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【事例で学ぶ】写真無断利用による著作権侵害~損害賠償請求に至ったケース

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インターネットにはさまざまな画像に溢れかえっていますが、無断で使用した場合には著作権侵害にあたり犯罪となります。

 

身近に画像に触れることができることから、罪の意識や悪気がなかったり、著作権侵害だと知らなかったりすることも多いのですが、立派な犯罪であり、当然ながら言い訳は通用しません。

 

そのため画像を使用する場合には、著作権について十分把握したうえでルールに基づいて使用しなければなりません。

 

また、画像やコンテンツを公開する写真家などにおいては侵害されるリスクが高いことから、対処法などについて知っておく必要があるでしょう。

 

ここでは、判例をもとにして、写真の無断使用により著作権侵害について詳しくお伝えしていきます。

 

【事例で学ぶ】写真無断利用による著作権侵害~損害賠償請求に至ったケース

写真家が公開している写真を無断に利用されたことに伴って、著作権侵害として損害賠償請求を行った民事裁判による判例をご紹介します。

 

ケースの概要

このケースでは写真家(原告)が公開している画像を無断に改変して、2度にわたって自社が公開しているオンライン・カラオケサービスのアカウント画像に設定したというものです。

 

この写真家は写真撮影を職業としており、画像データは写真家が公開しているサイトにおいてアップロードされていました。

 

自身が撮影しアップロードしていたデータを無断使用されていることに気付き、プロバイダー責任制限法に基づいて発信者情報の開示請求を行っています。

 

この写真は原告である写真家が撮影したものであり、著作権および著作者人格権を侵害したとして損害賠償を請求、民事裁判で争われることになりました。

 

判決については、71万2,226円の損害を認め、賠償金の支払いを命ぜられています。

 

争点となった内容

この判例において争点になった内容として、著作権および著作権人格権を侵害したかどうかに注目されることになりました。

 

原告と被告の主張は次の通りです。

 

原告である写真家の主張としては、自身が撮影した写真であり創作性のある著作物であるために、改変やトリミングをして利用することによって著作権と著作者人格権を侵害されたと主張。

 

利用料相当にあたる損害金や情報開示請求、弁護士費用、慰謝料などにかかる費用などの損害金を賠償請求されています。

 

被告の主張としては、「ペンギン」と検索して表示された画像であり、自然物であるペンギンの写真は創作性が発生するとは言えない、などと主張。

 

しかも、改変の程度が著しいのであれば原告の画像と同一性はなく、また被告自身は写真のことを知らないから著作権侵害について故意や過失はないのではないか。

 

さらに、使用したプロフィール写真は画質が荒いために、原告の社会的な評価が低下することはないために、著作者人格権侵害には当たらない。

 

そのうえで、著作権侵害にあたる損害は発生していない、と主張しています。

 

裁判所の判断について

 

被告による行為は著作権侵害にあたる行為であり、著作者人格権をも侵害する行為であるとして損害賠償を支払う責任があるとしています。

 

責任があるとしたうえで、原告の損害額は合計71万2226円になると判断されています。

 

判決の要旨としては、次の通りです。

 

著作物の一部を改変しているとしても、写真には創作的な表現が含まれています。

 

また、ペンギンといった自然物であっても、構図や画角、位置など独立した著作物性が認められるものであるために、複製による著作権侵害にあたると考えられています。

 

著作権とは~著作権侵害とよくあるケース

著作権とは、そもそもどのような権利のことを指しているのでしょう。また著作権侵害とはどのような行為のことを言うのでしょうか。

 

著作権侵害によくあるケースを踏まえながらお伝えしていきましょう。

 

著作権とは

創作活動によって作り出された創作物には、それを保護するために著作権という法律が用意されています。

 

上記のような写真家が撮影した写真だけではなく、文芸や学術、美術、音楽など、さまざまなジャンルにおいて著作権は認められています。

 

それらの創作した人のことを「著作者」と呼んでいます。

 

そもそも著作権とは、著作者によって創作された文化的な創作物を守るためのものです。

 

文化を発展させるためには、著作者の努力や苦労に報いることが必要であり、日本の文化が発展するためにも不可欠な権利であると言えるでしょう。

 

著作権侵害とは

著作権侵害とは、創作活動によって作り出された著作物に対する権利を侵害される行為のことを指しています。

 

創作物を無断で利用するような行為は著作権侵害となります。

 

また、上記の判例においては、「著作者人格権」も争点になりましたが、著作者人格権とは創作物をつくった本人の人格を保護することを目的としているものです。

 

著作物を公表するかどうかといった「公表権」や、氏名を表示するかどうかといった「氏名表示権」などの権利があります。

 

例えば、著作者の了解なしに公表するような行為は「著作者人格権」の侵害に該当します。

 

著作権侵害によくあるケース

著作権侵害によくあるケースとして、リンクを掲載しているというものがあります。

 

『出典~』『参考~』『引用~』などといった表記と共に、出典先とリンクしているというものも見受けられます。

 

結論から申し上げますと、リンクを表示しているとしても無断使用しているのであれば、それは著作権侵害にあたります。

 

著作権法第32条の『引用』といった例外的に掲載する方法がありますが、そのような方法においても適切な利用でなければ認められません。

 

適切な利用とは、どうしてもその画像を使わねばならないような場合であって、単純に「使いたかった」というだけでは認められることはないのです。

 

また無料で公開しているような、いわゆる「まとめサイト」であっても賠償命令が下された判例が存在しますので十分に注意することが必要です。

 

著作権侵害を避けるために必要なこと

  • 「無断使用ができない」という内容を明記
  • 写真に名前やサイトURLなどを入れておく
  • 写真や画像をアップロードする際には圧縮したものを

 

写真や画像などの創作の場合、判例にあるような無断使用のリスクが高くなってしまいます。

 

そのため、無断使用しにくい状況にしておくことで、著作権侵害を避けることができます。

 

自身のサイトなどで著作物を公開する場合には、「無断使用厳禁」「無断使用を発見した場合には損害賠償請求を行います」などといった記載をしておくようにしましょう。

 

また、写真や画像には、自身の名前やサイトのURLなどを入れて、画像の所有者が一目でわかるようにしておくことも有効です。

 

高画質の写真や画像は編集しやすいために、どうしても悪用されるリスクが高くなってしまいます。

 

そのため、サイトで公開するような場合には、圧縮した画像にしておき加工しにくいようにしておくことも大切です。

 

まとめ

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今回は、写真無断利用による著作権侵害の情報として、損害賠償請求に至った判例をもとにして著作権侵害についてお伝えしました。

 

普段、私たちがインターネット上で見かける写真や画像は、基本的には著作権がありますから、無断で使用した場合には著作権侵害にあたります。

 

仮に、知らなかった、悪気がなかったと言っても、立派な犯罪行為にあたるものですから、注意が必要です。

 

とはいえ、写真や画像を提供する側には、著作権侵害されてしまうリスクがつきまといます。

 

そのため、上記でご説明したような対処法に取り組んでおくことが大切です。

 

また、著作権侵害や著作者人格権の侵害によって困ったときには、弁護士に相談するようにしましょう。

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「弁護士費用保険の教科書」編集部

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