「報酬は50万のはずだったのに、30万円に減額された…」
「無理な仕事を断ったら、仕事を回してもらえなくなった…」
社会にはフリーランスとして働く人が多くなりましたが、その反面でこのようなトラブルがとても多くなっています。
会社のサラリーマンの場合には、このようなトラブルに直面することはほとんどなく、あったとしても会社の法務部などが解決してしまうということが多いのではないでしょうか。
しかし、雇用関係を待たないフリーランスの場合、業務上のトラブルは自分自身で解決していかねばなりません。
ただ、業務に就きながらトラブルを解決していくことはとても難しく、実際には泣き寝入りしているようなケースがとても多いのです。
そのため、フリーランスが弁護士に相談するケースがとても多くなっています。
それでも本当に弁護士を利用するメリットがあるのか、また費用はどれくらいになるのか、気になることも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、フリーランスでも弁護士を顧問にすべきかどうか、また弁護士に相談するメリットなどについても詳しくお伝えしていきます。
フリーランスが直面する4つのトラブル
- 契約書トラブル
- 報酬の未払いや減額
- 取引先からの無理なリクエスト
- ハラスメント
フリーランスに多いトラブルを、上記の通り、4つのポイントにまとめてみました。
実際にこのようなトラブルにあった経験をお持ちの方は、意外にも多いのではないでしょうか。
よくあるトラブルではありますが、実はフリーランスがなかなか解決できない問題でもあるのです。
どのような内容なのか詳しくご紹介していきましょう。
契約書トラブル
「約束になかった業務を無料でお願いされたけど…」
「契約書を交わしたいといっても応じてもらえない…」
フリーランスが業務上で最も多いトラブルとして、「契約書トラブル」があります。
そもそもみなさんは、取引先と契約を結んでいるでしょうか。
常に口約束で業務を請け負っていることや報酬がはっきりしない状態でも業務を始めているということが少なくないのが現状です。
「いつもそうしているから」
「今さら契約書なんて水くさい」
という声も聞かれますが、いざトラブルになってからでは遅いのです。
例えばよくあるトラブルとして、発注された業務を納品した後に、取引先から成果物の出来が良くないとして、無理難題を突きつけられたり報酬を減額されたりというケースです。
あるいは、いつもなら約束した期日に支払いを受けるはずなのに、いつまでたっても支払いしてもらえないというケースも。
このようなことになった場合に、契約書があれば契約内容を証明することができますので、法的に処理しなければならないような場合でも有利に働きます。
しかし口約束だけの場合であれば、本当にその契約がなされていたのか証明することができませんので、個人で請け負っているフリーランスはとても不利になってしまうのです。
そのような関係性の格差に目をつけて、最初から契約書を交わす意思がないという悪質な依頼主も実は少なくありません。
悪く言ってしまえば「何かあれば難癖をつけてやろう」と、下請けに対して考えているような企業も存在するということです。
だからこそ、フリーランスは取引先としっかりと契約を結んでおかねばならないのです。
報酬の未払いや減額
「約束の期日に支払いがない…」
「報酬は50万のはずだったのに、30万円に減額された…」
実はこのような報酬の未払や減額を経験したことのあるフリーランスはとても多く、その割合は7割に達すると考えられています。
また、このような報酬の未払いや減額があった際に、ほぼ半分程度のフリーランスは、そのまま応じてしまっている現状があります。
つまり「泣き寝入り」です。
それは今後も業務を発注してほしいという弱みを握られていることや、訴訟などを起こす手間や時間を考えるとアクションを起こせないという理由もあるでしょう。
報酬の未払や減額をする発注者側としては、納品された成果物に不満がある場合や、何かしら状況の変化によって納品された製品が必要なくなってしまうことがあるかもしれません。
あるいは、そもそも満額で成果物を受け取るつもりは全くなく、最初から減額するつもりで発注していたという悪質なケースも存在します。
このようなトラブルが生じた場合には、契約内容を確認する必要がありますが、上記でもお伝えした通り、そもそも契約書を交わしていないというケースが少なくありません。
そのため、立場の弱いフリーランスは、取引先の言い分を100%聞かなければならないようなこともあるのではないでしょうか。
取引先からの無理なリクエスト
「追加の業務を無料で請けてほしいと…」
「すべてやり直しレベルの修正を依頼されたけど…」
業務を請けている中で、どんどん後から追加で注文されるようなことがないでしょうか。
納期が短く、無理して作業したものの、さらに追加や修正依頼が来てしまうこともあります。
途中で追加や修正を依頼されてしまうと、工程を大幅に変更しなければならないことも多いでしょう。最初からやり直しが必要になることも考えられます。
そのためにきちんと事前に打ち合わせをして、細かい内容を詰めたのでしょう。
それにも関わらず、このような依頼があると、その業務だけに振り回されてしまうことになります。
このようなことが続いてしまうと、いつまでたってもその業務のゴールにたどり着くことはできません。
本来であれば、業務は契約書内での対応になりますから、その契約の範囲内で追加や修正を行うことになります。
契約書内に記載されていないような場合には、新たに契約を結びなおす必要があるでしょう。
ただ、上記でもお伝えした通り、フリーランスは取引先と契約書を交わさずに業務を始めていることがとても多いので、このような業務上のトラブルが生じてしまうことになるのです。
ハラスメント
「暴言で罵倒された挙句、土下座させられた」
「飲めないお酒を無理に飲まされた」
2019年にはハラスメント防止法などが成立しましたが、フリーランスに対しての法規制ではありませんので、抑止に繋がっていない状況です。
そのため、フリーランスに対して何かしらハラスメントを受けた経験があるという人を調べてみると、実に半数以上にのぼることがわかっています。
女性のフリーランスの場合であれば、セクシャルハラスメントも多くの割合を占めていることがわかります。
しかし実際このようなハラスメントがあったからといって、フリーランスが解決することはなかなか高いハードルになってしまいます。
取引先との関係を継続することが難しくなりますので、今後の業務のことを考えるととても勇気のいる行動になるからです。
特にコロナ禍において経営状況が厳しい企業においては、新しい従業員を雇用するのではなく、フリーランスにアウトソーシングするケースが多くなっています。
「外注してやってる」といった優越的な関係が背景になっていることも多いので、予想以上にハラスメントが多いのは問題であると言えるでしょう。
フリーランスは顧問弁護士をつけた方がいい?
冒頭からもお伝えした通り、フリーランスには業務上において、さまざまなリスクがあります。
- 契約書トラブル
- 報酬の未払いや減額
- 取引先からの無理なリクエスト
- ハラスメント
このようなリスクから自分の身を守るためには、法律のプロである弁護士に依頼することが最も適切な方法であると言えるでしょう。
実際に業務を請け負っているフリーランスに確認してみると、トラブルの経験がある割合が7割に達しています。
もうもはや、他人ごとではないということはご理解いただけるのではないでしょうか。
このようなトラブルが生じてしまうと、そのトラブルを解決するために自分自身が行動しなければなりません。
個人であるフリーランスが、企業を相手にトラブルを解決することは、とても難しいことは想像できるでしょう。
また、業務に携わりながらトラブルの対処もしなければならないということは、時間的な負担も大きな問題になります。
さらに言えば、フリーランスが訴えられてしまうというリスクもあります。
企業に在籍している場合であれば、何かしら契約上のことや労務上でトラブルがあったとしても、個人にその影響及ぶということはありません。
大企業であれば法務関係を扱う部門が対処することになりますし、企業と契約している顧問弁護士が引き受けることになるでしょう。
フリーランスが訴えられてしまった場合、すべて個人が対処しなければならないことになり、仮に敗訴したような場合には個人の財産が差し押さえられてしまうようなこともあります。
そのようなことから、顧問弁護士をつけるフリーランスがとても増えています。
顧問弁護士と言うと、大企業だけが利用する敷居の高いイメージがあるかもしれません。
しかし安価な月額費用で利用することができますし、気軽に法律相談や契約上の相談をすることが可能になります。
もし今までに何かしらトラブルを経験したことがあるというフリーランスであれば、今一度、顧問弁護士の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
弁護士に相談するメリットのご紹介
- トラブルを未然に防げる
- 契約書のチェックや作成を依頼できる
- 労務トラブルや不当なクレームに対応してもらえる
- 訴訟にいち早く対処できる
フリーランスが弁護士に相談するメリットとして、このようなことが挙げられます。
弁護士を利用するのは何かしらトラブルが生じてからのようなイメージがあるかもしれませんが、気になることを相談できる体制を持っておけば未然に防ぐことも可能です。
事前に相談しておくことによって、もしそれがトラブルに発展した場合においても、いち早く対処することができるでしょう。
また、個人の名刺やWEBサイト、パンフレットなどに顧問弁護士を記載しておけば、取引先も注意して契約を進めてくるのではないでしょうか。
もちろん、業務上で契約を結ぶ場合においても、フリーランスが不利になることがないように内容のチェックをしてもらうことも可能です。
適切な契約ができるように契約書の作成を依頼することもできます。
それでも、労務トラブルが生じることや、顧客やお客様から不当なクレームを受けてしまうようなことがあるかもしれません。
そのような場合でも、弁護士にいち早く相談すれば、法的な側面からトラブルを解決に導いてもらうことが可能になり、自分自身は業務に集中することができます。
フリーランス個人の場合では、このような対応は非常に困難になるでしょう。
また仮に、訴訟が必要となった場合であっても、弁護士に相談しておけば、それらに対する対処もできますから安心です。
このように考えてみると、トラブルを未然に防止し、発生したトラブルを最小で抑えるためには弁護士の力を活用するほかないと言えるのではないでしょうか。
弁護士に相談するのは費用負担が大きい?
冒頭から、フリーランスが弁護士を利用する必要性について述べてきましたが、必要性は感じるものの費用が気になるという方は多いのではないでしょうか。
仮に、労務上のトラブルなどによって弁護士に相談して対処してもらうような場合には、やはり高額な費用が必要になるケースが少なくありません。
弁護士の費用負担はどのように考えるべきなのでしょうか。
一般的な顧問弁護士にかかる費用
ただ、ほとんどの弁護士事務所は顧問弁護士サービスを用意しており、フリーランスに向けて安価な費用で提供されています。
日弁連の調査によりますと、顧問弁護士の費用は弁護士事務所によっても異なりますが、1万円~10万円程度でサービスが提供されています。
その中でも特に多い価格帯が、「3万円~5万円」であることがわかっています。
個人で業務を請け負っているようなフリーランスに対しては、相談時間や相談件数に制限を設けて、さらに安価なサービスを提供している弁護士事務所も数多く存在します。
顧問弁護士を契約しておけば、日常的な法律相談をすることができ、法的な側面からアドバイスを受けることも可能です。
また、トラブルの際にはいち早く対処してもらうことができますし、訴訟が必要となるような場合にも対応してもらうことが可能です。
弁護士費用保険の活用
顧問弁護士を利用することは、安心して業務に取り組むことができるようになりますが、それでもコスト面に不安を感じるという方も多いのではないでしょうか。
月々の顧問弁護士費用では、法律相談やアドバイスを受けることが可能ですが、訴訟やトラブルへの対処が必要となる場合には、追加費用が必要になることがほとんどです。
弁護士を気軽に利用したい、できるだけ費用を抑えたいということであれば、「弁護士費用保険」を活用すると良いでしょう。
月額保険料は7,000円からとなっており、日常的に生じる法律に関する相談ができ、トラブルの解決や訴訟の対応も可能となっています。
法律相談に関しては保険料内において可能となっており、訴訟やトラブルの解決に必要な対応を、かなり安価に利用することができるのです。
例えば、1000万円の損害賠償請求が必要な場合には、一般的には弁護士の着手金や相談料として約60万円程度必要だと言われますが、弁護士費用保険「事業者のミカタ」を活用する場合には着手金が177,000円、相談料は無料となっています。
つまり、顧問弁護士を契約するより安い費用で弁護士に相談できる体制を持っておくことができるのです。
弁護士費用保険をうまく活用することをおすすめします。
まとめ
フリーランスの顧問弁護士の利用、弁護士に相談するメリットについてご紹介しました。
フリーランスは個人で業務を請け負っている弱い立場でありますから、企業から依頼を受ける際にさまざまなトラブルが生じています。
トラブルが生じた際には全てフリーランス個人が対応しなければなりません。仮に訴訟が必要となった場合には、個人の財産にも影響を及ぼすことが珍しいことではありません。
そのような状況の中で、弁護士をうまく活用するフリーランスが多くなってきました。
弁護士には相談したいけれどもコストが気になるというフリーランスであれば、弁護士費用保険をうまく活用するといいでしょう。
保険料は1日わずか155円~となっていますので、顧問弁護士よりもリーズナブルな費用となっています。
日本全国の弁護士を利用することができ、いつもで直通ダイヤルで初期相談することができますので、安心して利用することができるのではないでしょうか。
弁護士費用保険「事業者のミカタ」、ぜひ加入を検討してみてください。
【おまけ】個人事業主の弁護士保険が販売されています
個人事業主向けの弁護士費用保険として、ミカタ少額短期保険(旧社名:プリベント少額短期保険)より「事業者のミカタ」(個人事業主・フリーランスの方の詳細はこちら、法人の方の詳細はこちら)、エール少額短期保険より「コモンBiz+」(詳細はこちら)が販売されておりますのでご参照下さい。
「弁護士費用保険の教科書」編集部

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