10%)を控除した額は、前払いしていても返還を請求できることになります。

また、この請求は口頭で申し入れた場合、何かと理由をつけられて中途解約を避けようとされたり、手続きが遅れたりする場合があるようです。

エステサロン業者に適正な手続きをちゃんと行ってもらうためにも、内容証明郵便で連絡することをお薦めします。

※関連ページ→「内容証明を弁護士に任せた場合の費用と自分で出す場合の手順

こうした実際の判例もある!


いくら上限が決まっているとわかっていても、やはり事業者から請求が来てしまうと本当に大丈夫か心配になるかもしれません。

そこで、実際にあったエステと同じ特定継続的役務提供である、英会話教室において中途解約をしようとした心強い判例をみてみましょう。

英会話教室の中途解約に伴う提供済み役務の清算方法

本件は、特定継続的役務提供契約の英会話教室において、消費者が中途解約した場合の提供済み役務の清算方法について、事業者の約款では、実際に利用されていないレッスンポイントを有効期間が経過したとして、提供済みのものとして清算する方法となっている点について、許されないものと判断し、消費者が主張する清算方法を認めた事例である。(東京地方裁判所平成16年7月13日判決)

判例集未登載
請求棄却(確定)

本件事業者は消費者に返還すべき金額は約25万円であると主張した。これに対して、消費者は、契約時の単価計算で実際に利用したレッスン回数で計算すべきであり、返還されるべき金額は約50万円であると主張した。判決は、消費者が主張する「契約による単価で、実際の利用回数分を算出したもの」と「解約手数料5万円」の合計額が消費者の負担すべき金額であることを明確にしたもので、清算方法については消費者の主張が認められた。
引用元:国民生活センター

こうした同じ特定継続的役務提供の判例があれば、当然エステでも上記のもののように、業者の定めた独自の清算方法は認められないため、安心して中途解約へ踏み切れるはずです。

そもそも怪しい契約には気を付けよう!


社会の規律として、契約という約束事があります。

誰もがちょっと気に入らないからと言って、好き勝手に約束事である契約を破ってしまうと、社会の秩序は壊れてしまいます。

そのため、基本的には一度契約するとイレギュラーな場合を除けば、一方的に解除するのはなかなか難しいものです。

となれば、そもそも中途解約したくなるような怪しい契約の被害にはあわないようにするのが一番です。

そこで、最後に怪しい契約に引っかからないためのポイントをお伝えします。

まずは、そのサービスが本当に必要かどうかを考えましょう。

そして、必要がなければキッパリ断るようにしましょう。

また契約の話になった時に、その場ではすぐ契約せずに家族や友人などに相談するようにしましょう。

状況に流されない客観的なアドバイスがもらえるはずです。

そして、必ず契約書をよく読み、サインを書いたりハンコを押したりというのは最後の最後にしましょう。

口約束では後々水掛け論になる恐れがありますので、必ず契約書を残しましょう。

また、基本中の基本ではありますが、高額な契約のうまい話には細心の注意を払ってください。

これらのことに気を付けながら、契約する際には慎重に考えましょう。

美しくなりたい、その近道であり心強いサポートを行ってくれるはずだからこそ、新しい自分を思い描いて、多くの人は高い金額でもエステにお金を支払うはずです。

しかし、それで結果が出ないことだけでも悲しいのに、さらに違法な高い違約金を請求された日にはたまりませんよね。

そのような時のためにも、いざという時はプロに内容証明郵便などをお願いできるような正しい知識を持つことが大事でしょう。

自分一人では、適切に契約書トラブルを解決できるか不安な場合は、弁護士への相談を視野に入れてみましょう。

弁護士に相談をする際には、弁護士の費用がかかるケースに備えて、弁護士保険に加入しておくこともおすすめです。

実際に訴訟などになった際の弁護士費用を軽減することが可能です。

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