迷惑防止条例・ぼったくり防止条例違反は刑事罰則に問えるのか

 

ネオンが煌びやかな繁華街。多くの飲食店や大人の店が立ち並ぶナイトスポットは全国の色々なところにあることでしょう。

適正な価格で程よく遊ぶには楽しい繁華街ですが、その煌びやかなネオンの陰では、客引き行為やスカウト行為、押し売り行為、暴力行為などの問題が起きていることもまた事実でしょう。

また、そんな繁華街でのトラブルでよく聞くのが、ぼったくりです。

ぼったくりは、ぼったくり防止条例で禁止されている行為であるものの、夜の繁華街で客引きについていくと……というように、ぼったくり被害に遭遇したという話はよく聞きます。

うまい話には落とし穴があったというような典型的な被害ですが、このぼったくり防止条例で禁止されている行為であるぼったくりや、また迷惑防止条例違反で、このぼったくりに関連する客引き行為や押し売り行為は、はたして刑事罰に問えるのでしょうか。

身近な危険性のあるぼったくりに焦点を当ててみていこうと思います。

迷惑防止条例とぼったくり防止条例

ぼったくりの引き金となりがちな、客引き行為。

これは現在では全国47の都道府県および一部市町村で定められている、「迷惑防止条例」あるいは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」などの条例の違反です。

この迷惑防止条例は、盗撮行為・のぞき行為・痴漢行為・つきまとい行為・ピンクビラ配布行為・押売行為・ダフ屋行為・暴力行為・客引き行為・スカウト行為・悪臭行為・放屁行為などを禁じるものです。

ちなみに、これらの行為で条例に違反した際の罰則は、自治体ごとに定められているため、自治体によって大きくに異なっており、複数の条例を定めている自治体も存在します。

そして客引き行為だけでなく、前項で述べたような事件が繁華街で多発したことから、例えば東京都では2000年に、ぼったくり防止条例が施行されることとなりました。

いわゆるこのぼったくり防止条例は、「性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例」という条例の一部のことです。

東京都では、新宿歌舞伎町・池袋・新橋・秋葉原などの、公安委員会の指定した区域において、お酒を提供して客を接待する店や、性的サービスを提供する店を規制する内容となっています。

また同じような条例は、他にも北海道・大阪府・福岡県などでも制定されています。

この条例の主な内容としては、料金等の表示義務・不当な勧誘等の禁止・乱暴な言動や暴力による料金不当取立の禁止などが規定されているので、これが施行されて以来、徐々に被害は減少しているようです。

しかし、明確な料金表示の義務をクリアしているとはいっても、例えば店の入り口の少し上にすごく小さく料金表を貼り、それに気付かなかった客には高額料金をふっかけるなど、ぼったくり店側も法の網をかいくぐるために工夫をしてきたりしているようで、被害は減少しているとはいえ泣き寝入りとなっているケースも多いであろうし、まだまだ油断はできないようです。

手持ちの現金だけではない!カードだって危険がいっぱい

ぼったくり店で、持っているお金すべてをむしり取られてしまった、なんてケースでも重大な被害ですが、さらに大きな被害を受けるのが、限度額の高いカードを使われてしまうぼったくりでしょう。そんなケースをみてみましょう。

「東京地裁の平成27年8月10日判決」です。
「A氏は、飲み会の後1時間4000円と約束してバーに入ったらシャンパン1本等あけられ、寝て翌朝カードをわたしたら100万円と言われ、支払を拒否して現金5万円で片付いたと思っていたが、後日クレディセゾンから100万円を請求された。

A氏は3日後クレディセゾンに不正カード利用のTELをし、その後カード喪失届けも出したのが正解。
判決は、クレディセゾンの立替金請求訴訟では、カード会員規約にカードの盗難、詐欺、横領、紛失の場合クレディセゾンが損害を補填するとの条項がありこれは例示的なもので、本件も適用ありとしました。」
引用元:http://kito.cocolog-nifty.com/

この事件においては、そもそもセゾンカードが、ぼったくりバーに対して立替金を払うタイミングで、その支払いを拒否すべきであったのではないかと考えられます。安易にぼったくりバーに、立替金を支払ったため大きな訴訟事件に発展したのでしょう。

またそうは言いつつも、店へカードを渡してしまう時点で不注意であったことも否めないでしょう。

条例違反は刑事罰もありうる!

条例に違反した際には、

・指示処分(公安委員会は、条例の規定に違反した場合、営業者に対して必要な指示をすることができる)
・営業停止(営業者が指示処分に従わなかった場合、営業者やその従業員が条例に規定する罪に当たる違法な行為をした場合、営業者やその従業員が強盗、窃盗、詐欺等刑法に定める一定の罪を行った場合は、一定の範囲内で営業の全部または一部の停止を命じることができる)
・報告、立入検査(公安委員会は必要な限度において、営業者に対して報告を求めることや、警察官の営業所への立入検査等を行わせる場合があり、これに拒否や妨害等をした場合は罰則がある)というような行政処分を受けることがあります。

こうした行政処分でも犯罪となる可能性があるのです。

そして、犯罪となれば刑事罰の可能性もあります。

では、その理由をみていきましょう。

そもそも犯罪とは、一般的には、法によって禁じられている「刑罰が課せられる」根拠となりうる事実のことを指します。

そうして犯罪について責任があると判断されて「刑罰の対象となった者」こそが犯罪者となります。

つまり、刑罰……より具体的に言えば、罰則規定(罰金や懲役(執行猶予含む))があるかどうか、というところが犯罪となるかどうかの分かれ目となるのです。

そして今回のテーマとなっている条例の場合は、地方自治法14条に罰則規定を設けられる旨が定められています。

そのため、条例違反の行為についての罰則規定がある場合、それは「犯罪」となり、刑事罰に問われる可能性があります。

そして、罰金や懲役(執行猶予含む)の罰則を受ければ前科もつくことになります。

その一方で、条例違反の行為についての罰則規定がない場合は、それは単なる条例違反であり「犯罪」とはならず、何かの罰に問われることはありません。

しかし基本的には罰則が用意されていることが多くあります。

最後に

近年は、キャバクラのような夜の飲食店だけでなく、真っ昼間から気の弱そうな「オタク」を狙ったメイドカフェやJKカフェなどにおける強引な客引き行為、そしてぼったくり行為も横行しているようです。

まずはこうした被害に合わないために、安易に客引きにはついて行かないことが重要です。

なぜなら、有料な店ほど放っておいても客が来店するため、客引きなどする必要がないのですから。

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弁保社長

弁保社長

慶應義塾大学卒業後、大手エネルギー関連企業、ベンチャー企業の取締役を経て、2014年に弁護士保険募集代理店として㈱マイクコーポレーションを創業。 幼少期をアメリカで過ごし、訴訟リスクについて親友の父(弁護士)より学ぶ。 自身の離婚経験、友人の相続トラブル、後輩の勤務先企業からの不当解雇など身の回りで弁護士に依頼をした事例が多数起こり、日本での訴訟リスクの高まりと弁護士費用保険の必要性を感じたことをきっかけに、「誰もが小さなトラブルでも気軽に弁護士に相談できる社会」を目指し、広く日本初の弁護士費用保険である「Mikata」の普及促進を図っています。(さらに詳しいプロフィールはこちら
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