国が設立した法テラス(日本司法支援センター)とは?
離婚や債務整理などのトラブルで弁護士に相談や依頼をしたいとき、お得に相談が可能となる「法テラス」。
弁護士探しをしていると、法テラスという文字を目にすることも多いかもしれませんが、みなさまは「法テラス(日本司法支援センター)」がどのような機関なのか、ご存知でしょうか?
法テラスは、国が設立した機関で、正式名称を「日本司法支援センター」と言います。
もともと、経済的に余裕のない人が、トラブル発生時に無料または安価に弁護士や司法書士などによる法的な支援を受けられるようにとの目的で、設立されました。
法テラスのサービスとしては、無料相談がとても有名ですが、他にも、弁護士や司法書士の費用の立替を受けられる「民事法律扶助」のサービスがあります。
また、刑事事件の国選弁護や少年事件の援助、犯罪被害者の援助や震災被害者の援助、生活保護を受給したい人への援助など、いろいろな事業を行っています。
法テラスは、東京や大阪などの大都市圏はもちろんのこと、全国の都道府県に「地方事務所」という支所があるので、利用者は、どこでも、便利な場所を利用することができます。
→各都道府県ごとの法テラスを検索する(法テラスのサイトに飛びます)
また、「法的トラブルに巻き込まれているけれど、まずはどうしたらいいかわからない」という場合、電話で対処方法を相談することもできます。
一般的な相談の場合には、
0570-078374(おなやみなし)
PHSは通話可能ですが、IP電話からはそのままではかけられないので、03-6745-5600にかけましょう。
犯罪被害に遭った場合には、
0570-079714(なくことないよ)
こちらも、PHSは通話可能ですが、IP電話の場合には、03-6745-5601にかけると、簡単な対処方法を教えてもらうことができます。
ただ、このホットラインは、あくまで法テラスの職員が、簡単な対処方法を教えてくれるだけのものなので、そのまま弁護士に相談することはできません。
法テラスで弁護士に相談・依頼できるサービス
法テラスで、一般的な民事事件について弁護士のサポートを受ける方法として、無料相談と民事法律扶助があるので、まずはこの2つの制度について、ご説明をします。
法テラスを通じて弁護士に無料相談できるサービス
無料相談は、法テラスを通じて、弁護士に無料で法律相談することができるサービスです。
通常、弁護士に相談をすると30分5,000円程度の費用がかかりますが、法テラスで相談を受ける場合、費用はかかりません。
法テラスの地方事務所で無料相談を受けたい場合には、法テラスに電話で連絡を入れて、申込みをします。
そして、日程を定めて法テラスの事務所に行くと、相談を受けることができます。
法テラス行った
聞きたいことを纏めて三十分しかないからめっちゃ巻いて話したら方向性が見えてきた。
よかった!次に進むぞ!— クレユキ@また原稿中…🍋 (@kureyuki62) 2017年11月28日
また、法テラスの無料相談は、法テラスの地方事務所でしか受けられないと思われていることもありますが、法テラスと契約している弁護士の場合でも、利用することができます。
契約弁護士の事務所で無料相談を受けるには、普通に弁護士事務所に連絡をして、法律相談の申込みをすれば良いです。
弁護士への相談時に、「法テラスを使って下さい」と言うと、弁護士が法テラスに申請をして、相談料を法テラスに支払ってもらうことができます。
ただし、法テラスと契約していない弁護士の場合には法テラスが使えませんので、契約している異なる弁護士に相談する必要が出てきます。
弁護士費用を立て替えてくれる「民事法律扶助」
法テラスには、民事法律扶助というサービスもあります。
民事法律扶助は、弁護士費用立替の制度です。
通常、弁護士に事件対応を依頼するときには、一括払いで着手金や実費を支払う必要があります。
しかもその金額は、数十万円単位となるので、普通の人にとっては大きな負担です。
お金が手元にない人の場合「弁護士に依頼したくてもできない」ことになってしまいます。
民事法律扶助制度を利用すると、法テラスが弁護士費用を立替払いしてくれるので、依頼者が弁護士に直接お金を支払う必要がありません。
法テラスは、着手金だけではなく実費の立て替えもしてくれますし、事件終了時には、報酬金についても立て替えてくれます。
立て替えてもらった費用については、基本的に、弁護士による事件着手後、法テラスに分割払いで償還していくことになります。
ただし、事件終了時にまとめて事件の相手方から支払いを受けられた場合には、その中からまとめて法テラスに償還金の返還をしなければなりません。
どうしても、相手からのお金を手元に置いておかないと生活が厳しい場合などには、事情を説明して申請をすれば、法テラスへの償還に全額充てるのではなく、一部を手元に残すことも認めてもらえます。
分割償還の方法
法テラスの民事法律扶助を使った場合、どのような方法で法テラスへ債務を返済するのか(償還)を、説明します。
この場合、基本的にゆうちょ銀行の口座引き落としとなります。
毎月15日や25日に引き落としが行われる(ケースによって異なります)ので、その前日までには入金をしておく必要があります。
一回の償還額は、原則として1万円です。
ただ、毎月1万円の支払いがどうしても苦しい場合には、5,000円にまで抑えてもらうことができます。
償還金に、利息や手数料はかからないので、立て替えてもらったお金を、追加の支払い額なく立て替えてもらった金額をそのまま支払うことで、かまいません。
法テラス利用後に失業などをして、分割償還がどうしても苦しくなった場合には、その旨法テラスに申請をすると、償還の猶予をしてもらえることもあります。
ただ、何も連絡しないまま法テラスへの償還をせずに無視していると、法テラスから督促が来ますし、ときには裁判をされて差押えをされる可能性もあります。
また、法テラスが収納代行会社という債権回収会社に委託すると、そういった業者からも取り立てを受けるおそれがあります。
法テラスを利用する2通りのパターン
法テラスを利用する方法には、2種類があります。
1つは、法テラスを通じて弁護士を紹介してもらう方法、もう1つは自分で見つけた弁護士に法テラスを使って依頼する方法です。
以下で、それぞれについて、説明します。
法テラスを通じて弁護士に依頼する
まずは、法テラスを通じて弁護士に依頼する方法です。
この方法は、まずは法テラスで無料相談をするところから始めます。
法テラスで無料相談を受けると、担当してもらった弁護士にそのまま法テラスの民事法律扶助を使って、事件対応を依頼することができます。
担当してくれた弁護士が受任してくれない場合には、法テラスから弁護士を紹介してもらうことができます。
そこで、紹介を受けた弁護士に民事法律扶助を使って依頼することができます。
自分で法テラスと契約している弁護士を探す
もう1つは、自分で探した弁護士に民事法律扶助を使って依頼する方法です。
法テラスには、法テラスに勤務しているスタッフ弁護士と、法テラスと契約をしている契約弁護士がいます。
スタッフ弁護士は、法テラスに勤務している弁護士なので、法テラスから弁護士の紹介を受けるときなどに紹介してもらうことができます。
これに対し、契約弁護士は、全国で普通に事務所を開業したり、勤務していたりする弁護士です。
そして、契約弁護士は、依頼者から事件の依頼を受けるとき、法テラスの民事法律扶助を使うことができます。
そこで、相談先の弁護士が法テラスと契約していたら、その弁護士に民事法律扶助を使って依頼することができます。
つまり、普通に弁護士事務所で相談を受けるときに、その弁護士が法テラスと契約していたら、無料相談を受けることもできますし、民事法律扶助を使えるので、法テラスから弁護士費用を立替払いしてもらうことができるのです。
この場合、弁護士が法テラスへの申込みや審査の手続きをしてくれて、民事法律扶助を利用できるかどうか、通知してくれます。
そこで、民事法律扶助を使って弁護士に依頼したいときには、法律相談を申し込むときに、「法テラスを使えますか?」と聞いてみましょう。
「使えますよ」と言ってもらえたら、その弁護士は法テラスの契約弁護士ですから、相談に行くと良いでしょう。
法テラスを使うと、どのくらい費用が安くなるのか?
法テラスを利用すると、弁護士費用はどのくらい安くなるのでしょうか?
以下で、離婚、債務整理の場合の法テラスの立替基準をご紹介します。
離婚の場合の法テラスを使った弁護士費用
法テラスの基準
離婚の場合、離婚協議の代理人と離婚調停、離婚訴訟の手続きにより、費用が変わります。
離婚協議を依頼する場合には、実費が2万円、着手金が63,000円~105,000円です。
合計83,000円~12,5000円です。
離婚調停の場合には、実費が20,000円、着手金が84,000円~126,000円です。
合計で、104,000円~146,000円です。
離婚訴訟の場合には、実費が35,000円、着手金が189,000円~241,500円で、標準額は220,500円となります。
合計で、255,500円程度です。
ただし、調停から引き続いて訴訟を行う場合には、着手金がさらに安くなり、157,500円となります。
すると、実費との合計でも、192,500円となります。
報酬金は、63,000円~126,000円で、標準額は84,000円です。
ただし、相手から財産的な給付があったときには、財産給付を基準に計算をすることとなります。給付を受けられた金額が3,000万円までは10%、3,000万円を超える部分については、6%+120万円となります。
法テラスの場合、経済的利益の10%の金額が84,000円より大きければ、84,000円の基本部分は不要となります(経済的利益か84,000円のどちらか大きい方の金額が報酬基準となるということ)。
このように、基本部分が不要となる点は、一般の弁護士事務所の相場と大きく異なる部分です。
一般の相場との比較
離婚を弁護士に依頼した場合の一般の相場は、離婚協議の場合、着手金がだいたい12万円~22万円程度です。(法テラスなら83,000円~125,000円)
離婚調停の場合の着手金は、23万円~33万円程度です。(法テラスなら104,000円~146,000円)
離婚訴訟の着手金は、35万円~45万円程度です。(法テラスなら220,500円)
いずれも、法テラスを利用すると非常に安くなっていることがわかります。
報酬金も、法テラスを使うと安いです。
一般の弁護士事務所に依頼すると、基本報酬として、32万円~53万円程度はかかります。(法テラスなら84,000円)
財産的給付があると、基本報酬に足して、以下の通りの金額が加算されます。
経済的利益(相手から受けられた財産給付など)が
- 300万円以下の場合、16%
- 300万円を超えて3000万円以下の場合、10%+18万円
- 3,000万円を超えて3億円以下の場合、6%+138万円
- 3億円以上の場合、4%+738万円
これに対し、法テラスなら、3,000万円以下の場合、一律で10%です。
たとえば、相手から500万円の支払いを受けられた場合、法テラスなら報酬金は50万円ですが、一般的な法律事務所に依頼すると、32万円(基本報酬)+68万円(経済的利益に対する報酬)=100万円となります。
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債務整理の場合の法テラスを使った弁護士費用
次に、債務整理する場合の法テラス基準を紹介します。
任意整理の場合
任意整理の場合、債権者が10社までなら実費は25000円、11社~20社までなら30,000円、21社以上なら35,000円です。
着手金は、債権者数によって異なります。
- 1社~5社の場合105,000円(実費と合計で130,000円)
- 6社~10社の場合、147,000円(実費と合計で172,000円)
- 11社~20社の場合、168,000円(実費と合計で198,000円)
- 21社以上の場合、189,000円(実費と合計で224,000円)
法テラスで任意整理を依頼した場合、報酬金は発生しません。
これに対し、一般の法律事務所に依頼すると、着手金の相場は1社について2万円~4万円、基本報酬金が2万円、減額報酬金が5%~10%です。
たとえば、債権者が7社の場合、法テラスなら着手金と実費の合計で130,000円ですが、一般の事務所に依頼すると、14万円~28万円くらいかかることになります。
これに基本報酬14万円と減額報酬が加算される事務所もあります。合計で28万円~42万円以上になります。
個人再生、自己破産の場合の法テラスを使った弁護士費用
個人再生の場合
個人再生の場合の法テラスの基準は、実費は一律で35000円です。着手金は、債権者数によって異なります。
- 1社~10社の場合、157,500円(実費との合計で192,500円)
- 11社~20社の場合、178,500円(実費との合計で213,500円)
- 21社以上の場合、210,000円(実費との合計で245,000円)
これに対し、一般の弁護士事務所に依頼すると、実費が3万円、着手金が32万円~52万円程度かかるので、合計35万円~55万円程度かかります。
自己破産の場合
自己破産の法テラス基準の場合、実費は一律で23000円です。
着手金は、債権者数によって異なります。同時廃止か管財事件かによって、費用に違いはありません。
- 1社~10社の場合、126,000円(実費との合計で149,000円)
- 11社~ 20社の場合147,000円(実費との合計で170,000円)
- 21社以上の場合、178,500円(実費との合計で210,500円)
一般の弁護士事務所に依頼すると、同時廃止の場合でも23万円~33万円くらいかかりますし、管財事件なら33万円~53万円くらいかかります。
以上のように、債務整理の場合でも、法テラスを利用すると、一般の弁護士事務所に直接依頼するよりも、大きく弁護士費用を軽減することができます。
基本的に、他の種類の事件でも法テラス基準だと、かなり費用は低くなります。
生活保護を受けるなら、法テラスが圧倒的に有利
生活保護を受けていると、償還が不要になる
生活保護を受けている人や、これから生活保護を受ける場合には、法テラスを利用すると非常に有利です。
生活保護を受けている場合には、法テラスに対する償還が不要になるからです。
つまり、「完全に無料」で弁護士に相談したり、事件対応を依頼したりすることができるのです。
法テラスに申請するときに生活保護受給中だった場合には当然償還不要となりますし、法テラスへの償還中に生活保護を受給するようになったときも、その時点から償還不要となります。
そこで、法テラスへ償還している間に生活保護の申請が通ったら、役所からもらった生活保護の決定書のコピーを法テラスに送ると、そのときから償還を止めてもらうことができます。
自己破産、個人再生の予納金も立て替えてもらえる
また、自己破産や個人再生をするとき、法テラスを使っても、「予納金」については、原則的に本人負担となります。
予納金は、個人再生の場合には13,000円または163,000円程度、自己破産の場合には10,000円または210,000円程度となることが多いです(全国の裁判所の運用によって異なります)。
予納金は、一般の弁護士事務所に依頼するときにも、当然必要になる費用です。
ですので、たとえば自己破産で管財事件になると、弁護士費用+予納金で50万円~70万円以上かかることになるのです。
ところが生活保護を受けている場合には、この予納金についてまで法テラスで立て替えてもらえて、しかも償還が不要になります。
法テラスには利用条件がある
以上のように、破格とも言える安さで弁護士に依頼できて、しかも少額の分割払いができる法テラスですが、世の中の誰でも利用できるわけではありません。
もともと経済的弱者の援助を目的とした機関なので、収入や資産が「一定以下」の人しか利用することができないのです。
以下で、その基準をご紹介します。
法テラスを使って無料相談の場合の利用条件
無料相談を受けるためには、収入が一定以下である必要があります。
収入が一定以上の場合、相談を受けることは可能ですが、30分5,000円の法律相談料がかかります。
収入に関する資力基準は、以下の通りです。
ただし、離婚事件の場合には、配偶者の収入は合算しません。
世帯の人数 | 申込者と配偶者の手取の月収額 | 家賃や住宅ローンを負担している場合に加算できる金額 |
---|---|---|
1人 | 182,000円以下 (大都市の場合、200,200円以下) |
41,000円以下(合計223,000円までOK) (大都市の場合、53,000円以下。合計253,200円までOK) |
2人 | 251,000円以下 (大都市の場合、276,100円以下) |
53,000円以下(合計304,000円までOK) (大都市の場合、68,000円以下。合計344,100円までOK) |
3人 | 272,000円以下 (大都市の場合、299,200円以下) |
66,000円以下(合計338,000円までOK) (大都市の場合、85,000円以下。合計384,200円までOK) |
4人 | 299,000円以下 (大都市の場合、328,900円以下) |
71,000円以下(合計で370,000円までOK) (大都市の場合、92,000円以下。合計で420,900円までOK) |
上記の金額は、月収(手取り)です。
上記のうち、()内の金額は、大都市基準です。東京や大阪など、生活保護の1級地の場合には、世帯収入が高めでも法テラスの援助を受けられます。
同居家族が4人を超える場合、1人あたり3万円(大都市の場合には33,000円)を加算することができます。
また、家賃や住宅ローンを負担している場合には、右の欄の金額を足すことができます。
収入基準は一見厳しそうにも見えますが、上記は手取りの金額ですし、世帯人数が増えると上限額が上がっていくので、意外と多くの人が利用することができます。
一度、ご自身でも利用できるかどうか、計算してみて下さい。
※上記の条件は執筆時点のものです。最新の条件は法テラスのページにてご確認ください。
法テラスを使って民事法律扶助の場合の利用条件
民事法律扶助の場合にも、上記の収入の基準を満たす必要があります。
それだけではなく、財産に関する要件を満たさなければなりません。
人数 | 現金・預貯金合計額 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
総財産の評価額が以下を超える場合には、民事法律扶助を利用することができません。
ただし、離婚事件のケースで、配偶者が相手方のときは、相手の資産は合算しません。
※上記の条件は執筆時点のものです。最新の条件は法テラスのページにてご確認ください。
法テラスの利用条件は自己申告?審査があるの?
法テラスで無料相談を受けるときには、収入については自己申告であり、審査はありません。
これに対し、民事法律扶助を受けるときには、収入と資産状況について、審査を受ける必要があります。
審査に通らないと、民事法律扶助を利用することはできず、自己負担で弁護士に依頼する必要があります。
民事法律扶助を受けるための審査に必要な情報・書類とかかる期間
法テラスの審査では、以下の書類が必要です。
- 収入の証明書
- 給与明細(直近2ヵ月分)
- 課税証明書(直近のもの)
- 確定申告書の写し(直近の分で、税務署の収受印のあるもの。e-Taxの場合は受付結果(受信通知)。)
- 生活保護受給証明書(法テラスへの申込みから3ヵ月以内に発行されたもの)
- 年金証書(通知書)の写し(直近のもの)
- 資力申告書(生活保護受給中の人以外)
- 世帯全員の住民票の写し(本籍、筆頭者及び続柄の記載のあるもの)
- 事件に関する書類
- 多重債務事件…債務の一覧表
- 離婚事件…戸籍謄本
- 交通事故事件…交通事故証明書、診断書
- 医療過誤事件…診断書
- 遺産分割事件…戸籍謄本
資産については自己申告になるため、証明資料は不要です。
こうした資料を法テラスに提出すると、法テラスで審査が行われます。
依頼する弁護士が決まっている場合には、弁護士に資料を渡すと弁護士から審査申込みをしてもらうことができます。
審査にかかる期間は、標準的に2週間程度ですが、お盆やお正月、GWなどを挟むと混雑するので3週間~1ヶ月近くかかることもあります。
審査で援助の決定が出ると、法テラスまたは依頼する弁護士から連絡してもらえます。
その後弁護士のところへ行くと、契約書を作成し、弁護士が事件に着手してくれます。
無料相談や立替援助を利用できるトラブルに制限はあるのか
法テラスで無料相談や民事法律扶助による立替援助を利用できるトラブルには、特に制限はありません。
一般的な離婚相談や債務整理、医療過誤、建築訴訟、不動産トラブルなど、個人のかかえる法的トラブルであれば、どのようなものでも利用することができます。
ただし、法テラスを利用できるのは個人のみです。
法人のかかえるトラブルについては利用することはできません。
たとえば、顧問弁護士や法人の債権回収、契約書作成などについて、法テラスで弁護士を探すことは不可能です。
法テラスを利用するメリット
弁護士費用が非常に安くなる
法テラスを利用するメリットは、弁護士費用が非常に安くなることです。
上記でご紹介したように、一般的な相場よりも非常に低額になり、半額以下になることも珍しくありません。
しかも、生活保護受給者の場合には、完全に無料になります。
弁護士費用を少額で、後から分割払いできる
もう1つのメリットは、弁護士費用を後から少額で分割払いができることです。
一般的な事務所に依頼する場合、分割払いをするケースでも、当初にいくらかの支払いが必要になることが多いですが、法テラスを利用すると、償還を開始する前から弁護士に事件着手してもらうことができます。
しかも、月々の償還額は5,000円~1万円と安いです。
普通の弁護士事務所で分割払いをするときには、月々数万円以上の返済を要求されるものです。
法テラスを利用するデメリット
法テラスには、デメリットもあるので注意が必要です。
収入や資産が一定以下でないと、利用できない
まずは、利用に条件があることです。
収入や審査の要件があるため、収入や資産が一定以上ある人は、利用することができません。
審査に長い時間がかかる
民事法律扶助の審査には非常に長い時間がかかります。
2週間~1ヶ月くらいかかるので、その間、弁護士に事件着手してもらうことができません。
たとえば債務整理などの場合、債権者から督促が来ていて状況が切羽詰まっていることもありますが、法テラスの審査期間中は弁護士が対応してくれないので、債権者からの督促を止めることができないのです。
普通に自費で依頼したら即日で債権者からの督促が止まることに比べて、大きなデメリットがあります。
担当弁護士を選べないことがある
法テラスを通じて弁護士に依頼する場合には、担当の弁護士を選ぶことができません。
紹介された弁護士を気に入らない場合には、依頼しないこともできますが、同じ問題を相談できるのは3回までなので、3回とも弁護士を気に入らなかった場合には、依頼をしないか、妥協するしかありません。
法テラスの利用をお勧めする人
- 手元にお金がないけれど、弁護士に依頼したい人
- 収入や資産がなく、将来が心配な人
- 離婚するのでお金を節約したい人
- 生活保護を受けている人
- できるだけ安く弁護士に依頼したい人
- 状況が切羽詰まっていないので、事件着手に急いでいない人
- 依頼する弁護士にこだわりがない人
このような方は、法テラスの利用に向いています。
法テラスについて、よくある質問
法テラスの弁護士は、報酬が安いからやる気がないのですか?
一概に、そういったことは言えません。
中にはそういう人もいるかもしれませんが、やる気のない弁護士は一般の事務所にもいます。
やる気のない弁護士を避けるには、自分で法テラスとの契約弁護士を探して、直接その弁護士に依頼すると良いです。
この場合、依頼する弁護士を自分の目で確かめて依頼できるので、リスクを軽減できます。
法テラス行ってきました!!
弁護士さん優しくてよかった〜
メールとか見てもツッコミどころだらけでこちらから訴えます??っていう案件らしい
気になってた事実は誹謗になるのかってのも、ならないらしいです— ゆめみゆ (@rei_lei_ier) 2019年1月23日
医療費や教育費を払っている場合、審査で考慮してもらうことができますか?
やむを得ない支出であれば、考慮してもらえます。
審査の申請時に、支払いに関する資料をつけて申し込んで下さい。
電話での法律相談は可能ですか?
弁護士による電話相談はできません。
あくまでオペーレーターが法制度や手続きなどのアドバイスをするのみに留まります。
法テラスに相談してよかったことは、近くで無料相談に乗ってくれる弁護士会の存在を教えてくれた事。相談自体にはのってくれない。どこに行けば良いとか、こういう方法があるよってのをテンプレ回答してくれる。それでも非常に助かった。
— 借金太郎 (@syakking0618) 2010年9月7日
手紙やメールで弁護士相談の予約ができますか?
できません。予約をしたい場合は電話で連絡をしましょう。
ただし、メールによる状況に応じた適切な法制度や手続きなどのアドバイスはもらえます。
法テラスの「メールでのお問合せ」ページからお問い合わせください。
一括で償還金を支払うことはできますか?
できます。数ヶ月分を支払うことも、残金を一括で払いきることも可能です。
以上のように、法テラスを利用すると、弁護士費用を大きく節減できるとともに、手数料なしで少額の分割払いができるので、非常に大きなメリットがあります。
自分で契約弁護士を探したら、気に入った弁護士を選んで依頼することもできるので、これからの弁護士選びの際、是非とも参考にしてみて下さい。
法テラスを実際に使った人の体験談
実際に法テラスを利用した方の体験談は下記からご覧ください。
法テラス体験談記事一覧
法テラスを利用できない場合や普段の備えには、弁護士保険への加入がおすすめ
今回は法テラスについてご紹介してきましたが、ご説明したとおり、法テラスでは相談内容によって利用条件や制限がありますので、利用したくてもできないというケースも想定されます。
そのような方におすすめしたいのが、弁護士保険です。
弁護士保険は、離婚・男女トラブル、労働トラブル、近隣トラブル、相続トラブル、詐欺被害など、あらゆる法律トラブル時の弁護士費用を補償してくれます。
法テラスの利用有無に限らず、普段からの備えとしても加入しておけばとても安心です。
弁護士保険なら11年連続No.1、『弁護士保険ミカタ』
弁護士保険なら、ミカタ少額保険株式会社が提供している『弁護士保険ミカタ』がおすすめです。1日98円〜の保険料で、通算1000万円までの弁護士費用を補償。幅広い法律トラブルに対応してくれます。
経営者・個人事業主の方は、事業者のための弁護士保険『事業者のミカタ』をご覧ください。顧問弁護士がいなくても、1日155円〜の保険料で弁護士をミカタにできます。
法人・個人事業主の方には、法人・個人事業主向けの弁護士保険がおすすめです。
経営者・個人事業主には『事業者のミカタ』がおすすめ!
『事業者のミカタ』は、ミカタ少額保険株式会社が提供する、事業者の方が法的トラブルに遭遇した際の弁護士費用を補償する保険です。
個人事業主や中小企業は大手企業と違い、顧問弁護士がいないことがほとんど。法的トラブルや理不尽な問題が起きたとしても、弁護士に相談しにくい状況です。いざ相談したいと思っても、その分野に詳しく信頼できる弁護士を探すのにも大きな時間と労力を要します。
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詳しくは下記でご紹介していますので、合わせてご覧いただければ幸いです。
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普通に日常生活を送っていても、法的なトラブルに巻き込まれることは多いです。たとえば貸したお金を返してもらえない場合、賃貸住宅を人に貸している場合に賃借人が家賃を払ってくれない場合、離婚トラブル、交通事故など、さまざまな問題が発生します。このような法的なトラブルが発生した場合には、示談交渉や裁判などを弁護士に依頼することが多いです。そうすると、当然民事訴訟費用(裁判費用)や弁護士費用などの費用がかかりますが、かかった費用を事件の相手方に請求することは出来ないのでしょうか。出来るとすればどのような場合に、どのくらい請求出来るのかも知っておきたいところです。今回は、民事事件の相手方に弁護士費用や民事訴訟費用を請求出来るのかについて、解説します。
弁護士に対して、「客から高い報酬を貰って儲けすぎ」というイメージを持たれている方は、多いのではないでしょうか?しかし弁護士は弁護士で、一定の報酬を貰わないと弁護士事務所が経営できないという切実な事情も存在します。今回は、法的な問題の解決を弁護士に依頼する場合、費用はいくらかかるのかや、そしてその前提となっている弁護士事務所の経営の実態にも迫っていきます。
相談費用、着手金、成功報酬金、日当、実費などの弁護士費用やその相場について詳しく知りたい方、そして弁護士費用がなぜ高いのかの構造的な原因を知りたい方は、最後までじっくりお読み下さい。