未成年は不利?相続人となる場合の遺産分割とは?

 

多くの場合の遺産相続においては相続人が成人していることが多いですが、場合によっては相続人が未成年者であることも考えられます。

たとえば、親子3人で生活していて不慮の事故や急病などで両親のどちらかが亡くなった場合には配偶者と子供が相続人になるからです。

同じ親子なんだから「相続分は話し合おう」と考えるのが普通ですが、子供が未成年である場合には法律がこれを許しません。

未成年者は法律行為を出来ないと規定されているので、遺産分割協議をすることが出来なくなります。

未成年者とは言っても、十八歳や十九歳であれば選挙権が認められたように実際にはほとんど成人と同義です。

しかし、あくまでも未成年である場合には相続において遺産分割協議が認められないので、特別に代理人を立てる必要が出てきます(遺産分割協議をする場合)。

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未成年は相続に不利?

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未成年の相続人が不利かどうかと言われれば、専門家などによって意見は変化するでしょう。

しかし、実際に法律行為が出来ないという点を見れば未成年者は不利だとも見て取れます。

こういった不利な状態を正しく補正するための制度が「特別代理人」ですので、遺産分割をしっかりとしておきたい場合は、未成年者、配偶者共に知っておくべきものです。

未成年者が遺産分割協議をする場合

相続人が未成年である場合には家庭裁判所を通じて「特別代理人の選任の審判の申立て」をする必要があります。

所定の書類と必要な収入印紙などを用意し、家庭裁判所へ「未成年者である自分の代わりに遺産分割協議が出来る特別代理人を用意させて下さい」といった内容です。

特別代理人の申し立てには候補者を選んで提出する必要があり、祖父や祖母が存命であれば候補者として記載することが出来る他、同じ遺産の相続人でなければ極端な話、近所の知り合いを候補者にすることも可能です。

要するに、未成年で配偶者と子の間での利益相反行為が出来ないので、第三者である特別代理人が必要になるということです。

特別代理人の候補者は誰にする?

先にも述べたように「特別代理人の専任の申し立て」をする場合、候補者を記載しておく必要がります。

多くの場合は未成年から見ての祖父母であったり、相続において直接利益関係にない人を候補者に挙げる必要があります。

しかし、実際には親子間であるということから、申し立てが棄却されて法定相続分で相続を進めていく場合も多いようです。

「法定相続分でも別に構わない」っと考える人も多いですが、もし土地や建物があった場合にはそれらが全て共有の財産となることから、家庭によっては複雑な生活になってしまう可能性もあります。

遺産分割協議(案)も同時に重要な書類となる

さて、上記で土地や建物に関して少しだけ触れましたが、通常の考えであれば成人している配偶者の名義にするのが道理上では妥当です。

しかし、こと遺産相続においては…

・最低限法律の保証している部分は未成年であっても相続させる必要がある

と判断されるので、「家や土地は配偶者の名義にします」といった遺産分割協議(案)だけでは通らず、そういった遺産分割になった”合理的な理由”が求められます。

そして「特別代理人の専任の申し立て」と「遺産分割協議(案)」の提出は同時に行う必要があるのです。

ここでピンと来た方もいるかもしれませんが、特別代理人の専任が却下される場合には、遺産分割協議(案)が合理的な理由に欠けることからです。

未成年を交える場合には専門家の力を借りる

こういった専門的な質問や回答に対しては専門家ならではの方法や、適切なアドバイスが大事になってきます。

未成年の相続人が幼い子どもであれば、そのまま理由として成り立つ可能性もありますが、十七~十九歳など意思能力は充分にある状態での未成年相続人となると、それ相応の対策をしておかないと遺産分割をキレイに行うことが難しくなります。

未成年とは言えどそれなりの年齢の相続人がいる場合で遺産分割協議を行うのであれば、専門家を頼って特別代理人の申し立てや遺産分割協議(案)についても相談しておくことをおすすめします。