痴漢冤罪とは?疑われた後の対処法や相手への慰謝料請求について

痴漢は、決して許すことのできない犯罪行為です。
しかしその一方で、痴漢冤罪の被害で悩んでいる方も少なくありません。

不運にも痴漢を疑われてしまった場合、人生がめちゃくちゃになってしまうケースも考えられます。

とはいえ、

「やってもいない行為をどう立証していいのか分からない」
「誰に助けを求めるべきか悩む」

と、対処の仕方に戸惑いを持たれている方は多いでしょう。

本記事では、痴漢冤罪に対する適切な対処法を分かりやすく解説します。
相手への慰謝料請求が可能かどうかもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

こんな疑問にお答えします

Q.やってもいない痴漢を疑われたとき、どう対応すればいいですか?

A.痴漢冤罪を回避するには、適切な初動対応を心がけましょう。また、初動対応の際に絶対にやってはいけない行為もあるので注意が必要です。最初の対応で少しでも間違えてしまうと、取り返しのつかない事態を招きかねません。不安な場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

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痴漢冤罪とは?疑われたらどうなるのか

はじめに、痴漢冤罪とは何か解説します。

痴漢冤罪とは、実際には痴漢行為を犯していないにもかかわらず、誤って罪を着せられてしまう状況のこと。相手の勘違いによって告発されるケースが多く、一度でも痴漢を疑われてしまうと、不当な罰を受ける可能性があります

痴漢冤罪による被害事例は、2023年11月に逮捕された私人逮捕系ユーチューバーの過激といえる行為が記憶に新しいところでしょう。

逮捕されたユーチューバーは、痴漢を行なっていると疑われる人を捕らえて、その一部始終の動画を無断で公開していました。しかし、取り押さえる際の制圧的といえる行為は物議を醸し、痴漢冤罪を作り出すリスクはゼロとはいえないでしょう

冤罪被害は、個人だけでなくその家族や社会生活にまで影響を及ぼしかねません。痴漢冤罪は、その人や大切な家族の人生をおびやかす深刻な人権侵害として社会問題になっているのです。

裁判にかけられたら有罪回避が難しくなる

痴漢で起訴されて裁判にかけられてしまった場合、有罪回避は難しくなるといわれています。

日本の刑事事件における有罪率は99%以上(※)で、起訴されてしまうと無罪を勝ち取ることはほぼ不可能という現状です。痴漢によって検挙された場合においても、例外ではありません。

痴漢冤罪はそもそも無実ですから、起訴されることのないよう適切な初動対応が必要になります。初動対応でやってはいけない行為については、後ほど詳しく解説しますね。

※参考:法務省

痴漢の疑いによって成立しやすい犯罪は2種類

では、痴漢で有罪判決になってしまった場合、どのような犯罪が成立するのでしょうか。

痴漢を理由に成立しやすい犯罪は、以下の2つです。

  • 不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)
  • 迷惑防止条例違反

不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)

痴漢行為は、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)が成立する可能性があります。

不同意わいせつ罪とは、相手が同意していない状態で、無理やりわいせつ行為を行う犯罪のこと。痴漢行為においては、相手の身体に直接触れる・相手に触れさせるといった場合に成立します。

2023年7月13日の刑法改正により、これまでの「強制わいせつ罪」が「不同意わいせつ罪」として処罰されることになりました。

不同意わいせつ罪の罰則は「6ヶ月以上10年以下の拘禁刑」です。罰金刑がなく、不起訴にならない限り裁判を受けることになる重い犯罪なので、注意が必要です。

迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反も、痴漢を理由に成立しやすい犯罪です。

迷惑防止条例とは、地方自治体ごとに定められ、市民の安全や安心を確保するために公共の場での迷惑行為を禁止するための法律です。この法律に違反する行為を、迷惑防止条例違反といいます。

痴漢行為においては、相手の身体に軽く触る・身体を密着させるといった行為が迷惑防止条例違反に該当する可能性があるでしょう。

迷惑防止条例違反の罰則は「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金刑」です。常習的に行っている場合は「2年以下の懲役または100万円以下の罰金刑」に処されます。

いずれの犯罪にしても、やってもいない痴漢行為で罪を背負う必要はありません

痴漢冤罪で起訴されることのないようにはどうすればいいのか、次の章で「絶対にやってはいけない行為」を解説します。

痴漢を疑われた際に絶対やってはいけない2つの行為

痴漢を疑われた際は、次のことは絶対にしないでください。

これを知っているかどうかで、その後の運命が大きく左右するといっても過言ではありません。

とりあえずその場で謝る

痴漢を疑われても、決して謝らないようにしましょう。

訴えてきた相手や周りから「痴漢をしたでしょ!」と詰められると、反射的に謝罪しそうになるかもしれません。

「カバンか何かが当たったのかな?」「満員電車だったし、もしかしたら触れてしまったのかな?」と、いろいろな要素が頭をよぎるでしょう。しかし、痴漢をしたという事実がないのであれば、謝る必要はありません。

一度でも謝ってしまうと、相手や周りは「謝罪=痴漢を認めた」と受け取ります。駅員や警察に対しても「この人は痴漢を認めました」と主張するでしょう。

とりあえずの謝罪は、あなたを不利にする可能性があります。現場では冷静にふるまい、不要な発言は控えることが重要です。

その場から逃げる

その場から逃げるという行為も、絶対にやってはいけません。

運良くその場から逃げられたとしても、根本的な問題解決にはならないからです。
むしろ、逃走したというだけで「痴漢をしたから逃げたんだ」と捉えられやすくなり、無実を証明することがいっそう難しくなるでしょう。

警察は、あらゆる手を尽くして逃走した人物を探し出します。

「いつ警察が来るのか?」
「無実だと証明するため出頭した方がいいのか」

逃走すると、このような不安な毎日を過ごさなければなりません。
痴漢を疑われて焦る気持ちは分かりますが、まずはその場に残りましょう。

痴漢冤罪を回避するための対処法

痴漢冤罪を回避するためには、初動対応が肝心です。

痴漢だと叫ばれても、事実無根の罪に焦る必要はありません。適切な対応を行うことで、痴漢冤罪を免れる可能性が高まります。

「痴漢をしていない」とキッパリと否定する

最初の発言として「痴漢をしていない」とキッパリ否定してください。

相手の身体に触れておらず痴漢をしていないのであれば、一貫して否定し続けることが重要です。

「よく分からない」
「触った記憶がないんだけど」

という曖昧な発言はNGです。相手によっては「否定しないということは、認めていると同じことでは?」と捉える場合があるため、不利な状況を招きかねません。

やってもいないことを認める必要は一切なく、否定を貫いてください。

駅事務室へ同行を促されても断固拒否する

駅事務室へ同行を促されても、断固拒否してください。

駅事務室へ行けば「無実を晴らせるだろう」「被害を訴えている相手も冷静になって話を聞いてくれるだろう」と思うかもしれません。

しかし残念ながら、言い訳を聞いてもらえる可能性は低いでしょう。

ベルトコンベアー式のごとく、そのまま警察署に連れて行かれて取り調べを受ける確率が高くなります。

駅事務所へは絶対に付いていかず「自分はやっていない」と否定し続けてください。

相手とのやりとりを録音しておく

被害を訴えている相手とのやりとりを、録音しておくといいでしょう。

痴漢行為を否定し続けたという状況を残しておくことは、無実を証明する証拠になり得ます。証拠がないと「言った、言ってない」の水掛け論に発展する可能性があるでしょう。

疑いを持たれたら、すぐにスマホの録音機能を立ち上げ、相手の発言やご自身の言い分をデータとして残しておいてください。

現場付近に居合わせた人を証人として確保しておく

現場付近に居合わせた人を、証人として確保しておくことも重要です。

あなたが終始一貫して否定し続けたことや、痴漢冤罪を主張していたことを証明するには、周囲で見聞きしていた人の証言が必要です。

やりとりを見ていた人の「名前」「住所」「連絡先」を聞いておきましょう。

中には、個人情報を教えたくない、面倒に巻き込まれるのはいやだ、と拒む人もいるかもしれません。

しかし、痴漢冤罪はあなたの今後の人生を大きく左右する可能性があります。根気よく丁寧にお願いし、助けてくれる人を探してみてください。

ただちに弁護士に助けを求める

弁護士を呼ぶという対応方法も効果的です。

「逮捕されていないのに、どうして弁護士を呼ぶ必要があるの?」と思われるかもしれません。

弁護士と聞くと、一般的には警察に逮捕されてからの解決をお願いするというイメージがありますが、あなたが困ったどのタイミングであっても助けを求めることができます。

弁護士は、あなたの権利を守ってくれる存在です。

その場で弁護士に連絡をすることで、どう対応すべきか的確なアドバイスがもらえます。必要であれば、代わりに相手方や駅員と話してくれるでしょう。

自分だけで対応することが難しいと感じたら、弁護士へ連絡してみてください。

痴漢冤罪で相手に法的責任を問うことは可能?

対応を一歩でも間違えると、人生がめちゃくちゃになってしまう可能性がある痴漢冤罪。痴漢を疑われた方にとっては大きな苦しみとなり、精神的負担になってしまいます。

自身の社会的名誉にも傷を負いやすいため、被害を訴えてきた相手方へ法的責任を問いたいという方もいるでしょう。

痴漢冤罪で相手に問える法的責任は「刑事」「民事」の2種類が挙げられます。

刑事責任を問えるケース

刑事責任では、相手が嘘の被害申告をした場合に「名誉毀損罪」に問える可能性があります。

名誉毀損とは、​​人前で具体的な事実を並べ立て、相手の名誉を傷つける犯罪行為です。

刑法では、次のように定められています。

公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法 | e-Gov法令検索

名誉毀損は、真実か虚偽かどうかは関係なく、人の社会的評価を下げたことで成立します。

実際に痴漢をしていなくても、「この人は痴漢をした!」と人前で言われれば、社会的評価を下げるものとなるため、名誉毀損にあたる可能性があります。

ただし、痴漢行為が事実の場合は「虚偽告訴罪」に問われてしまうので注意しましょう

民事責任

相手が無実とわかっていながら被害申告をした相手に対しては、民事責任として慰謝料請求ができる可能性があります。

痴漢冤罪として加害者扱いを受けた方は、無実の罪で身柄を拘束されてしまい、大きな精神的苦痛を被ることになってしまいます。

また、家族や職場に知られてしまうと、離婚を突きつけられたり解雇されてしまったりと不利な状況になりかねません。

冤罪だと分かっていながら被害を訴えてきた相手には、民事訴訟で慰謝料を請求できる可能性があります。

精神的苦痛が慰謝料請求の対象になるかどうかや請求できる金額については、こちらの記で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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まとめ:痴漢冤罪に巻き込まれる前に早めの対処を心がけよう

痴漢冤罪によって犯人になってしまうと、自分自身だけでなく家族にも影響が出る可能性があります。

将来の不利益を被らないためにも、痴漢を疑われた際は初動対応が肝心です。

もし「初動対応に不安がある」「自分自身で解決できそうにない」という場合は、弁護士に助けを求めることも視野に入れてみてください。

弁護士のサポートを受けることで、あなたの言い分を法的な観点から主張してくれるでしょう。相手を訴え返して慰謝料を考える際も、弁護士であれば妥当な金額を請求してくれます。

痴漢冤罪の対処として弁護士保険の利用を検討しよう

ただ、弁護士へ依頼するにあたって気になるのは費用の負担です。

通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。

そこでおすすめしたいのが、弁護士保険です。

弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。

痴漢冤罪を回避するには、

  • 被保険者証(リーガルカード)を提示する
  • 事前に弁護士直通ダイヤルを利用し備えておく

という対策が非常に重要です。

弁護士保険を検討するのであれば、補償範囲が広く実績豊富な「弁護士保険ミカタ」がおすすめです。

弁護士保険ミカタに加入すると、リーガルカードを所持できます。リーガルカードを提示することで「いつでも弁護士に依頼できる状態である」と相手に伝えられるため、被害拡大の抑止力につながるでしょう。

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弁護士保険をうまく活用して、痴漢冤罪による被害に備えてみてくださいね。

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記事を振り返ってのQ&A

Q.やってもいない痴漢を疑われたとき、どう対応すればいいですか?
A.初動対応として、次のことを意識してみてください。

  • 「痴漢をしていない」とキッパリと否定する
  • 駅事務室へ同行を促されても断固拒否する
  • 相手とのやりとりを録音しておく
  • 現場付近に居合わせた人を証人として確保しておく
  • 弁護士に助けを求める

このとき、反射的に謝ったりその場から逃げ去ったりしないようにしましょう。

Q.痴漢冤罪で逮捕されてしまったら、どうなるのですか?
A.有罪が確定され、刑事罰に処される可能性があります。

Q.痴漢冤罪で相手に法的責任を問うことは可能ですか?
A.刑事責任と民事責任に問える可能性があります。弁護士のサポートを受けることをおすすめします。