相手から面会交流調停を申し立てられてしまいました。
しかし、どうしても面会交流調停には出たくありません。
もちろん理由は様々あるとは思いますが、とりあえず、そのようなものは横においておくことにしましょう。
面会交流調停を欠席してしまった場合、一体どのような扱いをされるのでしょうか?
いきなり審判が出てしまうのでしょうか?
今回は、そのような心配ごとを解決すべく、面会交流調停の欠席について、ご説明していこうと思います。
第1回期日の欠席は問題なし
基本的に1回目の期日を欠席したからといって、すぐに審判決定が出るようなことはありません。
面会交流は子どもも関わる非常にデリケートな問題であるため、裁判所側も慎重な判断を行うことになります。
そのため、裁判所調査官の調査なども入りますので、1回目を欠席してしまったからといって、すぐに調停が進展していくようなものではありませんので、心配は無用です。
しかし、裁判所側には可能な限り欠席をしたい理由を説明するようにしましょう。
なんの説明もなく欠席というのは心証に関わりますし、非協力的だと思われてしまうのは今後のためにも決して良いことではありません。
そうならないためにも、2回目以降は心を整えて、調停には出席するようにしましょう。
ずっと無視をし続けた場合
調停はすべて欠席をし、裁判所からの連絡も無視し続けてしまった場合、面会交流調停は当然のことなら不成立となります。
面会交流調停は不成立となると、審判へと移行することになりますので、自分の意見や考えが一切反映されないまま、裁判官による決定が出されてしまいます。
相手からの主張が一方的に認められた審判決定が出てしまった場合、相手方は子どもとの面会交流を実現するために、間接強制といった強制的な方法を取ることも可能となっています。
こうなってしまうと、過料の発生なども懸念されますので、ずっと無視をし続けるようなことは避けるようにしましょう。
相手の顔を見たくない気持ちがある方もいるかもしれませんが、面会交流調停はあくまでも子どものために行われている手続きであるということを忘れてはいけません。
また、過去には面会交流に応じない監護権者に対して、損害賠償請求を認めた判例も出ていますので、そうならないためにも裁判所との連絡だけは必ず取るようにしましょう。
そして、可能であれば調停にはなるべく出席をするようにしてください。
面会交流調停における裁判所側の配慮
相手とは直接顔を合わせたくない場合、裁判所側はそういったことも考慮して話し合いを進めてくれます。
別席調停はもちろんのこと、相手とは廊下ではち合わせることがないように遠くの待合室を準備してくれたりもします。
いかにもお堅いイメージのある裁判所ですが、意外にもこういったことには寛容かつ柔軟に対応してくれることがほとんどですので、可能な限りの配慮をしてもらうようにしましょう。
面会交流調停にどうしても耐えられない場合
どうしても耐えられないようであれば、弁護士への依頼を検討してみるのもいいかもしれません。
調停は基本的に双方の話し合いの場ですから、双方の出席があってこそ成り立つものではありますが、調停のプロである弁護士に同席してもらうことによって、話し合いの回数を減らすことも期待できます。
裁判所へ出向く回数が減れば、精神的負担もかなり軽減されるのではないでしょうか。
どうしても費用の心配はありますが、調停手続きを何もかも自分で対応しなければならないのは本当に大変なことなので、弁護士の力を借りてみるのもいいかもしれません。
調停の欠席に対する捉え方は裁判官や調停委員次第
面会交流調停を欠席するというのは、捉え方によっては子どもの福祉を考えていないと判断される可能性も十分にあります。
理由があって面会交流を拒否し、その主張をしているのならまだしも、一方的な欠席行為は不利にしかなりません。
ただし、担当した裁判官や調停委員によっては、一方の協力が得られないことがわかると、申立人に対して調停を取り下げるように促してくることもあります。
面会交流に消極的な裁判官は、審判決定をあまり出したくないのです。
つまり、放っておいても自分にとって不利な審判決定が出ない場合もありえる、ということです。
もちろん必ずそういった方向に話し合いが進むとは限りませんので、連絡もせずに欠席するというのはあまりオススメできるものではありません。
どうしても欠席をしたくなってしまうこともありますが、面会交流調停は自分や相手のために行われている手続きではありません。
子どものために必要なことなのだという意識を必ず持って臨むようにしましょう。
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永瀬 優(パラリーガル)

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