過去に比べると、現在の弁護士の数は圧倒的に増えてきています。
もともとは、法的なサービスをなかなか受けられない過疎地域への対応、時間ばかりかかる日本の裁判の効率化、といった目的を持って司法改革が行われ、司法試験の合格者を増加させてきました。
しかし、結果として弁護士が増えすぎてしまったため、弁護士業界は飽和状態になってしまったのです。
そのため、今まで仕事を得ることに苦労していなかった弁護士という職種が、経営に対する努力をしないことには食っていけないと言われる時代になりました。
もはや司法試験の合格は、人生のプラチナチケットではなくなってしまったのです。
弁護士の将来性について
では、『弁護士の将来は不安ばかりなのでしょうか?』と問われると、個人的にはそんなこともないと考えています。
これからの弁護士は、今までの閉鎖的で高額な報酬を取るといったマイナスイメージを撤廃し、より、一般の方に密着したスタイルを取っていく必要があるのではないでしょうか。
その先駆けとして、テレビコマーシャルといったメディアを利用した宣伝活動、魅力的でユニークな看板や、つり革広告などを利用した視覚的な宣伝活動といったものが目立ってくるようになったのだと思います。
放っておいても仕事がくる時代が終わったということは、これからは積極的な宣伝活動や営業努力が必要になってくるということです。
こうした努力は一般的な企業であれば当たり前のようにやっていることです。
今まで周りが当たり前のようにやっていたことが、弁護士に対しても求められるようになった、それだけなのです。
そのような意味では、弁護士業界もまだまだ伸び代が残されているのでは?と感じずにはいられません。
インターネットがあれば弁護士はいらない?
現在、インターネットの発達によって、誰でも簡単にさまざまな情報を引き出すことができるようになりました。
法律知識についても同様です。
少し調べれば自分の知りたかった法律問題の答えが見つかることも、当たり前になってきました。
弁護士ですら、インターネットを利用して問題解決のために知識を得ることがあるほどです。
この情報化社会によって、弁護士のような知識を売りにする職業は衰退するのでは?との予想がされているのです。
しかし、本当に正しい情報を見極める力というのは個々の能力によるところが強く、誰もができることではありません。
その分野に精通していない限り、何が正しい情報で何が間違った情報かを見極めることができないのです。
つまり、いくらインターネットが発達しようとも、誰もが情報を発信できる環境である限り、間違った情報を廃除することは難しいのです。
世の中はどんどん便利になっていますが、弁護士のような専門性を問われる職種に対する需要がなくなることはないのではないか、と個人的には感じています。
これから求められる弁護士の能力
これから求められる弁護士の能力としては、なんといってもコミュニケーションの能力であることは間違いありません。
より相談者に寄り添える弁護士でなければ、信頼を得ることはできません。
それに、上記のように、インターネットの発達によって悪い噂はあっという間に世界に発信される世の中になってしまいました。
1人1人の依頼者に誠実であり続けなければ、あっという間に悪徳弁護士と称されてしまうこともあるのです。
こうしたことからも相談者とのコミュニケーションは非常に重要と言えます。
次に求められるのは、やはり営業力なのではないでしょうか。
上記のような宣伝活動や営業努力を品がないと批判するベテラン弁護士も中にはいますが、これからはそのような考えは捨て去ったほうが良いのでは?と感じています。
ただでさえ、弁護士数の増加による顧客競争が激化しているというのに、なにもしないで仕事を得られるわけがないのです。
したがって、これから求められる弁護士とは、相談者とのコミュニケーションを重視し、仕事を得るための営業努力を怠らない弁護士ではないでしょうか。