裁判事例から見えるパワハラの境目とは

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この記事の執筆者

平賀 律男(労働専門パラリーガル)

前回の記事で、「パワハラを受けたときの法的な対処法」と題しておきながら、結局は法的でもなんでもない結論を導いてしまったのですが、こちらのほうも気を取り直して、パワハラを法的なアプローチで分析してみましょう。

法学において重要な研究対象となるのが「裁判例」です。

一応、法律学も科学のひとつであるとされていますから、「裁判例」という素材をもとに、さまざまな角度から対照実験を行うことによって、説得的な結論を導くことができます(と、私は信じています)。

今日は、パワハラをめぐるさまざまな法的問題について判断した特徴的な裁判例を二項対立的に並べて比較することにより、日本の裁判所がパワハラという問題をどのように考えてきたかの一端を示してみたいと思います。(なお、以下では、原告をX、被告をYと表記し、原被告が複数いる場合には番号をつけて区別します。判例研究のお約束ごとだと思ってください。)

こんな疑問にお答えします

Q.パワハラの境目を教えてください。
A.パワハラの判断基準は主観によるところが大きく、その線引きを断定することは難しいものです。そこで参考になるのが、厚生労働省で発表された以下の厚生労働省が公表した「職場におけるパワーハラスメントについて」のガイドラインです。
パワハラに該当するかどうかは、ガイドラインに加えてこれまでの裁判例を参考に判断してみるのもおすすめです。
ただ、大事なのはひとりで抱えず、第三者のサポートを得ることです。状況が悪化する前に、専門家に相談して早期解決を図ってみましょう。

職場におけるパワハラとは

本記事を読み進める前に、まずはパワハラとは何かについて整理しておきましょう。

パワハラとはパワーハラスメントの略で、職場での優位性を利用して、相手に精神的または身体的苦痛を与えるハラスメントのこと。簡単にいうと、経営者や役員、上司といった地位のある人がその立場を利用して部下に嫌がらせを行って働く環境を悪化させることです。

よくあるパワハラのケース

典型的なパワハラの具体例は、以下のものがあります。

  • 物理的な攻撃(身体的暴力・机を叩いて威嚇等)
  • 意に沿わないことを強要(立場を利用して物事を強要させる)
  • 存在を軽視(成果を認めない・人前で叱責を繰り返す等)

パワハラは、身体的な攻撃や精神的な攻撃だけでなく、職場の人間関係からの切り離しや個の侵害といったさまざまな手段の嫌がらせが含まれます。

パワハラの具体的な特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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どこからがパワハラなの?その基準とは

パワハラの判断基準は主観によるところが大きく、その線引きを断定することは難しいものです。
そこで参考になるのが、厚生労働省で発表された以下のガイドラインです。

厚生労働省【職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)】

ガイドラインでは、パワハラを構成する3つの要素を以下のようにまとめています。

 

職場におけるパワハラの3要素

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
  • 労働者の就業環境が害される

引用:厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)「職場におけるパワーハラスメントについて」

パワハラに該当するかどうかは、厚生労働省に示されたガイドラインを基準に判断してみましょう。
とはいえ、実際にはパワハラなのか業務上の指導なのか区別が難しいケースも少なくありません。

そこで次の章から、パワハラでトラブルになった裁判例を紹介します。参考としてみていきましょう。

パターン①業務命令や指導・監督についての上司の権限の限界

パワハラの典型的なパターンとして、上司が自分の地位を利用して部下を傷つける、というものがあります。

会社を運営していくために、上司には、部下に仕事を命じたり指導したりするという権限が与えられていますが、それらの権限の行使は無制限に許されるものではありません。

人間の性格は千差万別ですし、人間関係にも濃淡がありますので、パワハラにあたるかどうかを明確に線引きできるわけでは当然ありませんが、以下に取り上げる裁判例から、ここからは裁判所的にもアウトっぽい、という境目を探ってみましょう。

東日本旅客鉄道(本荘保線区)事件(仙台高裁秋田支部平成4年12月25日判決)

Y1社の従業員であるXは、Y1社の従業員で構成されるA労働組合に加入していました。

ある日、XがA労組のマーク入りベルトを着用して仕事をしていたところ、上司のY2がそれを発見しました。

Y社の就業規則では、勤務時間中の組合活動が禁止されており、その関係でY1社は労働組合グッズの着用も一律禁止していたことから、Y2は、Xに対してベルトの取り外しを命じました。

しかし、Xがその命令に素直に従わなかったため、Y2はさらに「教育訓練」と称して、Xに就業規則を理解させるという名目で、就業規則全文の書き写し・感想文の作成・就業規則の読み上げなどを命じました。

Xは担当業務を外され、Y2の向かいに移動させられた自分のデスクにおいて、Y2の監視のもとで一日中就業規則の書き写しなどをさせられることになりました。

しかし、Xは、2日目の午前中までに、ストレスから持病の胃潰瘍を再発させてしまいました。

Xは、Y2に腹痛を訴えましたが、Y2は特段の対応をしなかったため症状が悪化し、同日午後には入院しなければならない状況にまで発展してしまいました。

Xは、Y2の「教育訓練」の命令が不法行為に該当するとして、Y1社とY2個人に対して慰謝料100万円などを請求する訴訟を提起しました。

裁判所は、Y1社には就業規則に基づいて労働者に教育訓練を命じる権限があるけれども、その内容や方法が教育訓練の目的に照らして不合理なものであってはならないし、労働者の人格権を不当に侵害する態様のものであってもいけない、と述べ、今回のY2による「教育訓練」については、目的の面からいって教育的意義はないうえに、態様の面からいってもみせしめ的な態様によってXの人格を著しく侵害するという、目的も態様も不当なものであり、Y2の権限を逸脱、濫用した違法なものであると評価して、慰謝料20万円の請求を認めた一審判決を維持しました。

前田道路事件(高松高裁平成21年4月23日判決)

Y社の優秀な社員であったAは、ある年の4月、とある営業所の所長に就任しました。

Y社では、営業所ごとに過去の実績をもとにした目標を立てて業務を運営しており、Aもこの営業所の業績に責任を持つ立場となりました。

しかし、Aはそのわずか1か月後、架空の工事を受注したことにしたり(架空受注)、未施工の工事出来高を計上したり(架空出来高)、原価を操作したりといった不正経理に手を染めてしまいました。

6月、この営業所の出来高に違和感を覚えたB1支店のB2部長(後に支店長)がAに確認したところ、Aは1800万円という多額の架空出来高計上をあっさり認めました。

B2はAの将来性を考え、12月までに架空出来高を是正するよう指示しました。

翌年1月、AはB2に対して是正したとの報告をしましたが、実際にはその時点で架空出来高が1200万円残っていたのみならず、架空受注と原価操作という他の不正経理も隠したままでした。

同年6月、今度はB1支店のB3部長がこの営業所の出来高に違和感を覚え、Aに確認したところ、Aはあらためて1800万円の架空出来高を計上したことを認めました。

B3は架空出来高の解消計画を作成し、8月から毎日日報を作成して報告するようAに指示しました。

Aは部下のC係長とともに日報を作成してB3にファクシミリ送信し、電話で報告をしていましたが、その際のB3の厳しい叱責にAがふさぎ込んでしまうこともありました。

9月の金曜日、B1支店のB3ら3名を交えてこの営業所の業績検討会を行うこととなり、AはCにその資料を作成させていましたが、日報どおりの内容だと利益目標に達しないと考えたAは、Cに金額を4箇所ほど改ざんさせました。

検討会の席上、Aの説明とCの資料との食い違いに気付いたB3は、Cの資料に問題があるのだと思い込んでCに注意を与えたあと、Aに対し「達成もできない返済計画を作っても業績検討会などにはならない」、「過剰計上が解消できるのか。 できるわけがなかろうが」、「会社を辞めれば済むと思っているかもしれないが、辞めても楽にはならないぞ」とAを叱責しました。

B3はAとCに対し、資料を正確に作り直すよう指示しましたが、それは今回の改ざんだけでなく、今までの不正経理がすべて明らかになることを意味していました。

検討会終了後、Aは営業所員と雑談したり冗談を言うなどして、「お先に」と退社しました。

しかし、週明けの月曜日の早朝、Aは「怒られるのも 言い訳するのも つかれました」との遺書を残して、営業所の物陰で自殺しました。

Aの妻X1と長女X2は、Aの自殺はB3らから過剰なノルマ達成の強要や執拗な叱責を受けてうつ病を発症したせいだと主張して、Y社に対して不法行為に基づく慰謝料2800万円などを請求する訴訟を提起しました。

第一審では、B3による叱責とAの自殺との間に相当因果関係が認められるとして、慰謝料1040万円等の請求を認めましたが、控訴審では、Aの不正経理は多額かつ恒常的なものであり、B3らが不正経理の解消や工事日報の作成についてある程度厳しい改善指導をすることは正当な業務の範囲内にあり、社会通念上許容されないものはいえないから、B3らの叱責等は違法なものではないとして、不法行為の成立を認めた一審判決を取り消しました。

2つの判例の比較

東日本旅客鉄道事件が言うように、上司が自己の権限で命令や指導をする際、その内容が目的に照らして不合理であったり、労働者の人格権を不当に侵害するような態様であったりすると、上司の言動には不法行為が成立しえます(会社についても、安全配慮義務違反による債務不履行が成立しえますが、それは後述します)。

東日本旅客鉄道事件は、労組グッズの着用が仮に就業規則に違反としても軽微なものであるといえますが、それに対して就業規則の全文を機械的に書き写させることは、就業規則の内容を認識させるために意味のない行為であるばかりか、それ自体が肉体的にも精神的にも苦痛を伴うものであり、見せしめ的な側面を兼ねた単なる懲罰的行為に過ぎません。

よって、目的・態様の両面からみて、上司としての権限を逸脱した業務命令であることは明らかだといえます。

他方、前田道路事件は、第一審と控訴審で不法行為の成否の判断がひっくり返るというデリケートな事件でした。

労働者の自殺という結末はそれ自体衝撃的であり、上司らとしても責任を感じてしまうような、後味の悪いできごとではあります。

しかし、労働者が行ったのは不正経理というかなり重大な非違行為であるうえ、それが1年以上も是正されないばかりかウソをウソで塗り固めるような行為に出ていたことから考えると、それをただす目的で厳しく叱責することは上司の権限の範囲内であり、慰謝料が発生するようなものではないともいえます。

結果が重大なだけに判断は難しいところです。

パターン②違法な退職強要

前回も触れたとおり、「退職勧奨」といって、会社は、労働者に対して退職するよう働きかけることができます。

これ自体は不法行為には該当しないのですが、退職勧奨も度が過ぎると「退職強要」となり、態様によってはそれは不法行為となってしまいます。

退職強要にもいろいろなやり方がありますので、実際の事件からいくつか見てみます。

全日本空輸(退職強要)事件(大阪地裁平成11年10月18日判決)

Y社のベテラン客室乗務員であったXは、Y社手配のタクシーに同僚2人とともに乗車して乗務に向かっていたところ、トラックに追突される労災事故に遭いました。

同僚2名は事故後1か月あまりで復職しましたが、Xは回復が思わしくなく、長期の休職を余儀なくされました。

事故から4年近くが経過し、主治医から一応復職可能との診断が下されたこともあって、Y社はXに対して復職に向けた準備をするよう指示しましたが、Xの態度があまりに消極的であったこともあり、Xの上司らはXに対して退職勧奨をするようになりました。

具体的には、約4か月間にわたって三十数回もの「面談」や「話し合い」を実施し、上司らはその席上で「客室乗務員としての能力がない」、「別の道があるだろう」、「寄生虫」、「他の客室乗務員の迷惑」などと述べたり、大声を出したり机をたたいたりするという行為に出ました。

また、これらの「面談」のなかには、Xが断っているにもかかわらず、上司らがXの住む寮を訪問してまで行われたものもありました。

さらに、遠方に住まうXの兄や家族にも直接会って、Xが退職するように説得をしてほしいなどとも述べていました。

最終的に、XはY社の実施する復帰者訓練を受けることができたのですが、客室乗務員としての通常業務や緊急保安業務について不適切な部分が数多く見られたため、訓練に合格できませんでした。

Y社は、それが就業規則に定める「労働能力の著しく低下したとき」などに該当するとして、Xを普通解雇しました。

Xは、上司らに退職を強要され、さらに理由なく解雇されたとして、Y社に対して、従業員としての地位の確認等を請求するとともに、Y社による退職強要等がXの人格権を侵害する不法行為に該当するとして、これに基づく損害賠償を請求する訴訟を提起しました。

これに対して裁判所は、まず解雇自体について、Xの復帰者訓練の結果は客室乗務員としての適性を欠くものではあったけれども、Xがベテラン客室乗務員であったという経歴に照らせば、もう少しの準備で客室乗務員として復帰できると考えられるため、解雇には合理的な理由がなく無効であると判断しました。

そして、退職強要が不法行為に該当するかについて、Y会社の「面談」の頻度、時間の長さやXに対する言動は社会通念上許容しうる範囲を超えており違法な退職強要にあたるとしましたが、Xが煮え切らない態度をとったことが上司の言動を誘発したことなどを考慮すれば、退職強要による慰謝料としては50万円が相当であると判断しました。

UBSセキュリティーズ・ジャパン事件(東京地裁平成21年11月4日判決)

外資系証券会社のY社に勤務していたX部長は、自らもトレーダーとしての業務を行うだけでなく、トレーディング・ヘッドとして、部下であるトレーダーたちのチームを指揮する立場にありました。

しかし、Xは、トレーダーとしては、部下たちが収益を上げるなかで自分ひとりが大きな損失を出した年があったほか、トレーディング・ヘッドとしては、部下たちが市場の取引時間にたびたびデスクで昼寝をするなど、上司としての管理能力が不足していました。

そのため、Y社のXに対する評価は、他の部長たちと比べてほぼ最低ランクにありました。

若いスタッフや新入社員への悪影響を懸念したY社は、Xに退職勧奨を行うこととしました。

ある日、上司であるAは、Xを別室に呼び出し、Y社を辞めるよう伝えました。

Xが理由を尋ねると、Aは、「理由はないが上司からクビにしろと言われた」と言いました。

そして、Aと交代した人事部のBは、退職を拒否するXに対して「これはマネジメントの決定事項だ」と言って、退職手続を進めようとしました。

その後、BはAからの指示で、Xに対し、リーダーシップの欠如とパフォーマンス不足が理由であると伝え、それでもXが退職を拒否したので、この日の退職勧奨を打ち切り、Xに対し自宅待機を命じました。

Y社は、Xが自席に私物を取りに戻ることも禁じてそのまま退社させたほか、X宛に送られたメールに対して「ただいま不在です。」との自動返信がされるように設定したり、Xが顧客の名刺やメールリストなどを入手するためにオフィスに入室することを拒否したりしました。

Y社は、Xとの間で退職や他部署への異動などの話し合いを継続していましたが、Xが、Y社から違法な退職勧奨と自宅待機命令を受けたとして、慰謝料を請求する訴訟を提起しました。

なお、Y社は訴訟提起後もしばらくXを雇い続け、年間基本給2100万円を支払い続けていました。

裁判所は、退職勧奨が労働者の意思を尊重する態様で行われる限り使用者の自由であり、不法行為を構成するものではない、と前置きしたうえで、Xの業績がY社の評価に値しなかったことから退職勧奨を行ったのであって不当性はないとし、確かにAやBの言動はXに不安や不信感を与えるものであったけれども、退職を拒否するXの意思に配慮して退職勧奨を打ち切り、後日話し合いを継続することとしたのだから、退職勧奨が社会的相当性を逸脱した強制的なものであったとは評価できず、違法とは認めませんでした。

また、この退職勧奨のあと、メールに自動返信を設定したり、Xが顧客の名刺やメールリストを持ち出すことを拒否したことについても、顧客や取引先はあくまでもY社の財産であり、メールの自動返信も虚偽の事実を述べてXの名誉を毀損したものではないから、違法性は認められないとして、Xの慰謝料請求をすべて認めませんでした。

バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件(東京地裁平成7年12月4日判決)

ここ数年、Y銀行は日本国内において赤字基調にあり、国内の支店全体の機構改革が急務となっていました。

そこで首脳部は、管理職らに対し、新経営方針への理解と協力を求めましたが、入社30年のX課長を含む多数の管理職は、経営が順調であった頃のままの業務運営を続け、新経営方針に非協力的姿勢をあらわしていました。

そこで、Y銀行は、新経営方針を徹底させるため、新経営方針に積極的に協力する者を昇格させ、非協力的な多数の管理職を降格する人事を行いました。

Xには、この人事によって、「豊富な経験と専門的知識を有する者に与えられる職位」とされる専門職位が与えられましたが、これは名ばかりのものであり、事実上、かつて同格であった同僚課長の指揮監督を受ける立場に降格されたのでした。

さらにその4年後、Xは総務課の受付に配転されました。総務課の受付は、それまでは20代前半の契約社員が担当していたものであり、書類の受発送や備品管理、来客の取次などが業務でした。

Xは約4年間この業務に従事したあと、人員縮小を理由として解雇されました。

Xは、Y銀行による一連の人事は、Xを退職に追い込む意図をもって行われた不法行為であるとして、Y銀行に対して慰謝料を請求する訴訟を提起しました。

裁判所は、最初の降格については、職務内容としては必ずしもXの経験と知識にふさわしいものではなかった、としながらも、Y銀行としても新経営方針の徹底が必要な状況で、これに積極的に協力しない管理職を降格する必要性があったうえに、Xと同時に降格された多数の管理職らはいずれも降格に異議を唱えず、やむを得ないものと受け止めていたと思われることから、最初の降格はY銀行の裁量権を逸脱したものとは認められないと判断しました。

他方、2回目の配転については、Xの旧知の外部者の来訪も少なくない職場で、Xを受付やその他の単純業務に従事させたことは、課長まで経験したXにふさわしい職務とは到底いえず、Xの名誉や自尊心を大きく傷つけるものであったし、働きがいを失わせるだけでなく銀行内外の衆目にさらすことで退職に追い込む意図があったと思われ、Y銀行の裁量権の範囲を逸脱した違法なものである、として、Y銀行に慰謝料100万円の支払いを命じました。

3つの判例の比較

全日本空輸事件とUBSセキュリティーズ・ジャパン事件は、言葉による退職勧奨の違法性が問われた事案です。

後者の事件で裁判所が言うように、退職勧奨は労働者の意思を尊重して行われている限りは違法にはなりません。

その点で、労働者が退職を拒絶した時点でスパッと退職勧奨を打ち切った後者の事件と、労働者の気持ちに関係なく何十回も面談を繰り返し、かつ侮辱的な言動に出ていた前者の事件とでは、結果が正反対になったのもうなづけるところです。

労働者がクビを縦に振るまで退職勧奨をやめないとすれば、それは退職強要であり、実質的には解雇と同じようなものなのですから、労働者を守ってやる必要が生じるわけです。

そして、バンク・オブ・アメリカ・イリノイ事件は、降格や配置換えによって退職に追い込むというパターンの退職強要ですが、1回目の降格と2回目の配置換えとで判断が分かれました。

降格も会社の人事権のひとつなのですから、会社の経営状況や労働者の能力不足などといった降格の必要性があるのであれば、労働者のプライドが多少傷つこうとも、そらあしゃあねえわ、という場面はもちろん数多くあります。

しかし、経営上の必要性に乏しかったり、労働者のキャリアをあまりに無視したりしたような配置換えであれば、労働者を退職に追い込むなどといった不当な目的が裏にあると見られるのが当たり前であり、それを「会社の裁量の範囲内です」と片付けることはできないわけです。

パターン③精神疾患の発生や自殺と、会社の安全配慮義務

パワハラを受けたことによって一番心配されるのは、労働者が精神疾患を発症してしまうことだと思います。

休職や退職で済めばまだマシで、自殺にまで至ってしまう例がそこそこあります。

心理的には、そんな会社や上司・同僚たちは絶対許せないと思ってしまいますが、上司・同僚の行為については目的や態様の面から不法行為が成立するかどうかが問題となりますし、会社の法的な責任を問うためには、職場環境の整備を怠ったとして安全配慮義務違反が成立するかどうか、また、パワハラと労働者の損害との間に相当因果関係があるかが問題となります。

川崎市水道局(いじめ自殺)事件(東京高裁平成15年3月25日判決)

農家の息子であるAは、Y1市水道局で配管工や倉庫員として働いていました。

無口で、同僚との付き合いはほとんどありませんでしたが、勤務評定は最も高いA評価を得ていました。

ある年、水道局では、倉庫員1名を工業用水課へ異動させる必要が生じたため、倉庫員で最も若かったAを5月に工業用水課へ異動させました。

しかし、同課はAを歓迎する雰囲気ではありませんでした。

なぜなら、その2年ほど前、Aの父であるX1が、工業用水課からの「田を工事用地に使わせてほしい」との申入れを断ったために工事費用が増大した、というできごとがあったからでした。

工業用水課では、Y2課長、Y3係長、Y4の3名によって課の雰囲気が作られていましたが、Y2ら3名は6月頃から、X1に聞こえよがしに「何であんなのがここに来たんだよ」「何であんなのがA評価なんだよ」などと言うようになりました。

またY4は、弟分のBと一緒になって猥雑なことを言ったり、Aに対して「むくみ麻原」「ハルマゲドンが来た」などと言ったりして嘲笑し、これを見たY2課長やY3係長も大声で笑って同調していました。

Aが黙って耐えていたのを見たBは、夏ごろからはAを職場外での仕事に出してやるなどの配慮をしはじめましたが、9月以降、Aは仕事を休みがちになりました。

11月の合同旅行会の際には、果物ナイフでチーズを切っていたY4が、ナイフを振り回し「今日こそは切ってやる」と脅かしたりもしました。

その後Aは、元同僚のCや、父X1の友人であるD市議会議員に、いじめを訴えました。

Cから報告を受けた労働組合はAに事情聴取を行い、その際Aはいじめの内容のメモを読み上げるとともに、「心因反応」との診断書を提出しました。

D議員はY2課長にいじめの事実を調査するよう命じましたが、Y2課長はその事実はないと報告しました。

D議員はY2課長に今度は配置転換を打診し、Aは翌年4月からやっと資材課へ異動することになりました。

しかし、異動初日の4月1日にY3係長が課長に昇進すると聞いてショックを受けたAは、1週間に3度も自殺未遂を繰り返しました。

Aは、遡って前年秋頃から統合失調症であったと診断され、治療のために入院と通院を繰り返していましたが、病状が回復しないまま、約1年後、自殺するに至りました。

Aの両親X1とX2は、Y2らのいじめによりAが精神的に追い詰められて自殺したとして、Y1市に対し国家賠償法等に基づく損害賠償を、Y2らに対し、不法行為に基づく損害賠償を、それぞれ請求する訴訟を提起しました。

一審は、使用者は、他の職員からもたらされる加害行為を防止し、生命身体への危険から職員の安全を確保して、被害や事故の発生を防止する義務(安全配慮義務)があるところ、精神疾患にかかった者が自殺するのはままあることであり、Aに対するいじめを認識していたY2や他の課長は、適正な措置をとらなければAが欠勤に止まらず自殺のような重大な行動を起こすおそれがあることを予見できたといえ、Y2や他の課長の安全配慮義務違反とAの自殺の間には相当因果関係があると認めました。

そのうえで、Y1は安全配慮義務違反により国家賠償法上の責任を負うと判断しましたが、Y2ら個人の責任については、公務員が職務において違法に他人に損害を与えた場合には、国または地方公共団体が被害者に対して賠償の責任を負うべきであり、公務員個人は責任を負わないものと回されていることから、Xらに対する損害賠償義務は負わないと判断しました。

二審において、Y1は、職員の言動によってAに統合失調症が発症することは予見できなかったから、いじめがあったとしても、いじめとAの自殺との間には相当因果関係がないと主張しましたが、その主張は認められず、一審の結論が維持されました。

誠昇会北本共済病院事件(さいたま地裁平成16年9月24日判決)

Aは、Y1病院に准看護師として勤務しながら高等看護学校に通学し、看護師の資格取得を目指していました。

Y1病院に5名いる男性看護師の中で、准看護師のY2が一番先輩、Aが一番後輩でした。女性の多い職場で、男性看護師は体育会系的な独自の付き合いがあり、先輩のY2らが権力を握り、Aを服従させていました。

例えば、勤務終業後もY2の遊びに付き合わされたり、Y2の個人的な用事に使い走りさせられたり、Y2の仕事を手伝うために残業や休日勤務を強いられたりしていました。

Y2の命令に従わないと嫌がらせを受けるので、Y2の指示には従わざるを得ない雰囲気でしたが、このような雰囲気やY2の態度は、看護学校の生徒の間でも話題となっていました。

Aが高等看護学校に進学すると、いじめはいっそう激しくなり、Aは、遠方まで名物の柏餅を買いに行かせられたり、深夜になって病院で使用する特殊な電池を買いに行かせられたり、職員旅行の飲み物代を負担させられたり、デート中に仕事と偽って病院に呼び出されたり、他にもY2の肩もみや家の掃除、洗車、長男の世話、風俗店やスナックへの送迎、パチンコ店での順番待ちなどをさせられたりしていました。

高等看護学校に進学した年の秋には、Aは友人や彼女にいじめを訴えるようになり、彼女はAに退職できないのかと聞きましたが、AはY2に恐怖心を抱き、逃げても追いかけてくると答えました。

冬の職員旅行では、Y2は、Aと女性職員とを2人きりにして性的な行為を盗撮しようと企てましたが、Aがそれを嫌がって焼酎のストレートを一気飲みしたところ急性アルコール中毒となり、病院に運ばれました。これ以降、Y2ら先輩は「あのとき死んじゃえばよかったんだよ」などと言い、仕事中も何かと「死ねよ」という言葉を使ったり、ミスをしたとき乱暴な言葉を使ったり手を出したりするようになりました。

また、Y2らはAの彼女がアルバイトをしていたカラオケ店にAを連れていき、彼女の前でもAをいじめました。彼女は病院を辞めるようAに言いましたが、それでもAは、Y2がこわくてそんなことはできない、と答えました。それから数日後、ある休日の夕方に、Aは自室で自殺しました。

Aの両親X1とX2は、Y2らのいじめが原因でAが自殺したとして、Y2に対し不法行為を理由に、Y1病院に対し、安全配慮義務違反による債務不履行責任を理由に、それぞれ損害賠償を請求する訴訟を提起しました。

裁判所は、Y2には、いじめによってAが被った損害を賠償する不法行為責任があるとして、Y2に対する慰謝料請求を認めました。

Y1には、Aへのいじめを認識できたにもかかわらずいじめを防止する措置をとらなかったとして安全配慮義務違反の債務不履行があるとしつつも、Y1はAの自殺について予見可能であったとまではいえないとして、いじめの慰謝料だけを認め、死亡の慰謝料は認めませんでした。

2つの判例の比較

民法において、誰かの行為がなければその損害が発生しなかったという場合には、行為と損害との間に事実的因果関係がある、といい、これが行為者に損害賠償の責任を負わせる大前提となります。

ただ、この事実的因果関係があることだけで損害賠償の責任を認めるとすると、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話になりかねず、損害賠償の範囲が無限に広がってしまうこととなります。

そこで、「相当因果関係」という概念が生み出されました。

「行為と損害との因果関係が、社会通念上相当と認められるようなものである場合に限って損害賠償責任を認めるべきだ」という考え方です。

この「社会通念上相当」というのは、その行為によってその損害が発生することが予見可能であるということを指します。

例えば、AさんがBさんに大けがを負わせたとして、担ぎ混まれた病院にBさんの妻と浮気相手が同時にお見舞いに来て修羅場になってしまったとしても、そんな修羅場が起こるとは想定できませんので、AさんはBさんに大けがを負わせた分だけの損害を賠償すればよいことになります。

労働者の精神疾患や自殺についても同様で、いじめたけど自殺するとはふつう思わないよね、という事情があれば、いじめたこと自体についての慰謝料は発生するとしても、自殺の分の損害賠償責任は発生しません。

パワハラにおける過失相殺

前回も少し触れましたが、精神疾患の特徴として、精神疾患にかかりやすい性格というものが存在しています。

典型的なのは「真面目である」という性格です。

これには、自分自身の仕事にしっかり取り組もうとするあまり何でも抱え込みすぎてしまったり、何かしら不義不正なことがあったときにそれを見過ごせずにストレスをためてしまったり、ということが影響しているわけです。

精神疾患にかかるにあたってそのような性格も影響していたと見られれば、そのぶんだけは本人のせいだとみて、賠償額が減額されることがあります。

また、性格だけでなく、自分の行いのせいで精神疾患にかかるような事情があった場合には、その事情も賠償額の減額の要素となります。

以下では、裁判例のうち素因減額・過失相殺に関する部分だけを抜粋して紹介します。

川崎市水道局(いじめ自殺)事件(横浜地裁川崎支部平成14年6月27日判決)

先ほど取り上げた事件です。

AはY2らのいじめによって心因反応を生じ自殺に至ったものですが、休職や配置転換によっていじめが一応解消され、また入通院によって精神疾患の治療をしていたにもかかわらず、これらが功を奏しなかったのは、本人の資質ないし心因的要因も加わったものであるとして、損害額の7割を減額するのが相当であると判断されました。

前田道路事件(松山地裁平成20年7月1日判決)

これも先ほど取り上げた事件です。

上司の叱責・注意によりAがうつ病にかかり自殺したのであり、叱責等と死亡との間には相当因果関係が認められるとしましたが、そもそも上司による叱責等はAが行った不正経理が発端であり、上司に不正経理を隠していたことがうつ病の発症と悪化に影響を及ぼしたのは明らかであるとして、Aの過失割合が6割であると判断しました。

ファーストリテイリング(ユニクロ店舗)事件(名古屋地裁平成18年9月29日判決)

Xは、従業員間の連絡に用いられる日誌に、同僚Y2の陳列商品の整理や売上金の入金に関する仕事上の不備を指摘する記載をし、その横に「処理しておきましたが、どういうことですか? 反省してください。 X」と書き添えました。

これを見たY2は、Xにさらし者にされたと感じて説明を求めたところ、Xは「事実を書いただけです」などと答え、Y2が殴るようなしぐさを見せたところ、「2回目でしょう。どうしようもない人だ」と鼻で笑いました。

Y2はこの態度に激高し、Xの胸ぐらをつかんで壁やロッカーにXの背中を打ち付け、XがY2に謝罪を求めて詰め寄ったところ、Y2は「ごめんなさい」と言ってXの顔面に頭突きをしました。

その後も口論が続きましたが、パート従業員が仲裁に入り、暴行は収まりました。Xは気分が悪くなって救急車で病院に搬送され、頭部外傷と診断されました。

その後Xは、労災申請手続に関してY1社のA管理部長に電話し、この事件についての報告書の開示などを求めました。

2時間以上に及ぶ電話の中で、AはXに対し「いいかげんにせいよ、お前。おー。何考えてるんかこりゃあ。ぶち殺そうか、お前。調子に乗るなよ、お前。」と声を荒げました。

Xは気分が悪くなって、母親に付き添われて救急車で病院に搬送され、30分ほど休んで帰宅しました。

Xは、Y2から暴行を受け、Aから不当な対応を受けたことで妄想性障害やPTSDに罹患したと主張して、Y1社とY2に対し不法行為に基づく損害賠償を請求しました。

裁判所は、Y2の暴行やAの発言は違法であり、不法行為を構成すると認めましたが、この事件が妄想性障害発症のきっかけになったとはいえども、Xの障害の発生と持続には、不当な事柄に対して憤り、論理的に相手を問い詰めるというXの性格的傾向による影響が大きいとして、損害額の6割を減額するのが相当であると判断されました。

3つの判例の比較

過失相殺は、損害が発生したときに、その損害が発生したことについて両当事者にどれだけの原因があったかを考え、適切な割合で損害額を負担させるしくみのことです。

交通事故の過失割合などは、みなさんにもなじみ深いのではないでしょうか。

ファーストリテイリング事件については、Xにも相手に対する不適切な言動があったと認められており、まさにどっちもどっちという感じで、過失相殺すべき場面だというのがわかりやすいかと思います。

また、前田道路事件についても、きっかけが自分自身の不正経理であり、会社側に100パーセントの損害賠償を引き受けさせるのはちょっと、という感じがします。

他方で、川崎区水道局事件では、本人の性格が症状悪化の理由になっているとはいえども、性格は自分ではなかなかどうしようもない部分なので、それを理由に損害額を減らされるのは受け入れがたい考え方かもしれません。

最後に

パワハラに関するいろいろな裁判例を見てきました。

もちろん加害者側が悪いのは当然なのですが、被害者側としても環境を変える勇気がなくて状況を悪化させてしまったという面があり、それをもどかしく思って読まれたことと思います。

そして、民事裁判においては、パワハラ自体が解消されるというよりも、起こってしまった結果に対して損害賠償責任が問われるだけですので、まさに手遅れになってしまった事例を紹介してきたということになります。

個人がパワハラ的な言動に出ることを事前に防げるとすれば、唯一、会社がしっかりとパワハラ防止の措置を講じることであり、それが裁判でも安全配慮義務違反というかたちであらわれています。

今後の法整備が強く求められる部分です。

パワハラに悩んだら早めに相談しよう

本記事に訪れた方の中には、現在パワハラに悩んでいるという方もいらっしゃるでしょう。

パワハラを受けた人による精神的負担は大きく、最悪の場合は身体的な後遺症が残ることも考えられます。

パワハラを受けたときに大事なのは、なるべく早めに相談することです。我慢し続けることで状況が悪化する可能性があるからです。

パワハラを受けた時の相談先については、こちらの記事でまとめています。無料での相談を受け付けているところもあるので、ぜひご覧くださいね。

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早期解決を目指すには弁護士のサポートも視野に

パワハラ被害を早期解決するには、弁護士のサポートも視野に入れてみましょう。

パワハラ問題を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • 弁護士が代理となって会社と交渉してくれる
  • 裁判になった際も味方としてサポートしてくれる
  • 受けた精神的苦痛に対する適切な慰謝料を請求できる
  • 被害状況によっては刑事告訴も追求できる

パワハラを訴えるとなった場合、弁護士に依頼することでスムーズな解決を目指せます。被害を受けた方の精神的負担の軽減にもつながるでしょう。

弁護士費用が気になる方は弁護士保険も活用しよう

ただ、弁護士に依頼するとなると気になるのは弁護士費用です。

そこでおすすめしたいのが、弁護士保険の活用です。

弁護士保険は、日常生活の個人的トラブルや事業活動の中で発生した法的トラブルに対し、弁護士を利用した時にかかる弁護士費用を補償する保険サービスです。

通常、弁護士を通してトラブルを解決しようとすると、数十万から数百万単位の弁護士費用がかかる場合があります。

弁護士保険に加入しておくことで、法的トラブルが発生した場合に弁護士に支払う費用を抑えられます。

強要被害を早期解決するためにも、弁護士保険も視野に入れましょう。

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弁護士保険の特徴について詳しくは、こちらの記事で解説しています。

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記事を振り返ってのQ&A

Q.パワハラの境目を教えてください。
A.パワハラの判断基準は主観によるところが大きく、その線引きを断定することは難しいものです。そこで参考になるのが、厚生労働省で発表された以下の厚生労働省が公表した「職場におけるパワーハラスメントについて」のガイドラインです。
パワハラに該当するかどうかは、厚生労働省に示されたガイドラインを基準に判断してみましょう。

Q.パワハラに悩んだ際の相談先はありますか?
A.社内の場合は人事部やコンプライアンス部に窓口を設けている場合が多いです。
また、社外の無料相談窓口として下記が挙げられます。

  • 総合労働相談コーナー
  • NPO法人労働組合 作ろう!入ろう!相談センター(労働組合相談センター)
  • こころの耳
  • みんなの人権110番
  • 労働条件相談ほっとライン

パワハラ被害について早期解決を目指したい場合は、弁護士への相談もおすすめです。