親の借金を背負うことになり、自己破産を決意している方もいるでしょう。
ただ、自己破産をスムーズに解決しようと思うと、今後の生活や人間関係についても考えなければなりません。
自己破産は法的な知識も必要となり、専門家に相談しようと考えている方もいるでしょう。
とはいえ「法的な相談をどう進めていけばいいか分からない」「費用負担が気になってなかなか前に進まない」という方が大半だと思います。
そこで今回は、自己破産をした方の体験談を紹介し、相談開始時から解決までの流れを解説します。
自己破産を決めている方だけなく、自己破産をしようか迷っている方にもおすすめの記事です。ぜひ最後までご覧くださいね。
こんな疑問にお答えします
Q.自己破産を考えています。どこで相談できますか?
A.自己破産の相談先は「弁護士」「法テラス」「その他の法律相談窓口」が挙げられます。
法テラスを利用する場合は一定の条件を満たせば無料相談を受けられます。ぜひ検討してみるといいでしょう。
弁護士費用の負担が不安であれば、弁護士保険の利用もおすすめです。
40代男性の自己破産体験談
はじめに、法テラスで自己破産を相談をした方の体験談を紹介します。
体験者のプロフィール
- 性別→男
- 利用当時の年齢→31歳
- 利用目的→自己破産
- 利用した年→2010年
- 利用した期間→半年
法テラスを利用するまでの経緯
現在40歳の男性です。
私が京都の法テラスを利用したのは31歳の時でした。
自分の自己破産の為に相談し、手続きをお願いしました。
理由は借金で、その前年に父親が大阪でやっていた会社が資金繰りに行き詰まり倒産。
銀行から融資を受けていた分の連帯保証人に父母と私がなっていたために、総額2億円の借金を背負うことになりました。
父は他にサラ金にも手を出していた為、即自己破産。
持ち家や車、貯金や保険は差し押さえになりました。
専業主婦だった母も合わせて自己破産。
ただ、社会人だった私は連帯保証していたのが一部で2000万円分だったこともあり、倒産時には自己破産しませんでした。
債権者である保証協会と返済プランについて話し合ったりしていたのですが、実家が無くなり一人暮らしを始めた事や父の会社の関係で働いていた為転職を余儀なくされた事もあり、貯金はごくわずか。
当時交際していた彼女との結婚話をきっかけに、自己破産して再スタートしようと法テラスへ電話を掛けました。
法テラスに連絡し、弁護士に自己破産を依頼
電話では女性の方が非常に丁寧に話を聞いて下さりました。
相談とはいっても自分はもう自己破産する事はほぼ決めていたので、実際に会って資料等を渡し詳細を話す日程を決めてもらいました。
予約した日に法テラスへ伺い、弁護士の先生とお話ししました。
若い男性の先生だったのですが、とても親身に聞いて下さいました。
また自己破産についても詳しく、法的なことから必要な書類、今後の人生への影響など説明してくださいました。
失礼ながら最初は若い先生で大丈夫かと思ってしまったのですが、話す内にそんな感情は吹き飛ばされ、とても信頼できる先生だという思いになっていました。
前年に父母の自己破産を経験していたのである程度は必要な書類の知識があり、簡単な家計簿や資産一覧を用意して持って行ったのですが、これだけあれば手続きもスムーズに進められると先生から言っていただきました。
ただ、原因となった父の会社の倒産についての資料は実家が無くなった時にほとんど処分するか父母の引越し先であるアパートに持って行った為、探しに行かなければなりませんでした。
兎にも角にも、私はそのまま自己破産の手続きをしてもらえるよう依頼しました。
大体の費用(約20万円)についても提示され、立て替え払いや分割払いなどの制度についても教えて頂いたのですが、幸いにも貯金額貯金で賄える額でしたので、それらの制度は利用しませんでした。
自己破産が得意な弁護士を紹介してもらえたのもよかった
父の自己破産の時には法テラスではなく父の知り合いの弁護士事務所に相談しお願いしたのですが、その時は持ち家等の財産があった為に時間も手間も桁違いで、費用も私の何倍もかかりました。
約20万円という費用は思っていたよりも少なく、助かりました。
私の自己破産も父と同じ法律事務所へ頼もうかとも考えたのですが、やや費用が高くかかりそうなことと弁護士の先生が自己破産という分野を普段やっていないと仰っていたこともあり、やめました。
法テラスでは、予約の電話の際に自己破産と言っていたので特に詳しい先生を担当にして下さったのか、それとも借金がらみの相談が多くてどの先生も詳しいのかはわかりませんでしたが、兎にも角にも安心してお任せすることが出来ました。
思ったよりもスピーディーに手続きが完了
それからは、必要な書類を集めては弁護士先生の所へ持って行き相談しました。
父母が自己破産した時の書類がなかなか出て来なかったのですが、出てきた書類に会った裁判の取り扱い番号から調べて書類を作成してくださいました。
前のイメージから自己破産には1年近くかかるかと思っていたのですが、免責が降りるまで非常に早かったのを覚えています。
途中の相談でも非常に親身になって聞いて下さり、正直20万円でこんなにしっかり対応してもらっていいのかな?という思いでした。
そのころ両親は年金生活だったのですが生活するには足りず、私が給料の一部を両親へ送金していました。
その分を私は家計簿から外していたのですが、家計の中で必要な支出だと助言して下さったので、現在の収入では借金を返済不可な理由を明記出来ました。
結果準備から申請、免責・復権までとてもスムーズにすすみ、私は2000万円の借金から解放されました。
自殺を考えた時もあった
本来きちんと返済すべきお金であるということはもちろん理解しています。
決してチャラになった、ラッキーなんて思ってもいません。
しかし、将来を悲観して自殺すら考えていた自分にとっては本当に肩の荷が下りる思いでした。
父の会社が倒産して父母が自己破産した時は、その手続きでいっぱいいっぱいでした。
父母の手続きが完了してからは、自分の住むところや仕事探しで手一杯でした。
やっと生活が落ち着いた頃、自分がかかえた借金について考えるようになりました。
2000万円…家を買うぐらいの金額です。
決して無理な額でもありません。
一生懸命働けば、大成はしなくても還暦を迎えるまでには返済できるのではないでしょうか。
しかし、人生がそれで終わる気がしました。
親の借金を返すだけの日々、その為の仕事。
当時の私は、お先真っ暗という思いと何とか逃亡できないかという思いにとりつかれていました。
酒に逃げたり、自殺の方法を模索したりしていました。
当時交際していた彼女も、私が自殺するか失踪するんじゃないかと毎日怯えていたそうです。
あの時法テラスのパンフレットと出会えてよかった
しかし、幸いなことに友人や家族にも支えられ、何とか少しずつ前を向けるようになりました。
仕事も見つかり何とかやっていけるようになり、生活も落ち着きました。
法テラスについて知ったのは、そんな時です。
保険の手続きで行った市役所で法テラスのパンフレットを見つけ知りました。
すぐには電話しませんでした。
自己破産しようか決められず迷っていたのです。
父母や彼女に相談しました。
父はできれば自己破産せずに他の方法を考えられないかと言いました。
自分のせいで息子が自己破産するのが嫌だったようです。
母と彼女は賛成でした。
後々デメリットはあるにしても、一度リセットした方が気持ちが楽になるのではないかというのが、二人の意見でした。
彼女は更に、結婚の話もしました。
彼女の両親へ挨拶するのに、2000万の借金がありますというよりも、借金があったけど自己破産して免責を受けており今から新たな人生を歩もうとしています、という方が良いというのです。
それには私も納得でした。
考えた末に自己破産する事に決意し、法テラスへ電話しました。
今思うと、悩んでいる段階で電話して相談に乗って貰ってもよかったかなと思います。
素人ではわからない法的なことは、やはり弁護士の先生と話すことで理解できるようになりました。
決意してから相談ではなく、迷っている時点で相談してもしっかり話を聞いてアドバイス下さったことでしょう。
人生をやり直すチャンスを頂いた
そうして私は無事に自己破産の手続きを完了し、免責を受けて復権しました。
仕事にも影響なくそれまで通りの生活も続けることが出来ました。
生活は変わりませんでしたが、気持ちはとても楽になりました。
本当に体が軽くなったような気さえしました。
法テラスを利用して、本当によかったと思います。
まず法テラスのパンフレットを見たことが、一歩踏み出すきっかけになりました。
弁護士の先生には本当によくして頂きました。
あのままぐずぐずと悩んでいたら、今頃この世にいなかったかもしれません。
今年待望の第一子も誕生しました。
人生をやり直すチャンスをもらったと思っています。
自己破産でかかる弁護士費用
自己破産を弁護士に依頼することで「相談料」「着手金」「報酬金」の3つがかかります。
それぞれかかる費用相場は、以下のとおりです。
- 相談料:5,000円程度(初回相談を無料とする法律事務所もあります)
- 着手金:30万〜60万円(結果に関係なく弁護士に支払う費用です)
- 報酬金:0円〜30万円(事務所によっては着手金に含まれる場合もあります)
上記の相場はあくまで目安です。
法律事務所によって初回相談を無料で行っているところや、報酬金を設けずにあらかじめ着手金に含めたところもあります。
依頼前に事務所の料金体系を確認してみてくださいね。
自己破産による弁護士費用を払えない場合の対処法
自己破産を弁護士に依頼したくても、費用を支払えないという方もいるでしょう。具体的な対処法を3つ紹介します。
弁護士費用を分割払いにできないか相談する
まとまったお金がない場合は、着手金の分割払いに対応している法律事務所を検討してみましょう。
弁護士に自己破産の旨を伝えると、受任通知の送付により支払いを中断できます。
実際に返済に充てようとしているお金を、弁護士費用に回せます。
弁護士保険の利用を検討してみる
弁護士保険の利用を検討してみることも一つの手段です。
弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。
通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。
弁護士保険に加入しておくことで、法的トラブルが発生した場合に弁護士に支払う費用を抑えられます。
弁護士保険なら11年連続No.1、『弁護士保険ミカタ』
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弁護士保険の特徴については、こちらの記事をご覧ください。
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法テラスを活用してみる
法テラスの活用もおすすめです。
法テラスは、国が設置した法的相談窓口で、国や地方自治体、弁護士会が運営しています。
今回の体験談にもある通り、自己破産についての相談もできます。
ただ、法テラスの無料相談を受けるには以下の条件が必要です。
- 国内在住者のみ対象
- 収入基準や資産基準がある
一定の条件を満たしていれば、初期費用をかけずに弁護士に相談・依頼ができるでしょう。
法テラスおよびその他弁護士無料相談窓口のご紹介
債務整理や離婚問題など、あらゆる法律トラブルで弁護士に相談や依頼をしたいとき、お得に相談が可能となるのが「法テラス」です。
ただし、法テラスには利用条件があるため注意が必要です。
法テラスの利用条件については、公式サイトより確認してみてください。
法テラスの詳細については下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
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また、法テラス以外にも無料で弁護士に相談できる窓口は複数あります。
弁護士の相談窓口について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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記事を振り返ってのQ&A
Q.自己破産を考えています。どこで相談できますか?
A.自己破産の相談先は「弁護士」「法テラス」「その他の法律相談窓口」が挙げられます。
Q.弁護士費用を支払う余裕がありません。対処法はありますか?
A.まとまったお金を用意できない場合は、弁護士費用を分割払いできる事務所に依頼するといいでしょう。そのほか、弁護士費用を負担してくれる弁護士保険の利用もおすすめです。法テラスを利用すれば無料相談を受けられるので検討してみるといいでしょう。
Q.法テラスはどのような場所ですか?誰でも利用できますか?
A.法テラスは、国が設置した法的相談窓口で、国や地方自治体、弁護士会が運営しています。自己破産についての相談もできます。法テラスの無料相談を受けるには一定の条件が必要です。条件にあてはまるかどうか、公式サイトで確認してみてください。