相続において弁護士を雇うのは訴訟問題だけ?知っておきたい専門家のメリット

 

相続問題に限らず「弁護士を雇う」という行為自体にちょっとしたハードルや抵抗を感じる方も少なくないようですが、相続の手続きにおいて弁護士を雇うということは別に訴訟だけを前提としたものだけではありません。

一口に弁護士とは言っても、刑事事件や民事訴訟に強い弁護士がいるのと同じように、相続などを主な業務内容として事務所を運営している弁護士もいます。

専門的に相続分野を扱っているという事務所は小さな相談から始まり実務などの法律行為の代行や、トラブルに発展しそうになった場合には中立の立場から法律の専門家として頼れる存在です。

もちろん、弁護士事務所全てがそうである訳ではないですが、相続手続きは場合によっては複雑なものもありますし、財産の調査や税金に関する相談など幅広く知識を持っています。

他のも相続放棄であったり限定承認などを選ぶ必要がある場合には、ケースに応じて適切なアドバイスを貰えるでしょう。

もしも、相続の問題で悩んでおり「弁護士など専門家に聞いてみたい事がある」

と思っているのであれば、怖がる必要はありません。

こんな疑問にお答えします

Q.遺産相続を弁護士に依頼するメリットはなんですか?

A.弁護士に依頼することで、トラブルが発生しても代理人として解決を進めてくれます。また、遺言書の作成・保管などの相談もできます。遺言書の内容によっては、相続人同士が揉めるリスクを回避できるでしょう。
遺産相続で少しでも不安がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

弁護士よりも怖いのは判断ミス

遺産相続は基本的に相続開始から10ヶ月以内にはほとんど全ての手続きを終える必要があります。

とくに相続を開始した日から3ヶ月以内「熟慮期間」とされており

財産をどういった形で相続するのか?それとも相続放棄をするのか?といった判断をする重要な期間になります。

その後、単純承認で相続をすると決めた場合でも、遺言書があるかないかや、遺産分割協議をするかどうかで手続きは変わってきますし、被相続人が残している財産なども調べる必要があります。

この期間には様々な手続きや調査などを同時に行う必要があるので、俗にいう「何から始めれば良いか分からない」といった状態になりやすいものです。

相続開始後はすぐに弁護士に相談しても良い

口約束の時効

被相続人が遺言書を残している場合には、種類にもよりますが内容を確認した上で遺言の通りに相続は進んでいきます。遺言書を作成している場合には、被相続人が遺言執行者を指定している場合も多いです。

しかし遺言書がない場合には法定相続分、もしくは相続人同士で遺産分割協議が行われますが

こういった実際の相続以前に、被相続人にどういった財産があるのかという財産の調査や、自分の遺留分についての範囲を知っておかなければ思わぬ不利益を被ることもあります。

借金関係の問題であったり、相続財産が異様に偏っているような状態であればそれは専門家の意見を聞いて各種判断をして行くほうが安心です。

特に限定承認や相続放棄に関しては、失敗した場合には取り返しがつかなくなる可能性もありますので、正確な状況を伝えて適切な判断を下さなければいけないのです。

遺産相続を弁護士に依頼するメリット

ここからは、遺産相続を弁護士に依頼するメリットを解説していきます。

トラブルが発生しても代理人として依頼することが出来る

相続の手続きをしていく中では時にトラブルが起こってしまうこともあります。

例えば遺産分割についての合意がなかなか出来なかったり、遺留分が無視された遺言書がそのまま有効になってしまったりと、知らなかった場合に不利益を被る事例はたくさんあります。

しかし、こういった具体的なトラブルは自己解決するのが難しいのです。

なぜトラブルの解決が難しいかと言うと、基本的に相続人同士は利益相反の関係にあります。

つまり、たとえ話し合いを設けても相続人のどちらか、複数の場合には誰かが損をするようなやり取りが繰り返されてしまうからです。

こういった時に弁護士などの専門家に相談しておけば、法律に従って正しい請求方法や異議の申し立てをしてもらうことも出来ます。

長期間のトラブルはその後の人生において関係を良くするものではありませんので、出来る限り穏便に解決案を考えるためにはその道のプロを第三者として相談相手にするのが最適だと言えるでしょう。

途中から依頼すると全容をつかみにくいこともある

いくら相続などの専門家と言えども、こじれにこじれたような状態になってしまうとどういった部分で問題が発生しているのかが把握しにくくなってきます。

加えて財産調査~相続の選択までの期間は基本的に3ヶ月となっているので、思わぬ借金などが発覚した場合には出来る限り早い段階での手続きが必要です。

特に財産関係が複雑であれば、さらに財産の調査などは複雑になる上に手続きの数も多くなります。

熟慮期間は場合によっては延長を申し立てることも出来ますが、こういった細かいポイントまで考慮すると同じ相談をするのであれば最初から相談しておいた方がスムーズです。

遺言書の作成・保管などの相談も出来る

ここまではほとんど相続人の目線で解説してきましたが、弁護士に依頼出来るのは相続人だけではありません。

被相続人がどのような相続をさせるのが良いかといった具体的な内容や、遺産分割についての相談(相続人以外にも財産を残したいなど)も含めて遺言書の作成を相談出来るところもあります。

弁護士に相談した場合には基本的に公正証書遺言をおすすめされることが多いと思いますが、こういった内容や遺留分の考慮も含めて相談出来ることには大きなメリットがあります。

それは、遺言書の内容によって相続人同士が揉めるリスクを減らすことが出来るということです。

遺言書を残せばある程度は被相続人の思った通りに遺産分割をすることが出来ますが、最低限の遺留分やバランスなどはやはり考慮しておかないとトラブルの原因になりかねません。

ここまで紹介してきたトラブルになりそうなポイントも含めて、遺言書の作成によって回避出来ることも場合によっては存在するので、実際のケースに応じてアドバイスを受けておくと安心出来ます。

遺産相続を弁護士へ依頼するデメリットはある?

遺産相続を弁護士へ依頼することで、デメリットもあるということを理解しておきましょう。

弁護士費用がかかる

弁護士へ依頼するということは、その分費用がかかるということです。

遺産相続にかかる弁護士費用の目安は、以下のとおりです。

  • 相談料:5,000円〜1万円程度
  • 着手金:30万〜40万程度
  • 報酬金:取得遺産の数%程度(事務所によります)

このほか、日当、弁護士が移動等で利用した分の実費、手数料等がかかってきます。
実際の費用は法律事務所によって異なります。比較検討のために、見積もりをとるといいでしょう。

相談に関しては、初回の相談料が無料のところもあります。

相談できる窓口は、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

関連記事

弁護士の無料相談のおすすめの窓口は?対応できる範囲や事前準備を解説!

離婚や相続、労働問題や交通事故など、トラブルに巻き込まれることは少なくありません。 そんなときにおすすめなのが、弁護士への無料相談です。 弁護士へ無料相談することで、トラブルの全体的な見通しや解決策のアドバイスを受けられ …

相続に関する紛争が長引く恐れも

遺産相続を弁護士に依頼することで、紛争が長期化することもあります。
弁護士は、依頼人の利益を確保するために相手側に対して主張をします。

相手側も弁護士をつけている場合は、双方の弁護士の主張が衝突する可能性があります。紛争が長引く恐れがあることを、覚えておきましょう。

弁護士は、依頼人の希望が法的に妥当かどうかを判断して主張をします。
無用な争いに発展しないためにも、弁護士にアドバイスを求めて納得のいく結果になるよう進めてみてください。

相続問題で悩んだ場合には早めに相談することが大切

ここまで色々な問題などを紹介してきましたが、簡潔に言えば悩むような問題がある場合には出来る限り早めに相談をするのが大切です。

事務所によっては初回の相談は無料であったりすることもあるので、あまり気負わずにまずは相談をしてみましょう。

ただ、弁護士へ依頼しようと思っても弁護士費用が気になる人も多いでしょう。

そこでおすすめしたいのが、弁護士保険です。

弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。

通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。

しかし、弁護士保険に加入しておくことで、法的トラブルが発生した場合に弁護士に支払う費用を抑えられます。

遺産相続に関する悩みを早期解決するためにも、弁護士保険の利用も視野に入れておきましょう。

弁護士保険の保証内容について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

関連記事

【2024年最新】弁護士保険の人気4社を徹底比較!補償内容や保険料、注意点を詳しく

「弁護士保険はいろいろあるけれど、何を基準に比較したらいいのか分からない」 弁護士保険に加入しようとしている方は、どこの保険会社を選んだらいいのか悩む方もいるでしょう。 本記事では、弁護士保険の人気4社の補償内容や保険料 …

弁護士保険なら弁護士保険のミカタがおすすめです。

保有契約数10年連続No.1 弁護士保険ミカタ

記事を振り返ってのQ&A

Q.遺産相続を弁護士に依頼するメリットはなんですか?
A.弁護士に依頼することで、トラブルが発生しても代理人として解決を進めてくれます。また、遺言書の作成・保管などの相談もできます。遺言書の内容によっては、相続人同士が揉めるリスクを回避できるでしょう。

Q.遺産相続を弁護士に依頼するデメリットもありますか?
A.弁護士費用がかかることです。相談料、着手金、報酬金がかかってきます。相談に関しては、初回の相談を無料にしているところもあります。法律事務所に確認してみましょう。
また、紛争が長期化することもあります。相手側も弁護士をつけている場合は、双方の弁護士の主張が衝突する可能性があります。紛争が長引く恐れがあることを、覚えておきましょう。