離婚調停には、必ず応じなければならないという決まりがあるわけではないため、拒否をしようと思えばいくらでも拒否ができてしまいます。
また、離婚調停に応じなかったからといって、なにかしらの罰則規定があるわけではないのです。
では、相手が離婚調停に応じない場合、どのように対処をすれば良いのでしょうか?離婚調停は諦めなければならないのでしょうか?
今回は、相手が離婚調停に応じない時にどうすれば良いのかをご紹介します。
離婚調停は申し立てることに意味がある
相手が離婚調停に応じなかったからといって、まるで意味がなくなってしまうわけではありません。
離婚調停というのは、申し立てること自体に意味があるのです。
というのも、日本には離婚をするために1度は調停を経なければならないという、調停前置という決まりがあります。
離婚というのはどうしても合意に至らない場合、最終的には離婚裁判によって結論が出されることになるのですが、この離婚裁判は離婚調停を経ていなければ提起をすることができなくなっています。
※関連ページ→「離婚裁判の流れや期間と弁護士費用を実例とデータを交えて解説」
つまり、離婚調停というのは、離婚をするためにどうしても1度は経なければならないため、相手が応じなかったとしても申し立てることに意味があるということです。
なるべくは離婚調停での解決を
とはいえ離婚裁判となると、もはや話し合いの場ではなくなってしまいます。
協議離婚は話し合いによる離婚ですし、調停離婚も基本は話し合いにより進行するため、協議離婚の延長線上のようなものです。
しかし、離婚裁判というのは争いの場です。
今までにないほど精神的な負担が大きくなりますし、事情次第では調停以上に長期になってしまうこともあるため、負担を考えるとあまりオススメできるものではありません。
よって、なるべくは離婚調停での解決できたほうが良いといえます。
では、離婚調停に応じない相手をどのように説得すれば良いのでしょうか?
譲歩する姿勢を見せるのが重要
相手に離婚調停に応じてもらうためには、ある程度は譲歩する姿勢を見せるというのも重要です。
相手と連絡を取る手段がまるでないのであれば、それも難しくなってしまいますが、そうでないのであれば、まずは譲歩する姿勢を見せましょう。
ただし、ここであまり話し合いがエスカレートしてしまうと協議離婚の二の舞となってしまいますので、「続きは調停で話し合おう」といったように促し、調停に出てくれば相手にもメリットがあるのだということをよく理解してもらいましょう。
相手は離婚調停なんて意味がないと思っているため、離婚調停に応じる気がないことがほとんどです。離婚調停は相手にとってもメリットがあるものだと伝えるというのは、相手に出てきてもらうためにも非常に有効な手段です。
弁護士に相談するという方法も
ただし、相手へのメリットの提示というのは、個々の事情によるところなので、ここではなんともいえません。
そうした個別の対応については、弁護士に相談することをオススメします。専門家というのは交渉力に長けていますので、こういう条件を出せば相手も調停に出てくるのではないか?といった提案をしてくれるはずです。
もちろん必ずしも効果があるものではありませんが、弁護士が介入することによって、離婚調停をすることなく、協議離婚で解決できる可能性も出てきますので、まったく意味がないということはないはずです。
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永瀬 優(パラリーガル)

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