パタハラとは?育休をとりたいイクメンを襲う新しいハラスメントの事例

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皆さんは「パタハラ」という言葉を聞いたことがありますか??

今回は、過去のドラマ「エイジハラスメント」に登場するパタハラについて解説しますので、パタハラの定義やその対応策についてじっくりとお読み下さい。

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「エイジハラスメント」ドラマ第2話のあらすじ

前回、理不尽なエイジハラスメントに我慢できず職場で憤慨してしまった英美里(武井咲)は、総務課長の百合子(稲森いずみ)に辞職を願い出ますが、冷静になってから考え直すよう諭され、もう一度いまの職場で頑張ることを決心します。

そんな英美里に百合子は、社員家族へのサービスとして毎年行われる夏祭りの係になることを命じます。

一念発起した英美里は会場にやって来る子どもたちにも喜んでもらえるよう、オリジナルのゆるキャラお面作りを提案するなど、懸命に仕事へと取り組んでいきますが、ここでも女同士の年齢をめぐるバトルが勃発。

さらには、企画終了後の打ち上げでも職場に対する日頃の不満が爆発して。英美里の周りでさまざまな争いが起こります。

ドラマの中に出てきた「パタニティハラスメント」の事例

夏祭り企画が終わり会社で打ち上げをしていたシーンから、ひとつ、ビジネスにおけるトラブルを取り上げたいと思います。

社員の佐田(要潤)はいい大学をでて優秀でしたが、育児休暇をとったことにより出世コースからは外れてしまい、今は総務課で課長代理として働いています。

「育児は両親で協力してやる」という方針をもつ佐田に対して、「育児を理由に急に休まれたり早退されたりしては、会社としても大事な仕事を任せられない」という部長。

今日も子どもの迎えのために打ち上げを早く抜けようとする佐田に対して、部長(竹中直人)たちから冷ややかな声があがります。

女性に対して、妊娠や育児を理由に嫌がらせをすることを「マタニティハラスメント」というのは有名ですが、これはなにも女性だけのものではありません。

育児休暇をとる男性社員への理解の欠如から、嫌がらせや差別的発言をすることを「パタニティ(=父性)ハラスメント」」を通称「パタハラ」といいます。

パタハラは、マタハラに比べて表沙汰になることが少ないですが、これも立派なハラスメントのひとつです。

こんなにも身近にあった!「パタハラ」被害の実態

「イクメン」が流行り、「男性も積極的に育児休暇を取っていこう」「子育ては両親そろってやるべきだ」という声があるのと同時に、理不尽な「パタハラ」に悩んでいる男性が意外と多いというのもまた事実です。

ここで、日本労働組合総連合会が2014年にとったパタハラに関する調査についてみてみましょう。

パタニティハラスメント(パタハラ)についてのアンケート結果

全回答者(1,000 名)に、職場でのパタニティハラスメントについて聞きました。
まず、子どもがいる 525 名に、職場でパタハラをされた経験があるか、 を聞いたところ、11.6%の人に、パタハラ経験を受けたことがあることがわかりました。

・職場でパタハラをされた経験がある :11.6%

次に、全回答者(1,000 名)に、周囲でパタハラにあった人がいるか、いる場合はどのようなパタハラだったかを聞いたところ、10.8%の人が周囲でパタハラにあった人がいる答え、パタハラの種類としては「子育てのための制度利用を認めてもらえなかった」5.5%が一番多いことがわかりました。

・周囲でパタハラにあった人がいる :10.8%

・子育てのための制度利用を認めてもらえなかった:5.5%
・子育てのために制度利用を申請したら 上司に「育児は母親の役割」「育休をとればキャリアに傷がつく」などと言われた:3.8%
・子育てのための制度利用 をしたら、嫌がらせをされた:1.9%

 

この調査から、10人に1人はなんらかの形で「パタハラ」を受けた経験や、目撃をしたことがあることが分かります。

「パタハラ」は家庭を持ちながら社会で活躍する男性にとって、とても身近なハラスメント問題なのです。

パタハラの裁判例を見てみよう

ここでひとつ、ある男性看護師が3ヶ月間の育児休暇を理由に昇給が認められなかったため、病院を訴え勝訴した判例をご紹介します。

実際に男性に支払われた金額は少なかったものの、男性へのパタニティハラスメントが認められたという点において、これから先もとても意義のある判例となることでしょう。

岩倉病院事件大阪高裁判決について
京都法律事務所 (2014年8月25日 17:33)
~育休取得を理由とする昇給拒否を違法とした事案~
弁護士 福 山 和 人

【事案の概略】
本件は、京都市内の岩倉病院に勤務していた男性看護師三尾雅信さんが、2010年度に3か月間、育児休業を取得したことを理由に、2011年度に職能給(要するに能力給)の昇給が認められず、かつ昇格試験を受ける機会を与えられなかったという事案です。
三尾さんは、これらの措置が育児介護休業法10条に違反するとして、京都労働局に援助の申し立てを行い、労働局は病院に対し是正勧告を行いました。
しかし、病院がこれに従わなかったため、やむなく三尾さんは昇給・昇格された場合との差額分の損害賠償と慰謝料を求めて京都地裁に提訴しました。

【1審の京都地裁判決(2013年9月24日)】
1審判決は、昇給については、1年のうち4分の1に過ぎない3ヶ月間の育休取得によって、能力の向上がないと判断し、一律に昇給を否定する点の合理性には疑問が残るとしつつも、年齢給の昇給は行われたこと、職能給の昇給が行われなかったことによる不利益が月2800円、年間4万2000円にとどまること等の理由を挙げて、昇給を認めなかったことは育児介護休業法10条の不利益取扱の禁止に反しないと判断しました。
他方、昇格に関しては、昇格試験を受けさせなかったのは違法として、昇格試験を受験させなかったことについての慰謝料15万円の支払いを命じました。

【大阪高裁判決(2014年7月18日)】
三尾さんは、1審判決を不服として、大阪高裁に控訴しました。
高裁は、昇給について、病院が、遅刻・早退・年次有給休暇・生理休暇・慶弔休暇等により3ヶ月以上の欠勤が生じても職能給の昇給を認める扱いにしていたことに着目して、それに比して育児休業により3ヶ月欠勤した場合に昇給を認めないのは合理性がないという理由で、昇給を認めなかったのは違法と判断し、昇給していた場合の賃金との差額分の損害賠償請求を認めました。
また高裁は,昇格については1審判決を維持し、慰謝料請求を認めました。

【高裁判決の意義】
① 不昇給と不利益突扱い
育児介護休業法10条の不利益取扱いに関する裁判例としては、これまで賞与の不支給(東朋学園事件)や育休取得後の職務変更・成果報酬の減額(コナミデジタルエンタテインメント事件)などの事例がありますが、育休取得による昇給の停止が正面から争われた事例で、同条違反を認めたのは本件が初めてと思われます。育休取得を理由に賃金を支給しない場合や、減額したというのではなく、昇給させなかったというだけでも違法となることを明らかにしたという意味で、本判決が実務に与える影響は大きいといえます。

② 成績主義・能力主義を仮装した不利益取扱いを断罪
本件で不昇給となったのは、能力評価に基づいて昇給される職能給部分でした。
病院は、育児休業中は実務経験を積むことができない以上、能力向上がないと評価して不昇給としたのであって、育休取得を理由に不昇給したのではないから、育児休業法10条には反しないと弁明しました。
しかし、病院は能力評価といいながら、実際には三尾さんの能力を真正面から評価したわけではなく、要するに3ヶ月育休を取ったから能力が向上しなかったと決めつけて昇給を拒否しただけです。
このような論法が成り立つとすれば、法的に保障された休業を取得した場合でも、休業した以上、能力が向上しなかったとこじつけることで何でも合理化されることになりかねません。
高裁判決は成績主義や能力主義を仮装した不利益取扱いを断罪したという意味で大きな意義を有するものです。
引用元:京都法律事務所 岩倉病院事件大阪高裁判決について

パタハラ改善のためにできること

男性の育児休業取得を促す企業もありますが、全体として男性が育児休暇をとることに理解を得られているところは非常に少ないのが現状です。

そのため、2009年、男性も子育てしやすい社会の実現に向けて「育児・介護休業法」が改正されるなど、厚生労働省によって男性の育休取得を推進する施策が実施されています。

このような施策とともに一番重要な鍵を握るのは、社会全体の意識改革です。

「男が育児休暇なんて、家庭を守るいい奥さんがいないのか」

「男は外に出て家族のためにお金を稼ぐのが仕事だ」

という固定概念に縛られていては、女性も男性も気持ちよく家庭と仕事を両立することができず、子どもにも悪い影響を与えるでしょう。

子育てパワーを通じて社会全体に好循環が生まれるような環境になるのが理想のかたちではないでしょうか。

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