フリーランスエンジニアが直面しやすい4つのトラブルと回避方法

 

フリーランスの中でフリーランスエンジニアの存在が増えてきましたが、企業や組織よりも立場が弱いために、トラブルに発展するケースも少なくありません。

 

フリーランスエンジニアの業務上のトラブルを挙げてみれば、契約に関することをはじめとして、報酬や支払いなどさまざまなケースが発生しており、中には悪質なハラスメントも見られています。

 

企業でそのような問題があれば、すぐに担当部署などが対応することになりますが、フリーランスエンジニアであれば自身で対処しなければなりません。

 

業務を行いながら対処しなければならないとなると、実際問題、自身での解決は難しいのではないでしょうか。

 

そこでここでは、フリーランスエンジニアが直面しやすいトラブルを4つにまとめ、どのような内容なのか、どのように回避すれば良いのかお伝えしていきます。

こんな疑問にお答えします

Q:フリーランスエンジニアが直面しやすい4つのトラブルとは何ですか?

A:弁護士保険の教科書編集部の回答サマリー

①契約書トラブル、②報酬の未払いや減額、③支払い遅延、④悪質なハラスメント

 

 

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①契約書トラブル

 

フリーランスエンジニアの業務上のトラブルとして多いものに「契約書」に関するものがあります。

 

フリーランスエンジニアが業務を請け負う場合においては、クライアントとの契約がとても重要です。

 

どのような業務を請け負うのか、いつまでに納品するのか、報酬はいくらなのかなど、1つの業務においてもさまざま内容を定めておく必要があります。

 

しかし、「いつものように」「今さら面倒だから」と契約を結ばずに、口約束だけで契約が行われていることが多いのではないでしょうか。

 

ここでは、そのようなフリーランスエンジニアの業務実態からどのようなトラブルが発生しているのか、また契約書の必要性や内容についてご紹介していきましょう。

 

契約書がない!フリーランスエンジニアの業務の実態

フリーランスエンジニアは、クライアントから問い合わせや依頼があると、業務内容などの打ち合わせを行った後に見積りを出し、問題なければ契約を行って、業務に取り掛かります。

 

ただ、すべてがこのような流れで業務が行われているかと言えば、そうではないでしょう。

 

実際には口約束やメール・LINEなどのやり取りだけで業務が行われることも多いのではないでしょうか。

 

「信頼できる相手だから」「いつも契約なしで業務を行っている」といったものが多くの理由ですが、中には「クライアントに言い出しにくい」「契約は面倒だからと断られた」といった理由も少なくありません。

 

民法では口約束は有効であるとは言われています。

 

ですが、もし約束していたのに「そんなことは言っていない」と言われたら、約束を証明することはできるでしょうか。

 

約束になかった対応を迫られるケースも

  • 予定をしていた案件が急にキャンセルになった
  • 受注していた業務内容が大幅に縮小された

 

フリーランスエンジニアの契約上のトラブルとして、実際に上記のようなケースが発生しています。

 

例えば、スケジュール調整して欲しいと言われていたケースがキャンセルになってしまったり、1年間継続する予定だった業務が業務途中の2か月で打ち切られてしまったりするようなケースです。

 

期待していた報酬が縮小してしまうことはもちろんのこと、外注を予定していた場合であれば、外注先ともトラブルになってしまうでしょう。

 

クライアントから依頼があれば、業務内容に沿って取り掛かることは、民法上において契約は有効ですから何の問題もありません。

 

しかし、上記のように急な変更やキャンセルが生じた場合には、契約書において契約を結んでおかないと、かなり不利な状況になってしまいます。

 

そもそも、どのような契約があったのか、立証することが難しいからです。

 

契約書は必須!

  • 契約内容を証明するもの

 

契約書は、フリーランスエンジニアとクライアント双方が守らねばならない、契約に関する内容が記されているものです。

 

そのため、契約内容を証明することができ、仮に契約内容を一方的に破棄されてしまうような場合であれば、契約内容の履行をクライアントに求めることができます。

 

契約書に損害賠償について記しておけば、そのようなトラブルを防止することもできるようになります。

 

それでも変更や破棄を求めてくるような場合には、法的な手段として損害賠償請求も可能となりますので、契約書で契約を結んでいるのであれば、有利に進めることができるようになります。

 

詳しくは過去記事『【契約書がない!?】フリーランス、個人事業主が知っておきたい法律のこと~よくある問題点を解説!』も参照してみてください。

 

②報酬の未払いや減額

 

フリーランスエンジニアに多いトラブルとして、『報酬の未払いや減額』があります。

 

契約に応じた業務を提供したにもかかわらず、指定された期日に決められた報酬の支払いがないことや、一方的に減額されてしまうようなケースです。

 

もちろん、クライアントの担当者が忘れていたり、検収が完了していなかったり、こちらから届けた請求書が上手く届かなかったということも考えられます。

 

ただ、中にはクライアントが支払いできないような事情に陥っている可能性もあることから、注意が必要なトラブルであると言えるでしょう。

 

未払いや減額といったトラブルが起きないように

  • クライアントの調査
  • 小さな業務からスタートする
  • 前金(アドバンス)の支払いを義務付ける
  • 契約書を用意する

 

クライアントがどのような会社なのか調査しておく必要があります。

 

そもそも実態がないような会社である可能性があり、評判が悪ければトラブルを生じさせる可能性も考えられるからです。

 

また、はじめて業務を請ける場合には、小さな業務からスタートさせ、お互いに信頼を積んでおくことが重要でしょう。

 

さらに、大きな報酬が発生するような業務の場合、前金(アドバンス)を用意してもらうこともトラブルを避けるのに有効です。

 

そして何よりも、契約書を準備しておき、トラブルを未然に防ぎ、トラブルが生じた際には速やかに解決できるようにしておくことが重要でしょう。

 

詳しくは過去記事『【報酬が未払い!?】フリーランス、個人事業主が知っておきたい法律のこと~未払いの対処法を徹底解説!』も参照してみてください。

 

③支払い遅延

 

決められていた支払日に報酬が入金されず、遅延してしまうようなトラブルも数多く発生しています。

 

特に口約束での契約の場合には、それまでの関係性から遅延が生じても言い出しにくく、そのままの状態で業務に取り組まねばならないようなこともあります。

 

しかし、何となく支払いの遅延を承諾してしまうと、自身の資金繰りにも大きな影響を与えてしまうことになるでしょう。

 

支払い遅延の対応と予防法

  • 必ずクライアントの担当者に連絡する

 

遅延が生じた場合に、ミスなのかどうか、言い出しにくいとしてもクライアントの担当者や経理担当者に連絡するようにします。

 

大半は処理がもれていることや、担当者が経理に請求書を回し忘れているようなことが原因ですので、早期に回収することができます。

 

ただ、資金不足がある場合には要注意です。

 

資金不足の場合には、何かしら保全策を実行する必要があるからです。

 

また、クライアントの悪意によって遅延されるようなことがないように、やはり契約書によって契約を結んでおくことが、トラブル防止策になると言えるでしょう。

 

④悪質なハラスメント

 

フリーランスへの調査によると、多くのフリーランスがパワハラやセクハラを受けている実態が分かっています。(フリーランス白書2020より)

 

脅迫や名誉毀損、侮辱などといった「精神的な攻撃」がもっとも多く、その他にも過大な要求や経済的な嫌がらせ、仲間外しなどが多く見受けられます。

 

例えば、契約書による契約を求めても、応じずに口約束だけでスタートさせようとするのもパワハラにあたります。

 

また、体を触られたり、性的関係を求められたりといった、セクシャルハラスメントに対する報告例も多くなっています。

 

特にフリーランスは、クライアント企業からすると弱い立場であるために、その立場を利用してハラスメントが起こりやすい状況であると言えます。

 

泣き寝入りしているケースが多いために、トラブルが生じた際にはすぐに相談できる体制を整えておくことが重要です。

 

契約書の内容が超重要!

 

  • 契約形態
  • 契約内容・契約期間など
  • 報酬の支払い・支払い時期
  • 経費の確認
  • 責任の所在
  • 名誉毀損や違法行為の禁止

 

契約書は、上記でご説明したようなトラブルが生じないように、曖昧な状態での業務開始を避け、対等な立場でお互いが利益を生む業務とするために重要なものになります。

 

契約書の内容のポイントとしては上記の通りです。順番にご説明していきましょう。

 

契約形態

フリーランスエンジニアが企業と結ぶ契約は「業務委託契約」と呼ばれるもので、「準委任契約」と「請負契約」に分けることができます。

 

「準委任契約」とは、フリーランスエンジニアが行う「事実行為(事務処理)」と呼ばれる業務を委託する契約です。

 

仕事を処理することによって報酬が発生する契約で、仕事の完成や納品の義務はありません。

 

ちなみに委託契約と呼ばれるものもありますが、こちらは法律行為を委託する契約になっています。

 

「請負契約」とは、仕事の完成や納品が必要となっている契約です。

 

フリーランスエンジニアであれば、システム構築やプログラミングなど、必要な内容を完成させてはじめて報酬が発生します。

 

このように2つの契約形態を比較すると、業務内容のゴール地点が異なるものになることから、まずはじめに定めておく必要があります。

 

契約内容・契約期間など

業務内容はどのようなものになるのか、その範囲について明確に記しておく必要があります。

 

明確にしておくことによって、お互いに契約のゴール地点を明確にすることができます。

 

そのため、不当な労働を強いられるようなトラブルを避けることができ、業務を後付けされるようなこともなくなります。

 

完成品の定義も明確にしておけば、いつまでも修正対応しなければならないようなトラブルを避けることもできるでしょう。

 

また請負契約であれば、契約期間や期日を定めておくようにし、契約を途中で解消するような場合のキャンセル料や損害賠償についても明記しておくと良いでしょう。

 

報酬の支払い・支払い時期

依頼通りの業務を提供した際の報酬額について、明確に示しておくようにします。

 

具体的な報酬額、仕様書なども明確に記載しておくようにしておくことによって、報酬の支払いにおいてトラブルを避けることができます。

 

また、報酬がいつ発生するのかについても明確にしておくようにしましょう。

 

具体的な支払日を明記しておき、着手金、分割払い、一括払いなど、具体的に示しておくことが大切です。

 

経費の確認

業務内で発生する、さまざまな経費に関して、どこからどこまで経費として認められるのか、記しておく必要があります。

 

フリーランスエンジニアが当たり前に経費と考えているものでも、クライアント企業はそのように受け取っていない可能性もあるからです。

 

責任の所在

成果物の納品後に欠陥やミスが見つかるようなことがありますが、そのような場合に無償で対応する期間を定めておくようにします。

 

そのような責任を「瑕疵担保責任」と呼びますが、「検収完了日より1か月以内」などと明確にしておけば、いつまでも対応しなければならないようなトラブルをなくすことができます。

 

また、相手に損害を与えた場合の損害賠償の義務を明確にしておき、その範囲なども定めておくようにしましょう。

 

名誉毀損や違法行為の禁止

違法行為や名誉毀損などを禁止すると明記しておけば、業務期間や業務後のトラブルを避けることができます。

 

当然ながら契約は民法や商法などのルールに基づいて作成されるべきものです。

 

そのため、契約書の内容が法律に抵触してしまうようなことがないように、事前にしっかりとリサーチしたうえで契約を結ぶようにしなければなりません。

 

いざとなったら、弁護士に相談出来る体制を持っておこう

 

フリーランスエンジニアがトラブルに巻き込まれずに、安心して業務に取り組むためには、弁護士への相談体制を持っておくことが必要です。

 

契約上のトラブルはとても多いですが、どうしてもクライアントが企業の場合、立場が弱くなってしまいがちです。

 

契約書によって契約を結ぼうとしても、どのような内容にすれば不利になることがないのか、なかなか自身で作成するのは難しいでしょう。

 

また、実際にトラブルが生じた際に、どのように対処すればいいのか、誰に相談すれば解決するのか分からない方がほとんどです。

 

そこでここでは、弁護士に格安に相談でき、適切に対処してくれる活用方法についてご紹介していきます。

 

弁護士に格安で気軽に相談できる体制をつくるには

弁護士保険「事業者のミカタ」を活用すれば、月額保険料7,000円から相談体制を構築することができます。

 

弁護士と言えば、多くの方が「高い」と感じられており、また、気軽に相談できるようなイメージをお持ち方はおられないでしょう。

 

そのため、多くの弁護士事務所では顧問弁護士サービスを導入して、安価で相談できる体制を提供しています。

 

ただ、安価と言っても相場は月額30,000円から50,000円程度であり、中には100,000円を超えるような弁護士事務所も存在します。

 

フリーランスには、手が出しにくい料金体系となっているのが現状です。

 

そこでおすすめできるのが弁護士保険「事業者のミカタ」。

 

日弁連(日本弁護士連合会)と協定を結んでいる保険であり、困ったときには直通ダイヤルですぐに弁護士に相談でき、しかも回数制限などありません。

 

契約書内容について相談することや、代金の未払いの相談することも可能で、トラブルの際にはいち早く対処してもらうことが可能です。

 

もし、弁護士に訴訟やトラブル解決を依頼するような場合でも、着手金など一部負担のみで済むのです。

 

名刺やホームページなどに掲載しておけば、トラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。

 

弁護士保険であれば、「事業者のミカタ」の活用がおすすめです。

 

ぜひうまく活用して、トラブルの回避に努めてください。

 

【おまけ】個人事業主の弁護士保険が販売されています

個人事業主向けの弁護士保険として、ミカタ少額短期保険(旧社名:プリベント少額短期保険)より「事業者のミカタ」(個人事業主・フリーランスの方の詳細はこちら、法人の方の詳細はこちら)、エール少額短期保険より「コモンBiz+」(詳細はこちら)が販売されておりますのでご参照下さい。