マンションや一軒家の騒音トラブル。法律的な解決法ってあるの?

 

分譲マンションで騒音に悩む女性
あなたは騒音トラブルに悩まされたことはありますか?

自宅マンションの階下のピアノの音がひどく響いてきて、控えてくれるようお願いしても、「そんなことを言われたのは初めてだ」といって一向に改善されず、大変迷惑をしている。
引っ越してみたら、マンションの上の階の子供の足音が夜中までうるさく、注意をしても改善されず、不眠症になってしまった。

という話は全国各地で起こっています。

引っ越しをする前には、物件の立地や間取りや家賃には気を配りますが、近隣住民の状況までは調べようがないのが現状です。

また閑静な住宅街に住んでいたとしても、ある日突然、非常識な家族が引っ越してきて騒音トラブルに悩まされる可能性もあります。

このように自ら防ぎようの無いのが騒音トラブルです。

今回はこの騒音トラブルについて過去に起こった事例と解決策について法的観点から見てみましょう。

殺人事件にまで発展しうるピアノの騒音

ピアノのうるさい騒音に迷惑している女性

意外に知られていないのですが、鉄筋コンクリート造りのマンションで、電子ピアノではない昔ながらのピアノを弾くと、マンションの躯体を伝わって階下の部屋や真上の部屋、両隣の部屋だけでなく、何軒も先の部屋にまで響くという事実を、あなたはご存知でしたでしょうか?

また、マンションの躯体を伝わって響いてくるピアノの音は、空気の振動によって伝わってくる音と違い、こちらが窓を閉めても、ピアノの音をシャットアウトすることができません。

そのため、聞きたくもない音を、本来くつろぐための場である自宅で延々と聞かされるということになってしまいます。

もともと、ピアノという楽器は、広い空間にその音を響かせるように設計されているのですから、生活空間というマンションという場では、弾く方に配慮がないとこのような近隣トラブルを容易に引き起こしてしまいます。

こういった騒音についての近隣トラブルで代表的な事件としては、あの有名な「騒音おばさん」の事件があります。これは、ご近所トラブルを発端として、数年間にわたりある女性が、大音量で音楽を流し続けた事件です。

過去には昭和の時代に、集合住宅でピアノの音を発端とした殺人事件も起こりました。

また、最近では2016年5月にも兵庫県尼崎市の文化住宅(木造賃貸アパート)でも騒音トラブルが原因の殺人事件がありました。

被害者の方は頻繁に孫を家に預けており、犯人はその子どもたちの足音に腹を立てていたようです。

これらの事件から見えてくるのは、聞きたくない音を聞かせる、というのは相手にとっては一種の暴力を受けているに等しいということです。

では、こういった騒音を規制する法律はあるのでしょうか?

騒音を規制する法律「騒音規制法」は?

騒音に関する規制法としては、「騒音規制法」という法律が存在します。

騒音規制法

ただし、この法律は、高度経済成長期で建設工事が急増した1960年代に施行されたものであり、工場から発生する工場騒音や、自動車の運行によって発生する騒音などを規制する法律となっています。

一方で、一般市民の日常生活から発生する生活騒音(洗濯機の音、ペットの鳴き声、エアコンの室外機の音、ステレオの音など)を規制する法律は日本では存在していません。

我が国のような狭い国土で、さらに木造住宅という住環境の国では、「多少の騒音はお互い様で我慢しましょう」という風土から、これまで国も生活騒音に関する法律を整備してこなかったという背景もあります。

また、生活騒音は、その発生源が工場騒音などと比較すると小さく、発生時間も短時間であり、また発生する原因も様々で、しかもさまざまな生活パターンが存在する日常生活そのものに起因して発生する騒音なので、法律で一律に規制をかけるということが困難だという事情もあります。

そこで、多少の騒音は、当事者間での解決にゆだねるべきだという立法側の考えも成り立ちます。

しかし、工業地域などと違い生活空間では、そこに住む人の精神的及び肉体的健康を守る上でも、静かな環境が守られることが重要であることについて疑う余地はありません。

そこで、地方自治体によっては、条例により早朝や夜間の生活騒音に対する規制を設けているところもあります。そのような規制があるか、さらに規制の内容について知りたいときは、市町村や都道府県の担当課に問いあわせるとよいでしょう。

集合住宅(アパートやマンション)でのよくある事例

騒音トラブルが頻発するのは、やはりアパートやマンションといった集合住宅の場合です。何しろ壁一枚、床一枚でつながっていますので、住人同士の配慮がないとたちまち騒音トラブルつながってしまいます。

集合住宅でよくある騒音トラブルとしては、真上の部屋からの足音や子供が飛んだり跳ねたりした時の音、夜間や早朝の洗濯機の振動音、掃除機の音、ステレオやピアノ、バイオリンといった楽器の音が挙げられます。

マンションの上の階の騒音に迷惑している女性

集合住宅の場合、管理会社には相談すべき?

賃貸物件の集合住宅の場合

大家さんから管理を委託された管理会社がありますので、まずはそこに相談されるとよいでしょう。
騒音トラブルの相談にのる賃貸マンションの管理会社
なぜなら大家さんや管理会社には、賃貸借契約に基づいて、入居者に対して良好な住居を提供する義務があるからです。

よって、その騒音が平穏な住環境を乱す原因となっているならば、それをやめさせる義務があるからです。

また、集合住宅における生活騒音というのは、考えてもみなかった部屋から発生している場合もよくあります。

そういった情報も管理会社ならば、複数の部屋からの情報をもとに発生源を突き止めることが可能です。

そして、管理会社等としても複数の部屋から苦情が出ているということになれば、騒音と感じている側が神経質ということではなく、誰が聞いても騒音と感じるレベルだということの証拠にもなり、騒音元の住人に対して注意をしやすいということも言えます。

さらに、大家さんや管理会社からの注意を無視して騒音を出し続けた場合は、貸主である大家さんは、相手方の賃貸借契約違反ということで、契約を解除して退去してもらうこともできますので、まずは管理会社に相談してみることをお勧めします。

分譲マンションの場合

分譲マンションの場合は、入居者それぞれが大家ということになりますが、通常は、入居者で組織された管理組合があり、そこが管理会社に委託していることが多いでしょう。

マンションの管理は管理規約にのっとって運営されていますので、まずは管理会社またはマンションの管理組合に相談するとよいでしょう。

一戸建てでの騒音トラブルでよくある事例

一戸建ての騒音トラブル
一戸建ての場合でも日本の場合、その造りは音を通しやすい木造住宅ですし、たいていの住宅街の場合、密集していることが多いですので、うっかりすると騒音トラブルを引き起こします。

ピアノやステレオといった楽器の音、車庫のシャッターの開閉音、犬が吠える声等がその原因として挙げられます。

建物の構造的欠陥が原因だったということも

過度な騒音の原因が人ではなく、そもそもの建物の構造的欠陥だったというケースもしばしば存在します。

もしそれが立証できれば、マンションの売り主や一戸建ての建築会社等に損害賠償請求や売買契約の解除を求めることを考えましょう。

らちが明かないときの相談先は警察?それとも弁護士?

特に一戸建ての場合は、騒音トラブルが起きた場合は、間に入ってくれる管理会社等がないので、相手方との交渉は直接することになるか、場合によっては自治会長さん等に間に入ってもらうことになるでしょう。

また、集合住宅の場合でも、管理会社等の対応でもらちが明かない悪質な場合は、警察への通報や弁護士への相談を検討されることと思います。

警察への通報

まず、警察への通報ですが、公務員の制止をきかずに、騒音を出し続けて近隣に迷惑をかけた場合、軽犯罪法違反になりますので、それを根拠として警察官から注意をしてもらうことができます。
騒音トラブルの相談にのる警察官
また、その場では注意を受けて一旦おさまったものの、また再開した場合は、場合によっては自治体で定めている迷惑防止条例違反にあたる可能性があります。

この場合は、その迷惑行為を告発すれば、警察としては対応しなくてはならないのです。

弁護士への相談

騒音トラブルというのは、傷害罪といった刑事事件にはあたらないケースが多いので、実際には民事的な解決を図ることとなります。そのためには、まずは自治体などで開催されている無料法律相談に足を運ばれるとよいでしょう。

民事事件として訴える場合は、その根拠としては、民法709条の不法行為によることとなります。

この条文では、「故意または過失により他人の権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。

これを隣人騒音問題に当てはめると

受忍限度を超える騒音=不法行為成立となります。

受忍限度を超えるということは、一般の人々を基準として我慢の限界を超えたということを意味します。
不法行為が成立すれば、被害を受けた側としては、相手に対して行為の差し止めや損害賠償を請求することができます。

では、どの程度が受任限度を超えているということになるのかということについては、まず弁護士に相談されるとよいでしょう。
騒音トラブルの相談にのる弁護士
被害の立証方法とともに過去の裁判例をもとにして考えてくれると思います。

なお、被害の立証方法としては、具体的で客観的な証拠が求められます。

騒音の録音や日時の記録、大家さんなどの第三者による証言や騒音計を使っての測定記録があるとよいです。
※騒音計は、役所によっては無料でレンタルしてもらえるところもあるそうです。

また、騒音によって体調不良や不眠等の精神的肉体的症状が出ているのであれば診断書を作成してもらいましょう。

騒音トラブルで裁判になった事例

騒音を巡るトラブルとして数年前、耳目を集めた事件があります。
これは、平成19年東京地裁にて、マンション上階からの子供の足音による騒音に悩んだ階下の老夫婦が起こした慰謝料請求が認められたという事件です。

この事件の概要ですが、騒音の原因は、原告のマンション上階の部屋に入居してきたファミリーの男児の足音です。

音の大きさは50から65デシベルとかなり大きく、時間も深夜や長時間にわたることが頻繁でした。

これについての原告側の対応としては、管理組合、管理会社、警察にも相談し、騒音計で記録を取り、また当該ファミリーの父親にも申し入れをしましたが、相手方は、「これ以上静かにさせることはできない」と子供をしつけることをせず、床にマットを敷いただけという不誠実な対応でした。

さらに原告の被害状況は原告および妻に不眠等の症状が出ました。
騒音のせいで寝不足
こういう状況を踏まえて、騒音は「我慢できる限度を超えていた」として、子供の父親に対して、30万円相当の慰謝料の支払いと、今後騒音を出さないように命じる判決が出ました。

裁判に挑むわけですから、当然原告は事前に専門業者に依頼し、騒音計で騒音を測定し、客観的な証拠として法廷に提出していました。
騒音トラブルの裁判事例

最後に

このように隣人間の騒音トラブルも、客観的証拠と積み重ねることによって裁判所による解決ができるということがこのケースによって示されたといえます。

今回は騒音トラブルとその解決策について解説させていただきました。

管理会社や自治体、警察などへの相談でも解決が出来ない場合、法的な解決が有効であることがお分かりいただけたかと思います。

日本のように人口密度が高く、進学や就職、転勤、結婚などの人生の各ステージで引っ越しをして住まいを変える文化のある国では、誰もが近隣騒音トラブルに遭遇する可能性があります。

しかし、弁護士費用保険に加入することにより、騒音トラブルやその他身近な法的トラブルに対して備えることが可能になります。

実際に弁護士保険の加入者から、弁護士保険証を提示することで、騒音トラブルを解決することができたとのご報告を頂いております。
弁護士保険で騒音トラブルが解決

※上記の事例は実話に基づいておりますが、全ての方にその効果を保証するものではありません。

弁護士保険加入者が増えることにより、騒音トラブルの抑止力が働き、近隣住民への配慮が当たり前になされる国になることを願ってやみません。

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弁保社長

弁保社長

慶應義塾大学卒業後、大手エネルギー関連企業、ベンチャー企業の取締役を経て、2014年に弁護士保険募集代理店として㈱マイクコーポレーションを創業。 幼少期をアメリカで過ごし、訴訟リスクについて親友の父(弁護士)より学ぶ。 自身の離婚経験、友人の相続トラブル、後輩の勤務先企業からの不当解雇など身の回りで弁護士に依頼をした事例が多数起こり、日本での訴訟リスクの高まりと弁護士費用保険の必要性を感じたことをきっかけに、「誰もが小さなトラブルでも気軽に弁護士に相談できる社会」を目指し、広く日本初の弁護士費用保険である「Mikata」の普及促進を図っています。(さらに詳しいプロフィールはこちら
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