子の引渡し調停(子の監護に関する処分)の注意点

 

子の引き渡し調停とは、離婚後に親権者以外の者が子どもを親権者のもとから連れ去っていった場合に、子どもを取り戻すために利用する家庭裁判所の手続きの1つです。

正式には、「子の監護に関する処分(子の引き渡し)調停事件」と言います。

なお、子の引き渡し調停は、離婚前であっても子の監護者の指定と共に申し立てることによって利用可能となっていますし、親権者でない者が親権者変更の申し立てと共に親権者に対して子の引き渡しを求めることも可能となっています。

それでは今回は、子の引き渡し調停について詳しくご説明していきましょう。

子の引渡し調停は相手の住所地の裁判所に申し立てる

子の引き渡し調停は、原則として相手の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることになっています。

これは調停という手続きが話し合いを中心に行われるという理由から、このような規定がされています。

というのも、話し合いを求める側が調停に足を運ぶのはいたって自然で当然ですが、話し合いを求められた側はそうではありません。

そこで、少しでも相手が調停に足を運びやすいように、調停は相手の住所地を管轄する裁判所にて開かれることになっているのです。

これはすべての調停手続きに言えることですが、相手が話し合いに応じない以上、調停が進展することはありません。少しでも話しやすい、そして進めやすい状況を作るため、このような規定があるのだと覚えておくようにしましょう。

子の引き渡しの取り決めは慎重

上記のように、子の引き渡し調停は、当事者同士の話し合いを中心に取り決めがされていくことになります。

よって、双方の主張の違いから最終的な結論が出ない可能性は十分にあります。

こういった場合は、審判によって裁判官が最終的な判断をくだすことになっています。

そしてこの取り決めについては非常に慎重に行われます。

というのも、子の引き渡しは、子どもにとって多大な影響を与えることになります。

生活環境がそのまま変わってしまうことから、子どもに悪影響を与えないことを考えながら慎重に行わねばなりません。

子の引き渡しというと、親が権利行使しているように見えますが、あくまでも子どものために行われる手続きだということを忘れてはなりません。

なお、主に判断材料にされる点としては、子どもの年齢、性格、学校をはじめとする現在の生活環境といったところです。

これらを総合的に踏まえ、最終的な判断が出されます。

子の引き渡し調停は迅速性に欠ける

ただし、子の引き渡し調停は迅速性に欠けるという点に注意しましょう。

これまでも説明しているように、話し合いが前提にある手続きになりますので、どうしても時間がかかってしまいます。

児童虐待にあっているなど緊急性を要する場合は、子の引き渡し調停ではなく、そのまま審判の申し立てをしてしまったほうが良いでしょう。

離婚問題は調停前置主義といって、必ず調停から申し立てなければなりませんが、子の引き渡しについてはいきなり審判から申し立てることも可能となっています。

ただし、いきなりの審判は裁判所によってはなかなか認められないこともあるため注意が必要です。

緊急性があることを証明できる申立書の作成が必要となってしまうのです。

緊急性がある場合は、調停手続きに回されてしまわないように申立書の作成にも配慮しなければなりません。

子の引き渡しは弁護士に依頼しよう

上記のことからわかるように、子の引き渡しは容易な手続きではありません。

また、最初から審判を申し立てる場合、緊急性のわかる申立書の作成、そして、審判前の仮処分といって審判の前に仮の決定を出してもらう手続きが必要になることもあります。

思っている以上に専門性が高い手続きとなっていますので、子の引き渡し請求を検討している場合はありとあらゆる裁判手続きのプロである弁護士に依頼するのが良いでしょう。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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