離婚調停中の恋愛・交際(不貞行為)が調停の結果に影響する時しない時

 

吉田美希弁護士(クロリス法律事務所)

この記事の執筆者

法律事務所クロリス代表弁護士
吉田 美希

離婚調停の最中に恋愛をし、新たな恋人ができたとしても、それは最終的には法的責任を負うべき不貞行為とは評価できないことが多いでしょう。

夫婦がすでに離婚調停にまで話が進んでいるということは、もはや婚姻関係は破綻していると評価できる可能性が高いからです。

ただし、離婚調停中にそういった事実が浮かび上がってきてしまうと、相手の誤解を与え不貞行為の有無やそれに基づく慰謝料請求という争点が増えてしまうことが懸念されます。

また、それに伴い、調停委員や裁判官の心証に直接的に影響を与えることになってしまう点にも要注意です。

したがって、離婚調停の最中に新しい恋愛をしているという事実は発覚しないに越したことはありません。

婚姻関係破綻前から交際があった場合

離婚調停中の最中に新しい恋愛をしている事実が発覚しても、それが婚姻関係破たん後の不貞行為であると認定されれば、こちらが有責配偶者(離婚原因を作った者)と認定されたり、それに基づく慰謝料の支払い義務を負うことはありません。

もっとも、ここでは、新たな恋愛をしたタイミングがとても重要なポイントになります。

法的に責任を負うべき不貞行為とは評価されない可能性が高い理由が、婚姻関係がすでに破綻した後の交際と評価できる点にあるからです。

逆に、婚姻関係がいまだ破たんしていないとされる時期から交際が継続しているのであれば、それはまさに法的な責任を伴う不貞行為と言い換えることができます。

一体どの時期からその相手との交際がスタートしていたのか、そして、その交際スタートの時期にすでに夫婦関係が破たんしていると評価できるのか否かといった点が、離婚においては非常に重要な問題となるのです。

とはいえ、もともと友人や会社の同僚として知人関係にあった場合等には明確に新しい恋人との交際開始時期を立証するというのは難しい場合が多いでしょう。

また、裁判所が婚姻関係の破たんを認定する大きな要素として別居があげられますが、子どもがいる夫婦等では夫婦関係が実質的には破たんしていても家庭内別居という形をとっていることも多く、婚姻関係の破たんの時期を明確に立証することも難しい場合が多いというのが実情です。

そのため、ご自身の認識としては、夫婦関係が壊れた後の交際であると確信していも、場合によってはその交際自体を離婚原因とされてしまったり、それに伴い慰謝料を負担しなければならないこともあるのです。

新たな人生に目を向けることは大切ですが、事がうまく運ばない場合、新しい恋人を傷つけることにもなりかねません。

ご自身が有責配偶者(離婚原因を作った者)とされてしまうと、離婚は非常に不利に進むことになってしまう実情を踏まえ、交際スタートのタイミングについては気を配る必要があります。

とはいえ、これだけで割り切れないのが男女関係ともいえます。

そのため、新しい交際を始めるのであれば、上記の点に留意し、きちんと現配偶者と話し合いの下別居を先行させたり、離婚については合意できていることを文書に残しておくとよいでしょう。

また、少なくとも、新しい交際のスタート時期については、なるべく立証できるよう何かしらの資料(メールなどでも)を提出できるようにしておくべきといえます。

離婚調停中に交際が判明すると不利になることも

ただし、調停中に他の相手との関係性が明らかになってしまうと、それがたとえ、婚姻関係破綻後からの交際であったとしても、決して調停委員や裁判官に対して好印象を与えることはないといえます。

「離婚成立前に次の相手を見つけるなんて不見識」と、取られてしまう可能性が十分にあるのです。

早期に離婚をして前に進みたいのであれば、しっかりと離婚が成立するまでは節度ある交際を心がけていたほうが無難であるというのは間違いありません。

離婚調停にて、いらぬ嫌疑をかけられてしまっても、自身やその交際相手にとって良いものにはなりませんので、離婚が成立するまでは注意をするようにしましょう。

下手をすれば、その交際相手まで巻き込むことになりかねないため、あまりに目立ってしまう積極的な行動は控えたほうが吉といえます。

相手が調停中に離婚恋人ができた場合には

なお、ご自身ではなく、相手に離婚調停中のタイミングで恋人ができた様子があるようでしたら、相手の交際スタートの時期についてはしっかりと確認しておく必要があるといえます。

実は、その相手との交際スタートが婚姻関係を破綻させるきっかけ、離婚調停を申し立てるきっかけとなっている可能性は十分にあります。

離婚時には、何事もできる限り事実関係を明らかにしたほうがすっきりしますし、後々に未解決の紛争を持ち越さないためにも良いでしょう。

交際のタイミングによっては、その交際が離婚事由としての不貞行為と評価でき、慰謝料の請求理由となることも十分考えられます。

特にお子様がいるようなケースでは、お子様の進学等にも直結する問題ですので、金銭的な条件は重要です。

お子様のいないケースであっても、相手の不貞行為によってご自身が傷つけられたのであれば、慰謝料を請求することは法律上の権利です。

交際の事実がわかった場合には、可能な限り交際開始時期の特定をするように相手に求めましょう。

まだ弁護士費用が心配ですか?
離婚・男女トラブル、労働トラブル、
近隣トラブル、相続トラブル、詐欺被害など、
トラブル時の弁護士費用を通算1000万円まで補償。

The following two tabs change content below.
吉田 美希(法律事務所クロリス代表弁護士)

吉田 美希(法律事務所クロリス代表弁護士)

慶應義塾大学法務研究科修了後、司法試験に合格。司法修習を経て都内の大手法律事務所に勤務し、2年間で100件以上の離婚、男女問題を取り扱う。2015年5月に独立し、「法律事務所クロリス」を開設。開設以来、離婚・男女問題はもちろん、問題解決の困難さから従来弁護士が積極的に取扱わなかった「親子問題」に注力している。東京弁護士会「子どもの人権と少年法に関する特別委員会」委員としても活動。日本子ども虐待防止学会会員、NPO法人非行克服支援センター会員。
この記事のURLとタイトルをコピーする

いいね!を押して更新情報を受け取る

ページ上部へ戻る