弁護士の視点から考える、浮気調査の為にGPSを付与するのはありかなしか

「いつもスマホばかり気にしている…」

「休日の外出や仕事が多くなった…」

「急な出張ばかりで怪しい…」

パートナーの行動が以前とは違ったものに変化すると、「ひょっとして浮気をしているのでは…」と感じてしまうことがあるでしょう。

本人にそれとなく行動について尋ねてみてもうまくはぐらかされ、浮気の証拠を掴むことはなかなか難しいものだと実感するのではないでしょうか。

そこで『GPS』を使って、自分で浮気調査をするという方がおられます。

行くはずのない場所に出向いていたり、浮気相手と思われる家に立ち寄っていたり、ホテルに出入りしていることが確認できれば、パートナーに浮気の事実を問い詰めることができるからです。

ただ、弁護士の視点で考えてみると、自力で浮気調査のためにGPSを活用するには、さまざまな注意点も存在します。

仮に浮気が事実であるとしても、浮気相手から慰謝料請求されてしまうようなリスクがありますので、どのラインを踏み越えてはいけないのか把握しておく必要があります。

ここでは、自力で行う浮気調査について、特にGPSに着目して、さまざまな情報をお伝えしていきます。

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浮気調査とは~自力の浮気調査について

浮気調査とは何なのか、特に自力での浮気調査について弁護士からの視点でお伝えしましょう。

パートナーが浮気をしているのではないかと疑念を抱いたとき、速やかに探偵に依頼したり、弁護士に相談したりされる方はそれほど多くありません。

ほとんどの方がもやもやしたままでいらっしゃるか、あるいは自力で浮気の証拠を掴もうとします。

「浮気をされているのかも…」と考えると、不安や怒り、悲しみなどの感情が入り乱れますので、自力で証拠を掴みたいという、その気持ちもわからなくはありません。

ただし、浮気をされた被害者だからといって、踏み越えてはならないラインがあることは理解しておかねばならないのです。

浮気調査とは

浮気調査とは「パートナーの浮気を確かめる行為」であることは間違いのない事実です。

ただ、法的な視点で言いますと、婚姻関係のあるパートナーによるものと、ないものとでは大きな違いがあります。

婚姻関係がある場合の浮気は「不倫」とも呼ばれますが、不貞行為(肉体関係)と認定されるような場合には離婚事由となることや、慰謝料請求が可能となる場合もあります。

浮気調査においても、夫婦で共有している所有物を調べる行為に関しては、グレーゾーンではあるものの、それほど大きな問題とならないことが多いです。

例えば、パートナーの財布の中身をチェックしたり、ロックされていないスマホを無断でのぞき見するような行為は、倫理的には問題になるかもしれませんが、違法性を問われる可能性はそれほど高くないのです。

しかし、仮に婚姻関係がない場合には、そのような行為もプライバシー侵害として違法になってしまうリスクがあります。

そのため、一時的な感情によって自力で浮気調査することは十分注意しなければならないのです。

自力の浮気調査について

自力で浮気調査する方法についてはさまざまなものがありますが、身近なもので決定的な証拠が得られるものに「パートナーのスマホ」があるでしょう。

上記でも少しお伝えしましたが、婚姻関係があるパートナーに対して、ロックされていないスマホを無断でのぞき見したとしても、それほど大きな法的リスクはありません。

ただし、ロックをしているとしても、パートナーの同意があれば閲覧することは問題ありませんので、普段からコミュニケーションを取っておくことも大切になってきます。

LINEなどチャットアプリやメールを確認することによって、何かしら浮気の証拠を掴むことができるかもしれません。

ただ、浮気しているにもかかわらず、スマホにロックをかけていないのは、浮気相手だとバレないように細工しているためであることがほとんどです。

例えば、浮気相手の名前を、パートナーと同性の名前にしていたり、会社の名前にしていたり、といったことはよくあることです。

しかし、のぞき見をしている事実が発覚してしまえば、恐らく今後見ることができないように、ロックをかけられてしまい、今後浮気調査が難しくなってしまう可能性もあります。

また、のぞき見行為が度を過ぎて、SNSやメールを勝手に操作することや、ロックを解除してしまう行為、LINEのトークを勝手に復元するなどは夫婦であっても不正アクセス禁止法に該当する可能性があります。

いずれにおいても、自力で浮気調査することは難しく、法的リスクもありますので、安易に行うことはおすすめできません。

浮気調査をすることの必要性

  • 離婚
  • 慰謝料請求
  • 訴訟
  • 復縁

婚姻関係にあるパートナーの浮気を調査する目的は、上記4つに当てはまることがほとんどです。

中には浮気の証拠をしっかりと掴んだうえでやりなおしたいという夫婦も少なくはないのですが、やはり離婚や慰謝料請求を目的としたものが多くなっています。

ではなぜ離婚や慰謝料請求、訴訟などに浮気調査が必要なのか、弁護士の視点から法的な観点でお伝えしていきましょう。

本格的に関係を解消しよう、訴訟しようという際には証拠集めが必要になります。

パートナーの浮気によって「離婚しよう」「慰謝料請求したい」と考えるのであれば、浮気の証拠が必要になります。

ただ、離婚や慰謝料請求などといった法的な手段を行う場合には、離婚事由となるものや慰謝料請求が可能な証拠を集めなければなりません。

仮に、LINEで浮気相手とのやり取りを見つけたとしても、単なるやり取りに終始している場合には法的に有効な証拠であるとは言えません。

浮気の証拠とは、浮気相手との不貞行為、つまり肉体関係を継続した浮気を行っていると認められるものでなければなりません。

そのため、まず浮気の証拠とはどのようなものなのか、正しい知識を付けておく必要があると言えるでしょう。

もっとも強力な証拠だとされているものは、「性交渉をしているときの動画や写真」になります。

顔がはっきりと判別することができるのであれば決定的な証拠にありますが、実際にはそのような現場を目撃することは難しいでしょう。

仮に、外出先でのデートを目撃したとしても、それだけでは肉体関係があるとは言えませんので法的に認められる証拠としては弱いものになります。

ただし、ホテルに浮気相手と出入りしている現場で動画や写真に残すことができた場合には、肉体関係があったものと推察することができますので大きな証拠になります。

例えば、探偵に依頼した場合には、高性能なカメラやビデオなどを活用して、ホテルに出入りする決定的な瞬間を撮影できるように尾行します。

ある期間の中で複数回、ホテルに出入りしているような場合には「出来心」などと言い逃れもできなくなりますから、かなり有効な証拠にすることができるのです。

探偵はこのような決定的な証拠を掴むことができるように、合法の範囲内でGPSを活用し、浮気調査に活かしています。

離婚や慰謝料請求などといった法的な手段のために浮気調査が必要であるとしても、自力で尾行して証拠を掴むことは難しいでしょう。

そのため、GPSを活用して確認したいと考える方が増えているのです。

自分でGPSをつけることはありか/なしか

一般の方が自力で浮気調査をする際に、GPSを活用し、対象者の行動を調べるケースが増えています。

近年ではスマホにインストールするだけで活用できるGPSアプリや、車や鞄などに簡単に設置できるGPSグッズが販売されていますので、それらを活用している方も多くおられます。

ただし、GPSアプリはパートナーのスマホにインストールする必要があり、勝手にそのような行為を行った場合には不正指令電磁的記録供用罪に該当する可能性があります。

しかも、GPSグッズにおいても、設置する箇所によっては違法になることがあり、逆に浮気相手から慰謝料請求されてしまうような可能性もありますから十分注意が必要です。

自分でGPSをつけることを検討している方に向けて、詳しく解説していきましょう。

パートナーが個人で所有しているカバンや衣服に仕掛けるのは、たとえ夫婦であってもプライバシーの侵害となる可能性があります。また、夫婦でも別居中の相手の家に仕掛けてしまうと、住居侵入罪に問われる恐れもあります。

  • パートナーが個人で所有しているカバンや衣服
  • パートナーのスマホに勝手にアプリをインストール
  • 別居中のパートナーの家
  • パートナーの実家の敷地
  • 浮気相手の車
  • 浮気相手の家

GPSによって浮気調査をするような場合、その設置場所として上記を考えるのではないでしょうか。

ただ、ここに挙げた場所については、プライバシーの侵害や住居侵入罪に問われてしまう可能性がありますので注意が必要です。

特に、夫婦で所有する車ではなく、パートナー個人のカバンや衣服に設置してしまうケースは少なくありません。

というのも、夫婦で所有する車に浮気相手を同乗させてしまうと、ニオイでバレてしまうことや、車にGPSが設置されていることを恐れることが多いからです。

そのため、パートナー個人のカバンや衣服、もしくは浮気相手の車や自宅に設置することがもっとも強力な証拠を集められると考えてしまうのです。

パートナー個人のカバンや衣服、あるいはパートナーのスマホにアプリをインストールするくらい「パートナーなのだから…」と感じてしまうかもしれませんが、夫婦でも共有財産以外であればプライバシー侵害になってしまいます。

もちろん、夫婦の所有する車であれば、夫婦の共有財産になりますのでGPSを設置しても問題になることはありません。

ただ、浮気相手の車や社用車などに設置してしまう行為は、違法となるケースもありますので注意が必要です。

すでに別居しているようなケースであれば、共有財産だったはずの車や、住んでいる部屋に設置することも認められません。

場合によって、住居不法侵入、器物損壊などの罪に問われることもあるのです。

また、ストーカー行為となってしまうと刑事罰の対象になりますし、「ストーカーされた」とパートナーや浮気相手から言葉があると、こちら側が不利になってしまう可能性が高くなります。

その為、ばれないことが非常に大事

違法とならないような場所にGPSを設置するような場合には、やはりバレてしまわないようにすることが大切です。

車にGPSを設置する場合においては、パートナーの目につくような場所は避け、普段から見ることがないような場所に設置しておくようにしましょう。

例えば、マグネットタイプのGPSであれば、バンパーや車の底面に設置しておくことができますので便利です。

マグネットがないものでしたら、助手席のシート裏などに貼り付けておけば、しっかりと固定させておくことが可能です。

ただし、自分自身で車の清掃をしたり、整備をしたりするような車好きの方に対してであれば、目立たないと思った場所でもバレてしまうかもしれません。

また、車のタイヤ交換など、整備が必要な場合にも、普段見ないような箇所を見てしまう可能性もあります。

もしGPSを発見してしまった場合、明らかにGPSであることが分かってしまいますので、あなたに対して「疑われている」という疑念を持ってしまうことになります。

浮気の事実がなかったような場合には、あなたに対して不信感を持たれてしまうことになりますので、修復ができないほどのダメージを受けてしまうかもしれません。

そのため、GPSを設置する際には十分注意するようにし、少しでもバレてしまう可能性を感じるのであれば、プロの探偵に依頼することが適切でしょう。

証拠を集める際には、プロへの委託を検討しよう

冒頭から自力で行う浮気調査やGPSについてご紹介しましたが、法的なリスクはもちろんのこと、失敗して取り返しの付かない状態になってしまう可能性があることもご理解頂いたのではないでしょうか。

やはり、離婚や慰謝料請求、訴訟などのために浮気の証拠を掴みたいということであれば、自身で無理せず男女問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。

弁護士に相談する場合には、弁護士保険がおすすめです。保険が弁護士費用を負担してくれるので助かります。

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