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死因贈与の税金は相続税か贈与税か?気を付けたい遺贈との違い

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投稿日:2021年9月25日 更新日:

 

財産を譲る方法の1つに被相続人の死亡を起因として財産をゆずる「死因贈与」という方法があります。

また、死因贈与と遺贈については良く混同されるものですが、死因贈与と遺贈は要件に明確な違いがあります。

いずれも被相続人が亡くなった時に効力を持つという点では共通していますが、死因贈与に関しては少し特殊な財産の譲渡方法だと言えるかもしれません。

このページでは死因贈与と遺贈の違いや、どういった方法があるのか?必要になる税金などに関して紹介しています。

死因贈与と遺贈は成立する条件が違う

まず、最初に知っておきたいポイントとしては「死因贈与」と「遺贈」についての違いではないでしょうか?

どちらの方法であっても自分が亡くなったことをキッカケに財産を譲るということに変わりはありませんが、「死因贈与」は贈与という言葉がある通り、財産を渡す側ともらう側との契約です。

一方で遺贈は遺産相続の方法の1つですが財産を譲る相手の合意は特に必要ありませんし、遺言によって財産を残すことです。

遺贈は遺言書で指定した人に対して財産を譲るというものですが、死因贈与はあくまでも契約による贈与になるので生前にお互いが合意している必要があります。

また、これらに加えて相続人全員の了承がなければ契約を履行出来ないということも定められています。

遺贈であれば遺言書の指定となるので相続人の意見には基本的に左右されませんが、死因贈与となるとこの点注意が必要なものになります。

それぞれメリットやデメリットはありますが、もしも遺贈か死因贈与契約で迷った場合には相続の専門家へ相談してから契約を考えることをおすすめします。

後述しますが、死因贈与契約には撤回が難しい種類などもあるので、状況に応じた判断が大事になるでしょう。

死因贈与契約は相続人でなくとも結べる

死因贈与の契約についてはある意味で遺言書に近い方式となっており、法定相続人以外の方であっても契約をすることが可能です。

ただし、後述するいくつかの注意点があるので、相続人であっても相続人でない場合でも契約をする場合には贈与契約書をしっかりと結んでおくことがトラブルにならないために大事な手続きとなります。

死因贈与に関する契約書を作成すべき理由

通常の贈与であれば契約書を書くというのが大事なポイントになってきますが、死因贈与に関しての合意には形式が定められていないので契約書が必須ではありません。

簡単に言えば被相続人である人物が死因贈与する相手に自分が亡くなった後に特定の財産を渡すということを確認し、口頭であっても受け取る側が了承すれば成立する契約です。

しかし、口頭での契約というのは他に相続人がいる場合にはおすすめ出来る方法ではありません。

口頭で契約しているという主張は他の相続人からすると信憑性がうすいですし、相続トラブルの原因になりやすいポイントでもあります。

 

遺産分割協議において相続人の1人が死因贈与の契約を持ち出した時に、「生前に死因贈与に合意している」ということを明確に伝える為にはやはり贈与契約書を作成しておくのが最善の方法でしょう。

死因贈与はもともと生前の合意によって成立するものですから、合意が出来た時点で贈与契約書を残しておくのがよいでしょう。

死因贈与の契約書をより裏付けるためには公証役場で手続きする

贈与契約書をより確定的にする方法として公証役場で確定日付をもらうという手続きをしておくと、より公的に認められた契約書であることを立証出来ます。

諸手続きや契約書の内容に不明な点がある場合には専門の士業事務所などに相談して有効性をしっかりと確認しておくことをおすすめします。

死因贈与の税金は贈与ではなく相続税となる

贈与なのに、贈与税ではなく相続税ということに違和感を感じられる方もいるかもしれませんが、死因贈与によって贈与された財産については相続税の対象となります。

また、相続税の申告の際に法定相続人であればそのまま申告手続きを行うことが出来ますが、相続人ではない人が死因贈与の契約をしており、財産を受け取る場合には相続人と一緒に相続税申告をする必要があります。

死因贈与契約について、他の相続人が知らなかったという場合でも、贈与契約書があれば異議を唱えられる理由がほとんどありません。

税金が贈与税ではなく相続税であるということは、相続人でない人が契約をしていた場合には相続に割って入る形になります。

相続人ではない立場であっても契約は有効ですが、これらのことを踏まえた上でもやはり贈与契約書の作成をしっかりとしておくべきでしょう。

死因贈与の契約方法は複数の種類が存在する

 

死因贈与にはいくつか条件を付けた契約をするという方法もあります。

単純な死因贈与であれば、「亡くなった後に財産を譲る」というだけの契約ですが、これに加えて何かしらの条件を設ける契約を「負担付き死因贈与契約」と言います。

この契約方法は財産を残す側の人が、財産を譲る側の人に対して何かしらの負担をしてもらい、その対価として死後は財産を渡しますという趣旨になります。

負担付き死因贈与契約では

・財産を貰う側が財産を渡す側の人を最後まで面倒を見る(介護、同居など)代わりに贈与契約をする

といったような条件を付けることが可能です。

また、負担付き死因贈与契約においては贈与される側、すなわち負担をする側の相続を受ける権利がしっかりと保証されるということもポイントです。

これが遺言書による遺贈との1番の違いであり、負担付き死因贈与契約では遺言書のように簡単に書き換えや撤回をすることが出来ません。

財産を受ける側としては大きな安心出来るメリットの1つでもあります。

この他にも、生前に登記移転などの予定を取り付ける「始期付所有権移転仮登記」という申請なども可能です。

ただし、前述の通り死因贈与の成立要件には

  1. 生前の契約の合意
  2. 相続人全員の了承

この2つが求められます。

遺贈か死因贈与契約かを選ぶポイント

ここまで紹介してきたように

遺贈とは遺言書による財産の譲渡であり、死因贈与契約は生前の契約によって財産を譲渡するというものです。

遺言書であれば書き換えによって遺贈の取り消しなどが出来ることや相続人ではない第三者であっても遺留分を侵害しない範囲で自由に遺贈をすることが可能です。

死因贈与契約は基本的に色々な条件が定まらないと効力を有効に出来ないという反面、財産を譲る側の人からすると負担付き死因贈与契約を結ぶことで得られる安心感もあります。

メリットの多さを単純に比較すると、やはり遺贈の方が税金などの面でも優遇されていますが、例えば相続人が1人である場合などは被相続人となる方が安心感を持つために死因贈与契約を結んでおくという方法も検討出来るでしょう。

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「弁護士費用保険の教科書」編集部

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