今現在、日本全体の遺産相続は遺言相続よりも法定相続の方が圧倒的に多いと言われています。
しかし、それと同時に年々増加しているのが相続に関するトラブルです。
遺言書を残していなかった事が原因で、遺産相続の段階になって法定相続人同士でトラブルが起こったり、後々にまで関係性を悪化させてしまうこともあるようです。
遺産相続でのトラブルと言えば昼ドラや昔の映画の出来事のようなイメージはありますが
実際には今後10年、20年でさらに相続というターニングポイントを迎える家庭は増えていくはずです。
人口比率が高齢化している今後はさらに遺言書というものは重要なものになっていくと思われます。
遺言書はどうして重要なのか
財産を残したまま、遺言書を残さずに亡くなってしまった場合、亡くなった人の財産は法定相続人によって相続されることになります。
ここで、キレイに割り切れているのであれば揉め事なども起こる可能性は少ないですが
実際には生前にどういった関係性であったか、亡くなった人を世話していたのは誰だったのか、同じ法定相続人同士でも生前にどのような贈与を受けていたのか、などなどの状況次第で問題になる可能性は一気に多くなります。
相続財産はあくまでも故人の財産である
よく財産に対して勘違いをしやすいポイントですが、例え親が遺した財産であってもそれは本来は亡くなった故人のものであるということです。
だからこそ、故人が最後の意思として
残していく財産をどうするのか?
誰に何を残してあげたいのか?
といった具体的な内容を記述する遺言書が重要になります。
法的に有効な遺言書であれば、それは法定相続よりも効力が優先されます。
例えば親であるAさんが子供3人の法定相続人(Bさん,Cさん、Dさん)に対して財産を残すことになるとします。
この時にAさんを最後までお世話したのがCさんであるとしたら
Aさんの心情的にはCさんには多めに財産を残したいと思うでしょうし、お世話をしたCさんも内心はそういう思いがあるかもしれません。
こういった生前の状況を踏まえて
財産を残す立場であるAさんが遺言書で「Cには遺産の50%を譲る」という意思表示をしていれば、Bさん、Dさんも遺言書に対しては異論を唱えることが出来ません。
※もちろん正式な書式で具体的な内容を記述する必要があります※
遺言書を作成する意味は、「故人が最後の意思を伝える唯一の方法」ということです。
遺言書の作成を検討するなら専門家へ相談を
相続、贈与を専門に扱っている士業の人であれば、遺言書の作成に関しても相談することは出来ます。
また、遺言書は書いて終わりという訳ではなく、遺言執行者の選任やどのような遺言書を残すかということも含めて相談しておくと自分の意思を相続に直接は利害のない専門家が適切にアドバイスをしてくれます。
遺言書を検討するのであれば、専門家にまず自分の状況を相談してみることが無難です。