美容整形の失敗は医療ミス?泣き寝入りしないためにはこうしよう!

 


美人、イケメン、近年では美魔女など、最近容姿が端麗な人々が、増えた気がしませんか?

その一方で、なんだか似たような顔になった、昔と変わった、と言われている芸能人などもいたりして……そうです、今回のテーマは美容整形についてです。

誰であっても美しくカッコ良くなりたいと思う気持ちは当然あるものですし、何より近年は美容整形自体の技術の向上もあり、ちょっとした施術時間でできてしまうような金銭的にも感覚的にもハードルの低い、プチ整形/プチ豊胸と呼ばれるものも登場しているくらいですよね。

そしてそうなってくると、芸能人だけでなく一般の多くの方々も気軽に美しさに磨きをかけようと施術するようになります。

しかし、そんな手軽な美容整形ですが、その便利な美しさを享受する人が増える一方で、思っていたのとは違う結果になりトラブルに……むしろそれどころではなく、死傷事故へと発展するケースも増えてきているようです。
美容整形の失敗による相談
ただそうなった場合、普通の医療ミスであれば病院や医師へ過失の責任をすぐ問えるのですが、何だか美容のためとなるとそこがうしろめたく感じてしまい、何も言えず泣き寝入りしてしまう方々も多いのではないのでしょうか。

今回はそうした方々の力に少しでもなれるように、注意すべき内容をまとめてみました。

美容整形は医療行為なのか?


普通の医療ミスと違う扱いをされる美容整形ですが、その問題の根底にはまず、美容整形とは医療行為なのか?という議論があるからでしょう。

そもそも美容整形を行う「美容外科」とは、1978年に形成外科から独立し、正式な標榜診療科として認められたものです。

そして、医療法施行令第3条の2には、広告することができる診療科名として規定されたものです。

本来形成外科は、口唇裂や大耳症といったどうしようもない先天性疾患や、あるいは火傷や傷跡というような後天性疾患を、外科的手段により元の状態へ近づけることを目的としているものです。

しかし、現実的な医療の現場では、基本的には形成外科で行われるような治療も美容外科で行われていたりしていて、その違いは明確とは言えません。

ただし、美容外科では主に患者の美しくなりたいという主観的な願望を満たすために施術が行われており、患者の希望した結果と現実の結果が一致しなかったり、まったく手術の危険性が説明さられたりすることなく行われ、失敗した場合の法的トラブルも起こっています。

その多くは、刑事責任が問われたケースは少なく、主に民事の債務不履行(民法415条)や、もしくは不法行為(民法709条)といったもので解決されており、そんな民事の分野では、「専門家としての判断の下でその医学的知識と技能をもって身体に対して行う侵襲行為」を、一般的には医療行為とすることが多いです。

そのため、治療目的の有無に関係なく、美容整形で行われている施術も「医療行為」として扱われているのです。

しかし、刑法においては、「医師が患者の生命維持ないし健康の維持・回復のために、医学上一般に承認された医学準則に従って、患者の承諾を得た上で行った行為」は、正当業務行為として正当化されると理解されているため、美容整形で行われている施術を医療行為とするためには、治療の目的が必要となるのです。

そこで、例えばまぶたを二重にする手術や豊胸、脂肪吸引といったものらは治療の目的を持たないと考えると、厳密な意味では医療行為と認めることはできなくなるのです。

こうして民事と刑事の間でも認識は揺れますが、しかし主な認識としては、精神的救いにはなるものの、治療行為はやはり治療目的で行われる医療的処置であり、あくまで本人の個人的な健康の保持や促進を目的とするものでなければならないとして、美容整形は治療行為には含まれないとされることが識者の中でも強い傾向にあります。

裁判になりにくい美容整形の失敗


美容整形では、圧倒的に失敗されても泣き寝入りになる、というパターンが多いようです。

なぜならば、まずもって被害者は公開された法廷で自身の美容整形の失敗を争うことが恥ずかしく、提訴自体をしにくいからです。

特に裁判では施術におけるビフォーアフターの写真を提出したり、容姿にコンプレックスを持っていることに関して議論されたりというのは当人にとっては辛いことでしょう。

また、美容整形についてまだまだ世間一般には批判的な風潮が根強く残っているという点も、裁判を行いにくい原因として考えられるでしょう。

そんな風潮につけこむ悪徳クリニックも

そして何度も失敗を繰り返すような悪徳なクリニックは、患者が裁判を起こしにくいことをわかったうえで、患者が損害賠償を求めても簡単には示談に応じず、「裁判を起こしたいなら起こしてみれば」と開き直ってくるケースも多いようです。

こうなるとクリニック側が示談に応じてくれないと患者は泣き寝入りするしかなくなってしまうので、やはり裁判に向けて、弁護士などの専門家のアドバイスを仰いだ方が良いです。

また近頃は、より安価だからと海外へ行ってその先で美容整形を受ける方も増えているのですが、国内ですら損害賠償請求が難しいのですから、海外で手術を受けてトラブルになった場合は、ますます損害賠償請求を行うのは難しくなります。

裁判に勝った!でも慰謝料は……?

美容整形の失敗の裁判は、一般の医療過誤に比べて賠償額が少額なことが多く、結果的に費用対効果が合わないことが多いので要注意です。

賠償額が少ないと、裁判費用や弁護士費用、専門医による私的鑑定意見書作成費用といったものなどを払うと、いくら勝訴していても赤字になってしまう可能性もあり、それでは何故裁判をしたのだろうということになってしまいます。

結果的に賠償額が少額になってしまう理由としては、損害賠償額は裁判所による算定基準が使われる事になっているからなのです。

どんな辛い思いをしたとしても、傷害慰謝料は単純に入通院日数・期間で決まるものなので、入院日数や通院回数が少ない場合どんどん金額は下がります。

そして入通院が無い場合は、休業損害も発生しません。そして近年の美容整形は、ほとんど日帰り手術なので傷害慰謝料、休業損害が発生しない場合が多く,修復手術で入通院があっても長期にならない限り低額になります。

ちなみに美容整形失敗の賠償額は、もちろんケース毎にもよりますが、おおよそ治療費プラス50~150万円程度が多く、美容整形の失敗で外見に醜状が一生残るとなってしまった場合、とてもこれでは納得できる金額ではないと思います。

実際の判例をみてみよう!

美容整形 失敗 訴訟
ここまで美容整形で失敗してしまった時にあまり良い方向に向かうような話が少なかったかと思うので、逆に安心できる判例をご紹介しましょう。

美容整形外科手術の過誤

本件は、美容整形外科手術で被害者側が勝訴した事例である。(東京地方裁判所平成9年11月11日判決)

判例タイムズ986号271ページ
確定

X:原告(被施術者)
Y:被告(美容整形外科・形成外科医院を経営する医師)
A:関係人(Y医院の本件手術の執刀医)
B:関係人(Y医院におけるXの診察医))

X(昭和四十年生まれの女性)は、平成三年に外国において、両眼瞼を二重にする美容整形手術を受けていた。しかし、Xは、その結果左右の二重の幅が広くなりすぎ、また、特に左眼瞼の二重の幅が右眼と比して広く、左右差が残ってしまったと考え、これを修整するため、平成五年十月二十三日、Yの経営する病院(Y医院)に赴き、Yとの間でXの両眼瞼を整形する旨の診療契約を締結した。

XはYに対し、手術費用等として五十三万円程、感染症検査代三万円程を支払い、同月二十七日Y医院において、Y立ち会い、Y医院のA医師の執刀による「トータル切開法」による両眼瞼を修整する美容整形手術を受けた。

しかし、二重瞼を修整する手術は、単なる瞼の手術よりも格段に困難なものであり、Xの両眼瞼の二重の幅が狭くなることはなく、左眼瞼の睫毛が外反する結果となった。
Xは、次の内容のYに対する損害賠償の訴えを提起した。

美容整形手術にあっては、緊急性がなく、手術の必要性自体が患者の主観的意図に基づくことが多いのであるから、医師は、手術の難易、成功の可能性、他の部位に及ぼす影響等について十分に説明すべき注意義務がある。Yは、これに違反して、Xに対し、本件手術前に、本件手術が困難なものであるとか、手術の結果、元に戻ってしまう可能性があるなどという説明を全くせず、本件手術の術式の説明のみをしてXの希望に添う結果を請け負ったため、XはYの言を信じて本件手術を受けることにした。

したがって、XはYには説明義務違反があるとし、この他診察上の誤り、施術決定の誤り、術式選択の誤り、施術の失敗を主張し、債務不履行責任または不法行為責任に基づき、Yに対し、六百五十六万円余り(手術費用等五十六万円余りと、慰藉料九百三十万円の内金六百万円を合計した額)の損害賠償を請求した。
引用元:国民生活センター

この判例においては、診察の誤りなどだけではなく、説明義務違反という明確な失敗ポイントがあったことも大きかったようです。

そもそも、こんな美容整形外科では手術を受けちゃダメ!


最後になるべく美容整形における失敗のリスクを減らすために注意したいポイントを確認しましょう。

即日契約・即日施術をする病院

まず即日契約、即日施術する病院は完全に危険です。

実績がある美容整形の有名な先生ほど、丁寧に患者とどういった施術をするのか、どうなりたいのかということを念入りに細かく打ち合わせして、お互いに納得するまでは、手術はしないというもののようです。

もちろんその分、料金も高くなると思われますが、逆に必要のない施術は必要がないと教えてもらえるようなので、決して営利目的のみではないと思われます。

リスクの説明をせずに、メリットばかり説明する

また施術によるリスクの説明をせずに、メリットばかり説明するところも怪しいです。どんな手術であってもリスクは多かれ少なかれ絶対存するものです。100%安全ということは、存在しないと思っていた方が良いかと思います。

施術後の効果には個人差があることや、効果の持続時間からさらに5年後10年後となった時に、いったいどうなるのかというような話をしないところは要注意です。

説明する人と施術する人が別

さらに、説明する人と施術する人が別というのも怖いもので、美容整形とはいえ医師と患者の信頼関係がないとやはり成功はしません。

自身に説明してくれている医師が直接手術をしてくれるのかどうかは、必ず確認するようにしましょう。

生まれたままの自分の顔やスタイルが完璧すぎて、非の打ちどころがなくコンプレックスも全然ないよ!という人はおそらく少数派でしょう。そんな一部の突きぬけて幸せな人以外の方々は、多少妥協をしながらも自身のルックスと一生付き合っていくのが普通です。

そんな中、美容整形すれば確かにより社会に積極的に参加する良いきっかけにはなるかもしれません。しかし病院や手術方法の選択は当然、自己責任になるので注意が必要です。

安易に、価格が安いからと行って即決せず、複数の病院を比較検討して一生付き合っていけそうなベストなところを見つけることこそが大事です。

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弁保社長

弁保社長

慶應義塾大学卒業後、大手エネルギー関連企業、ベンチャー企業の取締役を経て、2014年に弁護士保険募集代理店として㈱マイクコーポレーションを創業。 幼少期をアメリカで過ごし、訴訟リスクについて親友の父(弁護士)より学ぶ。 自身の離婚経験、友人の相続トラブル、後輩の勤務先企業からの不当解雇など身の回りで弁護士に依頼をした事例が多数起こり、日本での訴訟リスクの高まりと弁護士費用保険の必要性を感じたことをきっかけに、「誰もが小さなトラブルでも気軽に弁護士に相談できる社会」を目指し、広く日本初の弁護士費用保険である「Mikata」の普及促進を図っています。(さらに詳しいプロフィールはこちら
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