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どっちに相談?弁護士と司法書士の役割の違いまとめ

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投稿日:2015年10月4日 更新日:

弁護士と司法書士の違い

弁護士といえば誰もが知っている法律の専門家です。

では、司法書士とは?

司法書士も法律の専門家であることに違いはありませんが、弁護士ほどは世間の認知度はないかもしれません。

では、この2つの専門家にはどのような違いがあるのでしょう?

その答えは、「弁護士と司法書士には業務の役割に違いがある」となっています。

それでは今回は、弁護士と司法書士の違いについて、さまざまな業務にスポットを当てつつ、その違いを見比べていってみましょう。

なお、今回の比較は、すべて認定司法書士(簡易裁判所での代理権を認められた司法書士)を前提としています。

過払い請求における弁護士と司法書士の役割の違い

過払い請求における弁護士と司法書士の役割の違い
過払い請求というのは、過去に貸金業者に払いすぎた利息を返還請求する手続きを言います。

現在と過去では上限利率に違いがあったため、「過払い金」という言葉が生まれました。

過払い金のついての知識はここまでにして、早速、弁護士と司法書士の違いについて見ていきましょう。

弁護士と司法書士の違いは、司法書士には取り扱える金額に上限があるという点です。

司法書士の場合、貸金業者1社につき140万円を超える過払い請求案件は取り扱うことができません。

また、過払い請求を貸金業者との任意交渉ではなく、裁判によって求める場合も140万円までしか取り扱えないことから、管轄が簡易裁判所の裁判までしか代理人になることができません。

過払い訴訟の場合、簡易裁判所か地方裁判所に提起することになるのですが、この2つの裁判所は訴額(請求する金額)によって管轄が分けられています。

訴額が140万円以下であれば簡易裁判所、140万円を超えるのであれば地方裁判所に申立てをしなければなりません。

つまり、140万円を超える過払い請求を取り扱うことができない司法書士では、地方裁判所での代理人になることができないということです。

債務整理における弁護士と司法書士の役割の違い

債務整理における弁護士と司法書士の役割の違い
まず、債務整理とは、任意整理・自己破産・個人再生・特定調停という4つの手続きの総称を言います。

ここでは、この4つの手続きごとに弁護士と司法書士の役割の違いについてご説明させていただきます。

任意整理

任意整理は、簡単に言えば借金を貸金業者との任意交渉によって整理していこうという手続きです。

弁護士と司法書士の違いは、上記過払いと同様、司法書士には取り扱える金額に上限があるという点です。

司法書士の場合、貸金業者1社につき140万円を超える任意整理は取り扱うことができないとされています。

弁護士には特に上限はありません。

自己破産

自己破産は、裁判所に破産手続きの申立てをすることによって、最終的には借金の免責、つまり、法的な支払い義務をなくしてもらう手続きをいいます。

弁護士と司法書士の違いは、司法書士は書類作成のサポートまでしかできません。

自己破産は金額に関係なく、手続き自体の管轄裁判所が地方裁判所となっているため、司法書士の管轄外となってしまうのです。

個人再生

個人再生は、裁判所に再生手続きの申立てをすることによって、借金の一部をカット(正確には圧縮)してもらい、残った部分について支払いをしていく手続きをいいます。

弁護士と司法書士の違いは、上記自己破産と同様、司法書士は書類作成のサポートまでしかできないという点です。

個人再生も管轄の裁判所が地方裁判所となってしまうため、司法書士の管轄外となっていて代理人として代わりに手続きをすることができません。

相続における弁護士と司法書士の役割の違い

相続における弁護士と司法書士の役割の違い
相続問題の場合、弁護士と司法書士では対応できる業務範囲に特に違いはありません。

しかし、相続に関する問題が家庭裁判所で取り扱われる調停や審判といった手続きにまで発展してしまった場合は、弁護士でしか代理人になることはできません。

また、相続財産の中に不動産がある場合、相続による名義変更が必要になります。

相続登記については弁護士でも取り扱えないこともありませんが、司法書士の専門分野となっていますので、登記申請に関しては司法書士に依頼したほうが無難といえるでしょう。

よって、調停や審判にまで発展してしまいそうであれば弁護士に、不動産の名義変更が必要になりそうであれば司法書士に、それぞれ相談するのが良いでしょう。

債権回収における弁護士と司法書士の役割の違い

債権回収における弁護士と司法書士の役割の違い
債権回収とは、簡単に言えば「人に貸したお金を回収したい」といった場合に利用する手続きをいいます。

弁護士と司法書士の違いとしては、上記にて何度か説明をしていますが、回収したい債権が140万円を超えるか否かで異なります。

弁護士であればどんな複雑な案件にも対応することが可能となっていますが、140万円を超えない範囲であれば、司法書士であっても本人の代わりに交渉を行うこともできますし、裁判を起こすことも可能とされています。

とはいえ、司法書士は交渉や訴訟のプロではないので、よりスムーズな解決を望むのであれば、弁護士に依頼をしたほうが無難と言えるでしょう。

成年後見業務における弁護士と司法書士の役割の違い

成年後見業務とは、認知症などが原因で自らの意思で法的な判断をすることができなくなってしまった方の代わりに、法律行為や財産管理といったことを本人に代わって行う業務を言います。

この成年後見業務に関しては、弁護士と司法書士の違いは特にありません。

また、弁護士よりも司法書士の方が成年後見業務に携わっている傾向があります。

ただし、司法書士には家事事件に関する代理権が認められていませんので、あまりにも複雑な案件の場合は、司法書士では対応しきれないことがあるかもしれません。

交通事故時の示談交渉における弁護士と司法書士の役割の違い


交通事故時の示談交渉については、司法書士よりも弁護士の方が活躍の場が多いと言えます。

というのも、司法書士では140万円を超える示談交渉を取り扱うことができませんし、仮に140万円を超えない範囲であったとしても、それが裁判へと発展してしまい、相手に控訴(再度の審理を請求すること)されてしまえば、管轄が簡易裁判所から地方裁判所になってしまいますので、司法書士では対応できなくなってしまいます。

また、交通事故案件で140万円を超えないとなると、そこまで大きな怪我ではなく、軽い物損事故に限られてくることからも、司法書士で交通事故の示談交渉をメインで行っている事務所はほとんどないと言えます。

弁護士と司法書士は取り扱う金額で線引きがされる

上記のように、弁護士と司法書士はそのほとんどの線引きを取り扱う金額によって分けられていると言えます。

また、ここまでの違いを見比べてみると、請求額がいくらになろうと、どれだけ複雑な案件であろうと対応することが可能な弁護士に依頼してしまったほうが良い気すらしてしまいます。

しかし、かかる費用という点からみれば、司法書士に依頼をしたほうが比較的安価で済むことが多いのも事実です。

どちらの専門家に依頼すべきかについては、取り扱う金額、案件の複雑さ、自身の予算、といった点を重視しつつ検討をしてみるのが良いのではないでしょうか。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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