ネットトラブルに強い弁護士はどう探せばいい?相談前の準備や費用相場も解説

インターネットやSNSの発展に伴い、ネット上での誹謗中傷や嫌がらせが社会問題となっています。

「SNSで嫌がらせへの対応に悩んでいる」
「非公開の情報を勝手に公開されたり、噂話を書き込まれたりして仕事や私生活に影響が出ている」

このようなネットトラブルを早期解決するために、弁護士に相談しようと考えていらっしゃる方も多いでしょう。

本記事では、ネットトラブルに強い弁護士の探し方や相談前の準備、費用相場を解説します。ネットトラブルを早期解決するための手助けになれば幸いです。

こんな疑問にお答えします

Q.ネットトラブルに強い弁護士はどう探せばいいですか?

A.ネットトラブルに強い弁護士は、特定の特徴やスキルを持っています。
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、ご自身が抱えているトラブルを解決してくれる弁護士かどうか事前に確認してみましょう。窓口によっては初回相談を無料で行っているところもあります。ぜひ利用してみましょう。

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ネットに強い弁護士に相談すべきトラブル

まず、ネットに強い弁護士に相談すべきトラブルの事例を紹介します。

ネットトラブルは拡散しやすく、放置することで悪質化したり二次被害に発展する可能性があるでしょう。

次のケースに当てはまる場合は、早期の対応が求められるトラブルです。ひとりで悩まず、弁護士に相談して解決を図ることをおすすめします。

SNSやネット掲示板の誹謗中傷

SNSやネット掲示板の誹謗中傷を受けている場合は、早急に弁護士に相談した方がいいといえます。

ネット上の誹謗中傷は匿名で行われることが大半で、悪質な内容が多いものです。

侮辱名誉棄損といった犯罪が成立する可能性もあるでしょう。

通常、誹謗中傷への対応はソーシャルメディアのプラットフォームポリシーに関する問題が多く、解決を図るには法的知識が求められます。

犯人を特定し慰謝料を請求するためには裁判所とのやりとりがあり、弁護士のサポートがあると安心でしょう。

SNSでの誹謗中傷が違法となるケースや犯人の特定方法については、こちらの記事をご覧ください。

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ネット上の権利侵害

ネット上で受けた権利侵害も、弁護士に相談すべきトラブルです。

ネット上で受けやすい権利侵害には、プライバシーの侵害個人情報の不正利用著作権侵害などが挙げられます。

SNSにおいては、なりすまし犯による個人情報の不正利用も問題になっています。

こうした犯罪の裏には、嫌がらせだけでなくオンラインストーキングが潜んでいる可能性もあるでしょう。

長期間にわたる被害が続くことで、被害者は恐怖や不安に襲われてしまい私生活に影響しかねません。

ご自身を守るためにも、弁護士に相談して解決を進めた方がいいといえます。

なりすまし犯によって成立しやすい犯罪は、こちらの記事にまとめています。あわせてご覧ください。

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ネット上の詐欺被害

ネット上の詐欺被害に巻き込まれた場合も、弁護士に相談した方がいいケースです。

ネットで起きやすい詐欺の代表例として、フィッシング詐欺オンラインゲームをめぐる詐欺ポイントサイトの詐欺などが挙げられます。

オンライン詐欺は多くの場合、被害回収や加害者の追跡を行うため専門知識が必要です。

弁護士に相談することで、被害者の利益を守り詐欺事件の解決に向けて法的なサポートを提供してくれるでしょう。

ネットの詐欺被害を弁護士と共に解決した事例を、以下の記事で紹介しています。参考にしてみてください。

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ネットトラブルに強い弁護士の特徴

ネットトラブルに強い弁護士は、特定の特徴やスキルを持っています。

次のような特徴を持っている弁護士は、ネットトラブルに対処する上で被害者にとって心強い味方となるでしょう。

ネットトラブルの解決実績が豊富

ネットトラブルに強い弁護士は、SNSの誹謗中傷や権利侵害の解決実績が豊富という特徴があります。

オンライン詐欺やハッキング被害に関しても、被害者の権利を守るために弁護士がこれらの事件に対処した実績があるかどうかも重要です。

弁護士の解決実績を確認するためには、以下の方法で調べてみてください。

  • 弁護士のウェブサイトやプロフィールの確認
  • 相談者のレビューや評価
  • 同業者からの評価

具体的な実績や解決方法を知るためには、弁護士に面談し直接質問してみてもいいでしょう。

ご自身に合った方法で、弁護士の実績を確認してみてください。

公式サイトでネットトラブルについて積極的に発信している

公式サイトでネットトラブルについて積極的に発信している弁護士も、ネットトラブルに強いといえます。

たとえば、以下のような例です。

  • SNSの誹謗中傷を解決する方法や未然にできる対策を、公式サイトやブログで紹介している
  • ネットトラブルに関する書籍を監修している

インターネット関連のトラブルは、とても複雑で急速に変化する可能性があります。

ネットトラブルに詳しい弁護士の助けを借りることは、解決への大きな一歩となるでしょう。

ネットトラブルに強い弁護士が見つかるおすすめの相談窓口

ネットトラブルに強い弁護士を探す方法はいくつかありますが「具体的な相談窓口が分からない」「初めての法律相談で緊張する」といった不安を抱える人もいらっしゃるでしょう。

ネットトラブルに強い弁護士を見つけるには、以下の5つの窓口がおすすめです。

  • 弁護士会による法律相談センター
  • 法テラス
  • 自治体の法律相談
  • 弁護士保険
  • 各法律事務所

窓口によっては、利用条件時間制限が設けられている場合があります。

また、初回相談を無料で行っているところがあります。

無料相談を行っているかどうかは、公式サイトで確認しましょう。

各窓口の特徴や無料相談の対応範囲については、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

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ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際の注意点

ネットトラブルに強い弁護士に相談する際は、相談時にいくつか注意したい点があります。次のポイントを押さえておくといいでしょう。

ヒアリングが丁寧で説明がわかりやすいか

弁護士に相談する際は、ヒアリングが丁寧で説明がわかりやすいかを確認しておきましょう。

ネットトラブルは悪質なものが多く、被害者にとってストレスフルな状況を引き起こす可能性があります。

弁護士が被害者の状況をしっかりヒアリングできていないと、「本当に解決してもらえるのか?」「自分の状況を理解してくれているのか?」と、気持ちが休まりません。

弁護士が被害者のニーズを理解し、感情的なサポートを提供できるかどうかが重要です。

法律以外のインターネットに関する専門知識が豊富であるか

法律以外のインターネットに関する専門知識が豊富であることも、ネットトラブルに強い弁護士を探すうえで重視する点です。

ネットトラブルを解決するには、主に以下のような専門知識を要します。

  • インターネットテクノロジーに対する理解
  • オンライン環境
  • ソーシャルメディアの動向
  • サイバー犯罪
  • データセキュリティ

インターネット環境はめまぐるしく変化しています。

SNSの動向やセキュリティ環境に対する最新の知識に精通した弁護士は、被害者にとって心強い味方になるでしょう。

良い弁護士と悪徳弁護士の見極めが肝心

ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際は、悪徳弁護士の存在に注意してください。

ここでいう悪徳弁護士とは、以下のような事例が挙げられます。

  • 過去に業務停止のような懲戒処分がある
  • 相談する際に丁寧な受け答えや根拠のある安心が提示できない
  • 簡単な聴衆を事務員に任せてしまい真摯に向き合ってくれない
  • 明確な費用を提示してくれない

弁護士の選択に関しては、弁護士の実績や評判、法的な資格などを慎重に確認しましょう。

万が一疑わしい行動に遭遇した場合は、地元の弁護士会や法律協会への相談をおすすめします。

良い弁護士と悪徳弁護士の見分け方については、以下の記事を参考にしてみてください。

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ネットトラブルに強い弁護士に相談する前に準備したいこと

弁護士に相談する際は、慎重かつ効果的に準備を行うことが重要です。

ネットトラブルに強い弁護士に相談する前には、以下の準備をしておきましょう。

問題の整理

いま抱えている問題を整理しましょう。

問題の要点や重要な事実をリストアップし、具体的な懸念点を洗い出します。

証拠の収集

問題に関連する証拠や文書を収集しましょう。

契約書やメールのやりとり、重要な書類など、問題に関連する全ての資料が役立ちます。

予算の確認

弁護士に相談する前に、予算を確認しておくといいでしょう。

弁護士の料金体系や相談料について理解しておき、予算内で対応できるか検討してもらえます。

相談の目的を明確にする

相談の目的や求める結果を明確にしましょう。

何を解決したいのか、どのようなアドバイスやサポートを求めているのかを弁護士に伝えると、効果的なアドバイスを受けやすくなります。

質問リストの作成

具体的な質問や疑問を事前に用意しましょう。

リストを作成することで、聞き忘れ防止につながります。

事前に知りたいことや聞いてほしいことを整理しておけば、弁護士への相談が効果的かつ効率的に進むでしょう。

弁護士に相談する際のコツや心構えに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

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ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際の費用相場

ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際の費用は、基本的に「着手金」「報酬金」の2種類に分けられます。

繰り返しになりますが、ネットトラブルの多くは匿名で加害行為が行われる傾向があります。

加害者を特定するには、発信者情報開示請求という手段をとる必要があるでしょう。

発信者情報開示請求とは、インターネット上で書き込んだ相手の名前や住所をプロバイダから開示してもらう手続きのこと。ネットの誹謗中傷や悪質な嫌がらせに対して刑事告訴や慰謝料請求をする場合は、発信者情報開示請求で相手を特定する必要があります。

開示請求をするには、サイト管理者に対しては仮処分命令の申立をし、プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟を起こすという流れが一般的です。

こうした一連の手続きを弁護士に一任した場合の費用相場は、以下のとおりです。

【サイト管理者に対する仮処分命令の申立をする場合】
着手金:20〜40万円
報酬金:10〜20万円

 

【プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟を起こす場合】
着手金:20〜30万円
報酬金:10〜20万円

費用相場は、事案によって異なります。上記はあくまで目安として捉えておきましょう。

弁護士との契約前に、料金体系や費用の見積もりを明確に提示してもらってください。提示された費用が妥当なものか分からない場合は、2〜3社で相見積もりをとってもいいでしょう。

発信者情報開示請求に必要な費用や具体的な流れについては、以下の記事を参考にしてみてください。

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まとめ:ネットで嫌がらせを受けたら弁護士に相談して早めの対処を

ネット被害を放置すると、エスカレートしたり二次被害が発生したりと悪質化する恐れがあります。

ご自身を守るためにも、早めに弁護士に相談し対処を心がけてください。

特に、発信者情報開示請求で犯人を特定したいときや損害賠償を請求したいときは、法律のプロである弁護士への依頼がおすすめです。

SNS上の嫌がらせや権利侵害はいつ起きるかわかりません。被害を避けるためにも、普段から対策をとることも重要です。

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弁護士費用が不安なら弁護士保険の利用がおすすめ

ネットトラブルを弁護士に依頼する費用を紹介しましたが、経済的に余裕がないという方もいらっしゃるでしょう。

そこでおすすめなのが、弁護士保険の利用です。

弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。

通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。

弁護士保険に加入しておくことで、法的トラブルが発生した場合に弁護士に支払う費用を抑えられます。

トラブルからご自身を守るためにも、弁護士保険を視野に入れましょう。

法人・事業者の方は「事業者のミカタ」がおすすめです。

弁護士保険の特徴や費用に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

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記事を振り返ってのQ&A

Q.ネットに強い弁護士に相談すべきトラブルにはどんなものがありますか。
A.SNSやネット掲示板の誹謗中傷や権利侵害、詐欺被害が挙げられます。

Q.ネットトラブルに強い弁護士の特徴を教えてください。
A.ネットトラブルの解決実績が豊富で、公式サイトでネットトラブルについて積極的に発信している弁護士が挙げられます。

Q.ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際に注意すべきことはありますか?
A.ヒアリングが丁寧で説明がわかりやすいか?法律以外のインターネットに関する専門知識が豊富であるか?悪徳弁護士ではないか?という点に注意してください。

Q.ネットトラブルに強い弁護士に相談する前に準備することはありますか?
A.問題の整理や証拠の収集、予算の確認をしましょう。相談の目的を明確にし、質問リストを作成することも重要です。

Q.ネットトラブルに強い弁護士に依頼する際の費用相場を知りたいです。
A.ネットトラブルの多くは、匿名で犯罪行為が行われます。加害者を特定するには、発信者情報開示請求という手段をとる必要があるでしょう。

開示請求にかかる弁護士の費用相場は、以下のとおりです。

【サイト管理者に対する仮処分命令の申立をする場合】
着手金:20〜40万円
報酬金:10〜20万円

【プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟を起こす場合】
着手金:20〜30万円
報酬金:10〜20万円