皆さんは、情報商材ってどういうものかご存じですか?
近年インターネットの普及や多数のIT企業の進出によって、この情報商材の扱いについて問題が挙げられることが多くなっています。
情報商材の売買によって、儲ける人もいれば損をする人もいます。
そもそも、「情報商材」ってなに?
情報商材とは、主にインターネット上で売買される情報のことです。
情報をインターネット上で売買することってできるの?と思う方もいると思いますが、実際、この情報商材を作って、アフィリエイトを活用して販売することで儲けようとしている人がたくさんいます。
また、昨今話題を呼んだ与沢翼氏も、ギャル男向けメンズブランドのアパレル会社を倒産させた後、情報商材ビジネスで有名になりました。
こんな甘い言葉に誘われたら気をつけよう
では、実際にどんな情報商材が売買されているのでしょうか?
1980年代では競馬予想やパチンコなど、賭け事に関する情報商材の売買が多かったと言われています。
有料で会員を集め、会員だけにいわゆる必勝法や有利な情報を提供するのです。
2000年代に入ると、競馬予想やパチンコだけでなく株式売買や先ほどあったアフィリエイト収入など副業のノウハウなど、様々な分野での儲け方などの情報が提供されてきました。
儲け話だけでなく、異性にモテる方法やオタクの抜け方、ママ友と上手くやっていくコツ、など様々な分野でも広がってきたのです。
実際の情報商材の広告としては、
「これであなたも明日からモテモテ!誰でも簡単にモテることができます」
「高級ゴルフクラブを格安で手に入れる方法」
「1年以内に恋人が必ずできます」
などといった謳い文句があるでしょう。
さらに、そこに「先着50名様のみ」「期間限定」などといった言葉があれば、さらに興味を惹かれる消費者は多いのではないでしょうか。
値段として設定されやすいのは5000円~数十万円など、手を出せないほどではないものの高額な設定が多いのです。
本屋であれば、同じような謳い文句が表紙にあっても立ち読みすることができたりしますよね。
しかし、インターネット上での情報商材の場合、買ってみないと中身が全くわからないのです。
多少高額で設定されることで、「高いということはそれなりに良い情報なのだろう」と期待してしまうことも多いでしょう。
被害に合ったら返金請求できるの?
情報商材の中には
「○○できなければ全額返金保障!」
と、結果が出なかった場合保障してくれる謳い文句が載っているものもたくさんあります。
宣伝がそもそも虚偽であれば消費者契約法に基づいて返金を訴えることができます。
しかし、結果が出なかったので請求しようとしても販売会社が架空業者で連絡が取れないケースも多く消費者が泣き寝入りしてしまうことが、実際には多々あります。
2007年ごろから、こういった消費者からの相談が増加しているようです。
情報商材の裁判事例
消費者向けにFX常勝バイブルという情報商材を販売していた業者と、そのサイトで紹介されるFX事業者に対して損害賠償請求が一部認められた事例について紹介いたします。
FX常勝バイブルのサイトでは、「勝率100%&高利益率のエンサークル・トレードのノウハウ」「将来的にも、ロスカットは絶対に致しませんので資金の損失は発生しません。」などの表現と共に、当該サイトと取引のあるFX事業所での口座開設が勧められていた。本事例における原告大学生は、上記サイトを見て、取引を開始した結果、185万円の損失を被った。
そこで、原告大学生は、リスク認識を誤ったまま取引を開始して被害をこうむったとして、サイト責任者とFX取引所に対して不法行為に基づく損害賠償請求として約200万円を請求した。
争点は、FX事業者の不法行為とアフィリエイトサイト業者の不法行為に分けられる。FX事業者に関し、裁判所は、 FXは投機性、危険性が高く、専門性の高い取引であるとしたうえで、当時21歳の大学生で投機経験のない原告の適合性は慎重に判断すべきだったとし、FX事業者による反論を排斥した上で、不法行為責任を認めた。
また、アフィリエイト業者は、そのホームページで代表者の「FX常勝バイブル」の紹介を載せ、これを販売し、FX事業者から一定の金銭を受け取るなどして、外国為替証拠金取引に関する誤った情報を提供し、原告をして本件取引を開始させたのであるから、民法709条により、原告に対する不法行為責任が生じる。以上より、損害については、約185万円の損失のうち、原告の過失を5割と認定し、約92万円と認定し、これに加えて10万円の弁護士費用を認めた。
引用元:IT・システム判例メモ
もし騙されて、多くの友人を被害に巻き込んでしまったときには
情報商材の売買に友人を誘ったり、マルチ商法などで友人を巻き込んでしまったり…というケースも増えています。
今まで築き上げてきた友人関係も、金銭が絡むようなトラブルでは一瞬で壊れてしまう可能性もあります。
自分が騙された側で原告であったとしても、友人を巻き込んでしまえばあなたも加害者の一人になる可能性だってあるのです。
被害にあってしまい友人を巻き込んでしまった時は、まずそれ以上その情報商材にのめり込まないこと、そしてなるべく早く専門家に相談しましょう。
弁護士に相談するもよし、国民生活センターに相談するところから始めてもいいでしょう。
悪徳業者であれば原告一人でどうにか解決するのは難しいと思われます。
便利な情報商材の売買、メリットもありますが、様々な危険もあります。
利用する際には十分注意して下さいね。