親の借金問題というのは遺産相続にあたって非常に重要な判断材料になります。
単純に計算して
現金で財産が500万あり、借金が総額で300万円あったとすればトータルで200万円はプラスになる計算です。
先にこういった状況がわかっていれば、相続することは簡単に決めることが出来ますが…
・なんとなく親に借金があることが分かっているが聞きづらい
・親が持っている財産があまり分からない
・借金が明らかに財産を上回っているがいくらあるのか分からない
etc.
様々なパターンはありますが、いずれにせよ親の借金状況は相続後「知らなかった」では取り返しがつかないこともあります。
普段はあまり意識をしていないという方も、もし気になった場合にはある程度は把握しておくことをおすすめします。
※ここで言う借金とは住宅ローンなどの明確なものではなく不透明やグレーなものを指しています※
生前であればある程度の対策は可能
親の資産状況や、借金などの問題が不透明でも生前であればいくつか対策を出来ることもあります。
この時一番大切なことは、事実確認をはっきりとすること。
口をにごしたり、場合によってはケンカのようになってしまうかもしれませんが重要な問題ですので冷静に話を出来る環境を作ることも大切です。
生前に隠れていた借金などが存命時に確認出来た場合は、「どこから」「いくら」「事業者としてか個人としてか」などといった借入状況を把握していくことが大事になります。
個人信用調査を一緒にやってみる
親が事業などをしていて法人化している場合であれば、銀行などから借り入れをしている可能性があります。
また、銀行からの借金を調べたい場合には全国銀行協会HPから郵送で確認することが出来ます。
仮に、本人がしていないと言っていてもそれが信用出来ないという場合には証明するという意味でも確認しておいたほうが良いです。
さらに個人での消費者金融やクレジットカードの借入を調べるにはCIC、JICCという2つの信用情報機関で問い合わせが可能です。
その他、個人間での借金については借用書が確認出来なければ借り入れをしている事実には繋がりませんが、それらも含めて生前に出来ることはやっておいた方が良いです。
借金があまりにも多かった場合の対策
もしもこれらの信用調査などによって、明らかに財産よりもはるかに莫大な借入金が発覚した場合、生前であれば自己破産をしてもらうという方法もあります。
債権者との交渉などは弁護士を通じて行うので法的にキレイな状態にしてもらう事が一番です。
自己破産は債務整理にあたるのでここでは割愛しますが、相続関連の士業の方に相談すれば、どういった対策があるかということは詳しく教えてもらえます。
借金を知らなかったで一生を棒に振らないために
親の借金をある程度知っておくということは
・遺産相続をするか否か(財産放棄)を判断する材料
・親の死後、親の借金に巻き込まれずに自分の生活を守るため
・親子間の関係を良くするため
色々な理由はつけられますが、結果的に知らないまま相続して莫大な借金を背負ってしまうという可能性も0ではありませんし、実際にそういったトラブルは多く聞くことも多いですから、自分自身がそういった状態にならない為にも、親が生きている間にある程度の状況は把握しておきましょう。