絶対に相続させたくない人がいる!遺言や手続きで相続人を排除する方法や条件

 

家族の間で仲が悪かったり、子供と親の関係が良くなかったり、、、

これがもっと酷い状況になると、暴力行為であったり、脅迫や嫌がらせにエスカレートするなど

どうしても家庭内トラブルが回避出来なかったりすることも残念ながら実際にあることです。

さて、こういった不可避の問題に立ち会った場合、その問題のある人物に「財産は渡したくない!」っと考えるのが遺言書を書く側のもっともな意見です。

このような問題のある人物に相続権利があった場合はそれを排除出来るのでしょうか?

結論から言えば、特定の要件を満たしていれば法定相続人の相続権利を失くすことは可能です。

ここでは相続権の剥奪に関する手続きや方法などを紹介していきます。

相続権を剥奪する方法とは?

 

相続権には主に2つの呼び方があり、遺言書が無かった場合に民法で規定されている「法定相続人」と被相続人が亡くなった際に相続人になるであろう人物を「推定相続人」と言います。

大まかな意味合いではどちらも「民法上の相続権利を持つ人(または持つと予想される人)」といった認識ですが、法定相続人と呼ばれるのは相続開始後(被相続人の亡くなった後)であり、推定相続人と呼ぶのは被相続人が存命している場合です。

「絶対に相続させたくない!」っと被相続人が感じているということは基本的に「推定相続人」であることが多いですが、遺言書などにその意向を記載したり所定の手続きを行ってもらう旨を記載していれば、法定相続人となった人物でも相続権利を剥奪出来ることもあるようです。

では、具体的な相続権利の剥奪方法について見ていきましょう。

相続権利を剥奪する相続排除の申し立て

様々な事情から特定の相続人を排除して、相続の権利をなくさせたい場合には家庭裁判所に「相続排除」の申し立てを行うことが出来ます。

もちろん、、、「単純に気に入らないから」などの理由では申し立て却下の可能性の方が高いでしょう。

ただし特定の要件を満たしており、家庭裁判所が認めた場合には申し立てをされた相続人は排除されることになります。

※大前提として、以下で解説する相続廃除の手続きを始める場合は相続関係を専門としている弁護士に相談して進めていくことを強くおすすめします。不測の事態や思わぬトラブルを招かない為に、司法書士や税理士ではなく弁護士を立てましょう※

家庭裁判所へ申し立てる

 

被相続人が特定の相続人から日常的に暴力行為を受けていたり、重大な侮辱があった場合、被相続人は自ら家庭裁判所へ「推定相続人の相続廃除」を申し立てることが出来ます。

申請後、裁判所が申請を認めた場合には市区町村役場に「推定相続人排除届」を提出することで実際に適用され、効力を持ちます。

遺言書で排除することも可能

日常的な虐待や侮辱行為などは本来あってはならないものですが、生きている間には周囲も恐怖などで直接的な対応が出来ないかもしれません。

しかし、遺言書を作成して特定の相続人の排除を希望していることを記載しておくことで被相続人が亡くなった後でも家庭裁判所に同じく相続廃除の申し立てをすることが可能です。

遺言書に記載する場合は生前ではなく遺言執行者がこれを行う必要があるため、遺言執行者を指定する必要があります。

相続廃除には要件が定められている

相続廃除をされた相続人は、通常の遺言でも侵害の出来ない遺留分の請求も出来なくなります。

このため、簡単に相続廃除を認めると逆に悪用されることを懸念してだとは考えられますが、しっかりとした理由が必要になります。

この理由を要件と言いますが、相続廃除の要件は以下のような場合です。

日常的な暴力や虐待があった場合

介護が必要な被相続人に対して必要な食事を与えなかったり、罵声や不当な暴力行為などがこれに該当します。

重大な侮辱行為があった場合

被相続人に対しての悪口や侮辱的な発言など、名誉を著しく損なうような行為がこれに該当します。

著しい非行があった場合

社会人としての常識を超えて定職に付かない、お金を要求してくる、家出などを繰り返すなどが該当するとされています。

相続廃除の相談に弁護士が最適な理由

相続廃除という申し立ては、悪用すれば不当な排除になる可能性があることから

本当に被害を受けている被相続人であっても充分な立証を求められるものです。

要件にある暴力行為や虐待などがあるといった状況であれば必要に応じて他の法的手段も考える必要があるかもしれません。

そういった意味では民事だけではなく刑事事件も扱える弁護士に相談することが最適だと言えます。

その他にも遺言執行者などに弁護士を選任することは通常の相続手続きでもあることですので

こういったトラブルが起こりそうな相続問題に関しては法律面でも頼れる弁護士を頼るのが最善だと言えます。