昨今、キレイになりたいという女性の気持ちをくすぐる「レーザー脱毛」「プチ整形」などの新聞チラシや女性誌や電車の中吊り広告を数多く見かけます。
これらの広告を出しているのは、主にエステサロンが多いです。
そして、こういったエステサロンの店舗は、ショッピングモールの一角にあることも多く、美容外科や皮膚科といった医師の施術を受けることと違って、気軽に受けられて、簡単にキレイになれるイメージがあります。
そんなイメージの一方で、実は、契約方法に問題があるケースや、施術の結果、火傷やそれによるかぶれ、水ぶくれ、色素沈着などの被害を受けたという報告・相談が消費者から多く寄せられているという実態があるのです。
今回は脱毛の施術トラブルの実態と法的な対処法について見て行きましょう。
火傷を起こしやすいエステ脱毛の種類
エステ脱毛の方法には、大きく分けて光脱毛、レーザー脱毛、ニードル脱毛の3種類があります。
それぞれについてご説明します。
光脱毛
<仕組み>
黒い色素にしか反応しない光によって、脱毛をするやり方です。
ムダ毛の毛乳頭に、その光を当てることによって、毛根と毛包を高熱で破壊することによって、発毛をさせなくする脱毛方法です。
高熱で破壊することになりますから、場合によっては火傷を起こす可能性があります。
<他の脱毛方法との違い>
レーザー脱毛より安価で行えて、ニードル脱毛より痛みが少ないのが特徴です。
医療機関でも使われることがありますが、エステサロンでの施術の場合は、医療行為に当たらない程度の光しかあてることしかできないので、場合によっては効果が薄いこともあります。
レーザー脱毛
<仕組み>
レーザーが持つ特定の光に吸収されるという性質を利用して、黒い色に吸収される波長のレーザーを照射することで、脱毛を行う方法です。
レーザー脱毛の場合、肌が黒い人種や、日本人でも日焼けしている場合は、レーザーの照射により痛みを伴うこともあり、場合によっては火傷を起こすことがあります。
<他の脱毛方法との違い>
レーザー脱毛は、ニードル脱毛よりも痛みが少ないのが特長です。
また、レーザー脱毛は原則として医療行為にあたるので、エステサロンでの施術は、レーザーの出力を基準以下に抑えてあります。
ニードル脱毛
<仕組み>
ニードル(針)を毛穴から挿入して電流を流して、毛母細胞を腐食させることによって脱毛を行う方法のことです。
光脱毛やレーザー脱毛と違い、毛を5ミリ程度伸ばした状態で施術します。
一昔前は、永久脱毛といえばニードル脱毛が一般的でした。
この方法も、毛根を電気の熱によって破壊させる方法ですから、場合によっては、火傷の可能性があります。
また、針を毛穴に刺すため、針を刺されるときチクッとした痛みを感じます。
施術者の技術が未熟な場合は、内出血等を起こすこともあります。
<他の脱毛方法との違い>
ニードル脱毛の場合は、他の方法と違い、ムダ毛の一本一本にアプローチします。そのため時間と費用が掛かります。
一方、利点としては、他の方法では難しいメラニン色素の多いエリアの脱毛や、日焼けした肌への脱毛を行うことが可能です。
以上のように、光脱毛、レーザー脱毛、ニードル脱毛のどの方法によっても、永久脱毛を行うために毛根の成長を破壊するのは熱の力によってですから、場合によっては火傷を起こす可能性があり得るのです。
特に注意!脱毛で火傷になりやすい部位とは?
光脱毛やレーザー脱毛は、光やレーザーの黒い色素に反応するという性質を利用した脱毛方法なので、日焼けした肌の場合は火傷になりやすいことがあります。
そういった理由で、火傷になりやすい体の部位としては、ヒジ下がまず挙げられます。
ヒジ下は、実は日常的に日光にさらされている場所です。
ただ通常は、意識的にヒジ下を焼こうと思っているわけではないので、日焼けしているという自覚があまりないということがあります。
加えてヒジ下は、皮脂の分泌も少なく、ターンオーバーといわれる皮膚細胞の入れ替わりのサイクルも遅い部位なので、一層火傷などの治りが遅い部位なのです。
本人には、日焼けしているという自覚がない場合が多いですから、エステサロンでのヒアリングの際に日焼けの有無に聞かれても、日焼けをしていない自己申告をしてしまい施術を受けたあと、皮膚の赤みや熱を持った状態が引かないということになりがちです。
ですので、そのような状態が続くのであれば火傷を起こしていると考えた方がよいでしょう。
また、最近ではVIOラインの脱毛が流行ってきており、それにともないこの部位で火傷を負う方も増えてきています。
デリケートゾーンは特に肌も弱く敏感ですから、特に注意が必要です。
火傷かなと思ったらまずはお医者さんに診てもらいましょう
脱毛の施術後しばらくしても、肌の赤みが引かないということであれば、なるべく早く皮膚科に行って医師の診察を受けましょう。
医師の診断を受けるメリットとして、以下の2点が挙げられます。
①火傷であるかどうかという確定的な診断は、医師にしか下せない
火傷であると診断が下されたならば、医師が適切な処方をして下さるでしょうから、火傷を放置して跡が残ることを防げます。
また、万が一間違った自己流のケアをして、火傷で傷ついた肌を余計痛めるといった失敗も防げます。
画像引用元:Yahoo知恵袋「医療レーザー脱毛で、火傷をおいました。」
②エステサロンでの施術によって火傷を負ったという証明になる
エステサロンに何らかの補償を求めるためには、施術によって火傷になった証拠が必要になってきます。
そのため、速やかに医師の診断を受けて、場合によっては診断書を書いてもらえるようにしておくことが大事です。
また、エステの施術から時間がたってからの受診となると、エステサロンでの施術によって火傷を負ったという因果関係の証明が難しくなってきます。
したがって、火傷かなと思ったらなるべく早く医師の診察を受けましょう。
返金や通院費の補償はしてもらえる?
施術によって火傷を負ったり、そのことにより通院することになったりした場合の費用負担については、まずは、契約書の条項を確認してみましょう。
まずは、その脱毛コースの契約内容によって、保証や返金、契約の解約を求めていくことになります。
もちろん、そういった内容の契約を交わしていないからといって、補償を求められないわけではありません。
しかし、エステサロンでのトラブルは、業者としては想定できる問題ですし、それに対応した保険も用意されています。
ですので、契約書の中で保証に関する規定があいまいだったり、客の側に一方的に不利な契約書にサインを求めてきたりするエステサロンは、トラブルの元ですので、そういった点もサロンを選ぶポイントの一つになります。
基本的には、火傷で通院せざるを得なくなった場合は、証拠を準備してかかった交通費と治療費を請求しましょう。
さらに、もう契約は解約したいということであれば、サロン側の落ち度、つまり契約不履行ということで解約を求めましょう。
どうしても許せない!慰謝料を請求できるの?
エステサロンでの施術により火傷を負ってしまった場合、場合によってはやけど跡が残ることがあるかもしれません。
肌をキレイにしたいと思ってエステサロンでの施術を受けたのに、肌が傷つけられた場合のショックは、想像するだけで胸が痛くなります。
エステサロン側がそういった被害者の気持ちに配慮せず、対応が不誠実なものだった場合、被害者側としては慰謝料の請求を考えるケースもあると思います。
さて、そのような場合、慰謝料の請求は可能なのでしょうか?
まず、火傷した部位が適切な治療によってもきれいに治りきれずに痕が残ってしまった場合は、後遺症ということになり慰謝料の請求が可能です。
裁判例として、脱毛エステでの火傷に対し、施術費用全額返還に加えて、慰謝料を含む百数十万円の損害賠償が認められた事例があります。
ただ、後遺症による慰謝料請求というのは、専門的な知識が必要となってきますので、まずは弁護士に相談されるのをお勧めします。
慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、弁護士費用はどのくらい?
損害賠償請求というのは、難しい紛争の一つですので、これを行う場合は専門家である弁護士に依頼するのも一つの手でしょう。
そこで弁護士費用はどれくらいかかるかということが気になってきますが、これは、大まかに言って着手金+成功報酬から成り立っています。
まず、着手金は、必ずかかってくる費用です。
10万から30万が相場でしょう。
成功報酬は、損害と認定された額の10パーセントと考えてください。
なお、その損害額の算定自体も、高度な専門知識や法律知識を必要とするものですし、証拠集めとなれば、時間も手間もかかってくることになります。
また、慰謝料を相手方から回収する方法もいろいろあります。
何もはじめから裁判を起こさずとも、弁護士から内容証明を送る等の方法があります。
内容証明の作成と送付だけであれば、数万円で引き受けてくれるでしょう。
また、弁護士名で内容証明が送られて来れば、相手の態度も変わり、本人のみで交渉するより有利に展開できることができます。
慰謝料の請求を考える場合は、まず弁護士に相談されるのがベストでしょう。
今回は美容トラブルとその解決策について解説させていただきました。
美容トラブルにあった際にはまず施術を受けたエステサロンへ相談をし、それでも解決が出来ない場合、法的な解決が有効であることがお分かりいただけたかと思います。
美容トラブルは今後も増え続ける
今後、日本でも韓国のように男女とも美容脱毛を含む美容施術が当たり前になっていくと言われており、その分美容トラブルが増加傾向になることが予想されます。
弁護士へ相談する前に、弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。
弁護士保険に加入することにより、美容トラブルやその他身近な法的トラブルに対して備えることが可能になります。
弁護士保険加入者が増えることにより、美容トラブルへの抑止力が働くことを願ってやみません。
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