弁護士という職に就いていて、規則的な毎日を過ごしている人はいないのでは?と感じるほど、弁護士のスケジュールは変則的なものです。
朝早くから遠方の裁判所へ出かけたり、平日は仕事があって事務所に来られない依頼者のために土日に出勤をしたり、時には、拘置所から突然の接見要望に対応したりと、日によってめまぐるしく予定が変化することもあります。
よって、これからご紹介するのは、あくまでもほんの一握りの例です。
それでは今回は、弁護士の主な仕事内容や当事務所の弁護士の1日のスケジュールについて、2例ご紹介させていただきます。
こんな疑問にお答えします
Q.弁護士は毎日どんな仕事をしていますか?
A.弁護士の仕事は多岐に渡りますが、大きく以下の4つに分類されます。
- 依頼者の相談に法律のアドバイスを行う
- 刑事事件の弁護をする
- 民事事件の代理人として相手方と交渉する
- 法律に関する資料や書類を作成する
弁護士のスケジュールは変則的です。朝から晩まで事務作業の日もあれば外出が続いて帰宅が深夜になることもあります。精神力に加えて、体力も使う仕事です。
弁護士の仕事内容
まず、弁護士の主な仕事内容について解説します。
弁護士の仕事内容は、大きく以下の4つに分類されます。
- 依頼者の相談に法律のアドバイスを行う
- 刑事事件の弁護をする
- 民事事件の代理人として相手方と交渉する
- 法律に関する資料や書類を作成する
弁護士は、依頼人や関係する人たちとトラブル解決に向けて交渉を行うほか、裁判所とのやりとりや依頼人の権利を守るために法廷に立って主張することもあります。
ほかにも、企業の顧問弁護士になった場合は会社で起きるトラブルに携わることもあります。
弁護士12年目の中堅弁護士のとある1日
9:30 起床・出勤
弁護士の朝は、あまり早くないという例が多いのではないでしょうか?その分、夜が遅くなる傾向にあるようです。
10:00 近辺の裁判所で民事訴訟
この日は、損害賠償請求事件の弁論期日がありました。
11:00 事務所にて依頼者と打ち合わせ
裁判から戻ったらすぐに、離婚事件の依頼者との打ち合わせに入ります。
12:30 昼食
この日は、いい時間帯に昼食に入ることができましたが、日によっては意図的に早めたり、遅くなってしまったりと、時間通りの食事ができないことはめずらしくありません。
15:30 遠方の裁判所で家事調停
お昼を食べ終わったらすぐに移動です。この日は、電車で2時間ほどかかる少し遠方の裁判所にて、離婚の家事調停が入っていました。依頼者とは裁判所のロビーで待ち合わせをし、さっそうと調停へと臨みます。
18:30 顧問先から突然の相談依頼
当初の予定では、家事調停が終わった後に帰宅予定でしたが、顧問先から突然の相談依頼があったため、急きょ対応することになりました。
19:30 電話対応・書面の起案
相談終了後は、事務局が残して帰ったメモを見ながら、その日かかってきた電話で、折り返し対応できるものにすべて電話をします。その他にも、来週に控えた裁判の準備書面の起案など、裁判や相談以外にもやらなければならないことがたくさんあります。
この日は、急きょ事務所へ戻ってきたため、そのまま残って仕事をすることにしました。
22:30 帰宅・就寝
当初の予定では、帰宅後に準備書面の起案予定でしたが、本日は事務所に残って起案をしていたため、帰宅後はそのまま就寝となっています。
弁護士2年目の若手弁護士のとある1日
8:00 出勤
もちろん、中には朝型の弁護士もいます。事務所にはまだ誰も来ていないうえに、電話が鳴ることもありません。静かな環境で執務ができるため、書面の起案は朝が良いそうです。
9:00 電話対応・書面の起案
その後、事務局や他の弁護士が出勤してくるまでは、電話対応・書面の起案に集中します。
10:00 事務所にて先輩弁護士と打ち合わせ
若手弁護士は、同じ事務所の先輩弁護士と共同受任をすることも多いため、定期的に事件の処理状況の報告・打ち合わせをします。
11:00 拘置所に接見へ
担当している刑事事件の被疑者から接見要望があったため、書面起案の時間を削り、早速接見へと向かいます。
12:30 事務所にて依頼者と打ち合わせ
この日は、破産事件の破産者審尋が入っていたため、その事前準備のために事務所にて依頼者と打ち合わせをします。昼食を食べている時間はありませんでした。
13:00 近所の裁判所で破産者審尋
打ち合わせが終了したら、そのまま近所の裁判所へと向かいます。
14:00 事務所にてボス弁護士の打ち合わせに同席
終わり次第すぐに事務所に戻り、ボス弁護士の打ち合わせに同席します。事前に判例の調査をまとめ、ボス弁護士が打ち合わせに臨みやすい環境づくりもしなければなりません。
16:00 電話対応・書面の起案
事務所を離れていた時間にあった電話に対応をします。来週に控えた裁判の準備書面の起案もしなければなりません。
17:00 弁護士会の委員会へ
この日は、所属している単位弁護士会にて委員会活動があったため、早めに仕事を切り上げ弁護士会へと向かいます。
19:00 先輩弁護士との付き合い
委員会活動が終わったあとは、先輩弁護士とのお付き合いもあります。決して強制参加ではありませんが、単位弁護士会や委員会によっては体育会系のノリがあったりもします。
24:30 帰宅・メールチェック
帰宅後は、就寝前にメールチェックをします。必要な返信があれば、もちろん返信をしてから就寝します。気付いた仕事は翌日に回さないというのも、効率よく仕事をこなすためには重要です。
25:00 就寝
この日は就寝が遅くなってしまいましたが、明日も早くから出勤予定になっています。
平日が休み・土日が仕事なんてことも
上記は、平日のスケジュールをご紹介しましたが、弁護士というのは基本的には自由業であるため、平日を休みにしてしまっても業務に支障さえなければ問題ありません。
その代わり、依頼者の都合によっては、土日が仕事になることもありますので、一長一短かもしれません。
また、サラリーマンのような時間拘束が少ないようにも見えますが、裁判期日はすべて決められた日時に行われるため、時間に追われている弁護士は多いのです。
さらに、依頼というのは定期的・自動的に入ってくるわけではありませんので、平行して営業努力もしなければ、食べていけるだけの仕事を得ることはできないのです。
弁護士に向いている人ってどんな人?
ここまで、弁護士のとある1日の流れを2パターン紹介しましたが、「なんて激務なスケジュールなんだ!」と印象を持たれた方もいるでしょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、弁護士のスケジュールは変則的なものです。外出が続く週もあれば事務作業が続くときもあります。
とはいえ、他人の人生を背負う重要な役割なので、弁護士に向いている人・向いていない人はいるでしょう。
弁護士に向いている人は、以下のような特徴があります。
- プレッシャーに強い強固な精神力
- 言葉の使い分けができる
- トラブルが生じても冷静でいられる
- マルチタスクが得意
- 単調な仕事でも粘り強く行える
弁護士は、困っている人のサポートをし、人権を守る仕事です。
上記の特徴があっても弁護士として成功しているとは一概には言い切れませんが、いずれにしても判断力や精神力の強さは求められるでしょう。
弁護士に向いている人の特徴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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おわりに
弁護士という職業の名前自体はよく知られていますが、実際にどのような1日を過ごしているのか見えないもの。今回は、その弁護士の1日のスケジュールを2パターン紹介しました。
「これから弁護士を目指したい!」「法律関係の仕事に興味がある!」そのような方も多いでしょう。
弁護士になるには、まず司法試験に合格する必要があります。試験合格率3%台と非常に難関ですが、これから弁護士への道を歩んでみたいという方の参考になれば幸いです。
弁護士の仕事を知るうえで、弁護士保険の制度も知っておくといいでしょう。保険が弁護士費用の負担をしてくれるので助かります。
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記事を振り返ってのQ&A
Q.弁護士は毎日どんな仕事をしていますか?
A.弁護士の仕事は多岐に渡りますが、大きく以下の4つに分類されます。
- 依頼者の相談に法律のアドバイスを行う
- 刑事事件の弁護をする
- 民事事件の代理人として相手方と交渉する
- 法律に関する資料や書類を作成する
Q.弁護士の1日はどのようなスケジュールが多いですか?
A.弁護士のスケジュールは変則的なので一概にはいえません。朝から晩まで事務作業の日もあれば外出が続いて帰宅が深夜になることもあります。精神力に加えて、体力も使う仕事です。
Q.弁護士に向いている人はどんな人ですか?
A.弁護士に向いている人は、以下のような特徴があります。
- プレッシャーに強い強固な精神力
- 言葉の使い分けができる
- トラブルが生じても冷静でいられる
- マルチタスクが得意
- 単調な仕事でも粘り強く行える