飲食店経営に顧問弁護士は必要?検討すべき法律トラブルについて紹介

飲食店を経営していると、さまざまな法律トラブルに遭遇します。

 

『飲食店の法律トラブル』というとお客様からのクレームが一番に思い浮かぶかもしれませんが、それだけではありません。

 

従業員とトラブルが生じる可能性もありますし、実際に損害賠償請求に発展している事例も多数存在します。

 

また、店舗の賃貸契約でのトラブルによって、思っていたような営業ができない可能性もあります。

 

そのため、安価な費用で法律トラブルの相談、対処ができる『顧問弁護士』を依頼する飲食店は増加しており、特に個人で営業している飲食店のケースが少なくないのです。

 

ただ、実際に日々の営業の中で法律トラブルが生じていたとしても、「本当に必要なの?」と顧問弁護士の活用に疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、飲食店経営の顧問弁護士の必要性について、発生リスクのあるトラブルを事例として挙げながら、どのような方法を取ればいいのかご紹介していきましょう。

 

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飲食店経営者が直面しがちな法律トラブル

 

「顧問弁護士の活用なんて…」と考える飲食店のオーナーは少なくないでしょう。

 

ただ、さまざまな商売の中でも、飲食店経営は法律トラブルに遭遇しやすい業種でもあると言えるのです。

 

さまざまな飲食店をみていると、自身で調理をしながら店舗の経営の切り盛りをされていることが多いです。

 

事業展開して店舗が増えてくる頃には、企業のオーナーとして経営を牽引しているようなケースも見受けられますが、ひとつの店舗からスタートしたというケースがほとんどです。

 

そのようなことから飲食店経営について優れたスキルや知識を有するものの、飲食店経営に関する法律関係や法律トラブルの知識は、それほど高くないことが少なくありません。

 

ただ実際には、多くの飲食店において、考えもつかないようなトラブルが発生している状況をお聞きします。

 

お客様への料理の提供が遅い、髪の毛が入っていた、などといったクレームをはじめ、従業員が誤ってお客様にお茶をこぼして賠償金を請求されるようなケースがあります。

 

また、厨房機器や空調の不具合、水回りの水漏れ、配管のつまりなど、設備などの問題によって、お客様に多大な迷惑をかけてしまうようなケースも少なくありません。

 

従業員とトラブルになることも多く、人材不足が指摘される業界であるために、有給休暇が取りにくい、長時間労働になってしまう、お客様のクレームを現場任せにしている、などといったことも挙げられます。

 

残業代が未払いになっていてトラブルになるケースや、従業員がトラブルを生じさせてしまうようなケースも起きています。

 

そのようなことから、気軽に相談できる顧問弁護士を利用するケースが増えている現状も理解できるのではないでしょうか。

 

それでは、具体的にどのような法律トラブルが生じているのか、あるいはどのようなケースで顧問弁護士が利用されているのか、事例をもとにして詳しくお伝えしていきましょう。

 

人員確保を前提とした、労働環境が整備できていない

 

多くの飲食店においては、人手不足に悩まされており、人手不足から思うように営業ができない、事業展開ができないと考える飲食店オーナーも少なくありません。

 

ただ、人手不足だからこそ、働きやすい労働環境を整えることがとても大事です。

 

実際、アルバイトやパートなどの従業員がなかなか定着しないという飲食店においては、働きにくい、働きたくないという労働環境に気づいていないことも多いのです。

 

働きにくい、働きたくないという労働環境とは、

 

  • 雰囲気が悪い
  • 人間関係が良くない
  • 条件が良くない
  • 休みが取れない
  • 希望のシフトに入れない
  • 客からのクレームには任せきりにされる

 

といったものが多く耳にする意見です。

 

また、その他にも、

 

  • 残業しても残業代がもらえない
  • 上司や先輩からのパワハラ・セクハラに耐えられない

 

といった悪質なケースもあります。

 

このような問題については、一つひとつ解決していく姿勢が大切で、継続的な取り組みによって働きやすい店舗にしていくことが可能です。

 

飲食店経営に特化して活動している顧問弁護士であれば、日々の労働環境の整備に対するサポートを受けることができ、客観的な視点で評価してもらえるのがメリットであると言えるでしょう。

 

また、客から理不尽なクレームを受けた場合にも、顧問弁護士が対処することができますし、そのような体制があるというだけで従業員も安心ではないでしょうか。

 

就業規則や賃金規定を整備する際にも、サポートを受けることができますので、働きやすい飲食店を目指すうえでの法的サポート、コンサルタントとして顧問弁護士を活用することができるのです。

 

未払い残業代

 

『未払い残業代』とは、文字通り、支払わなければならないのに支払いをしていない残業代のことで、法律上において支払い義務のあるものを指しています。

 

実は、飲食店から顧問弁護士への相談の中で、かなり多いケースとなっています。

 

未払い残業代については、従業員との話し合いによって解決できるケースもありますが、従業員が納得しない間に労働基準監督署に相談したり、弁護士に相談したりして、適切な対応を求められるケースがあります。

 

すでに退職した従業員によるケースもありますので、未払い残業代についてはしっかりと対策しておくことが大事です。

 

飲食店でよく見受けられるケースに、

 

  • 30分未満の残業代は付かない
  • 開店前の仕込みや閉店後の片付けは残業にならない
  • 対応が忙しく休憩が取れなかった場合でも残業代は出ない
  • 店長やマネージャーには残業代は出ない
  • 基本給にみなし残業代が含まれているため残業代は支払っている

 

といったものがありますが、これらにも未払い残業代として支払いを求められるケースがあります。

 

そもそも残業代は、『1分単位』で支払う義務がありますので、残業として認められなかった30分未満の残業代を請求される可能性があります。

 

当然ながら、仕込みや閉店後の片付けにおいても1分単位で残業が認められますし、休憩が取れなかったとしても店長の指示などの業務であれば残業となります。

 

また、店長やマネージャーなどの管理職に対して残業が出ないケースが多く、そのために過酷な勤務形態になっていることが少なくありません。

 

しかし、店長やマネージャーであっても時給換算するとアルバイトやパート以下になってしまうようでは、管理監督者として認められず、残業の支払い対象となるのです。

 

残業代を『みなし残業代』『固定残業代』として支払っているケースでも、雇用契約書に根拠がないことや、長時間の残業を前提しているような場合には無効となる可能性があります。

 

実際、このようなケースで未払い残業代として支払いを命じた裁判例も多いため、顧問弁護士に相談して、必要な対処を講じておくことが大事でしょう。

 

問題のある社員

 

問題のある従業員がいるために、従業員をはじめ、アルバイトやパートも長続きしないという状況もよく見受けられます。

 

  • マニュアル通りにせずに自分勝手に業務を行う
  • 度重なる遅刻や無断欠勤
  • 部下やアルバイト、パートに対するパワハラやセクハラ

 

このような従業員がいる場合、店舗内での規律が緩んでしまい、きちんと業務をやろうとする従業員の弊害になってしまい、不信感を募らせてしまうことになります。

 

上記のようなトラブルが生じている場合には、当然ながら経営者などから注意・指導の対象となるでしょう。

 

ただ、それでも勤務態度が改善しない場合には、懲戒処分などの措置が必要となる可能性があります。

 

懲戒処分とは、就業規則や秩序違反行為によって制裁を科す処分のこと。

 

懲戒解雇だけではなく、戒告や訓告、出勤停止、降格などを含めた処分のことを指しています。

 

しかし、このような懲戒処分には、厳格な法律上のルールが存在し、単に経営者の判断だけで処分を下してしまうと、逆に不当解雇やパワハラなどと訴えられてしまう可能性があります。

 

実際、会社が下した懲戒処分を不当であるとした裁判例は数多く存在します。

 

特に勤務態度が悪く解雇した従業員から裁判を起こされた事例で、飲食店経営者側が敗訴して1300万円の支払いと共に、従業員の復職を命じたというものがあります。

 

そのようなことから、従業員に対する指導や懲戒処分については、顧問弁護士に相談しながら進めていくことが適切であるのは間違いありません。

 

客とのトラブル

飲食店を経営していると、お客様からクレームを受けるというケースが多くあります。

 

  • 従業員の接客態度が悪い
  • 注文した料理がいつまで経っても提供されない
  • エアコンが効きすぎている
  • 料理に髪の毛が入っていた
  • 従業員が誤ってお茶をお客様にかけてしまった
  • 食べた料理で体調を崩した、食中毒になった

 

などといったトラブルは珍しいことではなく、すぐにトラブルに対応する必要があります。

 

お客様の期待値が大きい場合には、それだけクレームを生み出してしまう可能性も高くなりますし、些細なトラブルから大きなトラブルに発展してしまうケースも存在します。

 

特にお客様からのクレームは、初期対応がとても重要で、適切な対応を取らない場合には大きく評判を落としかねない事態となってしまいます。

 

また、近年では『クレーマー』と呼ばれる、悪質な言いがかりをされるケースも増えており、店舗を運営しながら対処するのにも限界が生じます。

 

このような悪質なクレームについては、顧問弁護士への相談体制を作っておくことによって抑止力とすることができ、しかもすぐに相談や対処を求めることができます。

 

そもそもクレーム対応は現場の従業員に任せきりになってしまいがちですが、顧問弁護士への相談体制は、従業員にとっても安心材料となります。

 

無断キャンセル

 

飲食店にとって、予約の無断キャンセルは深刻な問題であると言えます。

 

座席と共にコース料理や予約や大人数での予約など、当日になっても連絡もなしに来店されない場合、食材費から人件費など多くの損害を生じさせてしまうことになります。

 

予約している座席については、遅れている可能性もあることから、時間になったからといって他のお客様のために活用することもできず、機会損失にも繋がります。

 

近年においては、コロナ禍でのテイクアウト注文を取りに来ないといった無断キャンセルも増えています。

 

顧問弁護士に相談しておけば、無断キャンセルの予防をはじめ、実際に発生した場合の損害賠償請求の方法など、対処法を定めておくことができます。

 

損害請求額については、コース料金の全額を請求できる可能性があり、予約者の携帯番号しか分からない状況であっても調査して相手の住所を調べ上げ、内容証明の送付、裁判の手続きといった法的手段を取れます。

 

店舗の不動産契約

事業展開によって新規店舗を出店する場合に、店舗の賃貸借契約が必要になります。

 

店舗の賃貸借契約では、小さいものから大きなものまでさまざまなトラブルが生じます。

 

実際に起こったトラブルとして、

 

  • 水道やガス、電気などの設備に関するもの
  • 雨漏りなど修繕に関するもの
  • 居抜き物件での原状回復に関するもの
  • 退去時の保証金や敷金に関するもの

 

などが多くみられます。

 

飲食店の場合、水道やガス、電気などの設備は欠かせないものですが、使い勝手やグレードが想定しているものとは異なるようなケースがあります。

 

実際に物件を確認してみて、必要に応じて設備工事をしなければなりませんが、入居後であれば、工事費用を貸主が負担するのか、借主が負担するのかトラブルに発展します。

 

また、雨漏りが生じるような事態に陥った際には、すぐに貸主に対応してもらわないことには営業が継続できない可能性があります。

 

修繕を求め、営業ができない場合には営業補償を求めることになりますが、それらをすぐに対処してくれない貸主も少なくありません。

 

その他、退去時の原状回復をどこまでするのか、あるいは返還されるべき保証金や敷金が少ないというトラブルも数多く起きているのが現状です。

 

そのようなトラブルを防ぐには、顧問弁護士によるリーガルチェックが不可欠であり、状況によっては法的措置の検討が必要になります。

 

上記のトラブルを未然に対応する為に、顧問弁護士は有効な方法

 

冒頭から飲食店に発生する法的トラブルのリスクについてご紹介し、顧問弁護士の存在がとても有効であるとお伝えしてきました。

 

弁護士事務所では積極的に顧問契約サービスを導入しており、安価な費用で、気軽に相談できる体制を構築できるよう、サービスを提供しています。

 

顧問弁護士を利用すれば、法的トラブルが生じた際にいち早く相談ができ、またどのようにトラブルを防ぐことができるのかアドバイスを受けられ、必要に応じて対処してもらうことができます。

 

顧問弁護士を依頼するにあたって、いくつか注意点があります。

 

  • 飲食店に関する経営や労務管理に精通しているかどうか
  • 顧問弁護士サービスでどこまで対応してくれるのか
  • 飲食店の営業日や営業時間には必ず連絡が取れるのか
  • 法的なアドバイスを分かりやすく丁寧に解説してくれるか
  • 顧問弁護士との相性はどうか

 

顧問弁護士サービスを提供する弁護士はさまざまで、飲食店だけではなく、さまざまな業種や業界に特化して活動を行っています。

 

そのため、飲食店での顧問弁護士の経験豊富な弁護士を選択する必要があります。

 

顧問弁護士によってもサービス内容はさまざまで、『相談は月、何回まで』などといった定めがあることも珍しくないことから、対応内容を確認しておくことも重要です。

 

また、なかなか連絡が付かない、取りにくい、営業時間に合わない、レスポンスが遅いといった弁護士は避けるようにした方がいいでしょう。

 

法的なアドバイスを分かりやすく解説してくれる弁護士を選ぶようにし、また人柄で選択することも重要です。

 

弁護士保険という選択肢もあります

 

顧問弁護士は飲食店経営にとって有効であることをお伝えしてきました。

 

ただ、その半面で、

 

  • どの弁護士に依頼していいのか分からない
  • 費用負担が厳しい

 

などといった意見が多いのも事実です。

 

飲食店経営に精通した弁護士と言っても、経営する地域に存在するかどうか分からず、その経験まで調べることは難しいでしょう。

 

また、顧問弁護士の費用は一般的な相場として『3万円~5万円』と言われており、中には10万円以上であるケースも少なくありません。

 

このような事情により、顧問弁護士の依頼を諦めている方であれば、『弁護士保険』の加入をおすすめします。

 

弁護士保険とは

弁護士保険は、顧問弁護士よりも安価な費用で、いつでも弁護士に相談できる体制を構築できる保険サービスです。

 

弁護士保険『事業者のミカタ』であれば、

 

  • 月額費用は5,160円~
  • 弁護士直通ダイヤルにいつでも気軽に相談
  • 対処や訴訟が必要になっても安価に弁護士を活用できる

 

といったメリットがあります。

 

飲食店経営での法的リスクである、

 

  • お客様とのトラブル、不当なクレーム
  • 従業員との労務トラブル
  • 無断キャンセルによる損害賠償請求
  • 従業員の退職や解雇などの対応
  • 賃貸物件でのトラブル

 

などといったトラブルに対応することが可能です。

 

弁護士保険に加入しておけば、その旨を告知できますから、法的トラブルの抑止になり、従業員の働きやすさ向上にも繋がります。

 

弁護士保険『事業者のミカタ』がおすすめ

弁護士保険『事業者のミカタ』では、24時間対応の弁護士への直通ダイヤルが用意されており、労務相談や税務相談も可能です。

 

弁護士保険では唯一、日本弁護士連合会と協定が結ばれており、日本全国すべての弁護士を利用、紹介することができます。

 

冒頭からお伝えしているような法的トラブル全般を補償範囲としているため、安心して飲食店経営に専念することができます。

 

加入特典として、雇用契約や就業規則など労務相談ダイヤルを利用することができ、さらには確定申告などの税務相談ダイヤルも活用できます。

 

もし、法的トラブルによって弁護士に損害賠償請求や訴訟を依頼しなければならない場合であっても保険が適用され、通常費用よりも安価に利用することが可能です。

 

ぜひうまく弁護士保険『事業者のミカタ』を活用して、店舗と従業員を守っていきましょう。

 

【おまけ】個人事業主の弁護士保険が販売されています

個人事業主向けの弁護士保険として、ミカタ少額短期保険(旧社名:プリベント少額短期保険)より「事業者のミカタ」(個人事業主・フリーランスの方の詳細はこちら、法人の方の詳細はこちら)、エール少額短期保険より「コモンBiz+」(詳細はこちら)が販売されておりますのでご参照下さい。