近年、若い親世代の人から人気のある「エンディングノート」
生前整理の一貫として良く取り上げられていますが、実際に法的な観点で見るとどういった扱いになるのかをご存知でしょうか?
エンディングノートには利用方法が色々とありますがメリットもあればデメリットもあります。
解釈の仕方次第では、遺言書と同等に感じている人も中にはいるかもしれませんが
「エンディングノート」と「遺言書」では明確に使用方法が異なります。
ここでは、エンディングノートと遺言書に違いや、法的効力、エンディングノートの有効な活用方法などを紹介していきます。
エンディングノートには何を書く?
エンディングノートは最近ではオンライン上で無料でDL出来るものから、60万冊以上がコクヨの製品が有名です。
エンディングノートの種類にもよりますが、書くことは山程あります。
それこそ自分自身の全ての記録を書いていくものです。
【エンディングノートの項目例】
・個人的な情報
・自分の個人情報(氏名、本籍、勤務先、マイナンバーなど)
・資産情報(銀行の口座情報、支払い関係の契約内容など)
(有価証券・その他の金融資産、不動産など)
・借入金やローン情報(借入金額、借入先、負債金額など)
・クレジットカード情報(暗証番号など)
・各種保険や年金の情報
・医療関係の希望
・健康の情報(かかりつけの病院、病歴、持病)
・延命治療の希望や臓器提供に関すること
・病気の告知について(治療不能な病気などが家族に告げられた場合の対処)
・介護・老後の希望
・認知症になった場合の対応
・介護に関する希望
・介護にかかる費用・財産管理など
・葬儀・死後の希望
・葬儀に関する希望(葬式の有無や参列者について)
・死後の供養に関する希望
・相続・遺言の希望
・相続に関する言付け
・遺書の有無など
・遺産相続に関する希望
これでもかなり簡潔にまとめましたが、実際にはこれらをさらに細かく記入出来るような構成になっています。
エンディングノートでの遺言は法的に有効?
さて、一度本題に戻りますが、エンディングノートには上記のように遺言に関する項目が含まれていることがあります。
しかし、注意しておかなければいけないのは
・エンディングノートによる遺言には法的効力がない
ということです。
他の遺言書に関する記事でも触れていますが、遺言書の作成には決まった書式や手続きがあります。
しかし、遺言書としても効力はなくとも”遺言書の存在があることを伝える”ことは可能です。
そういった意味では、法的効力がなくともエンディングノートを書くことに意味は充分にあります。
相続や贈与に関して気になる場合は遺言書を作成しよう
エンディングノートを遺言書があることを知らせたり、相続に関する手続きの希望を書くことは可能ですが、それを遺言書としては認めてもらえません。
しかし、生前整理の方法としては様々な価値はあるので、遺言書は遺言書として作成しておき、それにかかる手続きに必要な情報をまとめておくことで、エンディングノートは非常に有意義なものになるでしょう。
実際にエンディングノートを書き始める人は早ければ30代からでも少しずつ書いているそうですので、もし検討している場合には書店などで探してみましょう。