妊娠で解雇!有給休暇なし!派遣社員が意外と知らない違法な実態

 

働き方が多様になってきた現代社会では、出産や育児をしながら働く女性にもチャンスが増えてきました。

しかしながら一方で、派遣や契約社員として働き出した人の中には、様々なトラブルや悩みを抱えている方が多くいます。

「給料や残業代を支払ってもらえない」
「突然、明日から来なくていいと言われた」
「セクハラ・パワハラを受けている」

など、職場で起こるさまざまな問題についての相談は後を絶ちません。

さらに近年は雇用形態の多様化が進み、非正社員の数が全労働者の3分の1を超えており、ここ数年、年間15,000件を超える高水準で推移しています。

一方で非正社員は

「いつでも自由に解雇ができる」
「有給休暇がない」
「社会保険の被保険者になれない」

などという誤解も一部にあるようで、労働法についての知識があればトラブルにならずにすんだのでは、と思われるものも少なくありません。

例えば妊娠や出産の機に

「働けなくなった」
「出産して落ち着いたあと仕事に復帰したいのに戻れない」
「妊娠や出産で休暇をとろうとすると辞めることになってしまう」

というのもよくあるケースです。

派遣・契約社員でも主張できる権利があります。
今回は派遣・契約社員で働くことを決める前に注意することをまとめてみました。

妊娠を理由に契約打ち切り!?


妊娠を理由に契約を急に打ち切られ、妊娠や出産休暇をとることができず、そのまま退職を強いられてしまうという話をよく耳にしますが、これは基本的にはあってはならないことです。

妊娠・出産、産休の取得が理由で解雇になる場合は、労働基準法や男女雇用機会均等法などの法律違反になります。

労働基準法には、産前(6週間)産後(8週間)は休業が認められています。

また、産休中は雇用契約は中断するのではなく、使用者は労働者を就労させてはならない・労働者は就労の義務が免除されているという考え方が正しいのです。

妊娠・産休中もお給料ってもらえるの!?


派遣・契約社員であっても健康保険に加入しているときには、産休中の休業保障として、出産育児一時金や出産手当金を受けることができます。

出産育児一時金は出産費用に応じた特別な給付として35万円、出産手当金は産前休業に対応する42日(6週間)と産後休業に対応する56日(8週間)について標準報酬の60%が支給される、などと細かく決められています。

ただしここで重要なのが、こうした産休中の休業保障については、勤務先の加入されている健康保険組合毎に詳細は異なるケースが多い、ということです。

契約・派遣社員として勤務先を決める時は必ず事前に保障や福利厚生について調べて確認しておくことが大切です。

派遣・契約社員でも有給休暇ってもらえるの!?

「アルバイトでは有給休暇がとれない!」と勘違いされている方が多いようですが、全くそんなことはありません。

有給休暇を使って休んだ日は原則としてその日に働いたならもらえるはずの給料、または平均的な給料が支給されることになっています。

年次有給休暇は正社員だけの制度ではなく、労働基準法に基づく権利です。

よって社内に有給休暇を取得してる人がいないような環境でも、取得することができる権利なのです。

もちろん条件はあります。6ヶ月間継続して勤務し、勤務が予定された日のうちの8割以上出勤した場合にのみ限られます。
この条件を満たしているにもかかわらず、雇い主が有給休暇の取得を認めなかった場合や取得したことを理由に不利益な扱いをする場合は違法となるのです。

派遣だから解雇されても仕方ない!?

経営不振による人員削減・部門の廃止など、経営上の必要性を理由に解雇を行う整理解雇については、数々の裁判例を通じて、有効となるための要件として、以下の4つの要件が確立しています。

① 人員整理の必要性が存在すること
② 解雇を回避するための努力が尽くされていること
③ 被解雇者の選定が客観的合理的な基準によってなされたこと
④ 労働組合または労働者に対して事前に説明し、納得を得るよう誠実に協議を行ったこと

この4要件の具体的な適用の仕方を知るための具体例として平成23年1月25日横浜地方裁判所判決をみてみます。

これは、人材派遣会社が待機社員にした整理解雇を無効と判断した事案です。

裁判所は、まず「整理解雇は、労働者の私傷病や非違行為など労働者の責めに帰すべき事由による解雇ではなく、使用者の経営上の理由による解雇であって、その有効性については、厳格に判断するのが相当である」という基本的な視点を明らかにした上で、整理解雇の有効性の判断に当たっては

① 人員削減の必要性
② 解雇回避努力
③ 人選の合理性
④ 手続の相当性

という四要素を考慮すべきとし、当該事案では①②③が認められず、客観的合理的理由及び社会的相当性が認められないため無効と判断しました。

派遣・契約社員でも主張できる権利はたくさんあります。働く前にはもちろん、働いている間に不当な扱いをされた時にも、めげずに対処していきましょう。

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山根浩

山根浩

フリーライター。東京都生まれ。2008年よりインターネットメディアを中心に法律、スポーツ、健康といった幅広いジャンルで執筆活動を開始。2010年以降は法律ジャンルに特化し、離婚、相続、交通事故、近隣トラブル、職場トラブルといった身近な法律トラブルに関する執筆を多く担当している。
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