【法テラス体験談】ご近所のトラブルで法テラスに相談。1年を要するも無事解決

taiken

この記事の執筆者

法テラス体験者

体験者のプロフィール

・性別→男性
・利用当時の年齢→48歳
・利用目的→近所トラブル
・利用した年→2018年
・利用した期間→1年
・かかった金額→相談料無料、弁護士費用75万円

体験談の概要

今回紹介するのは、身近で起きた近隣トラブルを法テラスと弁護士に相談して解決した体験談です。

当時、筆者の近所には、日頃から近隣住民に対して暴言を吐くなどの迷惑行為を繰り返す男性Aさんが住んでいました。
生活に支障が出た近隣住民は、法テラスに相談し近隣トラブルに強い弁護士を紹介してもらいました。弁護士がAさんに迷惑行為を辞めるよう説得し続けた結果、居心地が悪くなったのかAさんはその場所から引っ越していきました。

費用や時間は多く掛かったものの、近隣トラブルは解決でき、今は平穏な生活をおくっています。

トラブルの経緯

私は長い間、近所トラブルに悩んでいました。

私の自宅の近くに男性の老人が一人で暮らしています。

その人はAさん(仮名)と言うのですが、近所の人に会うととにかく暴言を吐いたり、迷惑行為を繰り返したりするのです。

一度、家内がご近所の人と自宅近くで立ち話をしていた時の事です。

家内達が話をしている最中にAさんがやって来て、会話がうるさいと怒鳴るそうです。

家内達は大声で話をしていた訳ではありません。

けれども会話がうるさくて迷惑だと大声で怒鳴り、挙げ句の果てには自宅から持って来た木材を振り回したそうです。

怖くなった家内達は一目散に自宅まで逃げ帰ったと言っていました。

私の自宅周辺の道路は私道になっています。

私道ではありますが、住民にとっては生活道路ですので日頃から私たち住民は全く問題なく自動車で行き来をし、歩いて使う事も当然あります。

けれどもある日、Aさんは自分の自宅前の道路をその所有者は自分であるという事を理由にしてあらゆる人や車の通行を禁止してしまったのです。

そのせいで、そのエリアに住む人達は大きく迂回しなければならなくなりました。

また、それまで当たり前のように通行していたゴミ収集車は迂回路は道幅が狭い事により入ってこれない事態となりました。

当然、周辺住民のゴミは収集が止まってしまったのです。

困った住人は市役所など行政に相談をしたのですが、行政側はあくまでも私道の使用に関する事なので住民同士で話し合い、解決して欲しいとして全く取り合ってもらえません。

これには本当に困りました。

結局、自治会長を筆頭に周辺住民達は意見を統一してAさんを長い間説得し、私道を解放させる事が出来ました。

この解決にあたって要した時間は実に2ヶ月です。

その間、収集できないゴミは住民が自分の車でゴミ処理場まで持ち込むと言う事態にまでなっていたのです。

受忍限度という考え方

実は、近隣トラブルにおいては「受忍限度」という考えが存在します。

受忍限度とは、日常生活において我慢すべき基準です。

迷惑行為が受忍限度を超えていると確認できた場合、損害賠償請求が認められやすくなります。一方、受忍限度を超えていないのであれば我慢する必要があります。

しかし、Aさんの行為は本当に非常識で、少なくとも私たち住民にとって我慢できる範囲を超えていました。

そんな人物が住んでいる地域では別の事でも困った事態が起こります。

私の自宅近くに住む人が自分の自宅を売却しようとしたのですが、結果的に売れませんでした。

その理由は近隣にAさんというトラブルメーカーが住んでいるという事。

やはり不動産業者はそういう情報をしっかりと持っているものなのです。

自宅売却を希望した人は泣く泣く今でも同じ場所に住み続けています。

Aさんが巻き起こすトラブルで一番困るのは、周辺住人を見かけると誰彼構わず捕まえて大きな声で暴言を吐く事です。

それは相手が老人、子供問わずです。

そんな事もあり、この周辺に住む子供の中にAさんに恫喝された事が原因で外に出る事が出来なくなってしまったケースもあった程です。

一度、困り果てた結果、周辺住民で警察に相談に出かけた事もあります。

けれども警察ではこれと言った人的損害、物的損害が発生していないという事や、絶えずAさんを監視する事は警察として出来ない事を理由にして、対処はしてもらえませんでした。

法テラスを知る

そんな経緯で対処方法はもうないのかと諦めていた所、法テラスという制度を私たち住民は知ったのです。

法テラスに相談をすればそこで弁護士、地方公共団体など、解決に向けて最適な窓口を紹介してくれると私たちは知りました。

法テラスに相談し、そこで弁護士などを紹介いただければ、その弁護士先生はあくまでもきちんとしたルートで紹介頂いた方になるので、周辺住民も納得しやすいというものです。

実は過去に周辺住民の中には個人的に弁護士の先生に相談をした人がいたのですが、なかなか近所トラブルに関しては経験値が少ないことや、損害の立証の難しさから案件として引き受けてくれない事が多々ありました。

けれども法テラスに相談をすればそういった分野に経験のある弁護士の先生も紹介が可能だと言います。

私たちは本当に藁をもすがる思いで法テラスにこれまでの事、そしてこれからの対応方法について良いアドバイスをしていただけるよう相談をしたのです。

法テラスは都道府県ごとに事務所があります。

私たちは自治会長を代表者として、そして数人の住人を選び彼らを代表として法テラスの事務所に相談に行く事になりました。

法テラスの事務所で今までの大まかなトラブル、そして現在の状況を説明すると担当をしていただいた方からはやはり弁護士の先生を立ててAさんと交渉をして行くのが良いとアドバイスを受けました。

そして法テラスとしてやはりご近所トラブルの相談はそれなりに受け付けていた経験があるので、このような案件に対して引き受けてくれる弁護士の先生を自治会に紹介していただける事になったのです。

弁護士費用の立て替えはできずも

そしてもう一つ、法テラスのご担当者の方に相談をした事があります。

それは弁護士の先生に事案解決を依頼した場合の費用です。

弁護士の先生に払う費用はAさんに悩まされている住民同士で捻出して工面します。

けれども、住民から費用を集める際、どういう弁護士先生に事案解決を依頼し、どのように解決をしていくのか、きちんと説明する事を要します。

中にはそういった事に対して反対の声を上げる人も予想され、なかなかスムーズに費用を住民から集める事も出来ないかもしれません。

かと言って、全住民が納得するまで時間を要していたのでは、その間もAさんによる迷惑行為は続いてしまいます。

そこで私たちは法テラスに弁護士費用の一時立て替えを相談してみました。

法テラスが弁護士費用を当面、用立ててくれればスムーズに事案解決に話は進みます。

けれども、残念ではありましたが、法テラスで弁護士費用を一時立て替えを行うのは、経済的に困難な環境にある事が条件のため、今回の私たちの事案ではそれは当てはまらないと言う事でした。

それはそれで仕方ない事です。

私たちは住民同士で話し合い、とりあえずその時点で弁護士先生に事案を依頼する事に同意する住民だけで費用を捻出する事にして、事案解決に向け動き出したのです。

弁護士さんからのアドバイス

法テラスからは早速、このような近所トラブルに詳しい弁護士先生を紹介してもらいました。

その弁護士先生にまずはこれまでの経緯を詳しく説明し、今後の対処方法をアドバイスしてもらいました。

先生からは、なるべくAさんから受けた暴言は記録に残しておく事、出来ればスマホによる動画などがベストと言います。

けれども住民の中にはご高齢の方、幼い子供もおり、なかなかそれが出来ない場合もあります。

その場合は、メモでも構わないので日時、暴言内容を記録しておくこととアドバイスを受けました。

それら証拠集めには約半年ほどかかりました。

1年を要したが無事解決

その証拠を元に弁護士先生よりAさんに対して今後、このような迷惑行為を続ける場合には住民として刑事告訴、損害賠償を辞さない旨、書面を出して頂いたのです。

もちろん1回の書面でAさんの迷惑行為は止みませんでしたが、その後弁護士先生による直接の交渉などを根気よく続けて、Aさんの迷惑行為はなんとか収まりました。

さすがに弁護士先生が出ていた事でAさんはこの土地にはこれ以上住めないと感じたのか、今ではAさんは他の地域に引っ越しをしてしまい、私たち住民は平穏な生活を送っています。

この解決に至るまで、実に要した時間は1年です。

本当に私たちにとっては長い時間でした。

また、かかった費用は弁護士先生との相談、打ち合わせの費用など約75万円です。この費用は住民全員で均等に分担したのです。

今回のトラブルに際し、私たちだけでは住民全員の意見をまとめることは難しかったと思いますし、近所トラブルの解決に長けている弁護士先生を探す事も出来なかったと思います。

世の中にはどこにどう相談をしたら良いのか分からない事案というものはたくさんあるものです。

それを考えると、私たちは法テラスに相談をして本当に良かったと思っています。

体験談を振り返って

近隣トラブルは、いつ誰が巻き込まれてもおかしくありません。

身近な近隣トラブルの例には、「騒音」「悪臭」「ゴミの不法投棄」「土地の境界線問題」「迷惑駐車」などがあります。

残念ながら、本記事で紹介したAさんのように近隣住民への嫌がらせをする人もいます。

受忍限度を超えたレベルの近隣トラブルに遭遇した際は、我慢せずに対処しましょう。

自身での対応が難しい場合は、法テラスや弁護士の力を借りるのもおすすめです。

弁護士に相談する場合には、弁護士保険がおすすめです。保険が弁護士費用の負担をしてくれるので助かります。

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記事を振り返ってのQ&A

Q:受忍限度とは何ですか?
A:日常生活において我慢すべき基準です。迷惑行為が受忍限度を超えていると確認できた場合、損害賠償請求が認められやすくなります。

Q:今回、法テラスに相談して得られたメリットは何ですか?
A:近隣トラブルに強い弁護士を法テラス経由で紹介してもらい、最終的に問題解決につながったことです。

Q:最終的にAさんはなぜ引越をしたのですか?
A:弁護士の根気強い説得があったからです。

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