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認知症や障害を持った相続人がいる場合の遺産分割方法

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投稿日:2021年9月25日 更新日:

 

遺産の相続開始時に相続人が認知症である場合、もしくは重度の精神的な障害や知的障害を患っている場合は相続方法を考える時に注意が必要です。

数名の相続人が存在している中で「意思能力が欠如している」状態の人物がいる場合、遺産分割協議を始めることが出来ません。

遺産分割協議は前提として相続人全員の同意が必要ですが、認知症やその他の事由によって意思能力がない人がいる中での遺産分割協議は法律上、”意思能力のない人が不利益を被る可能性”を指摘しており、参加したとしてもその結果を認められないからです。

遺産分割協議を前提に相続を開始すると、こういった場合最初の遺産分割協議すら開始することが出来ず、他の相続人なども判断に困ることが多いようです。

認知症などによって遺産分割協議が出来ないと…

上記のような理由において遺産分割協議が開始出来ないとデメリットが生じてしまうことがあります。

通常、相続が始まった場合には相続人全員で遺産分割協議をしつつ、税理士などを入れて節税の方法を聞きながらお互いが納得する形で相続を進めていきます。

しかし、遺産分割協議が出来ない場合にはそもそも相続人同士の話し合いをすることが出来ないので、相続人が望むような遺産分割をすることが出来ません。

また、それぞれの遺産分割案に対して相続税などをなるべく節税出来るようにアドバイスを貰おうとしても法定相続分と決まっているので、節税対策が困難になります。

さらに実家などの不動産に関しては同様に法定相続分の割合で共有するしかありません。

権利関係が難しく中途半端になってしまうので、不動産の相続は通常、相続人の1人が引き継ぐことが多いですが、こういった話し合いが出来ないことで共有に限定されてしまうこともあります。

【遺産分割協議が出来ない主なデメリット】

 

・相続人の希望する遺産分割が出来ない

・節税対策をするのが難しい

・不動産が分割出来ないために共有となる

遺言書によって遺産分割をする

 

もし、被相続人が推定相続人の中にあらかじめ意思能力のない人がいると分かっている状態であれば、遺言書を作成して遺産分割をしておくのがおすすめです。

例えば、自立も困難であるような場合にはそれらに必要な費用などを考慮して、不動産などは健常者に相続させて、預貯金などを認知症やそれに準じる障害を患った方に残すなどの方法です。

遺言書であれば遺留分を考慮すれば財産の配分は遺言書の作成者が認められた範囲内で決めることが出来るので、ある程度の公平性を保ちながら遺産分割案を考えることが出来ます。

注意点としては意思能力のない方が相続をスムーズに出来るように遺言執行者に相続が終わるまでのサポートを依頼しておく方が無難でしょう。

遺言書の作成についても、同様に事情を専門家に話して作成することで実際に相続が始まった段階でのトラブルを極力減らすことが出来る可能性が高いです。

法定相続分で遺産分割する

もしも遺言書などが準備されていなかった場合

通常の法定相続分通りに相続するというのも1つの考え方です。

仮に、相続前には何も問題が無かった場合でも、相続時になって認知症などを患っている相続人がいる場合には遺産分割協議をすることは出来ません。

このため、無用な争いや前に進まない話し合いをするよりも、法律で定められた法定相続分をそれぞれが相続する方がスムーズかつ納得のいく遺産相続に収まるケースもあるようです。

そして、法定相続分通りに遺産を分けるからといって専門家が無力になる訳ではないです。

逆に不動産の登記や相続の申告などに関して問題になりそうなポイントを相談することによって、遺産相続を円滑に進められる可能性が高いでしょう。

成年後見制度は使えない?

成年後見制度とは相続に限らず、意思能力の不十分な立場の人を保護するために用意されている制度です。

この制度を利用すると、意思能力の不十分な人の代理人といった形で財産を保護したり、判断をしたりする成年後見人が付きますが、実際にはメリットもあればデメリットも多い制度ですので、慎重に考える必要があります。

※相続における成年後見制度のメリット・デメリットに関しては別ページにてまとめます※

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「弁護士費用保険の教科書」編集部

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