毎日、夫婦・恋人関係に悩む人たちも多いのではないでしょうか。
そんな中でも特に、浮気に関する悩みは、おそらく多くの夫婦やカップルが悩むところのひとつではないかと思います。
近年、そうした浮気の悩みのきっかけとなるのが、
「旦那の行動が怪しいので着信履歴をチェック」
「妻がこんなチャットアプリ使っているなんて」
「妻の携帯を見たら浮気の写真を発見」
「彼が相変わらず元カノに、今もこんなメールを送っているなんて……」
などといった、携帯電話を見てしまったという行為です。
しかも、相手の同意を得て見たのではなくて、相手に隠れてこっそり盗み見したという場合が多いというところが今回のポイントです。
あなたはパートナーの携帯電話(スマートフォン)をこっそりチェックしたことはあるでしょうか?
そして、今回はそんなパートナーの携帯電話を見てしまうことのリスク、見た場合には犯罪に問われてしまうのか、といった内容について考えてみたいと思います。
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こんな疑問にお答えします
A:川島 浩(弁護士)
刑法には携帯電話の盗み見については明記されていないので、刑事罰に問われる可能性は薄いと考えられます。
ただし、民法の規定により、プライバシーの侵害による損害に対して、被害者は損害賠償請求を起こすことは可能です。
FacebookやAmazon、Googleなどのアカウントやパスワードが必要となるサービスに、勝手にパスワードを入れてロックを解除しログインすることは、不正アクセス禁止法に抵触するので罪に問われる可能性が高くなります。
※浮気の事実確認&証拠確保をする為に、プロの探偵や弁護士に相談することがお薦めです。
※弁護士に相談する場合には、弁護士保険がおすすめです。保険が弁護士費用の負担をしてくれるので助かります。
勝手に見ると侵害になる?プライバシー権ってどんなものなのか
昨今、「プライバシーの権利を守る」という言葉をよく耳にするようになりました。
では、このプライバシーの権利とは、一体どのような権利なのでしょうか。
人は誰でも他の人には知られたくないと思うような内容の、ごく私的な情報を抱えていることがあります。
そのような情報をプライバシーと呼びます。
そして、このようなプライバシーについて、近年は自らコントロールする権利こそが「プライバシーの権利」とする説が有力になってきています。
これは憲法13条を根拠として認められる、新しい人権の1つであり、これは個人の尊重・生命・自由・幸福追求の権利として保障されると解されています。
そして、人権とは本来、対国家に対する国民の権利という性質の権利です。
また、私人間同士の法律関係においても人権の規定は、間接適用されると解されています。
もっともプライバシーの権利といっても、無制限なものではなく、一定の制約を受ける場合もあります 。
そもそもプライバシーの権利は、本来は「そっとしておいてもらう権利」として定義されており、個人の私生活上の秘密などを公表されないという権利として考えられていました。
しかし、その後情報社会の発展に伴い、「プライバシーに関するコントロール権」と定義されるようになっていきました。
つまり、現在において、プライバシーの権利と呼ばれるものは、
ということを意味するという見解が有力になっています。
また、プライバシーの権利は、例えば、カルテや内申書など他の人がその人に関するプライバシーを保有している場合に、自己情報開示請求権というその人に開示を請求することや、それが誤っている場合には訂正を請求する訂正請求権を含むとも、考えられています。
こうした内容をみると、たとえ夫婦・パートナー間であっても個人としてのプライバシーは守られるべきであることがわかります。
つまり、携帯電話を盗み見る行為は、 プライバシー権の侵害に該当しうると考えられます。
法律上では旦那や妻の携帯・パソコンは見ても大丈夫なの?
道徳的には良くないこととはわかっていても、やはり夫や妻の浮気や不倫を疑ったら、真っ先に見たくなるのは携帯電話でしょう。
今の時代、浮気相手と連絡をとるのには確実に携帯電話を使っているはず。
通話やメールはもちろんのこと、LINE・Facebook・TwitterなどのSNSを利用して連絡をとっているかもしれません。
それでなくとも、浮気や不倫に限らず携帯電話というのは個人的な秘密が満載なもの。
刑法には携帯電話の盗み見については明記されていない
そんなプライバシーの塊のような携帯電話ですが、実はパートナーの携帯電話を盗み見たという行為に関しての規定は、現在の刑法では存在しません。
盗み見た対象がメールではなく、紙の手紙であった場合は、刑法第133条の信書開封罪になる可能性もあります。
という記述があるため、他人宛の手紙を勝手に開けた場合は法律上、罪に問われる可能性があります。
民法で考えるとリスクは大きい
それなら携帯メールの場合はお咎め無しなのかといえば、そうでもありません。
手紙と同様、携帯メールの盗み見にも、大きなリスクがあります。
民法の規定により、プライバシーの侵害による損害に対して、被害者は損害賠償請求を起こすことが可能であるからです。
送り主のプライバシーも侵害している可能性も
そして、さらにここで考えなければいけないのは、携帯電話の盗み見によって誰のプライバシーを侵害しているか、という問題です。
メールの受信内容を読むことは、携帯電話の所有者であるパートナーはもちろん、そのメールの送り主のプライバシーも侵害していることになり得ます。
例えば、あなたが親友へ送った深刻な悩み相談や、切羽詰った状況での真剣な会話が、会ったこともない親友のパートナーにも勝手に見られてしまったとしたら、決して心中穏やかではいられないことでしょう。
携帯電話の盗み見によって被害を受けるのは、決してその所有者だけではないということを常に、念頭に置いておかなくてはいけません。
このようなことをふまえると、刑事罰に問われるわけではないとはいえ、例えば浮気や不倫を疑った場合に、夫や妻の携帯やパソコンを勝手に見るという行為は、法律上の責任を追及されるリスクもありますし、道徳、倫理的な観点でも容認されがたいといえるでしょう。
また、罪に問われる可能性のある行為もあります。
勝手にログインする行為はアウト
FacebookやAmazon、Googleなどのアカウントやパスワードが必要となるサービスに、勝手にパスワードを入れてロックを解除しログインすることは、不正アクセス禁止法に抵触するので罪に問われる可能性が高くなります。
さらに言えば、結婚や婚約しているといった状態でない限り、パートナーの浮気は法律的には罪に問うことはできません。
そのため、パートナー(彼氏・彼女)の携帯を勝手に見た、さらに勝手にメールの消去などをした場合は、前述のプライバシー権を侵害したとして、民法709条の他人の権利を侵害したとして不法行為が成立し、慰謝料などの損害賠償請求をされる可能性もあります。
このように、プライバシー権の侵害は法的な責任を問われる可能性があり、プライバシー侵害を受けた人から損害賠償を請求されるリスクや、場合によっては犯罪となるリスクもあるため注意が必要です。
でも実は女性は結構な数の人が見ちゃっている……?
パートナーの携帯チェックという後ろめたい行為をしてしまった場合でも、匿名でなら告白ができるということなのか、ネット上に公開されているリサーチ結果を見てみると、携帯電話の盗み見に関する調査は色々なところで行われているようです。
例えば、少し前のデータになりますが、2007年5月にMMD研究所が実施した「携帯セキュリティに関する実態調査」では、10代から50代までの約4100人の回答が集まっています。
それによると「他人の携帯電話内の情報を無断で見たことがあるか」という質問には、男性の18.3%、女性では30.0%の人らが「見たことがある」と回答しています。
どうやら女性の方が、携帯をチェックする傾向が多いようです。
見てしまった内容は、「メール受信内容」が74.5%、「メール送信内容」が54.9%、「電話帳」が43.1%、「発着信履歴」が39.3%、「画像・動画」が33.6%となっています。
どうやら傾向としては、漠然と「どんな連絡先を登録しているのか、電話帳をチェックしてみよう」ということよりは、ずいぶんと具体的に怪しい行動や浮気の証拠探し、というような目的を持って、特定のメールを開いては受信内容を読んでいる様子が伺えます。
そして無断で見た相手は、「お付き合いしていた、もしくは現在している人」が55.8%で最多。
次いで「知人/友人」が19.8%になっているため、やはりパートナーの動向は多くの人が気になっているようです。
最後に
最初は軽い気持ちでパートナーの受信メールのチェックをしただけであっても、だんだんと不安が大きくなって携帯のチェックがエスカレートし、非通知の着信履歴の相手が気になったり、パートナーが携帯電話で閲覧していたサイトの履歴までも確認するようになったり、というように精神的に追い詰められてしまっている人も多いと聞きます。
こうなってしまった場合、たとえパートナーに携帯電話の盗み見がバレていないとしても、このような状態の男女関係は果たして良いものなのでしょうか。
また、携帯電話をチェックしたことで幸せになる人は果たしてどれだけいるのでしょうか。
本当に何か相手の隠し事や浮気の事実を知りたいのならば、パートナーときちんと正面から向き合い、相手の言動をよく観察し、直接語り合うことが一番なはず。
そうすれば携帯電話の中身をチェックしなくても、良い関係性が築けるでしょう。
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記事を振り返ってのQ&A
Q:プライバシー権ってどんなものなのか?
A:他の人に知られたくないと思うのが当然と思われるようなプライバシーについて、本人の同意なく、他の人が勝手に情報を収集したり取得したり、情報を保有して利用したり、第三者へ開示したり提供されないということを意味するのが、有力な見解です。たとえ夫婦・パートナー間であっても個人としてのプライバシーは守られるべき権利といえるでしょう。
気になる方は、浮気の事実確認&証拠確保をする為に、プロの探偵に相談することも一つの手段です。
以下から、あなたにあった探偵を診断してもらうことが可能です。
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・不貞行為は立証が難しい?どうすれば立証できるのかを紹介します!
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・浮気・不倫相手が 弁護士をつけてきた場合の対応方法について解説します。
浮気・不倫相手から慰謝料を請求されることや、訴えられてしまうことがあります。例えば、「既婚者とは知らずにだまされて不倫してしまった」「その気はなかったのに無理やり関係を持たされた」などというものです。
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