ここでいう独学とは、予備校に通わないという意味だけでなく、法科大学院での授業を含まないという前提で見ていきましょう。
単に予備校に通わないことだけを独学というのであれば、現実に予備校へ通わずに多くの法科大学院修了者が弁護士資格を得ているため、それほど珍しいことではありません。
よって、今回は本当の意味での独学だけで弁護士資格を得ることができるのか?について考えてみたいと思います。
こんな疑問にお答えします
A.可能ですが、相当な覚悟が必要です。法科大学院に通わない独学者が司法試験に合格するためには、まず司法試験予備試験に合格しなければなりません。司法試験予備試験は合格率3%台と非常に難しく、突破してもここからさらに難関の司法試験が待ち構えています。もちろん、独学で試験をパスし、弁護士として活躍している人も実際にいます。
独学で進むと決めるからには、相当な覚悟を持って挑みましょう。
司法試験は独学で合格できない試験ではないが・・・
弁護士になるためには司法試験に合格しなければなりませんが、司法試験は独学だけで合格できないか?と言われればそんなことはありません。
特別な知識と技術が求められる医師のような資格は、医学生を経由していない一般人が資格を得ることはできませんが、司法試験に関して言えば、法科大学院生でなければならない理由は1つもありません。
ただし、法科大学院に通わない独学者が司法試験に合格するためには、まず司法試験予備試験に合格しなければなりません。
この司法試験予備試験は非常に難しい試験で、合格率が3%台となることも珍しくはなく、合格までの道のりはかなり険しいのです。
また、弁護士になるためには、ここからさらに司法試験にも合格しなければならないという2段構えです。
この2段構えの試験に対して、独学のみでモチベーションの維持をするというのは、かなり困難でしょう。
途中で投げ出す方のほうが多いのが実情です。
司法試験の独学合格が困難と言われる理由
まったくの独学のみで司法試験の合格が難しいと言われるのには、次のような理由があります。
単なる丸暗記だけでは合格が難しい
司法試験・予備試験の問題は、法律に関する基本書を丸暗記するだけでは不十分です。
試験に合格するには、基本的な知識の理解はもちろんのこと、学んだ知識をあらゆる場面で使いこなせる柔軟な対応力が求められます。
予備校であれば、講師のアドバイスを受けられますが、独学ではなかなか難しいといえます。これが、独学合格のハードルを上げている一つの理由でしょう。
試験当日までの学習スケジュールを立てるのが難しい
司法試験予備試験に合格するには相当な学習量を要します。試験当日まで学習を進めるには、この月までにこの範囲の学習を終わらせるなど、適切な学習スケジュールを組まなければなりません。
独学で失敗してしまう人の多くは、効率的なカリキュラムを組めずに本試験を迎えてしまうことと言われています。この点においても、予備校と独学の大きな違いといえるでしょう。
現実の司法試験は甘いものではない
とはいっても、現実には独学だけで弁護士になったという方もいらっしゃいます。
ただ、数年間パラリーガルをやっている私でも聞いたことがほとんどないため、やはり独学だけで弁護士になっている方というのはかなり少ないのでしょう。
個人的な意見ですが、独学にこだわって予備試験、そして本試験である司法試験の合格を目指すよりも、素直に予備校に通うなどした方が、効率よく合格を目指せるのではないかと感じています。
また、ネット上で法律の初学者が独学のみで司法試験に合格することができるのか?といった質問をよく見かけますが、本当に合格したいと考えているのであれば、独学だけで試験を受けようとは考えないのではないでしょうか?
もちろん、予備校に通えない事情があってという方も中にはいらっしゃるとは思いますが、そういった環境で弁護士を志すのはちょっと司法試験を甘く見ているのではないかな?と感じてしまいます。
司法試験は国家試験の中で上位の難易度
それでも弁護士の数はどんどん増えていっているのだから、以前よりは可能性があるのでは?といった考えはもっともです。
しかし、旧司法試験ほどでないにせよ、司法試験は現在ある国家試験の中でも1、2を争う難易度にあるとの評価もされています。
試験レベルが下がり、合格しやすくなったとも言われていますが、それでも司法試験は司法試験です。簡単に合格できるわけがありません。
できるだけ独学で弁護士になりたいと考えている方も、世の中には多くいらっしゃるかもしれませんが、それではいつまでたっても現実に弁護士になることができない可能性の方が高いのです。
個人的見解にはなりますが、本当に弁護士になりたいのであれば、独学にこだわることなく法科大学院を修了し、司法試験へと臨んだ方が良いのではないかと考えます。
とはいえ、努力に勝る天才なしという言葉もあるくらいですから、努力を積み重ねていれば独学でも弁護士になれる方はいるのでしょう。
独学で弁護士を目指す場合の勉強法
独学合格の道の難しさを解説してきましたが、それでも独学合格を果たした人がいるのは事実です。
ここで、独学で弁護士を目指したい場合の勉強法を紹介します。
インプット量は必要最低限の量に絞る
司法試験予備試験の学習量は膨大です。出題範囲も広範にわたることから、なるべく試験で使う知識だけを理解し、必要最小限の量をインプットする必要があります。
試験合格のための書籍は多く出版されていますが、単に情報量の多いテキストを選ぶのではなく、必要最低限の情報に絞られたテキストを選ぶといいでしょう。
インプットを早めに終えて問題を解く時間を多めに
試験に合格するには、知識のインプットを早めに終わらせ、できるだけ多くの問題を解く練習を増やしましょう。
問題を多く解くことで、出題傾向の理解や答案を書くためのスキルが身についていきます。「インプット」と「解く」をしっかり分けて学習スケジュールを組むようにしましょう。
独学で弁護士を目指すなら相当な覚悟を持とう
独学で弁護士を目指すことは可能です。しかし、独学で司法試験予備試験をパスするには膨大な学習量と時間、そして覚悟が求められます。
もちろん、独学で試験をパスし、弁護士として活躍している人も実際にいます。
ただ、繰り返しになりますが、独学にこだわって予備試験や本試験である司法試験の合格を目指すよりも、予備校に通う方が効率よく学習できることは確かでしょう。
もし、独学で弁護士を目指すのであれば、覚悟を持って挑みましょう。
また、弁護士を目指すのであれば弁護士保険の制度についても理解しておきましょう。
実際に訴訟などになった際の弁護士費用を軽減することが可能です。
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記事を振り返ってのQ&A
A.可能ですが、相当な覚悟が必要です。法科大学院に通わない独学者が司法試験に合格するためには、まず司法試験予備試験に合格しなければなりません。司法試験予備試験は合格率3%台と非常に難しく、突破してもここからさらに難関の司法試験が待ち構えています。もちろん、独学で試験をパスし、弁護士として活躍している人も実際にいます。
独学で進むと決めるからには、相当な覚悟を持って挑みましょう。
Q.独学で司法試験合格が難しいといわれるのはなぜですか?
A.単なる丸暗記だけでは合格が難しいことと、試験当日までの学習スケジュールを立てるのが難しいという理由が挙げられます。
試験に合格するには、基本的な知識の理解はもちろんのこと、学んだ知識をあらゆる場面で使いこなせる柔軟な対応力が求められます。
独学で失敗してしまう人の多くは、効率的なカリキュラムを組めずに本試験を迎えてしまうことと言われています。こうした違いが、予備校と独学の大きな違いであり、独学での合格が難しいといわれる理由です。
Q.独学で試験に挑むためのコツはありますか?
A.勉強方法として、「インプット量は必要最低限の量に絞る」「インプットを早めに終えて問題を解く時間を多めにとる」を意識しましょう。