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離婚調停に相手が来られない?欠席理由によって異なる対応方法を紹介!

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投稿日:2016年12月17日 更新日:

離婚調停で相手が来ない!欠席の理由によって対応も異なる

離婚調停を申し立てたとしても、相手(夫や妻)が裁判所に来られない場合、調停が進められることはありません。

離婚調停を進めることができないということは、つまり、調停はそのまま不成立になってしまうということです。

結論としては、「調停が不成立となる」ということなのですが、相手がなぜ来ないのかによって、実際に取られる対応は異なってきます。

何か来られない正当な理由がある場合と、理由もなくただ単に拒否または無視している場合では、もちろん取るべき対応は変わります

今回は、離婚調停で相手が来られない場合にどういった対応が取られるのかを、欠席の理由ごとにご説明します。

そもそも離婚調停とは何なのかを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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こんな疑問にお答えします

Q.離婚調停に相手が来ない場合はどうしたらいいのでしょうか。

A. まず、来られない理由を理解しましょう。相手が来ない理由は主に3つ「単に都合が悪くて来られない場合」「理由もなく拒否・呼び出し状を無視する場合」「そもそも呼び出し状が届いていない場合」です。理由によってその後の取るべき対応が異なります。また、どうしても相手が来ない場合は調停不成立となり、最終的に離婚訴訟に移行します。離婚トラブルは精神的な負担が大きいものです。早期解決を目指すのであれば、専門家に相談しましょう。

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離婚調停の欠席理由①単に都合が悪くて来られない場合

相手が仕事などの都合によって調停に来られないような場合は、別の期日を指定することになります。

相手側が離婚調停に出席する意思を示していて、調停に来られない理由がやむを得ない限りは、基本的に調停は不成立にはなりません。

裁判所側も可能な限りは期日の調整を行ってくれます。

とは言っても、何回期日を指定しても言い訳などをして調停に来ないような場合は、不成立とした方が良いと判断されることもあります。

本当に都合が悪くて来られないのか?といった見極めは、裁判所による判断となります。

離婚調停の欠席理由②理由もなく拒否・呼び出し状を無視する場合

上記したようにやむを得ない事情があるわけでもなく、ただ単に拒否する場合や、呼び出し状を無視する場合は、家庭裁判所の調査員が派遣される場合があります。

実際に相手の居住地へ出向き、なぜ裁判所に出頭してこないのか?といったことを尋ねるのです。

これを勧告と言いますが、特に理由もなく勧告に応じないような場合は、相手に対して5万円以下の過料が課されることもあります。

とは言え、裁判所がこうした対応をすることは非常にめずらしく、ほとんどは呼び出し状の再送付、よくて電話をしてくれるといった程度です。

あまり期待できるものではありませんので、相手が来られるのに来ないような場合は、自ら電話やメールなどで、出頭を促してみるのもいいかもしれません。

もちろん話したくない、関わりたくないといった事情がある場合は、そこまでする必要はありません。

あくまでも、相手側と調停で話し合いがしたいと考えられている場合のみで結構です。

離婚調停の欠席理由③そもそも呼び出し状が届いていない場合

相手の所在が明らかとなっておらず、現在の就業先も分からないような場合、裁判所からの呼び出し状自体が相手に届いていないことも。

この場合、ある程度は相手の所在についての調査をお願いされることがあります。

離婚調停の当事者である夫婦であれば、相手の住民票を取得することも可能です。

しかし、相手側に住民票を取られないように規制がかけられている場合もありますし、必ず住民票のある場所に居住しているとも限らないため、調査といっても限界があります。

このような場合は、専門家に依頼をするといった方法もありますが、いくら専門家といえども、その時点で判明している住所地に直接赴くか、戸籍や住民票を辿るといった調査が限界です。

依頼をしたからといって相手の所在が必ず掴めるわけではありません。

では、この場合はどうすればよいのでしょうか。

公示送達によって離婚する方法

呼び出し状がどうしても届かないような場合、基本的に調停は不成立となります。

話し合いもできないし、このままでは離婚ができないのでは?とも感じてしまいますが、方法が何もないわけではありません。

どうしても離婚を成立させたいのであれば、民事訴訟における「公示送達制度」を利用した裁判離婚をすることになります。

公示送達というのは、相手の居所が全く分からない場合、文書の交付について裁判所の前に2週間掲示することによって、法的に送達したとみなす制度のことです。

一方的に送達を認めてしまう制度になりますので、相手の所在調査は上記したものが必ず行われている必要がありますし、その調査をしたという証明も必要になります。

こうしたことから、公示送達は非常に煩雑な手続きとなりますので、専門家に依頼をしてしまったほうが無難かもしれません。

離婚調停に相手が来なかったとき、調停はその後どのように進むのか

ここまで、離婚調停に相手が来られない理由を解説してきました。では、調停に相手が姿を現さなかった場合は、調停自体はどのように進んでいくのでしょうか。

初回の調停期日に相手が来ない場合は待合室で待機となる

まず、調停期日に相手が姿を現さない場合は、しばらく待合室で待機となります。待機時間は、大体30分程度です。
待機時間を過ぎても相手が来ないときは、裁判所書記官が相手に連絡をとります。連絡をしても相手に繋がらなかったり、出席を拒否したりと調停を行えないと判断したら、その調停は終了となります。

2回目の調停が指定される

初回が終了したら、2回目の調停期日が指定されます。2回目3回目と調停期日を迎えても相手が来ない場合は、調停不成立と判断されます。

裁判所が調停不成立と判断する前に、申立人自ら調停申立の取り下げを行うことも可能です。しかし、不成立後に訴訟・審判を行いたいと考えているのであれば、裁判所の判断を待った方がいいでしょう。

家庭裁判所が調停不成立と判断したら、審判もしくは訴訟へ移行する

調停不成立と判断されたら、訴訟・審判へと移行することができます。
離婚調停の場合は、まず離婚訴訟の手続きがとられます。離婚訴訟を行うかどうかは、申立人が判断できます。

離婚調停だけが離婚をする方法ではない!

この記事では、離婚調停の欠席理由別に、対応についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

来られない正当な理由がある場合、理由もなく拒否または無視している場合、そもそも呼び出し状が届いていない場合など、それぞれの理由ごとに対応が異なることをお分かりいただけたかと思います。

しかし、相手が離婚調停に来ないからといって、離婚ができないというわけではありません。相手が来ないのであれば来ないなりの対応をすることは可能です。

離婚調停はそうそう何回も経験するものではありませんので、相手が出頭をしてこないと離婚ができないのでは?と不安になってしまうこともありますが、離婚調停を成立させなければ離婚できないわけではない、ということは覚えておきましょう。

離婚問題の早期解決を目指すなら弁護士への依頼も視野に

また、離婚問題で悩んだときは、弁護士への依頼も視野にしれましょう。

離婚問題は、夫婦関係に何らかの不満を抱えるケースも多く、調停を行ったとしても当事者同士での話し合いが難しいものです。

弁護士へ依頼することで、離婚トラブルをスムーズに進められるというメリットがあります。

ただ、弁護士に依頼するとなると、費用がいくらかかるのか、どの弁護士に依頼すればいいのか不安に感じる方も多いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、弁護士保険です。

弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。

通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。

しかし、弁護士保険に加入しておくことで、法的トラブルが発生した場合に、弁護士に支払う費用を抑えられます。

弁護士保険について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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記事を振り返ってのQ&A

Q.離婚調停に相手が来ません。どんな理由が考えられますか?
A.主な理由は、以下の3つです。

  • 単に都合が悪くて来られない場合
  • 理由もなく拒否・呼び出し状を無視する場合
  • そもそも呼び出し状が届いていない場合

相手が離婚調停に来ないからといって、離婚ができないというわけではありません。相手が来ないのであれば来ないなりの対応をすることは可能です。

Q.呼び出し状が届かないということは、そもそも離婚自体ができないのでしょうか?
A.相手の所在が不明でも、離婚する方法はあります。その場合は、民事訴訟における「公示送達制度」を利用した裁判離婚をすることになります。公示送達は非常に煩雑な手続きとなりますので、専門家に依頼をしてしまったほうが無難かもしれません。

Q.調停期日に相手が来ない場合は、調停自体どのように進んでいくのでしょうか。
A.「初回は待合室で待機→2回目以降に来ない場合は調停不成立→訴訟」という流れになります。ここで、裁判所が判断する前に申立人自らが調停申立の取り下げを行わないようにしましょう。申立人自ら調停を取り下げることも可能ですが、もし訴訟・審判を行いたいと考えているのであれば、裁判所の判断を待つようにしましょう。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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