国選弁護人とは?費用や私選弁護人とのやる気の違いはあるのか

 

国選弁護人とは?費用や私選弁護人とのやる気の違いはあるのか

今回はこんな相談事例をご紹介します。

父親が窃盗で警察に捕まってしまい、突然のことに混乱している35歳の男性サラリーマンからのご相談。
父親には国選弁護人がついたらしいのですが、下記のことが気になります。

1、父にはお金の余裕がないが、費用はどのくらいかかり、誰が負担することになるのか
2、国選弁護人からの連絡が遅く、あまりやる気が感じられなく不安

というわけで、今回は国選弁護人について詳しくご説明していきましょう。

国選弁護人とはどんな人?

国選弁護人とは、なにかしらの法を犯し刑事訴訟にまで発展してしまった(してしまう可能性がある)方が、私選弁護人を選任させるだけの経済力がない場合に限り、裁判所から選任される弁護士のことを言います。

なお、私選弁護人というのは、自ら弁護士を指定することをいいますが、国選弁護人の場合は自ら弁護士を指定することはできません。

国選弁護人の選ばれ方

国選弁護人は、一定条件を満たした被疑者(起訴前)や被告人(起訴後)からの要請によって、裁判所が日本司法支援センター(法テラスのこと)に対し国選弁護人の候補者の指名、そして通知をするように求めます。

法テラスは、この求めに対して国選弁護人契約をしている弁護士の中から候補を指名し、裁判所に通知をします。

これを受けた裁判所は、指名のあった弁護士を国選弁護人として選任する、という流れによって国選弁護人が選ばれることになっています。

国選被害者参加弁護士の選定の流れ
画像引用元:法テラス

なお、一定条件というのは、比較的重い刑(死刑又は、無期・3年を超える懲役、または禁錮に該当する刑)に該当する場合となっています。わかりやすいところで、殺人・窃盗・傷害・詐欺・恐喝などが該当します。

国選弁護人の費用はいくら?

国選弁護人の費用は、刑事訴訟の結果によって支払うか支払わなくて良いかが決まります。

無罪判決が出た場合はすべての支払いが免除されます。

しかし、有罪判決が出た場合は、原則として費用の支払いをしなければなりません。

とはいえ、支払う資力がない場合はたとえ有罪判決であったとしても免除が適用されることになっています。

なお、金額についてはケースバイケースとなっているため、具体的な相場を算出することができませんが、私選弁護人へ支払う費用よりもはるかに安くなっているため、そこまで支払い負担が重くのしかかってくることはないと言えるでしょう。

国選弁護人はやる気がない?

過去において、確かに国選弁護人はやる気がなかったと言えたでしょう。

というのも、過去は現在ほど弁護士もいなかったため、仕事のない弁護士が国選をするといったイメージが業界全体にありましたし、事件記録を謄写(コピーを取ること)するにも、そのための交通費もすべて自腹を切らなければなりませんでした(現在も枚数や距離といった規定はありますが)。

つまり、報酬も少ないですし、被疑者や被告人のために良い弁護をしようすればするほど、自らの費用負担が増えてしまうのです。

さらに、国選弁護人は裁判の結果がどうであろうと、原則として報酬に違いはありません。

当然ながら、私選でやったほうが報酬も良いです。こうしたことから、過去は国選はやる気がないと思われても仕方がない弁護をしていた弁護士がいたのも事実と言えるでしょう。

現在は積極的に国選に努める弁護士ばかり

しかし、現在は弁護士の希望による登録制となっていますし、近年、弁護士の数が増加したことによって、私選など滅多に入ってこないという現状もあることから、たとえ国選であっても熱心に取り組んでいる弁護士ばかりとなっています。

私の事務所の弁護士も、国選であろうと私選であろうと取り組む姿勢は同じです。

ただし、国選の場合、詳しくは後述しますが、一審が終われば解任されることになっています。

控訴審、上告審と継続して担当するわけではないため、感情移入といった意味では希薄かもしれません。

とはいえ、感情移入があれば良い弁護ができるとも限りませんので、あまり気にするほどではないと言えるでしょう。

もちろん弁護士によって能力の違いはありますので、当たりはずれがあるのは否めませんが・・・。

国選弁護人の交代は可能?

国選弁護人の交代

では、どうしても気に入らない国選弁護人だった場合、変更を求めることは可能なのでしょうか?

原則として、国選弁護人は、裁判所によって選任がなされているため、後から変更をすることはできません。

ただし、国選から私選に変更するのであれば、弁護人の交代は認められています。

また、裁判所に国選弁護人の解任の申し出をし、それが認められれば裁判所によって解任されるといった制度もあります。

とはいえ、こちらはよほどのことがない限りは適用されませんので、どうしても交代してほしいのであれば、国選から私選に変更するという方法が利用されています。

また、国選弁護人の任期というのは、同一審級のみとなっていますので、控訴や上告をすれば、その都度、国選弁護人が選任されることになっています。日本の裁判制度は三審制となっているため、2回までは交代が可能と言えるでしょう。

国選よりは私選のほうが良い?

弁護士にもっと熱心に取り組んでほしい。

経済的な負担を請け負ってくれる家族がいる。

こういった場合は、国選より私選のほうが良いと言えるでしょう。

もちろん初めから私選で弁護士に依頼することは可能となっています。

とはいえ、私選の依頼をするのであれば、以前お世話になった弁護士といった、なにかしらの繋がりがなければ、結局のところは国選と変わらないと言えるでしょう。

自身が本当に信頼できる弁護士が周りにいるのであれば、私選弁護人の選任をお願いしてみたほうが良いに決まっています。

しかし、そうでないのであれば、結局のところ、どういった弁護士が担当するかわからないのですから、国選であろうと私選であろうと、あまり関係がないと言えるかもしれません。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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