ヒステリーな妻に悩まされている・・・
なんとか離婚をしたいけど、離婚を切り出せば身に危険が及ぶのでは・・・?
このような心配をされている方、実はかなり多くいらっしゃいます。
実際に相手に協議離婚の申し出をすれば、残念ながら、身に危険が及ぶ可能性は十分あり得ます。
とはいえ、このまま婚姻生活を続けているというのも、あまり現実的ではありません。
このような場合、まずは離婚調停を活用するのが良いでしょう。
離婚裁判のほうが良いのでは?
確かに、離婚裁判の方がより確実に離婚できる可能性があります。
離婚調停というのは、必ずしも離婚が成立するものではありませんし、特に上記のような場合は、相手方の不参加などによって不成立となってしまうことのほうが多いです。
しかしながら、日本の離婚という制度上、1度は調停を経由していなければ離婚裁判を起こすことができないと定められています。
これを「調停前置主義」といいます。
よって、協議離婚が叶わず、どうしても離婚をしたいのであれば、まずは離婚調停をしなければならないのです。
離婚調停が有効かそうではないかは下記にてご説明しますが、どうしても離婚をしたいのであれば、まずは離婚調停から、ということをよく理解しておいてください。
離婚調停は原則、別席で行われる
なお、離婚調停というのは原則、別席にて行われることになっています。
調停中の雰囲気
画像引用元:新潟家庭裁判所
できればヒステリーな相手とは顔を合わせたくない、というような特別な事情があれば、裁判所側も離れた待合室を使わせる、入口を別々にするなどの配慮をしてくれることもあります。
必ずしも顔をあわせなければならないわけではありませんので、別居中であっても気に病むことなく、離婚調停を行うことは可能です。
ヒステリーな相手に離婚調停は有効?
では、ヒステリーな相手に対して離婚調停は有効なのか?
この答えは、残念ながら、なんとも言えません。
離婚調停というのは、あくまでも話し合いの場ですので、相手に参加してもらうことが必須条件です。
よって、相手が離婚調停に参加しないような場合は、有効かどうか以前の問題でしょう。
しかし、相手が調停の場に出てくるようであれば、その効果は見込めます。
ヒステリーな相手というのは、冷静さに欠けていることがほとんどです。
調停では、裁判所を利用することになりますので、その厳粛な空気によって冷静になれることもあります。
その他、裁判官や調停委員といった有識な立会人がいることによって、今まで話されることのなかった本音が引き出される可能性も十分にあるでしょう。
また、離婚調停によって、相手だけでなく自らも離婚についてもう一度深く考え直すことができますので、当初とはまったく違った結果が導かれることもあるかもしれません。
相手が調停に不参加でも意味はある
では、相手が離婚調停に不参加だった場合、まるで意味はないのか?と言われればそんなことはありません。
上記のように、離婚には調停前置が定められていますので、相手がたとえ不参加であったとしても、調停は経由したことになります。
よって、離婚裁判へと移行することが可能になるのです。
離婚裁判へと移行した場合、相手がその後も引き続き反応を見せないようであれば、相手は特に反論なしということで、裁判所で審議が進められることになります。
申立人の主張の全てが認められるわけではありませんが(請求の根拠が乏しい場合など)、離婚自体はそのまま成立となる可能性が非常に高いでしょう。
ここで相手が出てくるようであれば、その続きは裁判にて離婚自体やその他の事情について争われることになります。
裁判に向けての証拠集めが有効
ヒステリーな相手に対して、なによりも有効となるのは証拠集めをすることです。
どちらにしても調停は不成立となる可能性が非常に高いため、調停を申し立てる前から裁判を見据えて証拠集めをしておくことは、とても重要です。
裁判では今までの話し合いとは違い、証拠がモノをいうのだということをよく覚えておきましょう。
なお、集めるべき証拠としては、婚姻関係をこれ以上継続できないという事情がわかるものです。
ただし、自身の目線だけでなく、あくまでも客観的に理解してもらう必要があるため、あまりにも一方的な見解が多いものは、証拠にならない可能性があるため注意が必要です。
どのようなものが証拠となり得るのかについては、個々の事情によりますので、専門家へ相談するなどして、有効な証拠を集めておくようにしましょう。
・離婚調停とは?全体的な流れや手続きを解説
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永瀬 優(パラリーガル)

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