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離婚調停で復縁の可能性はある!実例と復縁するためのポイント

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投稿日:2016年12月13日 更新日:

離婚調停で復縁の可能性はある!実例と復縁するためのポイント円満調停ならまだしも、そもそも離婚することを目的としている離婚調停で、復縁するなんてことがありえるのでしょうか?

復縁を求めている方は非常に気になるところですね。

結論としては、復縁する可能性は十分にあります!

では、なぜ離婚を話し合う場で、元の鞘におさまるようなことがあるのでしょう。

これには、離婚調停の性質に秘密があるといえます。

今回は、「離婚はしたくないのに離婚調停を申し立てられてしまった方」のために、離婚調停で復縁する可能性についてのお話させていただこうと思います。

離婚調停で行き交う本音

離婚調停では、なぜ申立人(離婚を請求している側)が離婚をしたいと思っているのか、申立人・相手方(離婚を請求されている側)に何かしら問題があったのではないか、といったことまでが話し合われます。

その過程においては、日常生活の中では決して口にすることのなかったお互いの「本音」が行き交うといっても過言ではありません。

今まで知ることのなかった相手の本音を知ることによって、離婚をせずにもう一度やり直そうという気持ちが生まれてくるというのは、決してめずらしいことではありません。

離婚調停はそういった夫婦の根底に関わる部分をさらけ出すことによって、夫婦にとって本当に必要な結論を導き出そうという手続きなのです。

場合によっては、離婚は早計だと思いとどまる可能性も十分にあるというわけです。

実際に復縁となった例

Aさん夫婦は、以前より子育てのことで揉めることが多くなっていました。

これをきっかけに夫婦仲は冷めきってしまい、奥さんは離婚を考えるようになりました。

奥さんは「子の幸せを思い離婚を決意しました」が、旦那さんは「離婚は子の幸せにはならない」として、離婚を認めようとはしませんでした。

奥さんは協議離婚が叶わなかったため、旦那さんとは別居をすることにし、離婚調停を申し立てることにしました。

旦那さんはショックを隠しきれなかったものの、離婚調停には積極的に応じ、期日にはすべて出席して自らの考えを述べていきました。

数回の離婚調停期日の中で、同居時には考えられなかったようなお互いの本音を言い合う機会も多くあり、価値観の違いというものが度々取り上げられることになりました。

しかし、奥さんも旦那さんも、結局は子どもの幸せを考えてのことだったのです。

結果として、旦那さんが離婚に応じなかったため、離婚調停は不成立になりはしましたが、調停委員は最後に「お二人にはまだやり直せる可能性があるのでは?」と意見を述べていました。

調停不成立後、奥さんは、「早くお父さんに会いたい」という子どもの願望を聞き入れ、もう一度旦那さんと連絡を取ってみることにしました。

旦那さんはこれに快く応じ、夫婦仲が冷めきって以来、久しぶりに家族3人で食事へと行くことになったのです。

Aさん夫婦は共に、離婚調停で調停委員に言われた最後の言葉について考えていました。

「もう一度、やり直せないかな?」

旦那さんの言葉に奥さんは一考した後、これに応じることにしたのです。

このような復縁の例は多く見受けられます

離婚調停で散々お互いの本音をぶつけ合い、結局は調停不成立となりはしましたが、これが離婚を考え直すきっかけになったという例です。

調停不成立となった場合、次は離婚訴訟へと進むのか、もう一度やり直すのか、という選択肢を迫られることになるわけですが、ここでもう一度やり直そうと思う夫婦も実際には数多くいらっしゃいます。

特にまだ幼い子どもがいる夫婦の場合、離婚問題というのはもはや夫婦二人だけの問題ではありません。

「子の幸せのために夫婦はどうあるべきか?」この答えは夫婦次第ですし、一般的に言われる模範解答があったとしても、それが絶対的に正しいとは限りません。

今回の例の場合、離婚調停の中で価値観の違いはあれども、お互いが子の幸せを思っての言動だったり行動だったりしたのだということを理解し合えたのでしょう。

このような例もありますので、離婚調停がきっかけとなり、復縁の兆しが見えるということも十分にあると言えるのではないでしょうか。

離婚調停から復縁させるポイント

①調停には必ず出席する

とはいったものの、離婚調停の話し合いの最中で復縁というのは、ほとんど例にありません。

離婚請求をしている側の意思は、わざわざ裁判所を介してまで離婚をしたいと思っているのですから、そう簡単に気持ちが傾くものではないからです。

しかし、離婚調停の中で誠意を見せることは十分に可能です。

調停期日にはすべて出席し、もう一度やり直したいという自分の意思をしっかりと伝えましょう。

ここで調停に協力的にできない場合、復縁への可能性はますます絶たれてしまいますので、どうしても復縁をしたいと思っている方は必ず出席するようにしてください。

②調停委員を味方につける

離婚調停の鍵を握っているのは調停委員です。

可能な限り調停委員には良い印象を与えるようにしましょう。

離婚をしたくないという意思、相手の要望を聞き入れる度量、自身の改善すべき点、など少しでも復縁の方向に話が進むように努力をしましょう。

調停委員は離婚の可否だけを判断するロボットではなく、あくまでも1人の人間ですので、場合によっては情に訴えかける方法も有りです。

話し合いの中で調停委員の性格を見極め、発言には十分に気を配るようにしましょう。

こうした心理テクニックも離婚調停では非常に重要です。

③調停不成立からが岐路

上記しているように、調停が不成立となれば、次は離婚訴訟へと移行をするのか、もう一度やり直すのかという選択を迫られることになります。

その他に、協議離婚を再度検討するという選択もありますが、調停でまとまらなかった話し合いが再度の協議で丸く収まる可能性は非常に低いといえます。

復縁の可能性があるならば、まさにこのタイミングでしょう。

このタイミングをうまく生かすためにも、離婚調停には真摯に応じるようにしましょう。

④調停成立からの再婚という可能性も

相手側の離婚をしたいという気持ちがどうしても変わらないようであれば、いったん身を引いて離婚に応じてみるのも一つの手ではあります。

第三者からみれば一度離婚した相手と再婚なんて考えられないことかもしれませんが、一度は結婚した身であるからこそ、距離を置くことによって相手の大切さがわかることもあるはずです。

距離の置き方が「別居」ではなく、「離婚」になったというわけですね。

恋は駆け引きともいいますが、それは婚姻生活にもいえることなのではないでしょうか。

どうしても復縁したい方へ

離婚調停を申し立てられてからといって、それで夫婦関係が終わったわけではありません。

まだまだ復縁の可能性は十分にありますので、決して諦めずに誠意ある対応を心掛けるようにしましょう。

また、自分の意思を貫き通すことは大切ですが、それだけではなく、相手の意見も必ず聞きいれ、時には身を引くことが功を奏すこともあります。

つい熱くなってしまうのが離婚問題といえますが、調停などの話し合いの場では冷静になることを忘れないようにしてください。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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