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口約束での契約や口頭での契約解除に法律的な効力が認められるのか

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投稿日:2019年4月22日 更新日:



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この記事の執筆者

福谷 陽子(元弁護士)

口約束での契約や口頭での契約解除に法律的な効力が認められるのか

こんな疑問にお答えします

・口約束で契約書を作っていなくても、代金を請求できるの?
・契約書がない場合、裁判は起こせないのか?
・契約書を作成しないといけない契約の種類はある?

物の売買契約や不動産の賃貸借契約など、日常でさまざまな「契約」を締結する機会があるものです。

そのようなとき、わざわざ契約書を作成するのが面倒なので、口頭で済ませてしまうケースもあります。

口頭でも成立する契約はたくさんありますが、契約書を作成しないと後々のトラブルにつながる可能性が高まります。

以下では口約束の契約や口頭での契約解除の法律的な効果、有効性について解説します。

そもそも契約とは

そもそも「契約」とはどのようなものか、理解しておきましょう。

契約は、当事者双方がお互いに何らかの法律行為について合意することです。

…それだけでは意味がわかりにくいですよね。

つまりお互いに何らかの権利や義務を取り決めるのが契約です。

たとえば物を売ったり買ったりする約束、不動産を貸したり借りたりする約束、その際に代金や賃料を払う約束をすることを「契約」と言います。

契約の内容は売買や賃貸借だけではなく、請負や雇用契約、委任契約や婚約などさまざまです。

契約は、当事者を相互に拘束します。

たとえば売買契約の場合、契約する前にはなかった義務(たとえば代金支払い義務や商品の引き渡し義務など)を契約後には負うことになります。

また契約は契約当事者相互に権利も与えます。

たとえば相手に代金を請求できる権利、相手に物の引き渡しを求める権利を契約によって獲得します。

このように契約をすると、双方の合意によって当事者相互に新たな権利や義務を創出させることとなるのです。

それが契約の大きな効果です。

契約書を作成する意味

契約するとき、どうして契約書を作成するのでしょうか?

それは、契約内容をはっきりさせておくためです。

たとえば売買契約の場合「何を売るのか」「いつまでに引き渡すのか」「代金はいくらか」「いつまでに支払うのか」「途中解除はできるのか」など、いろいろ取り決めるべき事項があります。

当事者の記憶にだけ頼っていると、後にトラブルが起こったときに「言った言わない」の水掛け論の争いになり、解決が困難となります。

事前に契約条件を明記した契約書を作成しておけば、代金の支払い遅延などのトラブルが起こったときにも契約書に従ってスムーズに解決できます。

また契約書があれば、当事者は通常その内容に従うので、お互いに契約違反の行動をとりにくいものです。

契約書には「紛争防止機能」もあるのです。

このように、契約書は契約内容をスムーズに履行させる「紛争防止機能」と、起こってしまったトラブルをスムーズに解決させる「紛争解決機能」の2つの機能を持っています。

契約書が必要な契約と不要な契約がある

契約書にはトラブル防止の重要な機能がありますが、契約書を作成しないと契約が成立しないというわけではありません。

多くの契約は、契約書がなくても成立します。

ただ、中には契約書がないと成立しない契約もあります。

また契約書は不要でも「物の受け渡しが必要」という特殊な契約もあるため、順番にみていきましょう。

契約書が不要な契約の例

まずは契約書がなくても成立する契約を紹介します。

実はほとんどの契約は、契約書がなくても成立しますし有効です。

売買契約

物の売り買いを約束する契約です。

ある物を売り所有権を移転すること、相手がそれを買って代金を払うことを約束したら売買契約が成立します。

契約書の作成は不要です。

賃貸借契約

物を貸して賃料を受け取る契約です。

何をいくらで貸すのかを取り決めて双方が納得したら、賃貸借契約は成立します。

不動産などの場合、当たり前のように契約書を作成しますが、法律的には契約書がなくても契約が成立します。

金銭消費貸借契約

お金の貸し借りの契約です。

お金を貸し付けることと借りた側が返済することを約束したら、金銭消費貸借契約が成立します。

契約書の作成は不要ですが作成しなかったことによるトラブルが非常に多い契約類型です。

贈与契約

物を相手に無償で譲渡する契約です。

贈与契約は、実際に物を渡したり契約書を作成したりしなくても、口頭で有効に成立します。

請負契約

請負契約は、受注者が何らかの仕事を完成して納品することを約束する契約です。

たとえば家の建設工事やリフォーム工事、ウェブサイトの制作契約などは請負契約の一種です。

請負契約も、お互いが仕事の目的やその対価の支払いについて口頭で合意すれば成立するため、契約書の作成は不要です。

委任契約

委任契約は、何らかの業務を相手に任せ、その業務執行について対価を払う契約です。

請負は「仕事の完成(納品)」に対して対価を払うのに対し、委任の場合には「仕事の執行」に対して対価を払うので、必ずしも「仕事の完成」は求められません。

つまり結果として成功しなくてもお金が発生するのが委任契約です。

たとえば、会社で役員は株主から委任を受けて会社の経営を行っています。

ときには経営に失敗するケースもありますが、報酬は支払われます。

弁護士への依頼も委任契約です。敗訴することもありますが報酬は支払われます。

委任契約も、契約書がなくても口頭で成立します。

雇用契約

雇用契約は、使用者が従業員を雇い入れるときに締結する契約です。

賃金や労働時間、場所、業務内容、休日、休憩などの事項について口頭で合意すれば成立します。

契約書がなくても成立はしますが、「雇用条件」については「書面」(法改正によって一定のケースではメールでも可能)によって労働者に通知しなければなりません。

契約書以外の「労働条件通知書」などの別途書面交付でもかまわないのですが、通知しない場合には労働基準法違反になってしまいます。

不法行為の損害賠償に関する合意

一般的な「契約」のイメージとは異なりますが、不法行為が行われた際の「示談」も1種の契約と考えられます。

示談とは、加害者が被害者に発生させた損害を賠償する方法を取り決める契約です。

損害賠償金の金額や支払方法が決まったら、口頭でも示談が成立します。

契約書の作成は不要です。

婚約

婚約は、男女が結婚する事を予約する「婚姻予約」です。

このような契約を、わざわざ契約書で行う方は少ないでしょう。

実際、婚約は口頭でも婚姻する意思が合致すれば成立するのであり、契約書で行う必要はありません。

業務委託契約

企業間や事業者の取引で多いのが「業務委託契約」です。

これは、サイトの制作やデザイン、写真撮影などの業務を依頼する契約です。

請負や委任契約を組み合わせたものになっているケースが多数です。

業務委託契約も口頭で成立するので契約書は不要です。

ただし契約書がないためにトラブルが起こりやすい契約でもあります。

ライセンス契約

ライセンス契約とは、特許や商標などの知的財産権を持っている人が他者にその権利を貸し出す際に締結する契約です。

どの権利をどの範囲で利用させるのか、契約の解除事由や損害賠償、ライセンス料の金額や支払方法などについて合意して契約をします。

ライセンス契約も口頭で成立しますが、契約書がないと大きなトラブルになりやすいです。

秘密保持契約

事業者間の取引では「秘密保持契約」を締結するケースが多々あります。

これは、お互いに業務上知り得た相手の秘密を漏らさないとする契約です。

口頭でも成立しますが、それでは相手が破ったときの責任追及が難しくなり、あまり意味をなさないでしょう。

契約書が必要な契約の例

一方、契約が有効となるために契約書の作成が必要なタイプの契約もあります。

保証契約

保証契約は、他人の債務(金銭支払い義務)などを担保する契約です。

たとえば「連帯保証人になる契約」などが保証契約です。

法律上、保証契約は「必ず書面でしなければならない」と定められています。

口頭で「保証人になります」と言っても無効であり、保証契約の書面を作っていない限り保証人に支払いの義務は発生しません。

定期借家契約

定期借家契約とは、契約で定めた一定期間が経過すると、必ず契約が終了するタイプの賃貸借契約です。

一般の賃貸借契約では、期間が終了しても自動更新されて契約が続いていくのが原則ですが、定期借家契約にすると期間の終了と同時に物件を返してもらえるので、大家にとっては安心です。

定期借家契約は、必ず書面で契約しなければなりません。

口頭での定期借家契約は無効です。

定期借地契約

同じく定期借地契約という契約もあります。

これは、予定されていた期間が満了すると必ず契約が終了するタイプの借地契約です。

一般的な借地契約の場合には自動更新が原則となりますが、定期借地契約にすると期間終了とともに確実に土地を返してもらえるので、オーナーにとって利益があります。

定期借地契約も、必ず書面でする必要があります。

特に事業用定期借地契約の場合には「公正証書」にしておかないと効果を発揮しません。

このように定期借家契約や定期借地契約に書面作成を厳しく要求されるのは、これらの契約が賃借人にもたらす不利益を懸念してのことです。

必ず物件や土地を返さねばならないとなると、そのとき賃借人が追い出されることになってしまいます。

その不利益を受けることを当初に誰にでも明確にするため、契約署作成が要求されます。

物の受け渡しが必要な契約の例

契約の中には、物の受け渡しが必要な契約があります。

このような種類の契約を「要物契約」と言います。

要物契約には以下のようなものがあります。

使用貸借契約

物を渡し、無償で使わせる契約です。

たとえば不動産を人に貸すとき、賃料をもらわなければ使用貸借契約となります。

使用貸借契約が有効になるためには「対象物の受け渡し」が必要です。

口頭で「ただで貸してあげる」と言っただけでは成立せず、実際に不動産などの物を相手に引き渡さないと契約が成立しません。

寄託契約

寄託契約とは、相手に物を預ける契約です。

たとえば、しばらくペットを預かってほしい場合や家にある大きな家電製品や大量の本を預ける場合などに、寄託契約を利用します。

現行民法では寄託契約は「要物契約」であり、実際に物の引き渡しをしないと契約が成立しないと規定されています。

ただ、今後民法が改正されて寄託契約は諾成契約に変更され、物を預けなくても契約が成立するようになる予定です。

契約が成立しない場合とは

口頭によっても書面によっても、契約が成立しない場面があります。

それは以下のとおりです。

片方が納得しない場合

契約当事者の片方が納得しない場合には、契約は成立しません。

たとえば物の売買代金について一方に不服があり合意できないなら売買契約は成立しません。

納得していなければ契約書にはサインしないでしょうし、口頭での契約も有効になりません。

強迫や強要によるもの

当事者が強迫や強要されて無理矢理契約させられたケースでも、契約は有効になりません。

たとえば相手から「合意しないと家に帰さないぞ」と脅されたり、第三者から「その契約に合意しないとお前の家族を殺すぞ」などと言われたりして、意思に反して合意した場合です。

その場合、口頭でも書面であっても契約は有効にならず、強迫による意思表示であったとして取消権の行使が可能です。

詐欺、錯誤によるもの

契約内容について、重要な部分で勘違いをしていたり(錯誤)、相手から騙されたりしたら(詐欺)、契約は有効になりません。

たとえば、本来のものとは異なる優良な商品であると説明を受け、信じて契約してしまった場合には詐欺に遭ったものとして取消が可能です。

また錯誤があったとして無効を主張することもできます。

公序良俗に反する契約

契約内容自身が不法な目的や内容であり、「公序良俗違反」になるケースがあります。

たとえば愛人契約や、犯罪を共同して行うための契約などです。

その場合にも、契約は無効になります。

口頭で契約解除できるのか

契約を口頭で解除できるのかについても合わせて押さえておきましょう。

基本的に口頭で解除できる

契約の解除は、基本的に口頭でできます。

たとえば売買契約において、相手がいつまでも商品を引き渡してくれない場合には、電話や対面で相手に「売買契約は解除するのでなかったことにしてほしい。代金も支払いません」と通知して契約の解除を告げれば有効です。

売買契約は解除されて代金支払い義務も商品の引き渡し義務もなくなります。

このような場合、合わせて損害賠償請求することも可能です。

解除の要件を満たしている必要がある

ただし、口頭で解除するには「解除の要件」を満たしている必要はあります。

相手が債務不履行を起こしたために口頭で解除するのであれば認められますが、相手に何の非もないのに、一方的に解除することは、口頭でも書面でもできません。

口頭で解除する問題点

口頭で解除してもその証拠が残らないので、相手が後日「解除されていない」と主張して代金を請求してくる可能性があります。

そのリスクを考えると、口頭で有効とは言え、解除は書面で行う方が良いのです。

書面で解除すべき場合

一方、「書面で解除すべき」と法律で定められているケースがあります。

それは「クーリングオフ」です。

訪問販売や電話勧誘、エステや語学教室などの継続的なサービスを受ける契約などでは、「クーリングオフ」として一定期間内の無条件解約が可能です。

クーリングオフするときには、「書面で行う」ことが特定商取引法によって定められています。

実は、書面でなくてもクーリングオフが有効と判断された裁判例もあります。

ただ、これは救済的に行われた判断であり、リスクを減らすにはやはり書面でクーリングオフすべきです。

クーリングオフ通知を送るときには必ず書面、それも「内容証明郵便」を利用しましょう。

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ケース別の口約束の効力や事前対策

以下では、ケースごとの口約束の効力とトラブルに備える方法をご紹介していきます。

お金や物の貸し借り

お金や物の貸し借りを行う契約を「消費貸借契約」と言います。

消費貸借契約は口頭でも成立します。

しかし契約書を作成しないと、相手が貸したお金や物を返してくれないときに返還請求するのが難しくなってしまいます。

相手が「借りてない」などと言い出して、貸した事実の証明もできないと裁判をしてもお金などを返してもらえない可能性が高くなります。

消費貸借契約を締結するときには、必ず契約書を作成しましょう。

売買の約束

売買契約も口頭で成立しますが、契約書を作成しないとトラブルのもとになります。

代金をいくらにするのか、いつ払うのかなどを決めていなかったら、商品を渡してもお金を払ってもらえないかも知れません。

必ず契約書を作成して取引に入りましょう。

雇用・各種労働契約

雇用契約も契約書無しで成立します。

しかし労働条件を通知しないと労働基準法違反となり、罰則も適用されます。

また労働契約書を作っておかないと、後から労働者が「聞いていなかった」「労働条件通知書はもらっていない」「きちんと説明を受けていない」などと言い出して労基署に通報されたり労働審判を起こされたりしてトラブルになる可能性があります。

就業規則を定め、労働条件通知書を交付すると共に、双方が署名捺印した労働契約書を作成しておくべきです。

事故や犯罪行為の損害賠償請求

交通事故や労災事故、学校や介護事業所での事故、あるいは犯罪が行われた際の賠償金の合意をする際にも、必ず合意書を作成しましょう。

そうしないと、後に被害者が「まだ全額の賠償金を払ってもらえていない」と主張して追加請求を行う可能性があります。

また賠償金を分割払いにした場合、相手が途中で払わなくなってしまうおそれもあります。

合意したらまずは合意書を作成して、その後に賠償金を払いましょう。

浮気による慰謝料請求

配偶者が浮気したため慰謝料を請求するときにも、合意書を作成すべきです。

口頭でも示談は成立しますが、それでは全額の慰謝料が支払われたか明らかにならず、追加請求されるおそれがあります。

また事故や犯罪のケースと同様、分割払いにすると支払ってもらえなくなる可能性もあります。

合意書を作成して双方署名して1通ずつ保管することにより、被害者による不当な追加請求を防止できますし、浮気相手による支払が滞った場に請求する根拠にできます。

離婚時の財産分与や養育費の請求

離婚時に夫婦が話し合って離婚条件を取り決めるのも、1つの契約です。

例えば財産分与や慰謝料、養育費の支払いなどの取り決めです。

離婚時の契約も書面にしなくても有効ですが、書面にしておかないと、相手から「まだ決着がついていないから財産分与を払え」「慰謝料を払え」などと言われる可能性があります。

また養育費についての書面を取り交わしていなければ「払わない」と言われ逃げられるリスクも考えられます。

離婚するときには必ず離婚条件を取り決めた「協議離婚合意書」を作成しましょう。

遺産分割協議

遺産相続の場面では、相続人らが遺産分割協議を行って遺産の分け方を決める必要があります。

このときの遺産分割の合意も一種の契約に似たものです。

一応口頭でも合意は成立します。

しかし、遺産分割方法に合意したときに遺産分割協議書を作成しなければ、後に相続人のうち誰かが「まだ決着がついていない、納得していない」と言い出してトラブルを蒸し返される可能性があります。

また、遺産分割協議書がないと、不動産の名義変更や預貯金の払い戻しなどの具体的な相続手続きを一切できません。

遺産分割協議が整ったら必ず実印で遺産分割協議書を作成しましょう。

企業間での契約

企業間では、一般個人とは異なるさまざまな契約を締結します。

多くの契約は口頭でも成立しますが、トラブルを避けるためには契約書の作成が必須です。

現実に、契約書を作成していなかったために報酬や費用を払ってもらえないトラブルが数多く発生しています。

相手が大企業であったり病院、医師、公共施設などであったりして「信用」して契約書を作成しなかったために払ってもらえないトラブルも起こります。

どのような相手であっても、企業間取引において、契約書は必ず作成しましょう。

お酒の席での口約束

個人同士の場合、お酒の席で口約束するケースがあります。

このような場合にも、お互いの意思がはっきり合致して合意できたら契約は有効です。

たとえばお酒の席で物をあげる契約(贈与契約)やお金を貸す契約(金銭消費貸借契約)をしてもかまいません。

ただ、契約書がないとその契約を証明できないので、後に相手に贈与やお金の支払いなどを請求しても守ってもらえないでしょう。

証拠がないと裁判をしても負けます。

また、契約時に前後もわからないほど泥酔していた場合には、契約を締結する意思能力を失っていると考えられるので、口約束でも書面を交わしていても契約は無効です。

遺言について

契約とは異なりますが「遺言」という行為があります。

遺言は、自分の最終の希望事項を後の世に残すことです。

遺言は必ず書面でしなければなりません。

口頭で財産分けの方法などを誰かに伝えるだけでは無効ですし、録音やビデオが残されていてもやはり無効です。

遺言を遺したいなら、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」のいずれかの方法を利用して要式を守って書面作成する必要があります。

口約束にも時効がある

口約束の時効
口約束であっても有効になればお互いに権利や義務が発生します。

そうして発生した権利や義務には「時効」も適用されます。

口約束の時効の期間は契約書を作成した場合と同じです。

現時点では債権の種類によって時効の期間が異なりますが、今後2020年4月に民法が改正されると、時効期間は基本的に5年に統一される予定です。

口約束で裁判になったときの証拠の集め方

口約束でも契約は有効ですが、裁判になると「証拠」がなくて問題になるケースが多いです。

契約書を作成していれば、契約書を証拠として簡単に契約内容を証明できます。

一方契約書がないと、契約の成立や内容を証明できないので、相手が約束を守らなくても追及できなくなります。

口約束の契約を証明するため、以下のような証拠が考えられます。

メールやチャットツール、LINEなどのメッセージ

契約するまでの間には、相手と何らかのやりとりがあるはずです。

たとえばメールやチャットツール、LINEのメッセージなどで、契約内容のすりあわせをしているケースもあるでしょう。

そのようなときには、メールやオンラインのメッセージを契約成立の証拠とすることが可能です。

契約するまでに交わした文書

工事の請負契約などでは、発注者から発注書が送られて受注者から受注書(請書)が送り返され、それによって契約が成立した扱いにするケースが多々あります。

そのような場合には、発注書と受注書(請書)などの書面(原本、コピー、FAX)などが証拠となります。

録音、録画

まったくの口約束でメールも書面もない場合でも、口頭でのやり取りが録音されていたり、話し合いの様子が録画されていたりするケースがあります。

その場合には、録音や録画のデータが契約成立の証拠になります。

預貯金通帳からの出金、振込証

お金を貸す契約などでは、資金を用意するために、貸主が銀行預金口座からまとまった金額を出金するケースがあります。

またお金を貸し付ける際、相手名義の銀行に口座送金するケースもよくあるものです。

このようなときには、銀行からの出金記録や振込証が証拠となります。

ただしこれらだけでは「お金を相手に渡した」事実しか立証できません。

お金を返す約束については別の手段で証明しなければなりません。

そうでないと相手から「お金はもらった物だ」と抗弁されてしまうからです。

結局は契約書を作成していないと、貸したお金が返ってこなくなるるときには必ず書面、それも「内スクが高まります。

まとめ

契約の中には、契約書を作成しなくても有効に成立するものがたくさんありますが、現実には契約書がないと合意内容を証明できず、トラブルになったり不利益を受けたりする可能性が高くなります。

契約する際には必ずきちんと契約書を作成し、相手と自分の双方が署名捺印して1通ずつ保管しましょう。

自分たちだけでは適切な契約書の作成方法がわからない場合、弁護士に相談しましょう。


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福谷 陽子(元弁護士)

福谷 陽子(元弁護士)

京都大学法学部卒。在学中に司法試験に合格し、2004年に弁護士登録。その後、弁護士として勤務し、2007年、陽花法律事務所を設立。女性の視点から丁寧で柔軟なきめ細かい対応を得意とし、離婚トラブル・交通事故・遺産相続・借金問題など様々な案件を経験。2013年、体調の関係で事務所を一旦閉鎖。現在は10年間の弁護士の経験を活かしライターとして活動。猫が大好きで、猫に関する記事の執筆も行っている。
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