離婚裁判って何するの?手続きや費用、負担を減らす方法も解説!

離婚調停が不成立になると、離婚裁判に移行することになります。

離婚裁判では確実な判決が下されるものの、
「離婚裁判を起こすことになったけど、何をどう進めたらいいのか分からない」
「離婚裁判に弁護士は必要なの?」
と、初めての離婚裁判に不安を抱く方は多いでしょう。

そこで本記事では、離婚裁判の手続きやかかる費用、なるべく負担なく進める方法を解説します。弁護士の必要性や弁護士費用を抑える手段もご紹介するので、参考にしてみてください。

こんな疑問にお答えします

Q.離婚裁判で、確実に離婚できますか?弁護士は必要ですか?

A.裁判を行えば確実に判決が下されます。裁判所の判決は法的に強制力があり、執行力があります。判決に基づく権利や義務を強制的に守ることができます。
ただ、判決までの期間がかかるため、精神的な負担が発生する可能性があるでしょう。専門家のサポートがあった方が安心といえます。無理のない範囲で、慎重に進めてみてください。

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離婚裁判とは

はじめに、離婚裁判とは何か解説します。

離婚裁判とは、夫婦の婚姻関係を法的に解消するための法廷手続のこと。離婚協議や離婚調停で話がまとまらないときに、法廷で強制的に離婚問題を解決するために行われます。

強制的という言葉のとおり、調停のような話し合いの場ではなく当事者が合意していなくても裁判所の判決に従わなくてはなりません。離婚裁判では、離婚成立だけでなく養育費や親権といったところにも判決が下されます。

離婚裁判が行われるのは、住んでいる地域の家庭裁判所です。別居している場合は、離婚を申し立てた側の居住地の裁判所で行うことを覚えておきましょう。

離婚裁判は誰でもできる?

離婚裁判は、原則として誰でも法的な手続きを踏んで申し立てを行うことができます。

ただし、日本の法律上、必ず離婚調停を経なければ離婚裁判を申し立てることはできません。

離婚調停で条件に合意できなかったり、どちらか一方が話し合いに応じず不成立になった場合に、離婚裁判に移行できます。

いきなり離婚裁判から始められるわけではないので、注意しましょう。

ここで、事情によってはどうしても裁判まで起こしたくないという方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、裁判を申し立てる前の段階で、相手が離婚調停に応じてくれないときの対処法を試してみてもいいかもしれません。対処の仕方によっては、相手が調停に応じて話し合いを進められる可能性があります。

相手が離婚調停に応じないときの対処法については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

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離婚調停とは何が違う?

離婚裁判は強制的に離婚問題を解決する場所ですが、離婚調停との違いについても理解を深めておきましょう。

離婚調停と離婚裁判では解決方法がまったく異なります。

  • 離婚調停:双方の合意で解決を図る。調停員が夫婦双方をサポートし、納得するための対話と協議を促進する
  • 離婚裁判:裁判官が最終的な裁定を下して強制的に解決させる。夫婦が合意に達しない場合でも裁判が進行する

離婚調停と離婚裁判は性質がまったく異なり、離婚手続きにおいて異なるアプローチを取ります。離婚裁判は、離婚における最終手段と考えていいでしょう。

離婚調停と離婚裁判の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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不倫裁判と同時に行える?

配偶者の不倫によって離婚を視野に入れている方にとっては、不倫相手へ慰謝料請求するために裁判を起こしたいという方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合は、不倫裁判と離婚裁判を同時に家庭裁判所へ申し立てます。

不倫裁判のみの場合は、地方裁判所(または簡易裁判所)で行います。ただし、離婚裁判と同時に行う場合は、家庭裁判所に同時で申し立てるようにしましょう。

不倫裁判について詳しくは、こちらをご覧ください。

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離婚裁判を申し立てるメリット

離婚裁判のメリットには以下のような点が挙げられます:

確実に判決が下される

裁判所の判決は法的に強制力があり、執行力があります。判決に基づく権利や義務を強制的に守ることができます。

トラブルが公正に解決できる

裁判所は中立的な立場から法的な原則に基づいて判断を下すため、公正で客観的な裁定が期待できます。

法的権利が保護される

裁判所の介入により、双方の法的権利が適切に保護されます。財産分与や親権の決定が公平に行われることが期待できます。

離婚裁判の最大の特徴である「強制力の解決」という点が、そのままメリットになってくるでしょう。

離婚裁判のデメリット

離婚裁判には、デメリットが伴うこともあります。一般的にデメリットといわれる点は、以下のとおりです。

手続きが複雑で時間がかかる

離婚裁判は手続きが複雑であり、時間がかかることがあります。裁判所の予定や手続きに従う必要があり、結果が出るまで数ヶ月または数年かかることがあるでしょう。

精神的な負担

法廷での証言や審問はストレスや緊張を引き起こす可能性があります。裁判を経験する機会はめったにないことなので、精神的な負担がかかってしまうかもしれません。

経済的な負担

離婚裁判には一定の費用がかかります。弁護士に依頼する場合は弁護士費用がかかり、経済的な負担がかかる可能性があるでしょう。

個人的な問題が一般に知られる可能性も

1回目の口頭弁論期日は他人が傍聴できてしまうため、個人的な問題が一般に知られる可能性があります。プライバシーが公になってしまう可能性があるかもしれません。

メリットデメリットを考慮すると、離婚裁判が最善の選択であるかどうかは個々によって変わってくるでしょう。

離婚調停の時点で解決が難しい場合は離婚裁判が必要になるかもしれませんが、できるだけ円満な解決を目指すためにも専門家の助けを借りることをおすすめします。

離婚裁判のメリットや注意点に関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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離婚裁判の全体的な流れ

離婚裁判の全体的な流れを解説します。
離婚裁判は、離婚調停不成立後に次のように進みます。

①離婚裁判を提起する

離婚調停の不成立後、夫婦どちらか一方が家庭裁判所に離婚裁判を提起します。

②裁判所が第1回口頭弁論期日を指定する

家庭裁判所による訴状の審査後、第1回目の口頭弁論期日が指定されます。
期日の目安は、裁判提起から1ヶ月後に行われるのが一般的です。

③相手方(被告)は答弁書の提出を行う

相手方には、裁判所から訴状に関する書類が送られ、同封されている答弁書に対する返事(答弁書)を1週間以内に裁判所に提出します。

④第1回口頭弁論の期日を迎える

双方の主張を述べます。意見が食い違う場合は、反論のための書面を提出することになります。

④次回以降の口頭弁論期日が開かれる

2回目以降の期日は、1ヶ月おきで数回にわたって開かれるのが一般的です。
裁判所は、双方の主張と反論を整理し、判決へと持っていきます。途中、和解離婚という選択肢も迫られることがあるでしょう。

⑥判決が言い渡される

離婚する事由がそろったと判断されると、裁判所によって判決を下されます。

⑦離婚が成立する

離婚判決が言い渡されると、正式に離婚が成立します。判決が下りてから2週間以内に離婚届を提出します。

離婚裁判における期日の回数や判決までの期間は、個々の事情によって異なるでしょう。
また、1回の期日で終結することが少なく、数回に渡って行われることが多いと考えておきましょう。

離婚裁判に向けて準備するもの

離婚裁判に備えるためには、以下のものを準備しておきましょう。

  • 離婚裁判の訴状 2通
  • 調停不成立の証明書
  • 夫婦それぞれの戸籍謄本
  • 裁判費用
  • 弁護士に依頼する場合は弁護士費用
  • 子どもがいる場合は子どもに関する計画書

準備する書類や費用は個々で異なるため、何を準備すべきか分からない方は、専門家の助言を受けることを視野に入れてみてください。

離婚裁判でかかる費用

離婚裁判における準備の中で、費用面について気になる方は多いでしょう。
離婚裁判では、主に以下の費用がかかります。

  • 訴訟費用
  • 弁護士費用(弁護士に依頼する場合)

訴訟費用

訴訟費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 申立て手数料(離婚請求の場合):1万3,000円
  • 書面の郵送用の予納郵券:6,000円前後(裁判所によって異なります)

離婚請求以外にも、養育費や財産分与、慰謝料を求める場合は、それぞれ1,000円〜1,200円程度の追加費用がかかります。

弁護士費用

離婚裁判を弁護士に委任する場合の費用目安は、以下のとおりです。

  • 相談料:5,000〜1万円程度
  • 着手金:30万円〜60万円程度
  • 成功報酬:30万円〜60万円程度
  • その他実費

上記で示す金額は、あくまで目安です。財産分与や慰謝料、養育費に関するトラブルを解決する場合は、着手金や成功報酬が追加される可能性があるでしょう。

弁護士に依頼する場合は、何にどれだけかかるのか相談時に確認しておくことが大切です。

離婚裁判でかかる費用について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

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離婚裁判でかかる弁護士費用を抑える方法

離婚裁判でかかる費用の中でも、大きな負担が予想されるのは弁護士費用でしょう。

弁護士費用は事案によって高額になるケースもあり、経済的な負担が大きくのしかかってしまいます。

ここからは、弁護士費用の負担を抑える方法をご紹介します。

法律の無料相談所を利用する

まず、法律の無料相談所を利用する方法です。

法律事務所や法的相談を受け付ける機関の中には、法的トラブルを無料相談できる窓口があります。

弁護士に無料相談をすることで、トラブルの全体的な見通しや解決策の提案を受けられるでしょう。

無料相談所で提供される相談は、一般的なアドバイスに留まることがあります。複雑なケースや実際の裁判のサポートに関しては、弁護士に依頼した方が安心かもしれません。

ただ、離婚に向けて話し合っている段階の方は、弁護士に無料相談することで今後のアドバイスがもらえるでしょう。

弁護士の無料相談や事前準備については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

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法テラスを利用する

弁護士に支払う経済的余裕が全くないという方は、法テラスを利用するという選択肢もあります。

法テラスとは、国が設置した法的援助機関のことで、一般の方からの法的トラブルの相談を受け付けているところです。

法テラスには、経済的な理由で法的サポートを受けられない人が、弁護士費用を一旦立て替える制度があります。

ただ、立て替え制度を利用するには一定の条件があるため、ご自身の状況が条件に当てはまっているか確認しておくといいでしょう。

法テラスの利用条件やサポート範囲については、こちらの記事をご覧ください。

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あらかじめ弁護士保険を利用しておく

離婚を視野に入れているという段階の方は、弁護士保険の利用がおすすめです。

弁護士保険とは、日常生活の争いや事業上で発生した法的トラブルに対し、弁護士に依頼した際にかかる弁護士費用を保険がカバーしてくれるサービスのこと。

離婚トラブルの場合、裁判費用や弁護士費用を保険が補償してくれるため、お金を気にすることなく安心して離婚裁判に挑めるようになるでしょう。

ただ、弁護士保険の特徴として、加入前に起きている離婚トラブルに対しては保険金がおりないので注意が必要です。

今後の備えとして経済的・精神的な安心を得たいという方に非常に有効でしょう。

弁護士保険の利用に迷われた方は、こちらの記事をご覧ください。

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離婚裁判にかかる負担を減らしてスムーズに進めよう

離婚裁判をスムーズに進めるには、弁護士のサポートがあった方が良いといえるでしょう。
しかし、弁護士へ依頼することで費用負担は避けられません。

また、離婚裁判は数ヶ月〜年単位の期間を要する可能性があるため、弁護士の存在は大きな支えになるでしょう。

弁護士に相談する場合には、弁護士保険がおすすめです。保険が弁護士費用の負担をしてくれるので助かります。

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記事を振り返ってのQ&A

Q離婚裁判は誰でも行えますか?
Aどなたでも行えますが、離婚調停を経ることが前提になります。

Q.離婚裁判で、確実に離婚できますか?
A.裁判を行えば確実に判決が下されます。裁判所の判決は法的に強制力があり、執行力があります。判決に基づく権利や義務を強制的に守ることができます。

Q.離婚裁判の注意点はありますか?
A.判決までの期間や費用がかかるため、経済的・精神的な負担が発生する可能性があるでしょう。

Q.弁護士に依頼するといくらかかりますか?
A.離婚裁判を弁護士に依頼すると、トータルで100万円以上かかる可能性があります。詳しい金額は、弁護士に相談して確認することをおすすめします。

Q.弁護士費用を抑える方法はありますか?
A.法テラスの利用、もしくはトラブルが起きる前に弁護士保険を利用しておくことをおすすめします。