法律問題に直面し、自分だけで解決できないと感じたのであれば、法律の専門家である弁護士の出番となります。
しかし、素人目でも不利なのは自分のほうで、勝てる見込みがほとんどなさそうとなれば、費用倒れや依頼を断られてしまわないかと心配にもなります。
現在は無料で法律相談を実施している事務所も数多くあり、費用については工夫次第である程度対策もできますが、相談にいくだけでも労力や時間の負担を避けることはできません。
※関連ページ→「弁護士に無料法律相談ができる4つの手段」
せっかく相談に行くのだから、依頼までスムーズにいけばと期待するのは当然です。
では、実際に弁護士が依頼者を断るケースはあるのでしょうか?
また、どういった場合に断られてしまうのでしょうか?
下記にて3つの例を挙げてご説明していきます。
こんな疑問にお答えします
Q.弁護士が相談者の依頼を断るケースはあるのですか?また、どういった場合に断られるのですか?
A.弁護士が依頼を断るケースは主に以下の3つが挙げられます。
- 費用倒れになる場合
- 裁判での勝ち目がないと判断した場合
- 弁護士の業務範囲でない場合
費用倒れの可能性があるため断れらたケースの対処法は、安い費用で受けてもらえる弁護士を探す方法と、弁護士費用特約を利用する方法があります。
弁護士費用特約とは、交通事故などで怪我や物損に対する損害賠償を弁護士に依頼する際にかかる弁護士費用や、相談費用を補償するものです。
補償が適用されるかは、自身の加入している任意保険を確認してみましょう。特約を使用することで、費用倒れを回避できます。
裁判の勝ち目がないため断られたケースの対処法は、状況をより細かく整理し全ての情報を弁護士に話すことで、依頼を受け入れてもらえる可能性があります。
業務範囲外だと断れたケースの対処法は、相談内容に強みを持つ相談先を探すことです。
そのため、相談内容を得意とする弁護士や弁護士以外の専門家に依頼しましょう。
弁護士が相談者からの依頼を断るケースはある
早速ですが結論から言いますと、弁護士が依頼者を断るケースはあります。
といっても、むげに依頼を断るのではなく、それなりの理由があって今回は依頼を受けることができないと断られてしまうのです。
理由もなく断る弁護士がいたとしたら、この依頼者とは相性がよくないと相談だけで判断したのかもしれませんね。
嘘をついて信頼関係が構築できない人や、問題に対しての怒りや悔しさを弁護士相手にぶつけたり、音信不通になったり、感情的になりすぎたり、とモンスター依頼者にならないことも大切です。
また、法的な観点から見て明らかに過大な要求も考えものです。
こうした相談者は弁護士から相談を断られる可能性は高いでしょう。
なお、なぜ依頼を断ったのかについては、弁護士に尋ねてみれば必ず答えてくれるはずです。それでは、下記にて依頼を断られる具体的なケースを見ていきましょう。
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弁護士が依頼を断るケース①費用倒れになる場合
断られる理由でよくあるのが費用倒れです。
弁護士に依頼すれば当然ながら費用がかかってしまいます。
相談は無料で実施していても、着手するとなれば話は別。
弁護士も仕事として依頼を受けているので、なにもかも無料にはできません。
※関連ページ→「弁護士費用の相場と着手金が高額になる理由」
しかし、相談された案件で回収できる金額(もちろん見込みですが)と、弁護士費用を見比べたところ、どうしても費用倒れになってしまう場合、弁護士は依頼を断ります。
回収したお金がすべて弁護士費用に充てられてしまえば依頼者に利益はなにもありません。
中には費用倒れでも良いという依頼者もいますが、個々の事情を総合的に判断した結果、依頼者のためを思って断るといったケースはよく見受けられます。
とはいえ、こういった場合でも解決に向けたアドバイスはしてもらえますので、費用倒れになってしまう場合は、相談で身に着けた知識を活用して解決を目指しましょう。
弁護士が依頼を断るケース②裁判での勝ち目がまるでない
弁護士と一般の方とでは問題解決に向けた視点がまるで異なります。
相談内容が法律問題である以上、弁護士は法的な目線で解決できるか否かを判断するため、一般の方が難しいと感じていても、弁護士からすれば解決は容易と判断することもあるのです。
しかし、これは逆に、一般の方からすれば簡単だと感じていても、法的に手の施しようがない状態になっていることもあります。となれば当然、依頼は断らざるを得ません。
勝ち目がないとわかっていて依頼を受ける弁護士は、ある意味で悪徳と言えます。
事件を受ける以上、着手金は必ず発生するので、このお金目当てで受けられてしまう危険もあるのです。
これを防ぐためには、相談する弁護士の数を増やして、より多くの法的意見を聞いてみるしかありません。
弁護士が依頼を断るケース③弁護士の業務範囲ではない
弁護士はいかなる法律問題にも対応できますが、業務範囲外(得意分野でない)依頼については断ることもあります。
たとえば、登記申請の相談であれば専門は司法書士になりますし、相続税の相談であれば税理士の出番です。
弁護士という資格は、司法書士や税理士などの資格も兼ねているため弁護士登録のみで税理士業務を行えますし、本来の職務に付随していれば司法書士業務を行うこともできます。
しかし、それらすべてに対応する弁護士は稀です。弁護士にも業務範囲外としている分野、極端な話をすれば得意分野でない業務については断ることもあるのです。
全ての法律問題にたった一人で対応できるといった弁護士は、ほぼいないと考えられます。
いくら弁護士でも、不得意な分野、経験が浅い分野はそれぞれあります。
そのような場合、最適な解決へと導けない可能性もあるため、断る場合もあるでしょう。
多くの弁護士に相談し、自身の抱えている問題を得意とする弁護士を見つけることが大切です。
とはいえ、別の案件で一緒に仕事をした知り合いの司法書士や税理士などを紹介してもらえることもあるため、たとえ弁護士に依頼を断られたとしても、解決に向けて前進はできるはずです(紹介は一切しない弁護士もいますが)。
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弁護士に依頼を断られたときの対処法
それでは、弁護士に依頼を断られたときの対処法を前項①②③のケース別に紹介します。
①費用倒れになる場合の対処法
費用倒れの可能性があるため断れらたケースの対処法は、安い費用で受けてもらえる弁護士を探す方法と、弁護士費用特約を利用する方法があります。
弁護士費用を安く設定していれば利益から差し引かれる額が少なくなり、費用倒れの回避につながります。しかし、安ければいいというわけではなく、費用が安い理由も考慮する必要があります。
続いて、弁護士費用特約を利用する方法です。
弁護士費用特約とは、交通事故などで怪我や物損に対する損害賠償を弁護士に依頼する際にかかる弁護士費用や、相談費用を補償するものです。
補償が適用されるかは、自身の加入している任意保険を確認してみましょう。特約を使用することで、費用倒れを回避できます。
②裁判での勝ち目がまるでないときの対処法
裁判の勝ち目がないため断られたケースの対処法は、状況をより細かく整理し全ての情報を弁護士に話すことで、依頼を受け入れてもらえる可能性があります。
弁護士は相談内容をもとに、調停や裁判の勝敗を判断します。もし、最初の相談内容を雑に説明していたり、話していない情報がある場合はすべて伝えるようにしましょう。
その上で弁護士に判断を委ねましょう。
弁護士に相談する際に意識するポイントについては、こちらの記事もご覧ください。
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③弁護士の業務範囲ではないときの対処法
業務範囲外だと断れたケースの対処法は、相談内容に強みを持つ相談先を探すことです。
弁護士が業務範囲外だと断るケースとして、得意分野ではないという理由を挙げました。
そうした理由であれば、前述の通り得意分野とする弁護士や弁護士以外の専門家に依頼しましょう。
また、弁護士に依頼できる内容は法律に関することに限られることも理解しておきましょう。
例えば「親子関係にストレスを感じて家を出たい」「仕事がきつくて辞めたい」といった内容は法律で解決できず弁護士の業務範囲ではありません。
ただし一見法律に触れなさそうな悩みであっても、パワハラだったり虐待だったりと法律が絡むこともあります。
弁護士へ相談する前に、具体的な原因を掘り下げておくことも重要です。
より多くの意見を聞いてみよう
上記にて弁護士に依頼を断られる中でもよくあるケースをご紹介しましたが、1つだけ知っていてもらいたいことがあります。
それは、「1人でも多くの弁護士に相談し、より多くの意見を聞いてみることも大切」ということ。
私たちがそれぞれ他人と異なる考え方を持っているように、弁護士もそれぞれが異なる考え方を持っています。
もちろん、その前提に法律があってこその弁護士ですが、法律にも解釈次第でいろいろな捉え方があるのです。
すべての法律の解釈が1つしかなければ、争いは生まれず弁護士も裁判所の出番もなくなってしまいます。
同じ内容でも弁護士によっては別の捉え方が導かれ、それらは最終的に裁判となって結論が出されるのです。
こうしたことからも、断られてしまわないか心配に感じている方は、最初に相談した弁護士に断られてしまってもすぐには諦めず、何人かの弁護士に相談してみてください。
問題や紛争を収めるために弁護士に相談すると思います。
そのために、双方の時間や費用が無駄にならないよう気を付けることも重要です。
弁護士に相談する場合には、弁護士保険がおすすめです。保険が弁護士費用の負担をしてくれるので助かります。
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弁護士保険なら、ミカタ少額保険株式会社が提供している『弁護士保険ミカタ』がおすすめです。1日98円〜の保険料で、通算1000万円までの弁護士費用を補償。幅広い法律トラブルに対応してくれます。
経営者・個人事業主の方は、事業者のための弁護士保険『事業者のミカタ』をご覧ください。顧問弁護士がいなくても、1日155円〜の保険料で弁護士をミカタにできます。
また、法人・個人事業主の方には、法人・個人事業主向けの弁護士保険がおすすめです。
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個人事業主や中小企業は大手企業と違い、顧問弁護士がいないことがほとんど。法的トラブルや理不尽な問題が起きたとしても、弁護士に相談しにくい状況です。いざ相談したいと思っても、その分野に詳しく信頼できる弁護士を探すのにも大きな時間と労力を要します。
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月々5,000円代からの選べるプランで、法律相談から、事件解決へ向けて弁護士へ事務処理を依頼する際の費用までを補償することが可能です。
記事を振り返ってのQ&A
Q.弁護士はどんな場合に相談者の依頼を断るのですか?
A.弁護士が依頼を断るケースは主に以下の3つが挙げられます。
- 費用倒れになる場合
- 裁判での勝ち目がないと判断した場合
- 弁護士の業務範囲でない場合
相談された案件で回収できる金額と弁護士費用を比較して、どうしても費用倒れになってしまう場合、弁護士は依頼を断ります。
また、裁判で勝ち目がない場合は断られる可能性が高くなります。依頼内容によっては、既に法的に手の施しようがない状態になっていることもあります。そうした依頼は断らざるを得ません。
続いて、依頼内容が弁護士の得意分野でなかったり、弁護士以外の専門家が適していたりする場合は断られる理由となります。
Q.弁護士に依頼を断れられたらどうすればいいですか?
A.断わられたときの対処法を、ケースごとに解説します。
費用倒れの可能性があるため断れらたケースの対処法は、安い費用で受けてもらえる弁護士を探す方法と、弁護士費用特約を利用する方法があります。
裁判の勝ち目がないため断られたケースの対処法は、状況をより細かく整理し全ての情報を弁護士に話すことで、依頼を受け入れてもらえる可能性があります。
業務範囲外だと断れたケースの対処法は、相談内容に強みを持つ相談先を探すことです。
そうであれば、相談内容を得意分野とする弁護士や弁護士以外の専門家に依頼しましょう。